No.485247

超次元ゲイムネプテューヌ 魔法を司るもの

ユキさん

協会での申請を終えたソウジはクエストを受けることにした。
そこでダンジョンで再びネプテューヌ達と出会うソウジ。
ソウジはネプテューヌ達と共闘して気持ちのワルいモンスターを倒すことに成功する。
そして、ネプテューヌ達に魔の手が迫る!

2012-09-17 18:10:34 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:806   閲覧ユーザー数:779

第3話 魔女VS我がパーティー

 

 

 

協会を後にした俺は他の大陸が接近してくる間、暇なのでついでにクエストでも受けよ、

と思って協会に再び戻り適当なミッションを選び早速ダンジョンに向かった。

しかし、ダンジョンに辿り着いてみれば、そこにはネプテューヌさん御一行がいらした。

いらした、じゃないな。

俺がモンスターと戦ってる最中に登場したというべきか。

ほんでもって一人では面倒なので協力を仰いでみたところ、

いつの間にかネプテューヌさんのパーティーに組み込まれてしまった。

コンパさんとアイエフさんは普通に受け入れてくれたので、こうしてすんなり入れてしまった。

対するネプテューヌさんは大喜びで「ちまちま君はわたしと一緒に前衛だよ!」と、

勝手にフォーメーションまで決められてしまった。

で、そんなパーティーでダンジョン内を移動していると

アイエフさんが急に立ち止まり、みんなに一言。

 

「新顔の私が、あまりこんなコト言いたくないけど。.....さっさと他の大陸渡れよ」

 

「確かに...一理あるかも」

 

俺の納得にアイエフさんが「そうでしょう」と頷いてくる。

だがしかし、パーティーのリーダーであるネプテューヌさんはそうはいかない。

 

「でもでもっ!モンスターが出たんだからしょうがないじゃん!

 避けては通れないよ?この道は!!」

 

「そうです!鍵集めも大切ですけど、 

 目の前で困っている人には代えられないです。急がば回れって言うです!」

 

こんぱさんがネプテューヌさん側に回ったことでこちらに勝ち目が

一気になくなったので俺とアイエフさんは渋々頷いてダンジョンの奥地を目指すのであった。

たびたび出てくる邪鬼などに苦戦をしつつも、俺たちはやっとのおもいで

奥地にたたずむこの前と同様のきもいモンスター:サンドウォームに出会った。

 

『魔法兵器!セット・レディ!!」

 

呼び出したガンソードによる銃撃で先制攻撃を行う。

その隙に全員が配置につきネプテューヌさんが

追撃といわんばかりに木刀の連撃でサンドウォームを殴りつける。

アイエフさんも自慢のカタールを服の袖から素早く出し、

ネプテューヌさんと入れ替わるようにサンドウォームへと斬撃を繰り出す。

アイエフさんが下がるとぼろぼろに痛めつけられたサンドウォームに

止めといわんばかりのコンパさんの注射による銃撃が襲う。

そして、呆気なく終了した。

 

「やっぱり楽だな」

 

「まぁ一人増えたことで戦略の幅は大きく広がるしね」

 

アイエフさんもそれに同意してくれる。

そして、クエストの内容も果たしたのでネプテューヌさんを先頭に一行が

出口に向かって歩き出したところでどこからとも無く不気味な声が聞こえた。

 

「ハーハッハッハッハッハー!!!....見つけたぞネプテューヌ!

 まさか本当に下界に降りていたとはなッ!!」

 

「誰!?この時代遅れの笑い声は.....?」

 

突っ込むところそこであってるんでしょうか?

うん、けど確かに時代遅れだなぁ~

ネプテューヌさんの言葉に同意してると

 

「時代遅れは余計だ!....だが、人をおちょくる意地の悪さも相変わらずだな?」

 

すると奥地から魔女みたいな変なおばさんが出てきた。

俺たちは話しについていけないので頭に疑問符を浮かべてぽけーっとしていた

 

「これなら何の躊躇いもなく.....潰せるッ!!覚悟しろ!!!!」

 

と、言いおばさんは手に持っていた先が四枚ぐらいの光る刃で出来た槍っぽい、杖かな?

とにかくそれらしい武器を構えてこちらに突っ込んできた。

 

「そっちがその気なら、わたしだって本気出しちゃうよ!」

 

「変身!」

 

ネプテューヌさんがそう叫ぶと、彼女の周りが一瞬直視できないくらいに光り、

それが収まると....まったく別の女の子がそこにはいた。

木刀は立派な紫色の刀型になっているし、よく分からない機械的な何かを周りに浮かべている。

短いショートヘアーは長い編んだ髪となっており、

体系も俺の肩より少し小さい背は俺の首ぐらいのところまである。

貧乳だった胸は巨乳に成長しており、何といってもそのプロポーションが神がかっていた。

完全に見蕩れていた俺におばさんの鋭い回し蹴りが腹部に直撃する。

 

「ぐっ!?」

 

「ふん!」

 

さらに脚に力を込められ俺は軽々と蹴っ飛ばされダンジョンの固い壁に背中をぶつけた。

 

「ごふっ!」

 

息が一瞬だけ出来なくなり、

目の前が真っ白になるが無理やり肺に酸素を送り込み、すぐに起き上がる。

目の前で繰り広げられる戦闘。

 

「遅いわ!」

 

ネプテューヌの素早い剣閃がおばさんの腕を掠め、若干の血飛沫が上がる。

おばさんはそれに苦痛の顔も浮かべず、

開いている片手に白い光を宿しネプテューヌさんに振りかざそうとしたところで

 

「ねぷ子!」

 

アイエフさんの精密な射撃が光を宿す片手に命中する。

さすがのおばさんもこれは効いたのか、苦しそうな顔をすると一旦距離を置く。

そこにすかさずコンパさんが大火力の銃撃をぶっ放す。

おばさんは空に飛び、それを避けると武器を大きく掲げ目が眩むほどの光を刃の先端に集めていく。

 

「調子にのるなッ!!!」

 

おばさんが武器を振り下ろした瞬間、俺達に何本もの光柱が落ちてきた。

その瞬間、俺は思った。

ここで死ぬのか?みんなが―――妹が帰りを待っているというのに?

そんな逡巡をしていると頭の中に一つの映像が浮かび上がった。

それは自分が一度だけ過去に似たような状況に陥り力を使ったときの映像だった。

俺はあの時―――妹を守りたいと思った。

そうだ、俺の力が発動するのは感情が高ぶるとき―――俺はみんなを守りたい!!

 

目の前に迫っていた光柱をぎりぎりで回避し、動けないでいたアイエフさんとコンパさんの身体を突き飛ばし、何とか回避させることに成功した。

さらにダッシュしてネプテューヌさんに迫る光柱を彼女の前に立ち俺は本能的に右手を空から飛来する光柱━━━━天上へと突き出した。

すると、その動きに反応するかのように前方に青き魔法陣が輝かしい光を放ちながら展開した。

光柱はその魔法陣に触れた瞬間、激しい魔力の拮抗を始めた。

 

「うおおおおおおおおぉぉッ!!」

 

自分の奥底に眠っているであろう魔力を限界まで搾り出すと、魔法陣はさらに輝かしい光を放ち━━━━ついに光柱を消滅(?)させた。

 

「なにッ!?」

 

おばさんが驚きの声を上げているうちに

いつのまにやら接近していたネプテューヌさんの強靭な刃が彼女の腹部を捕らえた。

 

「余所見はしないほうがいいわよ」

 

ネプテューヌさんの一撃が見事にヒットしたのか

空に浮いていたおばさんは腹部を押さえながら地面に降り立つ。

 

「クソッ!!大して強くもないクセに、なぜ!?そうか。プラネテューヌだからか....!」

 

「プラネテューヌはお前のフィールドだったなネプテューヌ.....だが次はない、覚えておけ!」

 

それだけ言うとおばさんは傷ついた腹部を気にすることなくその場から去っていくのだった。

俺は終始ぼーっとしてたところをネプテューヌさんが近づいてきたことで意識を何とか引き戻す。

 

「助かったわ。そしてこれからもよろしくね、ソウジ」

 

そう言いながらネプテューヌさんが手を差し出してくる。

 

「ああ、こちらこそよろしく頼むよ。ネプテューヌ」

 

俺は思い切って呼び捨てにし、ネプテューヌの手を握る。

すると、自分から差し伸べてきたはずのネプテューヌが

なぜか頬をほんのりと赤らめ握っている俺の手を見て

 

「これが男の子の手....」

 

さらに開いてるもう片方の手を使い俺の手を両手で包み込むようにしてきた。

 

その表情+動作に俺は心臓が飛び出そうになり、心音がやたら大きく頭に響き始める。

な、なんだ!妹と手を繋いでる時はこんな風にはならなかったぞ!!

手を離すタイミングを見失った俺たちは

ぎこちない動きでお互いの手を離し、終始お互い見詰め合っていた。

 

 

 

 

数分後

お怒りモードになったアイエフさんが不満の声を漏らす。

 

「.....一体なんなの、あの人。

 突然わめいて、突然襲ってきて....いくらなんでもストレスの溜めすぎじゃない!?」

 

変身を解いたネプテューヌが困った顔でこう告げる。

 

「わたしなんて、名前まで知られてるんだよ!

 ねぷ~....ああいうタイプのファンはさすがのわたしも遠慮したいよ」

 

コンパさんはやる気に満ち溢れた目で言った。

 

「また来たら、みんなで返り討ちにするですぅ」

 

俺はそれを見て安心した。

皆無事だったのだ。俺が守ることが出来たのだ。

しかし、同時に不安が沸き立つ。

俺が展開した謎の魔法陣。

今までは絶対的な魔力を振りかざすことしかやっていなかったので

今回のケースはやはり、驚きを隠せなかった。

 

「俺って....人間なんだよな?」

 

先程の握った手の温もり思い出しながら誰にも聞こえないくらい小さい声でそう呟いた。


 
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