1:一話目から覚醒フラグとかあったり無かったりする
side 主人公
こんにちは皆さん。
転生者ことシオン・インサラウムです。
お気づきと思いますが苗字がどっかの尽きぬ水瓶と同じになってます。
ちなみに名前は前世のままで、漢字で紫苑って書きます。
何で名前がカタカナになっててしかも苗字が軽く厨二臭くなってるかって言うと。
ベルカ王族とかいうお偉いさんの血縁者兼臣下になっちゃったからです。ナンテコッタイ/(^o^)
あのさぁ神様…確かに生活には困らないって言ってたけど限度弁えようよ。
周りの人に無駄に堅苦しい仕草強要されてたまったもんじゃないよ。
しかも転生特典は要らないって言ったのに、顔がス○ロボZ再世編のユーサー・インサラウムとそっくりだし……髪の色は黒だけど。
それに生まれ持った魔力とやらが桁外れらしく、試しに軽く訓練させられたら末代の神童だとか騒がれた。
……本当に何ぞこれ?神様本当に特典つけなかったの?
このまま宝剣コールブランドとか手に入ったりしないよね?惑星一つ覆い尽くすようなエネルギーぶちまけるような環境破壊兵器なんて要らないよ!( ̄◇ ̄;)
まぁ流石にそんなことは無いだろうけど。
そんなことをたまに思う様になった7歳の今現在……
「どうした腰が入っとらんぞシオン!そんな事では戦場では生き残れんぞ!」
ただいま盛大に殺されかけている最中だった。
目の前に立つ壮年の男性、俺の父親ことジェラウド・インサラウムが容赦無い袈裟斬りを繰り出す。
使ってるのは抜き身の剣だ。しかも刃潰しもしてない実戦仕様だから当たれば普通に切れる。
だが、それでも所詮は一般兵向けの大量生産品だ。
なのにこの人が振り回すと明らかに電柱でも振り回してるんじゃないかって思う程に図太い音を立てる。
多分掠っただけでも手足の一本や二本は持っていかれるだろうという洒落になってない威力の剣戟を、俺は親父が持っている物と同じ種類の剣で受け流して行く。
そのままガードするなんて命知らずな真似はしない。
確かにチートスペックな肉体のおかげでこの歳で前世と同等、またはそれ以上の身体能力を誇る現在7歳の俺だけど、それでもこの人には到底届かない。
名前を聞いた時からまさかとは思ってたけどやっぱりこの人滅茶苦茶強い。強過ぎる。
流石は原作ではあの惑星規模の統一国家の軍でトップ張ってただけの事はある。
だけど生身でもこんなに強いのか?明らかに基本的な身体能力が異常だぜ?
ロボットが無い分こっちの方に補正が入ったって事なのか?
何て疑問に思ってたら親父が直剣を突き出してくる。
子供にしては大概な動体視力をもってしても何とか捉えられるレベルのライフルみたいな刺突。
これでも相当手加減してるって言うんだから嫌になる。本気だしたら一体どうなんだろ?
……やめよう。想像もつかない。想像したくもない。
内心冷汗かきながら剣の腹で突きの軌道を右上にずらす。
まともに受けたらこっちの剣が間違いなく叩き折られることは疑い用が無い。
剣の強度は同じでも、振ってる人の練度が桁違いなのだ。振るう力、足捌き、剣筋の正確性、どれをとってもこの人は間違いなく俺の中では最強だ。
まぁ他にも化物みたいな知り合いは何人かいるけどこの人はその中でもぶっちぎりのトップである。
こうして受け流せているのもかなり手加減してくれているからだ。
だからこそ腹が立つ。
父の余裕、自分の未熟。理由は他にも多々あれど、このまま加減されっぱなしでへばるまでいたぶられるのは癪に障る。
だから無謀を理解した上で俺は仕掛けた。
右から迫る一文字切りを体勢を限界まで低くして回避する。
頭のすぐ上を通過して行った剣が髪の先を少しだけ掠める。
「うりゃああぁぁぁぁ!!」
ほぼ前のめりに倒れた様な状態から一気に地面を蹴って加速する。狙うは剣を振るったことで無防備になった親父の右脇腹。
とは言え、ただ真っ直ぐ進む事だけに特化した動きをしている為に剣を振る余裕なんて無い。
故にこのままの勢いで頭から突っ込むのだ。
あまりの緊張感からだろうか?一瞬周りの視界がスローモーションになった。
これがアドレナリンだかが分泌された事で起きる現象って奴か?
そんな悠長なことを考えている内にも俺は親父に接近して行く。
そして俺のヘッドダイブが炸裂する寸前に、俺は突然の浮遊間に襲われ意識を失った。
side out
side ジェラウド
今日もいつものように息子に稽古をつけていた。
基礎力強化や一通りの型を教えた後、実戦方式の訓練で剣捌きや足運びを見て行く。
シオンは強い。この歳では異常な程に。それこそ大の平均男性すらも凌ぐ程に。
その強さの根源は恐らく生まれ持った圧倒的な魔力量と無意識下に於ける魔力制御能力が関係していると見て間違いない。
身体を動かすに当たって、こちらの動きに着いて来ようとする内に意図せず己の身体に魔力による強化を施しているのだろう。
元来魔力による身体強化術は相応の修練と熟練が求められる所業の筈が、シオンはそれを荒削りではあるもののほぼ自動的に行っている。
それに加えて純粋な剣の腕も中々のもので、先程から加減を加えているとはいえこちらの攻撃を次々に捌いている。
しかし、20合程剣を交えた所でシオンの息が上がり出した。
シオンは確かに魔力によるブーストで常人以上の身体能力を叩き出せるが、それを無自覚の内に使用し続けているせいで体力の消耗が早いのだ。
それに関わらず、こちらの攻撃を掠めもせずに捌き続けて一歩も引かぬのだから大した根性である。
シオンは荒事を好まぬ温厚な性格をしているが、勝負事には基本負けず嫌いだ。
叶わぬと分かっていてもせめて一矢報いてやろうと闘志に満ちた目でこちらを睨みつけている。
その姿勢が頼もしい一方で危うくもある。とは言え、これ以上無理をさせては身体に障るであろう。
ここいらで決着をつけるべく少し力を込めた一振りを放つ。
流石にこれだけの力を受け流す事は出来まい。
私はこちらの一撃を受けて弾き飛ばされる息子の姿を思い浮かべた。
あまりの威力に驚いたあと仰向けに倒れた状態から上体だけ起こしていつものように「少しは手加減しろ」などという具合に毒づいて来るのだろう。
その光景が現実のものとなる寸前に
シオンの姿が私の意識の中から消えた。
何が起きた?そんな当たり前の疑問を思い浮かべる前に私は左手を前に突き出していた。
ほぼ同時に掌に走る痺れ、それを逃がす事も含めて腕を大きく頭上に振るう。
同時に私の掌にあったサラサラとした感覚が消え、一拍置いて背後から砂袋が地面に激突するような鈍い音がした。
振り返ると、そこには仰向きで横たわったままピクリとも動かないシオンの姿がある。
不意に左手に視線を落とす。まだ痺れが残っていた。
恐らくシオンの頭突きが原因だろうが、明らかに威力がおかしかった。
確かにシオンの身体能力なら人一人を卒倒させるだけの威力を出す事は出来るだろうが、今のはまるで砲弾でも受け止めた様な衝撃だった。
そしてあの動き。私の意識から飛び出していつのまにか懐に飛び込まれていた。
あの反射があと少しでも遅れていたら肋の数本は持っていかれていたかもしれない。
シオンの強化術は先程も述べた通りだが、これはあからさまにおかしい。
何もかも出し尽くして寝息を掻き始めた息子を肩に担ぎながら、私は修練場を後にした。
あとがき
はい。書き直し始まりました。
前のはいっぱい詰め込みすぎて中身スカスカだったから少しは改善出来ると良いな~。
まぁ何はともあれこれならも頑張ってくんで応援よろしくお願いします!
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