No.482561

IS ―インフィニット・ストラトス― きゅー組物語(没)

当作は、ISの二次創作です。
オリ主が出ます。オリキャラがバンバンでます。原作キャラはあんまり出ません。

尚、(没)と付いているものは文字通り没であり。(没)無しの無印きゅー組の方を連載させて頂きます。

2012-09-11 05:07:46 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1636   閲覧ユーザー数:1605

 

 

 

 

「喜べ諸君!男だ!!このIS学園において非っ常ぉぉぉぉに貴重な若い!枯れてない!!雄臭い若者が、1組だけでなく、我が9組にも入ってきた!!!恐らく童貞だ!!!」

 

「「「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」」

 

と、ドア一つ隔てた向こう側でこのクラスの担任教師が俺の紹介をしている。

仮にも教壇に立つ人間が生徒に対して発するには不適切な発言が有った気がするし、年頃の娘さん達から聞こえてはいけないような歓声が上がった気もする。ていうか、童貞て。

これからの学園生活、すこぶる不安である。

 

「では、紹介しよう。これから一年、君らの副担任を務める“出雲 春告(いずも はるつげ)”先生だ!!!」

 

「「「ヒャッハ-!!!!」」」

 

扉を開けるのが、酷く億劫だ。正直帰りたい………

 

 

 

 

 

 

 

それは、一か月前の事

 

「え?IS学園に出向ですか?」

 

俺は消防庁長官室に突然呼び出され、いきなり理解できない異動を告げられる。

平隊員である俺がお偉いさんに呼び出され、びくびくしながら出頭したらこれだ。

全く訳が分らない。

 

「国連のさ、IS救助隊って知ってるでしょ?」

「はぁ、それは知っていますが。」

 

 

IS。

インフィニット・ストラトス。

近年、彗星のように現れた圧倒的性能の軍事兵器。その性能は既存の兵器群を形骸化させてしまうほどで、今や核兵器に代わる抑止力的な側面さえ見せている。その反面、女性しか扱えない摩訶不思議な兵器。

開発者である“篠ノ之 束”によってもたらされるコアによってしかISの生産は不可能であり、ISの保有数が各国のパワーバランスに大きな影響を与えている。

 

だがそんな中、ISから兵器としての側面をそぎ落として運用している組織が世界に一つだけある。

それが国連である。

 

「あそこのね、隊員養成クラスが今年からIS学園にできてね。災害救助の経験豊富な教師を求めてるのよ。」

 

もともと大気圏外作業用に設計されていたISを、兵器としてではなく人命救助用の装備として使用する。

彼女らは加盟国からの救助要請に応えて、今まで多くの人を救っている。

 

「それでね、有り難い事に国連から日本がご指名頂いちゃってね。」

 

地震やら台風やら、何かと多いからなぁ。

 

「しかし、何故私なのでしょうか?」

「だってさぁ、大規模災害での救助経験が有って教員免許持ってるレスキュー隊員。おまけに学園の方から若い男が良いっていきなり言われてね。そんなこんなで君に白羽の矢な訳。」

 

そういえば、この間世界初の男性適合者が見つかったってメディア騒いでたっけ。

その関係で若い男性何て要望が来たんだろうか?

 

「ということで、お願いするよ。出雲君。」

 

 

 

 

 

 

 

そうして新学期から一週間経った今日、ココに居る訳だが。

 

「よーし、んじゃ自己紹介ついでに先生への質問タイムだ。」

 

担任の“ロジーナ・ピアリー”先生が音頭を取る。彼女はアメリカ出身で、かなり変わった経歴を持っている。ニューヨークで消防士をやっていた所、ISへの適性が高い事が判明し米軍へ。その後空気が合わないと軍を辞めて、今では教師という事だ。

 

「はいはーい、南アフリカ出身の“アンナ・メンディ”です。先生彼女は?いる?いる??」

 

褐色の膚に、ベリーショートのブロンドが映える少女。大きな瞳に八重歯がまぶしい、とても活発そうだ。

 

「えー残念ながら独り身です。」

 

その元気な声に気押されながらも、辛うじて質問に答える。

 

「「「よっしゃぁぁぁぁ!!!」」」

 

そして、大いに湧くオーディエンス。というかロジーナ先生。あんたも一緒になって叫ぶんじゃないよ。

 

「ロシア出身の、“オルガ・ロフキィ”です。あ、あの。お幾つですか?」

 

アンナとは、対照的な気の弱そうな声。銀の髪のサイドテール。

………ロリッ子だ。そこに居るだけで庇護欲をかきたてられる小動物オーラを発している。

 

「25歳になります。」

 

「よっしゃぁ!!」「くそっ!若すぎる!!!!」「ショタじゃないなら拙者には関係ないでござるwwww」

 

何やら、色々言われているがスルーする。一々突っ込んでたらキリが無い。

 

「ブラジルの“セレネ・ティシェラ”です。」

 

ブルネットの少女が、穏やかに告げる。

しかし、今度はブラジルか。流石に国連所属だけあって、国際色豊かなクラスだなぁ。

 

「質問なのですが、ハルツゲ先生は私たちに何を教えてくださいますの?」

 

「えー、主に災害時の救助活動について皆さんに教える事になります。」

 

その瞬間、騒がしかったクラスが静かになる。へぇ、皆良い顔をするじゃないか。

 

「知っての通り、この国は災害が非常に多い国です。瓦礫の下から助けを求める声、孤立した山間部で助けを求める声。そんな被災者の声を幾度も聞いてきたのが日本という国です。この国で災害救助に携わる人間としての経験を皆さんに伝えること。一つでも多くの命を、一つでも多く明日に繋げるための手伝いをするために私はこの学園に来ました。」

 

 

そう。ISという兵器で誰かを救う為に、俺はこの学校で彼女達と過ごす。

 

 

「これから、一年間。どうぞ、宜しく。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、じゃぁ次ーの奴ー。」

 

あ、良い感じだったのに何事もなく続けるんですねロジーナ先生。

 

「あ、先生まって下さいな。私まだ重要な事を聞いてません。」

 

そこにセレナが待ったをかける。

さっきの質問よりも重要な事か。一体何だろう??

 

「すぐに済みますから、一つだけ答えてくださいな。」

 

「わぁーったよ。ちゃっちゃかしろよー」

 

あ、正直ちょっとめんどくさくなってますね、ロジーナ先生。

 

「ありがとうございます、ハルツゲ先生?」

 

「何ですか?セレナさん。」

 

ニコニコと微笑みながら彼女はこう聞いた。

 

「先生、ホントに童貞ですか??」

 

その瞬間、また教室の雰囲気が変わった。

 

「え?いや、い、いきなり何を?」

 

いきなりの質問に焦る俺。

 

 

「おい、どもってるぞ。」「これは、もしかすると………」「年上童貞………アリだと思います(キリッ」

 

ざわめくクラス。

 

 

「い、いや、ど、童貞ちゃうわ!!!」

あわてる俺。

 

「きた!これは来た!!!」「黒じゃ、これは黒じゃ!!!」「童貞だわ、サクランボチェリーだわ!!!」

クラス大騒ぎ!!!

 

「「「初物じゃー!初物じゃぁぁぁぁ!!!」」」

謎の初物コールにまで発展している。

ロジーナ先生は何やらツボに入ったのか、大爆笑している。

駄目だ、収集がつかない。

 

俺、一年間こいつらと過ごすのかぁ………

 

 

 

余談だが、この馬鹿騒ぎは一組担任が出席簿チョップで九組担任を沈めるまでおさまらなかった。

 

 

 

 
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