No.479641

恋姫無双 槍兵の力を持ちし者が行く 14話

ACEDOさん

現在メモ帳で執筆をつづけているのですが、間違えて、まだ投稿していない話を消してしまった。orz
なので、前のサイトで投稿した分を投稿したらペースが落ちてしまいます。すいません。

2012-09-04 10:01:19 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4709   閲覧ユーザー数:4320

椿、霞に勝ち、手合わせの最後になったわけだが……

 

 「最後は一番強え奴ってのはお約束なんだろうな」

 

 目の前には恋、呂奉先がいる。

 三國志の中で豪傑と呼ばれる将は多数いるが、その中で一番は誰かと聞かれると呂奉先と口を揃えて言う程に強さは群を抜いている。というか武では椿、霞、恋。知では詠、音々音って月がやる気だしゃ天下取れるんじゃねぇのか?

 いや、この月の性格だからこそ、ここまでの人材が揃ったと考えるべきか……

 

「まあ、そんな問答は後に置いとくべきだな。

 なあ、恋よ」

 

 それを頷くことで恋は返してくる。

 敢えて言わせてもらうなら勝てるかどうか分からない。

 恐らくだが、史実の呂奉先ならば神秘をもつ英霊とタメをはれると考えられる。そして召喚される位としては、ランサー、ライダー、アーチャー、バーサーカー、後、もしかしたらセイバーな。……多すぎだろ

 とにかく、勝てるかどうか分からないのが実情で、そのせいで今まで昂ぶっていた身体が更に昂ぶるのを感じる。

 

 「さあ、行くぜ恋。お前の武(力)と俺の武(速さ)、どっちが強いかはっきりさせようぜ!」

 

 そう言いつつ接近し、己の間合いに入れる。

 対する恋はその場で構え、迎う打つようだが……

 

 「甘いんだよ!」

 

 身体の全てを使い、移動しながら突きを放つ。

 このまま、一気に流れを作って…

 

 「……そっちこそ、甘い」

 

 そう言いながら、恋が常に移動している俺を捉えて攻撃する。

 まあ、そこら辺は予想通りなわけだが……

 そう思いつつ中途半端に受け流す形で防御したら、身体ごと吹っ飛ばされ、間合いが開く。

 身体へのダメージはほとんど受け流せたが。

 

 「一発で流れを変えるのは反則じゃねぇか」

 

 「……そう簡単にやらせない」

 

 そして、お互いに構え直す。

 今の速さなら捉えられて恐らく負ける。なら、更に速く鋭くしていくしかない。

 かなり厳しいが、まあいい、分の悪い賭けは嫌いじゃない。

 

 

― side 三人称

 

 

 「蒼っちもよく防いだけど、恋もようあの速さを捉えられたな」

 

 「当然なのです。恋殿は無敵なのです!最強なのです!」

 

 「まあ、蒼様ならあのぐらいの攻撃など対処するのは当たり前ですから。」

 

 「む、あのぐらいの攻撃とはなんですか!恋殿の攻撃はもの凄いのですぞ!」

 

 「一発しか当たっていませんが」

 

 「く、恋殿ー。そんな男など直ぐに倒してしまうのです!」

 

 ただ一度の相対で凄まじい武の応酬を行った二人を見ている者(口論している二人以外)は感心して見ていた。

 攻撃の速度を緩めず、絶えず動き回りながら攻撃し、防御もしっかりとしていた『最速』。

 対するは、その連撃を全て、避け、防ぎ、そして力強い攻撃を当てた『最強』。力と速さ、対立する二つの武に魅せられ、また武人の血が騒いでしまうのは仕方がない。

 だがそれよりも……

 

 「……霞」

 

 「……ああ、そうやな椿。このままいけば、恋の勝ちやろうけど、蒼っちも何か仕掛けてくるで」

 

 武人の感覚が己に告げていた。

 蒼はまだ底を見せておらず、本当の手合わせは此処からだと。

 

 「……ままならんもんやな」

 

 「……ああ、そうだな。だがいつかあの二人に勝ってみせる」

 

 「……せやな」

 

 二人の胸には憧れ、嫉妬が渦巻いていたが、なにより目標の高さに喜びつつ、この試合を見ていた。

 

 

― side out

 

 

 さてと、此処から更に上げるとなるとかなり厳しいな。

 まあ、運がいいのは恋が俺を警戒して、待ちの状態に入ってることだな。

 『こいつ』はまだ不完全で出来れば使いたくなかったんだがな。

 

 「フー」

 

 恋を警戒しつつ、呼吸を整える。そして意識を少しずつ広げていく、自分、恋、そして手合わせを見ている連中、さらには周りの木々や石、地面にまで、ありとあらゆる気の流れに意識を向ける。これで第一段階は終了。此処からが問題。

 次に己の身体に流れている気を、持っている《赤光》に流し循環させ擬似的に身体の一部とする……はずなんだがやっぱり中途半端にしか流れていない。まるで意図的に血の流れを悪くしているような感覚だ。

 それに本来ならコイツは己の体の気を周りの気と同調させて更に身体能力を向上が出来るのだがもう少し時間があれば出来たがそんなことをやってる時間は今ない。

 それでも気を流したからか槍のまがまがしい雰囲気が出ている。

 明らかに恋も引いてるし。

 

 「……その槍……何?」

 

 「ああ、すまねえ。ちょいっと曰く付きの槍でな」

 

 誰も知らないだろうけど、こいつはかの英霊クーフーリンの宝具、魔槍《ゲイボルグ》とほぼ同じだからな。

 ま、とにかくこれで仕込みは完了。こっからが本番だ。

 

 「さてと、限界を越えさせてもらぜ!」

 

 「……来い」

 

 俺の勝利条件は攻撃に当たらず、手数で相手を圧倒すること。

 恋の勝利条件は俺の連撃を全て対処し、自分の攻撃を当てること。

 俺の方が不利な気がするがまあいい。

 そう決心し、突っ込む。此処は強引にでも流れを作らないと負けるかもしれない。

 身体の無駄な動きを省き、最速で恋の間合いの中に槍を突き出す。

 

 「……さすがに……速い」

 

 「こいつは止められるのは想定内なんだよ」

 

 初撃は止められる。

 こっからが勝負。恋の間合いに入るか入らないところで動きながら槍を繰り出す。

 狙うのは武器なんて言っている場合じゃない。

 恋を動かさない為の牽制以外は全て倒すための一撃。それも全て対処される。

 これも想定内。こんな攻撃ごときで倒せるとは思ってない。

 そしてわざと恋の間合いに入り誘う。

 

 「……貰った」

 

 恋が誘いに乗り、攻撃してくる。

 普通は此処で後ろに下がるとこだが……

 ここは前にでる。躱せば勝ち、当たれは負けの大勝負。俺の速さを躱すに賭ける。

 態勢を低くしてそのまま間合いの中心に。

 そして至近距離に入る。

 そしてそのまま槍を放ち、寸前で止める。

 

 「少々危なかったが、俺の勝ちだな」

 

 「……ん、恋の負け」

 

 いや、危なかった。恋の攻撃が当たったらと思うとゾッとするな。

 

 「で、これで俺の実力が分かったか?詠?」

 

 「まさか恋にまで勝っちゃうなんてね」

 

 「まあ、恋はかなり危なかったがな」

 

 「その前の二人も充分強いんだけどね。まあいいわ。

 多分、客将として主に賊の討伐と、兵の鍛練をお願いすると思う」

 

 「了解した。森羅、詠と報酬の件で話し合いをしてくれ」

 

 「御意」

 

 恋との手合わせが終わり、ちゃんと評価され、詠と今後、俺達が何をするのか話していると霞が後ろから声をかけてきた。

 

 「まあ、堅苦しい話も切り上げて、蒼っち達の歓迎として酒盛りをせえへんか?」

 

 といいつつ酒を片手に誘ってくる霞。まあ、嬉しいんだが、お前ただ飲みたいたけだろ?

 といいつつ、俺も飲みたいんだがな。

 

 「いいね。俺も酒がいけるクチだ。酒もかなり強いからな。楽しくなりそうだ」

 

 

 

 

 まあ、この後は歓迎会として、酒を飲みまくり、恋とねねと森羅と月以外は二日酔いで森羅と月に説教されたのはいい思い出だ。

 

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
20
2

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択