第六十二技 軍鎮圧戦
キリトSide
「ギン! ケイン! ミナ!」
現場に到着すると三人の子供が軍の連中に囲まれていた。サーシャさんが子供達の名前を呼ぶ。
あれは『ブロック』行為だ。簡単にいえばとうせんぼだが、それを利用してカツアゲを行ったりするものである。
「おっと、先生さんじゃないか」
「あんたんところはまだ税を納めてねぇからなぁ」
「ガキ共を解放してほしかったらいますぐ税の分の金を用意しな」
そんなことをぬかす軍の兵士達。こいつら……腐ってやがる。
俺は抱えていたユイをサーシャさんに預けた。
「あなたた「マテ、アスナ…」ちょ、キリ…ト…くん…」
「ショウジキ、オレモイマスグニアイツラヲキリキザミタインダケドナ…。トリアエズ、レイセイニナレ…」
『正直、俺もいますぐにあいつらを切り刻みたいんだけどな…。取り敢えず、冷静になれ…』
俺の『怒気』に飲まれそうになったアスナだが、一度『覇気』の方を体感しているからか落ち着く事ができたようだ。
ちなみにユイやサーシャさん達には気付かれないようにしている。
「アスナハアッチノサンニンノコドモノホウヲタノム。オレハミンナヲマモリナガラノコリヲアイテニスル」
『アスナはあっちの三人の子供の方を頼む。俺は皆を守りながら残りを相手にする』
「うん! キリトくん、気を付けて…」
「アスナも気を付けて…」
俺は『怒気』を解いてからアスナに言葉を送った。
「な、なんだ? おまえた「黙れ…」ひっ!?」
俺は軍の兵士達に最大級の『殺気』を投げかけた、途端に奴らは動けなくなる。
十人は居るであろう奴らも俺の『殺気』に怯えているようだ。
「お前達はやってはいけない事をしたんだ。覚悟はできてるよな?」
―――『プレイヤーキリト、アスナから
俺は黒剣と白剣を装備して構えた。アスナも細剣を構える。
―――『プレイヤー軍兵士1~10が受諾しました』
軍の者達が俺達の決闘を受け入れた。
内容は『半減決着モード』でHPが半分になれば終了するというものだ。
「しっかりと……抵抗してくれよ…」
俺のその言葉と共に、俺とアスナは突出した。
「せぇぇぇい!!!」
突出したアスナは高速の連撃で軍の兵士達を圧倒している。
たった一人で四人を相手にしている。
かくいう俺はユイとサーシャさんと子供達をまもりながら、六人を相手にしている。
「アスナめ、大分本気を出してるな…。いや、それでも半分程度かな?」
「な、なんだよこいつ!? なんで攻撃が当たらないんだ!?」
「同時に攻撃してるのに!?」
「こ、今度は全員で行くぞ!」
「「「「「「うおぉぉぉぉぉ!!!」」」」」」
兵士達が俺に向かって全員で突撃してきた。
バカめ…。だから、コーバッツみたいに犠牲者をだしてしまうんだよ。
「終われ…」
―――ドガガガガガ!!!
―――バギャンッ!
―――ドガンッ!
―――ズガッシャン!
―――ズシャズシャ!
―――ドサ!ドサ!ドサ!ドサ!ドサ!
「な、な…。一瞬で五人も…」
「弱いな…。まぁ、こっちは最前線で戦ってるからな…」
コイツらは手応えがなさすぎだ。ま、気を失っただけだがな。
「こ、こうりゃくぐみ……」
「お、向こうも終わるな…」
アスナの方を見てみると俺と同じであと一人だ。
「ま、待ってくれ!? ガキは解放する、だから!?」
「おあいにくさま…、もう解放してるよ」
すでに捕まっていた子供達は解放されている。
「あ……」
「……ねむっとけ」
―――ドスンッ!
俺は強烈な一撃を兵士の腹に叩き込んだ。
―――バキャンッ!
どうやらアスナの方も終わったようだ。確認すると兵士達が倒れていた。
その後兵士達はすぐに身を起こして逃げて行った。
「お疲れ様、アスナ…」
「キリトくんもお疲れ様。わたしよりも大変だったのに余裕だね」
「まあな。やわな鍛え方はしてないさ」
「すっげぇ! 兄ちゃんも姉ちゃんも凄くカッコよかった!」
「お姉さん綺麗だったよ~!」
俺達の周りに子供達が集まってきて賞賛の声を上げてくれた。
「ありがとうございます! なんてお礼をすれば…」
「いいんですよ、サーシャさん」
「困ったときはお互い様です」
お礼を言ってくるサーシャさんに俺とアスナは大丈夫だと答えるが、それでもサーシャさんは何回も頭を下げてくる。
助けた子供達も泣きながらだが、お礼を言ってくれた。
相当、怖かったはずだからな。その時…、
「う! い、たい…」
「ユイ、どうした!?」
「ユイちゃん!?」
突如としてユイは頭を抱えだした。どうやら頭痛がするらしい。
俺はユイを抱きかかえ、アスナも心配そうに名前を呼ぶ。
「みんなの…こえが、あたまに……はいって…」
「ユイちゃん、何か思い出しそうなの!?」
「わか…んない…。でも…、こわいよ……パパ、ママ…」
とうとうユイは泣き出してしまい、すぐに意識を失ってしまった。
サーシャさんの計らいで俺達はそのまま教会で一泊することになった。
キリトSide Out
To be continued……
後書きです。
キリト無双は如何でしたでしょうか?楽しんで頂けていれば幸いですw
とりあえずキリト・・・お前が落ち着けw
無双はこんな感じでよかったでしょうかね?
もう少しで裏迷宮に入りますから、またその時に無双をしますので。
それでは、また・・・。
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第六十二話です。
キリトがブチギレ無双を発動します。
といいましても相手が弱くて話になりませんがw
原作とも少々違う展開です。
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