No.488208

ゼロの使い魔 気ままに生きる転生者 6

竹取童子さん

べろべろやん・・・どうすんねんこれ・・・

2012-09-24 23:06:49 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4972   閲覧ユーザー数:4852

 

――当日 決闘前 12刻半――

 

さすがに決闘はマズかったか・・・否、そんなことは如何でも良い、吐いた唾は戻せぬが故に

ならばやるべき事は一つ―――

決闘の場で美々しく舞い、勝利を収める事、ただそれだけの事

錬金で、尚且つ刃を潰している上、原典に比べるまでもなく劣っているが、この衣装に「この剣」は欠かせぬ

固定化を掛けて・・・杖は、剣の柄にでも仕込んでおくか・・・

――体に不備は無し・・・よし、準備は出来た、あとは向かうのみ・・・っ!

「・・・アンナ、余を止めにきた・・・と言うわけでは無いようだな」

実力行使でとめに来たなら、「全力」を出さざるを得なくなるところだった・・・

「奥方様へは報告させていただきました、見届け人を務めてくださるそうです・・・それとも、止めて欲しいかったのですか?」

・・・確かに、母上とアンナならば止める事は簡単だろう、しかし、それでは解決にはならない。

それでは、問題を先送りにしているにすぎない―――故に母上とアンナは余と姉上を止める事はしない。

「・・・否、余はそれを望んでおらぬ、余はただ、美しいものを美しいと言い、愛でていたいだけだ」

世間一般的な目で見て、恥ずかしい、卑猥なものと断じられようと、美しいものは美しい

そういったものを愛しく感じてはいけない道理など無い、そういったものを愛でてはいけないと誰が決めた

ああ、確かに余はそういった側面では、世間一般からみて異端となるであろう

姉上はそれを見抜き、余に常識を説き、一般的という枠に収めようとしたのだろう

「姉上の言い分が全て間違っているとは言わん、ただ、余に対しての正解ではなかったにすぎん」

そして、言葉を選び損ね、余の逆鱗にふれてしまっただけにすぎない

「価値観の違いが争いを生む・・・余と姉上に関しても、その例に漏れず、決闘と言う形で決着をつける事となった」

体力面では姉上が圧倒的に有利、能力面、技術面では余が圧倒的に有利

言葉にすれば五分五分だが、実際のところは余が100勝つうちに姉上が1回勝てるかどうかと言うところ

「案ずるな、打ち倒すことに全力で掛かるのではない、魅せる事に全力を出そう」

「・・・・・・畏まりました」

 

―――さて、キリの良いところで訓練場の入口に到着

 

「これはこれは、豪華な観客だな、これでこそ、余の魅力が栄えるというもの!」

どうやら父上と母上が手を回したらしい。

父上、母上、アンナは勿論のこと、ルイズ姉さま、カトレア姉さま

ヴァリエールの家臣団のほかにも、余の見覚えの無い貴族達が大勢居た。

魔法学院の生徒・・・ふむ、姉上の友人か、取り巻きか、大穴で恋人が紛れ込んでいるのか・・・

む?余の「知識」の中に似たような人物の面影が・・・ああ、グラモン家の誰かか

その隣には、年の頃が余と同じくらいの少年・・・恐らくはギーシュ・ド・グラモンか

 

・・・気を入れ替えよう―――これより先は決闘である―――

 

「時間はまだ有るが、待たせたな と言うべきか?姉上」

目の前には、トリステイン魔法学院の制服を身に纏い、未だ不機嫌な表情の姉上

余の衣装と、余が地面に突き立てた、余の鎖骨辺りまである大剣(今の余からすれば)を視界に入れた瞬間

姉上の表情が、不機嫌から鬼のような形相へと変化する。

「・・・ネロ、貴女、ふざけているのかしら・・・?」

そういえば、心底如何でも良いのだが、武器を持つのは貴族の恥・・・などと言われていたか

「これは杖剣のようなものと思っておけば良い、そして、余はいたって真剣だ」

余の言葉を聞き、姉上はあからさまに呆れ、大きなため息を吐いた

「敗北条件は、杖を落とすか、気絶するか、負けを認めるか、母上に敗北宣言を告げられた時、この四つで構わぬか?」

鉄則の掟なんてものを作った母上が、どちらかに加担するなんて事は有り得ない

故に母上は最後の安全装置のような役割をしてくれると踏んだ

「ええ、構わないわ、そろそろ始めましょう?」

エレオノール姉さまが五月蝿くないのは、怒りが一周回って冷静にキレているからだろう。

冷静な判断が出切る故にルールの設定にチャチャを入れたりしないし

エレオノール姉さま自信も、母上の介入意義理解したからこそ、このルールを認めたのだ

 

―――ならば―――

 

「では、両者の準備が整ったようですので、見届け人 カリーヌ・デジレ・ド・マイヤールが見極めをさせていただきます」

―――後は―――

「両者、所定の位置へ」

―――全力で―――

「―――初めッ!!」

―――舞い踊る(戦い抜く)のみ!―――

 

 

 


 
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