第六十六技 現れる死神
キリトSide
地下水道を抜けて迷宮に入るとやはりというかモンスターが待っていた。
けれど俺の敵ではなく、《二刀流》による乱舞で一気に片をつけていく。
またまたモンスターが怯えていたような気がしたがこの際どうでもいいか。
順調に敵を薙ぎ倒していきながら奥へと進んでいく。
大分奥に進んだあたりで十字路が見えてきた。
「あ、シンカーの反応が…」
フレンドリストの追跡機能により、ユリエールさんがシンカーの反応を捉えたようだ。
「この十字路の奥の部屋です」
十字路の奥にある部屋にたしかに人影がみえた。シンカーなのだろう。
ユリエールさんはシンカーだと確信したのか部屋へと駆け出した。
「シンカーーーーー!」
その声に気付きシンカーが部屋の入り口に近づいたようだ。
だが、俺はそれに疑問を感じた。まるで、なにかから身を守っているかのようだ。
「ユリエーーーーール!」
シンカーが声を上げた。
アスナは微笑みを浮かべているが俺はその声に焦りを感じた。
あの嫌な感覚が大きく俺を襲ったからだ。
「来ちゃだめだーーーーー!!!」
シンカーがそう叫び、ユリエールさんが十字路の中央に差し掛かった瞬間、そいつが現れた。
顔は骸骨になっており、全身を黒いローブで覆い、その手には巨大な鎌を持っている。
ボスモンスターだ。ボスがユリエールさんに向けて大鎌を振りかぶってから俺は瞬時に駆け出した。
そして、その大鎌が横薙ぎに振り下ろされた。
―――ガガガギイィンンッ!
大鎌とユリエールさんの間に入り込み二本の剣を地面に向けて刺して、攻撃を受け止めた。
「ユリエールさん、早くシンカーさんの元へ! アスナ、ユイを連れてユリエールさん達のところに!」
俺の指示に二人はすぐに我に返り、ユリエールさんはシンカーの居る安全エリアに行き、
アスナはユイを抱きかかえると俺の後ろを通って部屋へと向かった。
「キリトくんもはやく!」
「そうしたいのは……、山々なんだがなっ!」
俺は後退しようにもボスモンスター〈The
『運命の鎌』とはよく言ったものだ。
相手のデータが識別不能となっている。
俺の《索敵》スキルが
レベル100を超えてる俺が解析できないということは相手がヤバいという事。
「アスナ、早く下がってろ……」
「えっ?」
俺の言葉にアスナはわけがわからないという表情をした。
「コイツ…。大方、90層ぐらいのボスの強さだ」
「う、そ……」
アスナの顔は絶望のものへと変わる。
いくらレベル100を超えている俺でも、90層のボスモンスターと渡り合うのは困難だ。
それでも、俺は彼女達を生かさなければならない。
「行くんだ、アスナ! 俺が奴を抑えている内に!」
会話をしながらだとかなり辛い。俺は未だに安全エリアに入っていないアスナに叫ぶ。
「あ、い、いや……」
嫌がってその場を動こうとしないアスナ。
その時、奴の視線がアスナへと向いたのに気付いた。俺はすぐにアスナとユイの元へ駆け寄る。
しかし、辿り着いた瞬間に奴は大鎌を振り下ろしてきた。
俺はその場で体を反転させて二本の剣で攻撃を受け止めた。
だが、強大な衝撃をくらい大幅にダメージを受けた。
防いだにも関わらずに半分近くのHPをもっていかれた。
「がはっ!?」
「キリトくん!?」
「パパッ!?」
くそっ! 次の一撃をくらえばやられるのは目にみえている。
せめてアスナとユイは逃がさなければ。
そんな時だった、俺の《索敵》に反応があったのは。
それは、よく知る者達のものだった。本当にいいところに来てくれるよ……、
「「「キリト!!!」」」
「「キリトさん!!!」」
「「キリトくん!!!」
俺の、最高の黒衣の仲間達は!
キリトSide Out
To be continued……
後書きです。
この作品ではキリトはシンカーの顔を知っています。『狩人』としての情報ですけどね。
そして、いくら強化キリトでも一人であの死神と戦うのは難しいんですよ。
だからご都合主義らしく、『黒衣衆』に来ていただきましたw
次回は死神との戦闘が始まります、お楽しみに・・・。
それでは・・・。
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第六十六話です。
ついに出現する死神。
キリト達を待ち受ける運命や如何に・・・!
どうぞ・・・。