第3話 初めての策
豫州の邑にある大きな屋敷…
そこは夜だと言うのに昼間のように明るくなっていた…
「火事だー!火事だぞー!」
屋敷内の警備兵が二人、屋敷の中を走っていた…
二人の兵士のうち一人は右手に松明を、背中には二本の刀を背負って…………
ーーーーそして、兵士はとある部屋の前まで辿りつくと松明を放り投げ、部屋の扉を開けて中にいる人物に声を掛ける。
「御無事ですか!」
そこでは肥太った役人が一人、慌てた様子で部屋の金品を掻き集めている所だった。
「おぉ!良い所に来た!お前達も手伝いなさい!」
「はっ!」
役人に命じられた二人の兵士は金品を袋に詰める。
ーーーーそして、あらかた詰め終えた後………
「この屋敷はもう長くは持ちません!早く脱出しましょう。先ほど見て来ましたが正門は火の周りが激しく脱出は難しいかと、裏門に廻りましょう!」
「うっ…うむ!そうだな!案内を頼むぞ!」
「はっ!おまかせ下さい!」
そうして役人と兵士二人は裏門の方へ向かう。
裏門から行ける人気の無い森の方へ…
ーーーー裏門から屋敷を出てしばらく進んだ森の中、二人の兵士と役人がいた。
「何とか脱出できたみたいですね」
「ゼヒィ…ゼヒィ…此処まで来れば大丈夫か?」
兵士は涼しい顔で言い、役人の方は息を切らせて今にも倒れそうな顔をしていた。
「えぇ…此処ならもう大丈夫…」
兵士は静かに刀を抜いた…
グサッ!
「なっ!?」
役人は信じれ無い物を見ていた。
それは、自分の腹から生えていた。
それには何故か見覚えがあり、それもつい最近とある賊が持っていた物に良く似ていた。役人は振り返り、
「貴…様…は…!?」
「我が名は単福!我が友、芙幼の敵!取らせてもらう!」
そう言うと単福と名乗る者は、役人から刀を引き抜き逆手に持ったもう一本の刀で役人を袈裟斬りにする。
ザシュッ!
「ぎゃああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
役人は断末魔を上げながら地面に倒れ、絶命した。
役人を切った兵士の後ろにいた兵士が兜を外す。
「やったね…白斗…」
白斗と呼ばれた兵士も兜を外す。
「ああ…」
「……………」
「さってと!さっさとこんな所お去らばしようか」
と白斗が軽い調子で柚に話す。
「……うん!そうだね、それにしてもどうしようか?コレ」
と柚が役人の持っていた袋を指差す。
「どうせコイツの事だ汚い真似して集めた金だろ?だったら俺達で有効に使ってやろう」
というと白斗は刀を鞘に納めると袋を担いで森の奥へ進んでいった。
その後を追うように柚の姿も森の奥へ消えていった…
あとがき
妄想が暴走して昨日に引き続き更新出来ました!
この勢いがいつまで続くことやら…
さて、徐庶こと白斗さんが作中で「単福」と名乗っていましたが、これは白斗さんが考えた自分の偽名です。
鮮血女こと稟ちゃんの「戯志才」と同じようなものですね。
これからもちょこちょこ使います。
次回は白斗さんのお母さんが!
…またオリキャラですみません。
原作キャラを早く登場させたい今日この頃…
それではまた次回~!
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真・恋姫無双の二次創作です。
主人公を始めオリキャラ多数、
苦手な方は御遠慮下さい。
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