ある時、気が付いたら・・・俺はヴァリエール家の屋敷に居た・・・
・・・そういえば、まだ名乗っていなかったな
―――ラ・ヴァリエール家が第四女
ネロ・カエサル・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
男のような名前だが、れっきとした女として生を受けた・・・
・・・このノリも飽きたな
ある日気が付けば~などと吹いているが、0歳から確りと意識はあった
証拠に、喋り始めてすぐの頃は「俺」なんて言ってはいたが、母上と乳母に矯正されてしもうた
そのときの母上とアンナが怖くて怖くて、もらしてしまったのは秘密にしておこう
あ、アンナと言うのは、余の乳母の名前だぞ、外見年齢は17前後なのだが、3年経った今でも変わらず17歳前後なのは・・・
ともかく、今更「私」だの「アタシ」だの、気恥ずかしくて言ってられん、故に自分を示す時は「余」と、言っている。
なぜかは知らんが、この呼び方は余にすごく馴染む
今3歳なのだがな・・・む、生まれてから今まで何をしていたか?
乳母の乳を飲んで眠ってゴロゴロして、1歳になる頃には這い這いや掴まり立ちを練習して
2歳でよたよたと歩けるようになった故に、乳母の後を追い回して甘えたおし
現在ではしっかりと歩けるようになり、行動範囲が広がったものの、姉上達や使用人たちに見つかっては
部屋へ強制送還される毎日をおくって本を読んだり積み木をしたりして遊んでいたのだが・・・
・・・いい加減、現実をみるとしよう―――まあ、なんだ、乳母が韻竜だったでござる
とは言え、別段何をする、なんてことは無いのだが、強いてすることを上げるとすれば、ひたすら甘えまくるということか
甘えるという行為は、幼い今でしか出来ない故に、全力で甘えるとしよう。
そういえば、余の一つ上の姉上 ルイズ と言うのだが、今日から魔法の練習をするらしい
姉上の初めての魔法を見ようと言うことで、二番目の姉上、カトレア姉さまと、乳母のアンナと一緒に訓練場に来てい―――
<っど~ん!ヒュン!
「ぴっ!?」
あ、ありのまま起こった事を話すぞ!
余の「知っている」通りなら魔法は正しく発動せず爆発するだろうと、爆音に備えていた
ルイズ姉さまが杖を振り下ろしたと思ったら
余の左約6メイル程で爆発が発生し、衝撃で飛んできた石くれが目のすぐ前を高速で通過していった・・・
何を言っているのか解らぬと思うが、世も解らぬ・・・
ルイズ姉さまの杖が指している方向と真逆だとか、ボマーだとか、そんなチャチなレベルじゃあ断じてない
もっと恐ろしい、虚無的なものの片鱗を味わったぞ・・・
・・・まあ、ともかく
「るいずねーさま の まほー は ばくはつ するのだな よは おぼえたぞ びっくりなど していないぞ・・・ぞ!」
「・・・ネロお嬢様、お召し物をお着替えに、一旦お部屋へ戻りましょう」
・・・えっ
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実は見切り発車だったりする