分身Side
どうもハヤテの影分身だ
今はタバサを見張っている
場所は、学院の使い魔小屋だ
理由は『そういえばそろそろタバサ任務じゃね?』と本体が思ったためだ
実際今朝、タバサの部屋に梟が一羽飛んできたしね
あ、そうそう気付いてる人もいるかもしれないけど、前回最後の???ってのは、俺です
いやだって間違ってはいないでしょ?
タバサお姫様だし、見張りって見方を変えれば護衛じゃん?
おっと、そんなことしてるうちにタバサが行っちゃうな
「タバサ?こんなとこで何やってるの?」
「………シルフィとお散歩」
いや任務でしょ?
…カマかけてみるか
「タバサ。君は気付いてないかもしれないけど、嘘を吐くとき眼鏡を直すんだ」
「ッ!?」
もちろん嘘だ。だけどタバサはそうは思わなかったようで眼鏡を確認した後、ため息を吐いてた
「……嘘つき」
「でも先に嘘吐いたのはタバサでしょ。どこ行くの?」
タバサは観念した様子で口を開く
「……任務」
「任務…ねぇ。何の任務か分からないけど俺もついてっていい?」
「…ダメ。危ない」
危ない、か
「それはこっちの台詞だよ。俺の力は知ってるだろ?それに危ないんだったらなおさらだ」
「…どうして?」
「どうして、とは?」
「どうしてあなたは私に構うの?私とは殆ど関係はないのに」
『どうして構うの』か…
「う~ん。君を放っておけなかったからかな?タバサの目には、復讐と悲しみしか映ってない気がするんだ」
「ッ!」
これは原作知識だ。だけど、実際タバサの目は死に掛けている
まるでサスケくんみたいな、暗い炎が…
「…分かった。あなたを連れて行く」
「ありがとう。タバサ」
「だけど、あなたは私が雇った傭兵ということにする」
「ふむ、分かったよ。あと顔を隠すのってダメかな?あまり顔は知られたくないんだ」
「別に良いと思う」
「じゃあ、この仮面で顔を隠すね」
そう言って俺が出したのは木の葉の暗部の仮面だ
ちなみにモチーフは狐です
「…あと一つ」
「うん?」
「あなたはルイズの使い魔。あなたがいなかったらルイズは心配する」
なんだそのことか
「大丈夫。俺は影分身だから」
「影分身?それはこの間使った偏在のようなもの?」
タバサは首をかしげながら聞いてきた
「そうだよ」
「だったらいい。じゃあシルフィに乗って」
そういわれたので、シルフィの背中に乗った
「きゅいきゅ~い!お姉さまにお仲間が出来たのね!きゅいきゅい!」
俺が乗って、いきなりしゃべったシルフィにタバサの杖の一撃がはいった
「……しゃべっちゃダメといったはず」
「うきゅい…。お姉さまゴメンナサイなのね…」
シルフィが落ち込んでるのって、なんか新鮮だな…
いっつも元気だし
「え~っと…シルフィしゃべれたんだ?」
「……違う。ガーゴイル」
「いやその言い訳は無理があるからね?」
「…………」
タバサは何か考えている
「そんなに言い訳を考えなくても、俺は誰かに言うつもりはないよ?シルフィがいなくなったり、実験されたりするのはいやだしね」
「きゅいきゅ~い♪ハヤテありがとうなのね~♪」
「…だからといってしゃべっていいわけじゃない」
再び杖の一撃が入った
「…王都に入ったら、シルフィは絶対にしゃべっちゃダメ」
「きゅい~。何でしゃべっちゃダメなのね~?」
「…この間も言った筈。私たちは韻竜が滅んだと思っているから」
「まあ、しゃべる竜なんて出たら大騒ぎだろうしね」
★
そんなことを話している間にガリア王都のプチ・トロワに着いた
「お帰りなさいませ。シャルロット様」
どうやらこの衛士はオルレアン派みたいだな
そう言った衛士をもう一人の衛士がたしなめる
こっちはジョゼフ派…いや現王家に従ってるのか
「ん?お前は何者だ!」
現王家派のほうが俺に気付き、槍を構えた
「私は、ミス・タバサに雇われた傭兵ですよ」
「傭兵!?…まあいいだろう。姫殿下がお待ちだ。七号」
衛士がそう言った後王女(イザべラ)の部屋の前のガーゴイルが交差させた杖を解除する
部屋に入っていった俺とタバサだが、何かがタバサめがけて飛んできた
キャッチしたが、卵のようだった
…割らなくてよかった!
「な、何だお前はっ!?」
卵をキャッチした俺に驚いてる少女がいる
あれがイザベラかな?
「おい
…ちょっとカチンと来たな。まあ、この子もジョゼフのせいで歪んでるだけだからな…
「私が雇った傭兵…」
「ふ~ん傭兵ねぇ…ねぇあんた結構強そうじゃないか。見たところメイジのようだし…。あんた、こんな
…なんというか、可哀想な子だな
「悪いが、俺はこの子に雇われているし、俺もこの子を気に入ってるからね」
自分の心を。意思を押し隠して、大切な妹を虐めている。いや虐めさせられている…かな
「そう、まあいいわ。さて、本題に入るわ」
いつか、この子の心も救えたらいいな。
これは偽善かもしれないけど、それでも善だ。自己満足でもいいさ…
さて色々あったが、俺たちは今ゲルマニア国境沿いのエギンハイム村に向かっている
なんでも村人と翼人の間でトラブルがあったらしい
もう少しで村に着くといった時に、村のほうから騒がしい音が聞こえてきた
急いで向かってみると、村人たちが翼人に止めを刺しかけていた
タバサが翼人に向かって魔法を使い、風の刃が翼人を襲う
翼人は避け、反撃してくるがそんなことは俺がさせない
「『
俺は口から土を吐いて土の壁を作り、相手の行く手を阻む
「『
さらに突風を起こし、翼人たちを吹き飛ばす
お互い、20メートルほどの距離を保ってにらみ合っていると
「皆やめて!!争ってはダメ!森との契約を、そんな風に使わないで!!」
一人の翼人が制止の声をあげた
しかし、タバサは任務で翼人をどうにかしなければならない
そのまま魔法を放とうと詠唱をしていたところ、誰かに腕をつかまれた
「お願いです!杖を、杖を収めてください!!」
タバサの腕をつかんできたのは一人の青年だった
そのうち翼人たちは森の奥へと帰っていき、村人がたずねてきた
「も、もしやお城の騎士様ですか?」
「……(コクリ)ガリア
「「「「「「「「おおーーーっ!!」」」」」」」」
「こらヨシア!騎士さまの魔法の邪魔をするたぁ何事だ!」
「騎士さま。早速奴らを…騎士さま?」
村人が催促をしてくるがタバサは応えない。なんだ?と思ったら…
「(くきゅるるるる~)…空腹」
「こ、これは気が利きませんですいやせん!おいお前ら!騎士さまに村のうまいモンを食ってもらうぞ!!」
「「「「「「「「おおよっ!!!!」」」」」」」」
そして俺とタバサ(あとシルフィ)は村でご馳走になりました
その後、村長に部屋を貸してもらい休んでいたところ
扉からノック音が聞こえた
「誰?」
タバサが聞いたところ少し扉が開き
「僕です。ヨシアです…。少しお話よろしいですか?」
「明日」
「お願いです!どうしても、今話したいんです!」
ふむ、ここまで頼んできてるんだからよっぽどの用事があるんだろうな
「タバサ。話を聞くだけならいいんじゃないかな?」
「あなたはさっきの…」
本名を知られちゃ困るからな…
すいません。名前を借ります
「タバサの従者のカカシだ」
「カカシさん…ですか?」
「ああ」
「用件は?」
タバサが用件を聞く
「翼人たちに危害を加えないでください。理由もあります」
「理由?」
「はい。実は…」
ヨシアの話をまとめると
・翼人たちは家族が増えたから樫で家を作った
・しかし村人がその樫は高く売れそうだと騒いだ
・今は樫を売ろうしている村人たちが邪魔者だと思っている翼人たちを追い出そうとしている
と言うことだった
しかし騎士の立場と任務失敗は母親が殺されるということからタバサは首を横に振った
すると、窓のほうから翼人が入ってきた
「ヨシア!」
「アイーシャ!?」
臨戦態勢をとるタバサと一応クナイを構える俺
「待ってください!彼女は危害を加えに来たわけじゃありません!」
「?」
「私は彼に会いに来たんです」
話を聞くと、二人は恋人同士らしい
翼人たちは争うくらいなら、と場所を移すことに決めたらしい
ヨシアはますますタバサに懇願するが、タバサは断り続ける
そのうちタバサは杖を取り出して、ヨシアに向けた
「待ってください!彼を殺すなら、先に私を殺して!」
「何を言うんだアイーシャ!?彼女は見逃してください。代わりに僕を殺してください!!」
と言うとタバサは杖を収め
「それで行く」
といった
ヨシアとアイーシャはワケが分からないといった顔をしている
「つまりタバサは、翼人と人間が協力しあえる可能性を村の人たちに見せようって言ってるんだよ。合ってるよねタバサ?」
タバサはコクンと頷いた
「さて、それじゃあ準備するかね」
「カカシさん。準備ってなんですか?」
「うん。ちょっとね」
さ~て、影分身影分身
ボンッ!!
翌朝
さてグッドモーニング、ハヤテ改めカカシだ
あの後、俺は影分身をしてその分身に変化をしてもらった
ん?何に変化させたんだって?それは秘密だ♪
お?来た来た♪
その竜は赤い甲殻と赤い翼を持ち、強靭な鱗に鋭い牙を兼ね備えていた。口からは炎が漏れ出し、脚の鉤爪からは猛毒の液が滴り落ちていた
その竜の名は『リオレウス』別名は『空の王者』
モン○ターハンターに登場する飛竜の一匹だ
勿論本物ではない
影分身が変化しているのだ
いや~出来ると思わなかったけど出来たね!
ちなみにブレスは火遁で代用しています
「ワ、ワイヴァーンが!ワイヴァーンが来たぞ!」
「村はあきらめろ!!早く逃げるぞ!」
「騎士さま!お助けください!」
村人たちに呼ばれて、タバサと俺はリオレウスの元へ行った
「グガァァアアアアァアアア!!!」
と吼え、火遁を放ち村の何もない部分を焼き払うレウス
そして俺とタバサはレウスと対峙する
「精神集中、一呪入魂、仇敵殲滅、雪風魔法。静まれ!ワイヴァーン!!」
うぇっ!?何その中二病呪文?!え、俺も言えと?
「ええ~っと…電光石火、疾風迅雷、雪月風花、明鏡止水。くたばれ!ワイヴァーン!!」
と言いながらタバサは雪風を、俺は風遁をレウスに放った
しかしレウスが吐いたブレス(実際は火遁・豪火球)にかき消された
ちくしょう、あんなに恥ずかしかったのに…
「最強呪文!風棍棒!!」
ただのエアハンマーだろ!え、俺も?(汗)
ええいもうやったるわ!
「最強忍術!鎌鼬!!」
エアハンマーと風の刃がリオレウスに当たる
続けてタバサはウィンディ・アイシクルを、俺は風の輪を放つがレウスは空に逃げる
「騎士とて飛ぶ。飛ぶ騎士である」
にしてもタバサノリノリだなオイ!
「傭兵とて飛翔する。天翔ける傭兵だ」
あ゛あ゛あ゛もうこれ黒歴史確定だどうしようこれ
しかしフライを使っている間は他の魔法は使えないため、レウスの攻撃を避けるだけの俺たち
「騎士さまたち!何故攻撃しないのですか!?」
「飛んでいる途中では他の呪文は唱えられない(キリッ」
キリッじゃねえェェェ!!
そうこういってるうちにタバサがレウスの体当たりで吹っ飛ばされた
俺はタバサを抱えて地上に戻る
ん?抱え方?俗に言うお姫様抱っこだが?
「騎士さま!大丈夫ですか!?」
「ふ、不覚を取った…」
「俺も、さっきの魔法で魔力を大分消耗した。しばらくは魔法を使えない」
まあバリバリ使えますけどね
「そんな…!一体どうすればいいんだ…!」
「言っただろう!翼人たちを追い出そうとしたから罰が当たったんだ!これで分かっただろ!住処を追われるのがどういうことか!!」
「うるせえヨシア!それとこれとはべt「別じゃない!!」?!」
「協力し合う選択肢だってある!協力すればワイヴァーンだって倒せる!!頼む!翼人たち!」
そう言った途端、森のほうから翼人たちが一斉に飛び出してきた
「アイーシャ!」
「(コクン)」
「ヨシア!てめえやっぱりその女t「今はそんなこと言ってる場合じゃない!いいから僕たちに任せて!」お、おい!任せろって大丈夫かよ!?」
まあふらっふら飛んでるからねえ。ヨシアがアイーシャに抱えてもらってるし
「村の皆は矢をあるだけ射掛けて!翼人の皆は魔法で攻撃!」
村人たちは従うのが最善と思ったか、次々と矢を射掛けていく
翼人たちは風の魔法でレウスに攻撃を仕掛けていく
そのうちヨシアが放った矢と、アイーシャが放った魔法が同時にレウスの顔面に当たり、
レウスはよろよろと地面に墜落したあと、白煙を残して消えた
村人たちと翼人たちはレウスが消えたことに驚いたが、倒したことが分かると一斉に喜んだ
分身Side out
タバサSide
あれから三日がたった
ヨシアとアイーシャは結婚した
意外にも村人からの反対は無かったらしい
むしろ喜ばしいことだと言っていた
私はハヤテと一緒にシルフィに乗って飛び立つと二人が追いかけてきた
「「ありがとうございました!このご恩は一生忘れません!!」」
と言った後花束を投げて村に戻った。花束はハヤテが取った
そして私に渡そうとしてくれたが『いらない』と言った
「きゅいきゅい!ならわたしに頂戴なのねハヤテ!」
シルフィがそう言ったので、ハヤテはシルフィの頭に花の輪を乗せた
「それにしても結婚式とっても綺麗でしたわね!お姉さまも誰かと結婚なさればいいのに!そしたらシルフィードも着飾るの!花でいっぱい着飾るの!きゅいきゅい!ああ、まずは恋人ね!恋人ってすてき!こ!い!び!と!きゅいきゅい!」
すると突然シルフィがそんなことを言った
「そうだ!どうせならハヤテと結婚すればいいのね!きゅいきゅい♪」
「いやシルフィ。タバサみたいな可愛い子と俺はつりあわないだろ?」
かわいい…?そのことを理解した瞬間私は顔が真赤になった
「あっ!お姉さま真赤になってるのね!可愛いのね!」
「うるさい…」
私は照れ隠しにシルフィの頭を杖で殴った…
第十三話です。
誤字脱字、ご指摘、ご意見お待ちしております
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十三話です。今回はタバサの任務編です