(小田原宿から三島宿へ向かう道中)
トリン:トリーーーーン!
家康チームの一行は、小田原宿の宿を出て、次の宿場町“三島宿”へ向かっていた。全員快調なトリンに乗って移動していたものの、海斗だけがほぼ死にかけていた。乗っている状態も“かろうじて手綱は持っているものの、だらんともたれかかっている”感じだった。
海斗:う~~~~~
レン:海斗さん、大丈夫ですか?
メイコ:だらしないわね~、あの程度の酒で二日酔いするなんて
海斗:う~、“あの程度“じゃないだろ・・・4人で酒樽1つ空けたんだぞ・・・・・
メイコ:“忍者はいかなる時も耐えねばならん“。酒飲まされて情報を吐かされる拷問にかかったらどうするのよ、まったく。それに引き替え、升太と学歩はしっかりしているじゃないの!
学歩:あ、いや・・・・
升太:あの酒樽のほとんどをメイコと海斗が飲んでいたので、俺らはそれほど飲んでないのだ
メイコ:あー、そうだったわね。でも、忍者としては、ちと修行が足りないわね
海斗:う~、もう何とでも言え・・・
目的地までの距離が半分くらい過ぎたところで、ミクが全員を静止させた。
ミク:みんな! ちょっと止まってミク!!
全員のトリンが急ブレーキをかけて止まった。
学歩:む! 敵襲か!
ミク:接近する私たちとは違う“強い霊力”を感じるミク。位置は・・・・空?
バラバラバラバラ!!!!
学歩:? なんでござるか、あれ?
升太:新しいカラクリか?
ミキ:って! 平然と飛んでるじゃないの!
テト:Σ(゚Д゚;
海斗:う~、どうせ大凧の術だろ? 凧糸でもついているんじゃねーか?
メイコ:あほ! あれのどこが大凧よ! 糸らしきモノもないし!
リン:え? じゃあ皆さん、やっぱりあの“ヘリコプター”、知らないんですね!? 私たちの時代の空飛ぶ乗り物!?
学歩:リン達の時代のカラクリなら、知るはずもない。初めて見たでござるよ
升太:ほー、アレ、“へりこぷたー”っていうのか! 空を飛べるとは便利なカラクリだな
ミキ:ってか、敵だと思うアレ、奪っちゃったら、即、安土城に攻め込めるんじゃないの?
リン:とんでもない! それに全員気を付けて下さい! あのカラクリは私たちの時代でも“驚異的な兵器”なんです! “奪う”とか考える前に・・・逃げ切れるなら逃げた方がいいと思います!
レン:・・・・それだけじゃねーぜ、リン
リン:え!?
レン:あのヘリ、俺達の時代のモデルとはかなり違っている。弱点の“後部回転翼”はさすがに残っているけど、明らかに“戦闘用”だ。しかも“アパッチ”とかそういう俺達の時代の戦闘ヘリとは違う“武装”しているぜ
リンはもう一度、ヘリの観察してみた。
リン:あれ、そういえばなんか・・武装が“ヘン”よ!?
レン:そう、ミサイルランチャーとか機関銃類が、全く付いてない。その代わり、操縦席下部に“黒い半球体”がついていて、おまけに中央に“穴”が空いている。弾倉らしきものはない。つまり・・・
リン:・・・・! 陰陽術を使える兵器!
レン:間違いなくそうだろうね。ミクさんの“強い霊力”から推測して、俺達の兵器にありがちな“弾切れ”は狙えない。そして燃料もおそらく霊力を使っているだろう。“燃料切れ”も狙えないから、着陸を襲って、奪うことも出来ないだろう
リン:そして、何より“空を自在に飛べる兵器”だし、おそらくレンの剣以外、装甲を斬れないだろうから・・・・
レン:つまり、こちらは攻撃できない!
学歩:???・・・・つ、つまり、あのカラクリは、あの門番と同じように我々ではどうしようもない、いや、二人でもどうしようもない、そう言うことなのか!?
レン:それに限りなく近いです。立てられる作戦は1つだけ。“操縦者を狙う”しかないです。いくら強い兵器でも操縦されているカラクリ。乗っている奴らがいなくなれば、操縦不能で打ち落とせます
升太:そ、そうか!
レン:でも、問題は、空にいる敵にどうやって攻撃を与えるか、です。ヘリを狙うなら、唯一の弱点である、“後ろの羽“、ですが、それは望み薄です。ボクの剣以外斬れないだろうから。そしてパイロットを狙うにしても、ハッチ・・・つまり”扉“が邪魔して、攻撃が当たりません
そういう会話をしているうちに、そのヘリはレン達のすぐ近くまで近づいていた。そして操縦しているネルの声が聞こえた。
ネル:ほっほっほ!!!! そのとおーーーーり! 霊力で全部聞いていたわよ! あ、名乗りがまだだったわね。あんたらとは初対面になるわ! 我々は秀吉様の部下、私は操縦と攻撃手のネル!
ハク:警戒担当の私はハクです
てと:(゚∀゚*)ノヽ(*゚∀゚)
ネル:あ・・・えっと、もう一人は喋れない人形の“てと“だ! 盛り上げ役だ!
テト:( ̄□ ̄;)!!
升太:な、なに!!! テトは俺達の仲間だ! しかも人形だと! ふざけるのもいい加減にしやがれ!
ネル:そっちの事情など知るか! 実際にここに“てと”は“いる”のだからな! まぁ、ここから見るに、そっちの“テト”とよく似ているな! まぁ、世の中広い! こういうこともあると思ってよ!
ミキ:そんな、無茶苦茶な・・・
ネル:それよりお前ら、向こうの世界から連れてきた“助っ人”から聞いての通り、この“ヘリコプター”は戦闘用だ! しかも“陰陽術”が組み込まれている! 助っ人以外の剣では斬れない“装甲”、空中を自在に飛べる“機動力”、無限の“攻撃力”、さぁ、どうするね?
ミク:相手の3人の霊力も強いです。あれは、ハッタリではないミク
学歩:く・・・・・
ネル:さーて、距離も縮まって攻撃範囲内ね。そろそろ攻撃と行きましょうか! では、7つの武器の一つ、“霊力砲”!
グイーーーーン、ジャキン!
半球体の下部中央から砲身が飛び出してきて、砲身がレン達の中央に向けられた。
ネル:いっけーーーーーーーー!
カチッ! バシューーーーン!!
人一人分位の直径を持つ、紫の光の弾が、レン達に向かっていった!
レン:こんなモノ、俺の“ビームシールド”で!
リン:だめ! アレは“対物理攻撃”しか効果ないの! 私に任せて!
リンは、深呼吸をしてから、お祓い棒を前に掲げ、早口で命令を告げた。
リン:防御術! “霊力壁”!!!
リンの声に呼応するかのように、“黄色の大きな半球体”が生まれ、レン達を大きく包み込んだ! そして霊力砲の弾は、その“壁“に直撃した!
バシュン!!!! シューーーーー・・・・・
弾は消えてくれた。が、弾一発で霊力壁も消えてしまった。つまり、壁1枚で弾一発分しか耐えられない計算だった。
リン:く・・・・もう少し強力な壁を作れればいいんだけど・・・
レン:連射されたらおしまいか・・・・
学歩:うーむ、拙者達の出番は、これではないでござるな
升太:ミクは元々戦闘用じゃないし、俺、ミキ、テトは接近戦向けだし、海斗とメイコの手裏剣では届かないし
メイコ:悔しいけど、あの二人に任せるしかないのよね
海斗:やはりあの二人の助太刀が無かったら、どうしようもなかったな
テト:(^人^)
ネル:ちっ! じゃあ、2つ目の武器“霊力マキビシ”・・・・え? 充填時間がいるの!? まぁいいわ、どうせ向こうは攻撃出来ないんだし
ハク:向こうは大丈夫みたいです!
てと:( ̄ー ̄)
レン:ん? なんか砲身が引っ込んだと思ったら、穴が光っているな!?
リン:・・・・・充填中ですか。それよりレン、私いいことに気づいたの
レン:なんだ?
リン:ヘリって、回転翼と後部回転翼で飛んでいるわよね。なら、この攻撃には、めちゃくちゃ弱いんじゃないの?
リンはお祓い棒をヘリが浮いている真上に掲げ、命令を告げた。
リン:風術! “竜巻”!!!!!
ビューーーーーーーーー!!!!!!!!!
そういうと、リンの真上に“ロート状”の大きな渦が発生し、その渦は大きく成長し、ヘリ全体を巻き込んでいった!
グラグラグラグラ!!!!
ネル:うわ!! なんだ!
ハク:下から大きな風術を受けてます!
てと:(((( ;゚д゚)))
ネル:くそ! 操縦不能だ!
そのとき、レーダーも兼ねていたコクピットの半球体が水晶体の色に変わり、“めぐみ”と呼ばれていた者の声が聞こえてきた。
めぐみの声:3つ目の武器を即使って、そこから離脱しろ! ヘリを奪われるわけにはいかん!
ネル:は、はい! 3つ目の武器“閃光弾”!!!!!
ギューン、バシュ!
光り輝く弾が先ほどの砲身からすぐに発射され、真下のリンの手前の地面に落下した。
レン:やばい! リン! 目を閉じろ!
リン:わかった!
ピカッ!
リンが目を閉じた瞬間に、落ちた弾が巨大な光、まさに“閃光”に変わって、リンの術を妨げてしまった。見る見る消えていく竜巻。
ネル:覚えてろよー!
ハク:あの術はどうにかしないと・・・
てと:ヽ(`Д´)ノ
バラバラバラバラ・・・・・・・
ヘリは空のかなたに飛び去っていった。
リン:はぁはぁはぁ・・・・手強かった・・・・
レン:はぁはぁ・・・リン姉、助かったよ
学歩:二人ともありがとう、我々ではどうにもならなかった・・・・
升太:感謝するよ。しかし、“空には竜巻”か、さすがだな!
ミキ:あー、もうちょっとであのカラクリ、奪えたかも。惜しかったなー
メイコ:無理だって! あれで限界よ
海斗:しかし、今後の作戦では、あのカラクリは驚異として受け止めないといけないな
テト:(`・ω・´)
ミク:周囲の霊力が収まりましたミク。どうやら遠くに逃げたみたいミクね
学歩:うむ。アレを追いかけるより、急いで次の宿場町に向かうのが得策だろう。出来ればもう会いたくないしな。みんな、急ぐぞ!
全員:はい!
とりあえず、秀吉軍先行隊との第一戦は、リンの機転で引き分けに終わった。
(夕方・伊豆国・三島宿の温泉宿『ゆけむり屋』)
一行は急いだので、なんとか今日中に2つ目の宿にたどり着けた。今度は温泉宿だった。
メイコ:はぁ~、戦闘の後で急いだから、ちょっと疲れたわね
学歩:うむ、今日はゆっくり休むとしよう。メイコにはすまんが、今日は酒の席は省略させてもらう
メイコ:あー、私も温泉で一杯やる程度にするわ。今日のあんなカラクリが敵軍にあるんじゃーね
海斗:(助かった・・・・)
学歩:よし、私が番頭に掛け合って、男性陣、女性陣の部屋をそれぞれ取ろう
こうして疲れている一行は、学歩が手配した部屋に移動し、一息ついた後、温泉に入ることになった。
(宿の混浴温泉・勇気の湯)
さすがに脱衣場所は違っていたが、中は1つに繋がっていて大きな温泉だった。今回は寝る時間をとりたかったので、混浴のシステムをそのまま活用する事にした。
女性陣がすでに入っていて、そこへ男性陣が入る形になった。
メイコ:よーお! 男性陣! 待っていたぞ!
海斗:メイコ・・・・胸くらい、隠せ・・・
メイコ:いーじゃん、どうせ混浴なんだし、濁り湯だし。あ、それともう一杯やっているよ
学歩:ははは、メイコは相変わらずだな
升太:おー、いい感じの温泉じゃないか! ミキー、テトー、そっち行くぞ!
ミキ:じろじろ見たら、アホ毛の餌食にする、いいな?
テト:((≧ω≦))
升太:おいおい、テト・・・お前は人形だろうが・・・・。それとわかっているよ、ちょうど濁り湯で見えないしな
リンとレンは湯船に浸かったまま、お互い反対を向いて黙っていた。
レン:・・・・・・・・・・・
リン:・・・・・・・・・・・
ミク:・・・あの、二人とも、確か“姉弟”だったんだよね、双子の・・・。家族なら一緒にお風呂くらい入った事あるんじゃないミクか?
レン:それはずっと子供の時です。さすがに14歳ともなると・・・・
リン:レン、こっち向くな・・・・
レン:ごめん、リン姉
ミク:ミクミク、そういうお年頃なワケね
学歩:さて、実はこの“混浴”を選んだのには、ワケがある。部屋に帰って食事をしたら、すぐに就寝して貰うつもりで、ココを会議場にする事にしたからだ。まぁメイコは酒を飲んでいるが、コレくらいなら問題ないだろう
メイコ:いいよ、始めて
こうして、今日の総括と作戦会議をする事になった。
学歩:まず、今日闘ってなんとか引き分けに持ち込んだのは、リンレン達の世界のモノとちょっと違うが、“ヘリコプター”というものだった
レン:はい。つまり“未来の兵器”でした。そして顕著に違っていたのは、武装でした。弾数に制限がある僕たちの世界の武装ではなく、陰陽術を使った、霊力が燃料の兵器でした
メイコ:確か、今回は2つ位、使ってきたわね。まず、霊力砲。これはリンの霊力壁で一発につき1枚の制限付きで防げた
海斗:それとなんか不発が一回あって、それから逃げるときに使った“閃光弾”。あれは奇策だった
リン:でも、ヘリの弱点“気流に弱い”は継承されていたらしく、私の陰陽術で追い返すことが出来ました
升太:そんでもって、乗っていた操縦者達は初顔合わせの、ネル、ハク、そして、何故かこのテトと同じ名前で同じ姿の“てと”とかいう正体不明の存在
テト:(´・ω・`)
ミキ:そして、今回リンちゃん、レン君に任せきりになってしまった原因は、向こうの装甲を斬れるのがレン君の刀だけで、更に空を飛んでいるため、牽制程度のこちらの攻撃すら当てることが出来ない
学歩:うむ、正直、リンレンには感謝感謝だ。しかし、これではここから先、あれがまた出てくる時や、あの伏見城の門番との戦闘で、また二人の力だけに頼る事になってしまう
升太:それに、おそらくあのヘリコプターの連中も、“風対策”をしてくるだろうから、同じ手で追い返すのは難しいだろう
レン:あの、ヘリに関してだけですが、皆さんの攻撃が“届く”のであれば、相手を撃墜できる方法が1つあります
リン:ヘリの命綱である“後部回転翼”ね
学歩:あの戦闘中でも出てきた言葉だが、それはなんなのだ?
レン:ヘリコプターが飛ぶための大事な羽の事です。後ろに小さい十字型の羽が付いていて、回っていたのを覚えてますか?
海斗:んーーーーー、! そう言えば大きい十字手裏剣みたいなヤツが回っていたな。本体の真上のでっかい十字手裏剣とは違うヤツが!
レン:それです。あれを“回転させなくする”だけで、あのヘリは簡単に“飛べなく”なります。今回の戦闘では、皆さんの武器が全部届かなくて、あれを止める事が出来なかったのですが、例えば網の様なモノを届かせれば、絡まって、動けなくなります
メイコ:網ね・・・・。忍者が使う武器に“錘付きの網”ってのがあるんだ。同じく人間の相手を拘束する武器なんだけど、手で投げるから、ちょっと届かないわね・・・
海斗:そうだな、あれをあそこまで届かせるのは無理かな
リン:うーん、やっぱり私の陰陽術でどうにかしないとだめなのかな?
レン:相手が飛んでいるだけに、斬れるボクの剣もダメだしね
学歩:うーむ、申し訳ないが、ヘリに関してはリンレンに任せるしかないか
升太:次は門番戦か
海斗:あいつらに関しては、手下のバケモノ達だけは俺達でも斬ったり殴ったりして倒せるのだが、門番が斬れない
メイコ:まぁだからお二人さんを呼んだんだけどね
レン:斬れない・・・か。もしかしてその門番3人も、あのヘリと同じように“未来の材料”で出来ているのかもね
リン:つまり、ロボット??
学歩:あー、すまんが、説明を頼む
レン:あ、すみません。“ロボット“っていうのは、あのヘリとかと同じく”未来の金属素材“で出来ている、動くカラクリ人形みたいなものです。話から推測すると、その3人は、高度の技術で作られているロボットかも、って事なんです
升太:あのヘリコプターと同じく、特殊金属で出来ている、本物の人間のようなカラクリ人形・・・か。なるほど、合点がいくな
メイコ:ところでそういう“ロボット”に、ヘリコプターのような弱点はないの?
レン:見たことがないからなんとも言えないですが、一般的には“燃料切れ”です。でも、おそらく“霊力”で動いているのだろうから、それは無理だと思います。現時点ではボクの剣で致命傷を当てて、内部を剥き出しにしておいて、リンの術で破壊する事だと思います
学歩:なるほど、やはり我々はバケモノ退治に専念したほうがいいようだな
レン:それと更に憶測になるんですが、これからそういう“死んでいるはずなのに、生きて出てくる”って連中は、その門番が普通の剣で斬れない事も考えると、全部同じく“ロボット”だと思うんです。いわゆる“死人”であっても、人間の肉体を普通の剣で斬れないのはおかしいと思っていたんです。斬ることくらい出来るはずだ・・・・と
学歩:なるほど。では、戦闘が起きた場合、そういう戦略でリンレンに本体は任せようと思う
レン、リン:はい
メイコ:ひゃ~、お風呂に入ってのお酒は効くの~
海斗:飲み過ぎ・・・・それと、疲れもあるかな。そろそろ上がるか
学歩:そうだな、ちょっと長話だった。では、各自上がって、今日はゆっくり休むとしよう
リン:レン、こっち見るなよ
レン:わかってるよ・・・・俺が先に上がるから
こうして温泉のメンツは全員風呂から上がり、各自の部屋に戻って、ぐっすり寝ることにした。
(夕方・とある古寺)
あの戦闘から離脱したヘリは、戦闘場所からかなり遠くにある、古寺の近くに着陸していた。どうやら、“めぐみ”から、ここに来るように命令があったようだ。
レーダー装置(めぐみの声):ネル達よ、今回は不意を付かれたようだな
ネル:はい。まさか風で応戦してくるとは、思ってなかったです
めぐみの声:うむ。次回の戦闘では、そこら辺を補うために、ヘリに積んで置いた“くぐつ人形”の1つを使う事にする
ネル:あ、この重い人形ですか?
ネルはヘリの倉庫にあった小袋に入っていた小型の金属製の人形を1個取り出した。
めぐみの声:今から術をかける。そうするとその人形は、陰陽師“役小角(えんのおづの)”に変わる。そいつも同行させてくれ。その者の判断で、奴らを攻撃してくれる。お前達は風術が届かない、出来るだけ遠いところで、遠距離攻撃で応戦していて欲しい
ネル:わ、わかりました
めぐみの声:では・・・・ID、めぐみ。パスコード、ゆーき
金属の人形:Ready
めぐみの声:変形対象、陰陽師“役小角(えんのおづの)”
金属の人形:Ready。Transformation was started
その声と共に、金属の人形は、みるみる人間の大きさまで大きくなり、形も人間になっていき、服、装飾品、持ち物まで作られ、最後に、完全に人間にしか見えない姿に変わってしまった。
ネル:な、なんちゅーカラクリ・・・・
そして、変身が終わって出来上がった“役小角”の目が、赤く妖しく光った。
ビーーーーーン
役小角:・・・・・我は役小角・・・・・。この時代に蘇りたり・・・・。汝達に同行し、敵を・・・・滅ぼす!!
(続く)
CAST
巫女・鏡音リン:鏡音リン
巫女(?)・鏡音レン:鏡音レン
巫女・初音御貢(ミク):初音ミク
巫女・巡音流歌(ルカ):巡音ルカ
拳の升太:墓火炉 升太
アホ毛のミキ:miki
人形のテト:重音テト
懐刀の侍・神威学歩:神威がくぽ
忍者・海斗:KAITO
くノ一・女威虎(メイコ):MEIKO
めぐみ:???
カラクリのネル:亞北ネル
深酒のハク:弱音ハク
人形の“てと”:重音テト
陰陽師“役小角(えんのおづの)”:Prima
番頭、etc…:エキストラの皆さん
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○ボーカロイド小説シリーズ第9作目の” 戦国慕歌路絵巻 風雲!鏡音伝“シリーズの第4話です。
○巫女の鏡音姉弟(?)が主役の擬似タイムスリップジュブナイルです♪
○メインは和風の妖怪とか陰陽師とか出てくる、バトル物でもあります。
☆第一回目の戦闘と、作戦会議、そして新しい陰陽師誕生編です。
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