学園都市
ここは、総人口約230万人の新世代型都市である。その技術力の開きは学園都市内部とその他の外部とでは約20年から30年程もあるとされ、世界の科学力の頂点に君臨している。
さらに発達しているのは技術力だけではない。
この都市の最大の特徴は、特殊な能力を持つ学生。つまりは超能力者を育成している点である。総人口の約8割が学生で構成されており、それと比べると大人の姿は少ない。
能力者は6つの能力レベルに分けられ、下から無能力者(Level.0)、低能力者(Level.1)、異能力者(Level.2)、強能力者(Level.3)、大能力者(Level.4)、超能力者(Level.5)となっている。
生徒たちはそのレベルに見合った学習環境を提供されており、生徒の能力を開花・発展させることに重点を置いている。
しかし、その内の6割がLevel.0の無能力者であり、ましてやLevel.5の超能力者など世界でもたったの7人しかいない。
まだ、実現されていないが、絶対能力者・Level.6というのもあるらしい。
☆
「白井さん、そこの路地裏に入ってください」
「わかりましたの!」
一人の少女が、見たからに怪しい路地裏に入っていく。しかし、これには理由がある。
学園都市には、風紀委員(ジャッチメント)という組織が存在する。風紀委員は、学園都市の生徒のみで、構成されている。その役目は、学園都市の風紀を守る事、主に道端の掃除などだが、犯罪者を拘束または逮捕する仕事である。
そして、今、路地裏に入っていった少女には、緑色の腕章を付けていた。つまり彼女は風紀委員(ジャッチメント)ということになる。
少女は、路地裏に入っていった。
「初春、野蛮人どもは何処にいきましたの?」
「そこから左に向かってすぐです!」
走っているのは、白井黒子という風紀委員の中でもトップクラスの実力を持つ空間移動能力者(テレポータ)であった。今回の事件は、一人の少年が武装集団(スキルアウト)襲われているというものである。
「風紀委員(ジャッチメント)ですの。おとなしくお縄に・・・え?」
そこには、5、6人の不良が土下座をして一人の少年が、不良の頭をわしずかみにしているという状況であった。
「あのさ、お前らこいつみたいになりたいの?もしかして死にたいの?自殺願望者なの?」
「「「ひひひひィィィ!!!!!」」」
不良たちは、恐怖で頭がいっぱいになっていた。
なぜなら、絶対に潰せると思って殴りかかっていったらその逆・・・数秒と経たないうちに勝負が決して一人の人間をボコボコにしてしまったのだから・・・
そう、事の発端は、この不良たちから始まったのだ。
一人の少年が、いったて普通の道を歩いていた。その少年は気分が良かった、それには理由があった今週のジャ○プを超がつくほどギリギリでなんとか買えたからである。少し鼻歌を歌いながら歩いていたが、周りの邪魔にはならなかったであろう。
そんな時、事件が起きた。
ドンッ
人間と人間の肩がぶつかる音がした。鼻歌を歌いながら歩いていた少年は、特に気にしていなかった。しかし、もう一方の人間は、違っていた。
「テメェ、ぶつかったのに、謝りもしねェのか?ああん?」
要するに、不良たちとぶつかったのである。どうやら、そのうちの一人の不良は、ぶつかった事に対して、不満があるようだ。しかし、少年は、気付いていない。両耳に最新型のイヤホンを装備して、その上漫画を買って気分がいい状態であるからだ。
何も知らない不良たちからみては、無視をしたように見えるのだろう。不良は、怒り狂った。しかし、この少年に手を出したのが悪かったのだろう。
バギッバゴッ
不良は、少年を殴り飛ばした。
「・・・いてェ」
「あ?なんつったお前?謝ったのか?それが謝罪の言葉なのか?ああァ?」
理不尽であった。それにて、この不良たちは、非常に不幸であった。
そして、少年は、語る。
「あのさ、お前ら暴力って知ってるか?」
「あ?」
「暴力ってのは、殴るや、蹴るなどの暴行を相手にすること、、良くないことだ」
「なに奇麗事言ってんだァ?こらァ!」
「良くない事をするってことは、勇気がいる。すごいな、お前ら、そんなに勇気があるんだ。俺も見習わなくちゃいけねえな」
「てめェ舐めてんのか?」
「でも殴る勇気や覚悟があるって事は」
少年は―――
「殴られる勇気があるって事だよな?」
学園都市の中でも危険人物である。
「なに言ってん―――グハァ!!??」
不良の横腹を横蹴りし、その勢いで不良を殴り飛ばした。
「これで、どっちもどっちか?」
「「「舐めんなー!!!」」」
このあとは、だいたい想像できるだろう。
そこで風紀委員(ジャッチメント)に通報したのである。
「まあ、説明すると、こんな感じか?」
「とても、くだらない事でケンカしたのですわね?」
「向こうから、仕掛けてきたんだろ?」
「それは、そうですけど風紀を乱しているのには変わりありませんわね」
「それで、なんで俺がこの177支部にいるのか・・・説明してくれるとありがたい」
「そんなの決まっていますわ」
少女は、気ダルそうに言った。
「先ほど起きた事件の重要参考人ですもの」
「ところで、お名前は?」
「皆咲(みなさき)鍵一(けんいち)」
――――あら、意外と物騒なケンカをしてたわりには
「普通のお名前ですこと」
「お前が、変わってるだけだよ」
少し、ムカつきましたの
「どこの学校に?」
「何処って言われてもな」
「さっさと答えてくださいまし」
「いや~退学してさ」
「・・・」
――――この殿方は、ダメ人間なのですわね。残念ですの・・・
「嘘だ」
「嘘でなかったら、大変なことになってましてよ?」
「へいへい」
「それで、何処の学校に?」
「なんとか高校」
「・・・馬鹿にしてるんですの?」
「いや、ホントに忘れて・・・でも、書庫(バンク)で調べれば良いんじゃねえのか?」
――――はぁー、たく、この殿方は何者ですの?
「他に何かやってませんの?」
「バイトってわけじゃないけどやってるぞ」
「何をですの」
「――――探偵」
――――探偵?風紀委員(ジャッチメント)が、いるのに探偵?ケンカを売っていますの?
「・・・そうですの」
「では、能力は―――」
「もう、いいべ?書庫(バンク)みれば、一発でわかるだろ?」
少年は、さっさと支部から出ようとした。
「逃げても、意味ないですわよ?空間移動能力者(テレポーター)である私が、何処まででも追跡しますわよ?」
少年・皆咲 鍵一は、しばし顎に手をあて考えてから
「そうか・・・できるんなら追跡すればいいじゃねぇか」
鍵一は、出口に向かっていく
「まったく、意味ないと言ってますのに・・・」
しかし、少女は気付いた、自分の能力が使えないことに・・・
「ど、どうなってますの!?」
「簡単さ、俺はお前の脳を制御しているから」
「そ、そんなことどうやったら―――」
「また、いつか話す」
少年は、出て行った。なんか、いろんな意味ですごい人であった。
そして、テーブルをふと見るとそこには、反省文をかくための何枚かの原稿用紙が―――
「あの殿方、今度会ったら、とっちめてやりますの」
そこで、支部のドアが開く誰かと思ったら、初春であった。
「あ、白井さんお疲れ様です。どうでしたか?」
「色々と疲れましたの・・・そういえば、この前の事件は、どうなりましたの?」
「この前の事件て、あれのことですか?」
「当たり前ですの」
「その事件でしたら、解決しましたよ?」
「へ?どうやってですの?」
「それが・・・」
「探偵と名乗る人が、現れて、すぐに、事件を解決してしまいましたよ?」
「そのようなことは、連絡をして―――探偵?」
ん?最近聞いたワードですのって、まさか、まさか
「ああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「ど、どしたんですか?」
「もしかして、その殿方の名前は」
「ええ~と、たしか」
「皆咲(みなさき) 鍵一(けんいち)!!」
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学園都市に探偵が現れた!探偵と名乗る少年、皆咲(みなさき)鍵一(けんいち)は、学園都市で起こる事件を解決すると共に学園都市の真実を追い求めている。そして、魔術の真理を・・・そんな鍵一が、ある日、白井黒子という少女に177支部に連行される。その後も何度か黒子に連行され他の科学メンバー、御坂美琴、初春飾利、佐天涙子と出会う。
情報連結(データコネクション)、それは情報と情報を繋ぎ合せる能力、正直に言うが少し地味な気がする。
しかし、この情報連結(データコネクション)を駆使し、様々な事件を解決させていく鍵一。がんばれ、鍵一。
果たして、鍵一はヒロインを決定することができるのか?
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