No.481394

IS 飛翔する白き翼 第1話 出会い

IS世界へと飛ばされたガンダムパイロットヒイロ・ユイ。自らの愛機をかりISの空を飛翔する。

2012-09-08 19:14:42 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:12451   閲覧ユーザー数:12086

第1話

 

「一体なんなんだよ、これは!?」

 

3月の終わり、織斑 一夏は自宅近くで3機のIS「ラファール・リヴァイヴ」に取り囲まれるという危機的状況にあっていた。

 

「お前が織斑 一夏だな・・・」

 

 マスクをしているので全員顔はわからないがISを展開しているので女だ。そして、全員がサイレンサー付きのサブマシンガンを一夏に向けている。

 

(くそ、狙われている理由は大体見当がつくが、幾らなんでもこんなのは・・・・それに今日は千冬姉が帰ってくるのに・・・)

 

 織斑家は住宅街からすこし外れているが、ISを展開すればレーダーで感知され、すぐに警察やら自衛隊が出動してくるはずなのだが、今だ来る様子はない。

 

「貴様のような男がISなど・・・」

 

左側の女が怒りをこめて言う。そう、一夏は女しか扱うことのできないISを操れる唯一の男なのだ。故に、この女尊男卑の時代では女達の中にはそれを疎ましく思うやつもいる。それは一般人もISテロ集団でも同じで、今回は残念なことに後者なのだが・・・

 

「言い残すことはあるか?」

 

真ん中のリーダーらしき女がマシンガンのセーフティーロックを外しながら問う。目の前にある死の恐怖に一夏は覚悟を決めて言った。

 

「・・・・姉さんだけには手を出さないでくれ、お願いだ!姉さんだけは!!」

 

 今まで俺を一人で育ててくれた姉さんなんだ。一夏は姉さんだけは危険な目に合わせたくなかったのだ。

 

「いいだろう。どうせ、目的はお前だけだからな・・・」

 

 そして、トリガーに指がかけられた。

 

(これで俺は死ぬんだな・・・さよなら、姉さん)

 

だが、銃口から弾が出ることはなかった。なぜなら、上空から突如飛来してきた白いISが緑色のビームサーベルでリーダー機のマシンガンを斬り壊し、一夏の前に舞い降りたのだ。

 

「なんだ!?」

 

突然のことに3人は後ろに下がる。だが、いつでも攻撃できるような態勢だ。リーダー機は後方に下がり、新たにIS用ナイフを展開している。

 

(・・こんな全身装甲のISなどみたことないぞ!!それにさっきのはビームサーベルだというのか!?)

 

白を基調としたトリコールに背中に巨大な翼をもち、ISにしてはありえない全身装甲なのである。今は右手に持っていたビームサーベルは収納され、身の丈ほどあるライフルがかわりに握られている。

 

「隊長!!」

 

「どうしますか!」

 

予想外の出来事に部下たちも戸惑っていた。いや、襲った3人組だけでなく助けられた一夏も驚いていた。

 

(なんなんだコイツ・・・どうして俺を助けたんだ?)

 

すると、その謎のISから声が発信された。

 

「・・・そこの3機に告ぐ。直ちにここから去れ・・・」

 

「男だと!?」

 

その声は15歳くらいの男子の声のようだった。幾ら不明機とはいえ、男でISを使えるのは一夏だけと思い込んでいた3人は面くらった。

 

(なぜだ!!なぜ、こいつもISが使える・・・織斑 一夏だけではなかったのか!?・・・・・しかし、こいつも男である以上ここでこいつも殺さなければ・・・・)

 

リーダーは部下に秘匿回線を開くと

 

「全員に告ぐ。今からあの白いISを最優先目標に変更する!フォーメーションデルタだ!!」

 

「「了解!!」」

 

「・・・・・・・・」

 

言葉と同時に白いISを取り囲むように散らばった。一夏も少し離れたが、白いISはまったく動こうとしない。

 

「撃てぇぇぇ!!!」

 

その言葉に2機のISの持っているマシンガンが火を噴き、地面に外れた弾丸により白いISは土埃に包まれ見えなくなった。

 

「ふん、意外とあっけなかったな」

 

「口ほどにもないわね」

 

「では、これより初期の目的である織斑 一夏を・・・・・なにっ!?」

 

土埃が晴れるとそこにはまったくの無傷のISが立っていたのだ。

 

「・・・・戦術レベル確認」

 

言葉と同時にライフルが部下の一人に向けられ、銃口からでたISの半分の大きさもある山吹色のビームが発射されると左側のラファールを掠める。ただ掠めただけのはずだったのだが、 

 

「きゃあああああああ!!!!」

 

掠めただけのはずの機体は左推進翼などが跡形もなく消え去り、地面に落下するとISは強制解除されパイロットはそのまま立ち上がる気配はなく倒れていた。

 

「ばかな!!掠っただけだぞ!!」

 

驚異的な破壊力に残った二人と一夏は言葉を失った。だが、次の不明機からの回線は確実に残った二人の士気を喪失させた。

 

「・・・これでも加減した。これで去らなければ次は容赦しない」

 

そう言って、先ほどのライフルを構える。リーダーは倒れた部下を見やり、武器を収納した。部下もそれにならう。

 

「・・・・わかった。これより退却する」

 

そう言って、倒れた部下を抱きかかえると東の空へ退却して行った。

 

「・・・任務完了」

 

白いISは一夏の方に向き直るとISを解除した。すると、15,16歳ぐらいの少年がそこに立っていた。それがヒイロ・ユイと織斑 一夏の最初の出会いだった。

 

 

 

話は一夏襲撃少し前に戻る・・・・・

 

光にゼロとともに飲み込まれたヒイロは目を開けると目の前には砂漠ではなく、舗装された道路があった。そして、ヒイロは道路の真ん中に立っていたのだ。

 

「・・・ここは一体。それにあの光は・・・・」

 

ヒイロは回りを見回すと、2階建ての家が立ち並んでおり住宅街のようだった。

 

「俺は砂漠にいたはず・・・それにゼロはどこに?」

 

そう言いつつ所持品を確かめた。バッグは持っていなかったので持っているのは腰に差し込んでいた拳銃一丁だけのはずなのだが・・・

 

「ん?なんだこれは・・・」

 

ヒイロがポケットに違和感を感じ、手を入れその違和感の正体を手に取ると白を基調として翼を模したペンダントが手に握られていた。

 

「・・・俺はこんなもの持っているはずが・・・・・・なっ!?」

 

手に持ち観察しているとそのペンダントが輝きだし、直後膨大な情報が頭の中に流れ込んできた。

『IS』について、基本動作、操縦方法、性能、特性、現在の装備、etc・・・・。まるで、元々知っていたかのような情報だった。

 

「ISだと・・・・この世界は俺の知っているものではないのか?それにこれは・・・・」

 

ヒイロは流れてきた情報の一つに違和感を覚えた。そんな時だった視界の片隅を3機の『何か』が飛んで行くのを見たのは・・・

 

「あれがIS・・・」

 

幾ら違和感がないとはいえもっと確実的な情報を得るためヒイロは3機のISを追ったのだ。そして、追ってみるとISは一つの家の近くで停止すると、一人の少年を取り囲み銃を向けていた。誰かはわからないが見た限り一般人のようだ。

だが、直感のようなものがその少年を助けろと言ってくる。

 

「あいつがなにか知っているのか・・・・」

 

その時、突如ペンダントが再び輝きだし、その光はヒイロを包み込んだ。光がおさまるとそこには一対の翼をもったかつての自機『ウイングガンダム』を纏っていた。そして、ガンダムを纏ったヒイロは少年を助けるために飛翔した。

 

 

 

 

 

 

話はまた元に戻る・・・

 

ヒイロの前には先ほど助けた少年がいる。身長は170㎝くらいで歳は同じだろう、どこにでもいそうなやつだ。それ故になぜ殺されようとしているのかヒイロにはわからなかった。

 

「怪我はないか?」

 

「いや、俺は大丈夫だ・・・。ありがとな、助けてくれて・・・」

 

そう言いながら一夏は立ちあがった。

 

「・・・構わん」

 

「俺は織斑 一夏。お前は?」

 

「ヒイロ・ユイだ。・・・一つ聞くが、なぜお前は命を狙われていたんだ?」

 

「いや、それは・・・「一夏!!」」

 

一夏が説明をしようとすると空からIS『打鉄』を装備した女が飛んできた。そして、地面に着地するとISを解除して、一夏に詰め寄った。

 

「大丈夫だったか一夏!」

 

「千冬姉!?なんでISなんか・・・」

 

鋭い吊り目に、スーツの似合う長身とボディラインが特徴的な女だ。ヒイロは一夏の言動、女の態度から姉だと判断した。

 

「ここの近くでIS起動反応が出てな・・・それに、戦闘らしき光も見たとの連絡があってな、それでもしかしてお前が襲撃されているのではと思って飛んできたのだ・・・・それで一体なにがあったんだ、一夏!?」

 

一夏はヒイロを見やると事の次第をすべて千冬に伝えた。千冬はそのことを聞くと驚愕したようでヒイロのほうをジッと見ていた。ヒイロはそのことを気にしていないように腕組みして立っていた

 

「・・・・そうか、危ないところだったんだな一夏」

 

そういうと千冬はヒイロのほうに向きなおった。

 

「紹介が遅れてすまない。私はこいつの姉で織斑 千冬だ。そして、姉として弟を助けてくれてありがとう」

 

「気にするな・・・当然のことをしたまでだ」

 

「だが、お前にはそのISについて聞きたいことがあるのでついてきてもらうぞ」

 

「千冬姉、どういうことだよ!」

 

一夏は千冬の言葉に驚いた。だが、ヒイロは千冬の言葉に何も反応しない。

 

「一夏も知っているだろう?ISを無許可で外で使用するのは条約違反だ。しかも、それが不明ISならなお問題なんだ」

 

「で、でもよ・・・」

 

だが、千冬ににらまれ一夏は何も言えなくなった。

 

「いいな?」

 

「別に構わない」

 

ヒイロとしてはこの世界の事を知ることが容易になるし、危険になればガンダムを使って逃げればいいことなので了承した。もう一つに千冬は直感的に信じれると思ったからもであった。そうこうしていると千冬が呼んだパトカーと特別車がやってきた。そして、その車は二人を乗せると、その場から走り去っていった。


 
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