No.481961

SAO~ソードアート・オンライン~黒の聖覇王

クロスさん

今回は短いのですみません

2012-09-09 22:03:58 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:6498   閲覧ユーザー数:6243

 

 

 

 

 

 

 

第五話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

直後、開始の時と同じ位置に、デュエルの終了と勝者の名を告げる紫色の文字がフラッシュした。

 

再びワッという歓声が響く中、クラディールはよろけながら立ち上がると、ギャラリーの列に向かって喚いた。

 

クラディール「見世物じゃねぇぞ!散れ!散れ!」

 

続いてクラディールはゆっくりと俺の方を向いた。

 

クラディール「貴様・・・殺す・・・絶対に殺すぞ・・・。」

 

その目には、万人がみればゾッとするだろう位の増悪が込められている。

 

だが、そんな腐った目では俺を脅すこともできないので

 

キリト「できればいいがな?クラディール。」

 

俺は殺気を込めながらクラディールの目を見て言った。

 

すると、俺の傍に、スッと歩み出た人影があった。

 

アスナ「グラディール、血盟騎士団副団長として命じます。本日を以て、護衛役を解任。

 

別命があるまでギルド本部にて待機。以上。」

 

アスナの声は、表情以上に凍りついた響きを持っていた。

 

だけど俺はその中に抑えつけられた苦悩の色を彼女に感じて、そっとアスナの手を握った。

 

硬く緊張したアスナの体から少し力が抜けて俺の手を強く握る。

 

クラディール「・・・・・なん・・・なんだと・・・この・・・。」

 

かろうじてそれだけが聞こえてきた。

 

残りの、恐らく100通りの呪詛であろう言葉を口の中でぶつぶつと呟きながら、グラディールは俺たちを見据えた。

 

予備の武器を装備しなおしたクラディールは、犯罪防止コードに阻まれるのを承知の上で斬りかかることを考えたに違いない。

 

グラディールはかろうじて自制し、マントの内側から転移結晶を掴み出した。

 

握力で砕かんばかりに握り締められたそれを掲げ、「転移……グランザム。」と呟く。

 

青光に包まれ消え去る最後の瞬間まで、クラディールは俺たちに、いや、俺に増悪の視線を向けていた。

 

転移光が消えた後も、広場では後味の悪い沈黙に包まれていた。

 

見物人は皆クラディールの毒気に当てられたような顔していたが、やがて三々五々に散っていく。

 

最後に残された俺とアスナは、しばらくその場に立ち続けた。

 

やがてアスナが一歩離れ、日頃の威圧感が嘘のように抜け落ちた声で囁いた。

 

アスナ「・・・ごめんなさい、嫌なことに巻き込んじゃって」

 

キリト「いや・・・俺はいいけど、そっちの方こそ大丈夫なのかよ?」

 

アスナは気丈な、しかし弱々しい笑みを浮かべて見せた。

 

アスナ「私のことは大丈夫よ。今のギルドの空気は、ゲーム攻略だけを最優先に考えてメンバーに規律を押し付けた私にも責任があると思うし・・・」

 

それは・・・

 

キリト「仕方ないって言うかよ、まぁ、なんだ、逆にアスナみたいな人が居なかったら攻略ももっとずっと遅れてたぜ。ソロでだらだらやってる俺に言えたことじゃねぇけど・・・」

 

俺は笑いながらアスナに

 

キリト「・・・まぁ、簡単に言えばアスナもたまには、俺みたいなイイカゲンなのとパーティー組んで息抜きするくらいしたって、誰にも文句言われる筋合いは無いんだぜ」

 

するとアスナは、ぽかんとした顔で瞬きを繰り返してから、やがて半分苦笑ではあったが、張り詰めていた頬を緩めた。

 

アスナ「・・・まあ、ありがとうと言っておくわ。じゃあ、お言葉に甘えて今日は楽しませてもらうわ。最初に前衛(フォワード)よろしく。」

 

そして俺の腕を組み、勢いよく街の外に続く道をすたすた歩き出しす。

 

俺は微笑みながら

 

キリト「了解だよ、お姫様」

 

軽口を叩きながらも、俺はほっと息つき、アスナと共に迷宮区に歩んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

PS:お姫様と言ってアスナの顔はトマト以上に真っ赤になっていた事をキリトは知らない。(笑)


 
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