No.478332

真・恋姫†無双 ~我天道征~ 第9話

seiさん

一刀も仕事に慣れてきて、またしばらくの時が経った。
そんな日々の中、一刀は賊討伐の報告の中の違和感に気付く。
そしてそれは、華琳達が抱える問題に深くかかわることだった。

おまたせしました。

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2012-09-01 11:54:05 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:6322   閲覧ユーザー数:4996

 

 

 

 

 

 

注意 本作の一刀君は能力が上方修正されています。

 

   そういったチートが嫌い、そんなの一刀じゃないという方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

華琳の所に仕官して、一月が経とうとしていた。

俺は自分の検索した案件の進展度合の確認や、問題発生時の対応といったことを桂花たち文官と行っていた。

といえば聞こえはいいが、実際には雑用や書類整理、現場にいっての確認などが主な仕事であり、いうなれば文官見習いである。

桂花に怒られ、他の文官さん達に苦笑されながらも、なんとか頑張っている。

これが、俺の表向きの仕事である。

 

 

その裏で俺は、華琳に言われた通り秘密裏に、細作部隊の隊長をしている。

俺の忍者としての技術を教えたり、その部隊の編成がこちらでの仕事だ。

実際の指示や得られた情報の整理などは、さすがに桂花が行っているが。

俺はそんな感じで慌ただしく、日々を過ごしていった。

 

 

 

そんなある日、他の文官さん達がみんな出張ってしまったため、華琳と桂花の政務の手伝いをすることになった。

そのため俺は今、華琳の執務室で机に向かっている。

しばらくは黙々と仕事をしていたが、俺は気になっていたことを質問することにした。

一応、近くに人の気配がないことを確認してから。

 

「なあ、桂花。」

「何よ?もしくだらない用事だったら、責任とって腹切りなさいよね。」

「何でだよ!いや、最近賊の被害が多いんじゃないかと思ってさ。」

「それについては、朝議でも報告があったはずよ。

 確か、賊の動きが活発になってきて、さらに組織だって動いている可能性があるからと。」

 

華琳が朝のことを思い出しながら、俺の質問に答える。

 

 

「いや、それはそうなんだけど、その割には討伐の成果が少ないなって。」

「何?それは遠まわしに、情報を集めてる私が無能とでも言いたいわけ?」

「あ、いえ、その、そんなわけないじゃないですか、桂花さん。」

 

言葉の選択を間違えた。

桂花の視線がきつくなり、その視線だけで俺を呪い殺せそうなほどだった。

 

「そうじゃなくて、春蘭達が村に救援に向かった時にはすでに逃げてたり、隠れ家をみつけても、もぬけの殻だったりってことが、最近多すぎると思うんだ。昔の報告書を読んだけど、以前はそんなことほとんどなかったろ。」

「アンタ、勝手に報告書を読んだの?」

「いやいやいや、華琳には許可とったから。」

「ああ、そういえばそうだったわね。」

「ほら。」

「なら、いいけど。」

 

 

(なかなか話が進まない。)

 

俺がそんなことを考えていると、桂花がチラチラと扉のほうを気にしている。

 

(! ああ、なるほど。)

 

さっきから話が進まないのは、どうやら今からする話を盗み聞きされるのを警戒してのようだ。

 

「大丈夫だよ。話が聞こえる範囲に、人の気配はないから。」

「そう。それについては、こっちも気にはなっていたのよ。」

「アンタは、どう考えてんのよ?」

 

二人に警戒をとくよう伝えると、ようやく話が進んだ。

 

「さっきも言ったけど、賊達の動きが良すぎる。まるで、こちらの動きを予め知ってるみたいにね。」

「つまり、誰かが情報を流していると?」

「ああ。」

 

賊と繋がっている者がいる。

その言葉に、場の空気が張り詰める。

 

 

「一刀には、怪しいと思う人物はいるのかしら?」

「いや、さすがにそこまでは。只、つい最近ここで働くようになった人とか、身元不明な人、そして賊討伐の情報を手に入れることができる役職にいる人物ってのが、怪しいとは思うけど。」

 

華琳の質問に、俺はまあ基本とも言える条件をあげていく。

 

「最近ここで働くようになった、身元不明な人物・・・」

「そして、部隊編制の情報を得られる人間、ねー・・・」

 

そうつぶやいて二人は、ジトーッとした目線で俺を見る。

 

「え?何?」

 

二人の視線に嫌なものを感じた俺は、自分の発言を省みる。

 

 

最近働くようになった・・・・・1カ月前から働いてます

身元不明・・・・・・・・・・・天の国からきました

賊討伐の情報が得られる・・・・その情報の集る華琳の部屋に、こうして出入りしています

 

「・・・・・はっ!!」

 

見事に全部当てはまっていた。

 

「まさか、あなたが犯人だったとはね。」

「華琳様、こんなやつ今すぐ打ち首にしましょう。」

「ちょ、まてまてまてまて、誤解、誤解だから。俺は無実、そんなことやってないから!」

「ふん、犯人はみんなそういうのよ。観念しなさい。」

 

俺は必死に弁明するも、桂花が嬉しそうにそれを否定する。

 

 

その様子を一通り見て満足したのか。

 

「桂花、一刀をからかうのもその辺にしておきなさい。」

「はい、華琳様。」

「へ?どうゆうこと??」

 

華琳の言葉に、俺はまぬけな声をだしてしまった。

 

「ふん。さっきあんたが言った様なことを、私や華琳様が気がついてないとでも思ったの。」

「すでに調査をしていて、候補は出ているのよ。」

「俺は?」

「安心しなさい。その候補にはあがってないわ。」

「残念だけどね。」

「はぁ~、良かった~。」

 

さっきまでの会話が冗談だとわかると、俺は一気に脱力してしまった。

まあ、かなり性の悪い冗談だったけど。

 

 

「あれ?それじゃあ、なんでそいつを捕まえないんだ?」

「は、あんた馬鹿なの?ああ、馬鹿だったわね。

それができるならとっくやってるわよ、全身精液変態性癖男。」

「ううう。」

 

俺の一の質問に、倍近い罵声で返されるとは。

俺は、そのことに軽く落ち込んでいた。

 

 

「ふぅ。そいつが犯人だっていう、証拠がないのよ。」

「証拠?」

「状況証拠から目星はつけたけど、それだけじゃ捕まえられないの。

 賊とつながっているっていう、絶対的な証拠がないのよ。」

「そんな不確かな理由で部下を裁いていたら、華琳様の風評に関わるわ。」

「なるほどな。」

 

確かに、そんな簡単に処分していては、悪評が広がるだけだな。

 

 

「その話って、他に知ってる人間っているのか?」

「ええ。私と桂花と秋蘭、そして調査を頼んでいる信頼できる者数名くらいだけどね。」

「あれ?春蘭は??」

 

先ほどの名前に春蘭がいなかったため、俺はそのことを聞いてみる。

秋蘭が知ってるんだから、春蘭に教えても問題はなさそうだけど。

 

「あの子には教えられないわ。」

「え?」

「考えてみないよ、この馬鹿。もし春蘭がそんなこと知ったら、そいつを斬りにいくにきまってるでしょ。」

「ああ~。」

 

確かに、知った瞬間、真っ先に部屋に殴り込んでいきそうな情景が見える。

 

「それに斬ることを防げても、そのことを悟らせないようにするのは、春蘭には無理でしょ。」

「・・・・・だな。」

 

その人物のことをずっと睨んでいたり、口を滑らして言ってしまう情景がまたありありと見えた。

すまん春蘭。こればっかりは、フォローできそうにない。

 

 

「ちなみに、そいつはどうするんだ?」

「別に、どうもしないわよ。」

「えっ!?」

「言い方が悪かったわね、正しくはどうもできないわ。

 処罰できるだけの証拠がない以上、相手の尻尾が掴めるまで、調査を続けるしかないわ。」

「そんな・・・」

「後できるとことといったら、少しでも早く行動して、賊の被害を抑えることぐらいね。」

 

華琳はそういって、悔しそうな顔をしていた。

 

 

 

 

俺も悔しいが、証拠がないんじゃ手の打ちようがない。

なら華琳の言った通り、賊の方をなんとかするしかないか。

 

「なあ、桂花。ここら辺の地図ないか?それと、被害にあった村の場所って覚えてるか?」

「アンタと一緒にすんじゃないわよ、それくらい覚えてるわ。たしか地図は・・・」

 

桂花は、文句をいいながらも棚の奥から地図を取り出し、机の上にそれを広げる。

 

「確か賊の被害報告があったのは、ここと、ここと・・・」

 

そういいながら桂花は、地図の上に印をのせていく。

 

「そして、ここね。これで、わかっている範囲では全部のはずよ。」

「ありがと、桂花。」

 

俺は桂花にお礼を言って、その地図を覗き込む。

地図の上には、無数の印が置かれており、被害の大きさを物語っていた。

 

 

「ん?」

「どうかしたの、一刀?」

 

俺は印の置かれ方に、気になる点を見つけた。

 

「いや、ここら辺りなんだけど。被害が密集してないか。」

「そう言われてみれば。」

 

ある一角だけ、置かれた印の量が多いのだ。

 

「なあ、桂花。ここら辺の賊って、まだ討伐の報告は受けてないよな。」

「ええ、受けてなかったはずよ。」

「じゃあ、たぶんここら辺にその賊の隠れ家があると思うんだけど。」

 

俺はそういって、その範囲を囲う様に紐で円を描く。

 

「ここら辺って、アンタねー。地図だから分かりづらいけど、どんだけ広いと思ってるのよ。」

「いや、この範囲全部を捜す必要はないよ。

たぶん、この円の中心部分にいると思う。これなら、大した広さじゃないだろ。」

「なんでそう思うのよ?」

「賊も俺達のことを警戒して、色々な場所を襲っていると思うんだ。

 だけど、さすがに自分達の根城から離れすぎるわけにはいかないだろ。

 そのまま襲い続けるにしろ、いつかは戻る必要がでてくるだろうし。」

「だから、その中心付近に奴らの根城があると。」

「ま、そういうわけ。」

「桂花、すぐにこの辺りの調査を開始しなさい。但し、裏切り者どもには気づかれないようになさい。」

「御意。」

 

俺の推理に、華琳も桂花も納得してくれたようだ。

すぐに、その調査をするための指示が下された。

 

 

華琳の指示をすぐに実行しようと、桂花が部屋を出て行こうとする。

 

「待ってくれ、桂花。」

「何よ!私は忙しいの、アンタに構ってる暇なんてないんだから。」

 

しかし俺は、もう一つ気がかりなことがあり、桂花を引きとめる。

 

「大事なことなんだ。この範囲の中に、まだ無事な村ってあるか?」

 

俺はそういって、紐で囲った部分を指さす。

 

「え?確かここら辺に、比較的大きな村が一つだけあったような気がするけど。」

「その村から、賊に関する陳情書なんてきてないか?」

「ここ最近は、きてなかったわよ。」

「!! 華琳、すぐに動ける兵ってどれくらいいる?」

「な、何よいきなり?」

「どうしたっていうの。きちんと説明なさい、一刀。」

 

俺の慌てぶりに戸惑いながら、華琳が説明を求めてくる。

 

 

「この村が襲われてる可能性がある。」

「なんですって!」

「こんだけ付近の村が襲われてるのに、この村だけ無傷っておかしいだろ。」

「でもそんな情報、私に入ってきていないわよ!」

 

俺の話を聞いていた桂花が、それを否定するように言葉を荒げる。

 

「ここには、裏切り者がいるんだろ。そいつが、桂花達の目に入る前にそれを処分すれば。」

「なるほど、より安全に村を襲えるわね。」

「でも、あくまで推論でしょ。」

「ああ。だけど、襲われてる可能性は高い。もしそうなら、手遅れになるかもしれない。

 責任なら俺がいくらでもとる、だから頼む。」

 

俺はそういって、華琳に頭を下げる。

 

「わかったわ。但し、責任をとるのは私よ。今から言う指示は、全て私の権限で行うのだから。

 桂花、今動ける人間は?」

「はい、華琳様。春蘭の部隊でしたら戻ってきていますので、今すぐ動けるはずです。」

「そう、ならすぐに春蘭に出撃の準備をさせなさい。」

「御意!」

 

桂花は一言それだけ言うと、急いで部屋を出て行った。

 

 

「華琳、ありがとう。」

 

俺は再び頭を下げて、華琳にお礼を言う。

 

「礼を言うのは後よ、その村が無事だと確認できたときになさい。」

「ああ。」

「それと、一刀。貴方も春蘭と一緒に、その村の救援に向かいなさい。」

「俺も?」

 

華琳のいきなりの提案に、俺は驚き聞き返してしまった。

 

「そうよ。春蘭の部隊は戻ってきたばかりで、まだ十分な休息がとれていないの。

 そんな状態で連続出撃するのだから、少しでも戦力がほしいのよ。」

「なるほど、言い出したのは自分だしな。了解、俺もいってくるよ。」

「ええ、よろしくね。」

 

華琳から理由を聞かされれば納得だ。

確かにそんな状態で出撃する以上、兵達は全力を出せないだろう。

なら、それを少しでも補うために戦力が必要というのもわかる。

 

 

「但し、貴方の正体や力は、ばれないようにしなさい。」

「うっ、また難しい注文を。」

「貴方の能力なら、できないことはないでしょ?」

「はぁ~、頑張るよ。」

 

俺も準備に行こうとした時、華琳からかなり厳しい注文を出される。

出来ないことはないだろうけど、神経使うからかなり疲れるんだよな。

しかし、次に言われた言葉に比べれば、まだ可愛いものだとこの時は気付かなかった。

 

「ああ、それと。春蘭の手綱もしっかりとお願いするわね。」

「へっ!?」

「あの子のことだから、兵の疲れなんて無視して、どこまでも賊を追いかけていきかねないでしょうから。」

「ちょっ、それかなり難易度高いぞ。」

「頼んだわよ、一刀♪」

「・・・精一杯、頑張らせて頂きます。」

 

華琳の天使の笑顔から繰り出された悪魔なお願いに、俺はただそう答えるしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

それから二時後(約2時間)、俺は全身を鎧に包み、馬を走らせていた。

隣には春蘭が並走しており、その後ろには多くの兵士達がついてきていた。

俺達は一路、その村へと向かっていた。

 

 

「北郷。貴様、馬も乗れたのだな。」

「まあね。乗馬についても、じいちゃんから散々しごかれたから。」

 

じいちゃん曰く、「馬くらい乗れずして、何が忍者か!」だったかな。

あん時は、今の時代、乗馬なんていらないだろうとか思ってたけど、まさかこんな所で役に立つとは。

 

(人間、何が役にたつかわからないもんだな。サンキュー、じいちゃん。)

 

そんなことを思いながら、今は遠くにいるじいちゃんに心でお礼を言う。

 

 

「ところで春蘭、作戦はちゃんと覚えてるか?」

「馬鹿にするな!村を襲っている賊どもを、皆倒せばいいのだろう。」

「馬鹿!まったく覚えてないじゃん!」

「何だと!じゃあ、どうしろと言うんだ?」

 

春蘭のらしいといえばらしい態度に、俺は軽く頭痛を覚える。

 

「第一に村の防衛。逃げる賊は追撃せず、こっそり後をつけて隠れ家を見つける。

 その後にしっかりと態勢を整え、それから討伐にいく。」

「えーい、まどろっこしい!そのまま全滅させてしまえばいいではないか!」

「あのなー、自重してくれよ。これは、華琳の命令でもあるんだぞ。」

「むー、華琳様の命令ならば、逆らうわけにもいかんな。」

「はぁ~。」

 

この後のことを考え、俺はさらに頭痛がひどくなった気がした。

 

 

そんなこんなで、しばらく走っていると、林道へと差しかかった。

 

「夏侯惇将軍、この先に例の村があると思われます。」

「そうか、ならばこのまま前進する。全軍、私に続け!」

「「「おうっ!!!」」」

 

春蘭の部下からの情報から、この先が目的地らしい。

俺達は、そのまま林道を駆け抜け先へと進んだ。

少し経つと、全員が異変に気付いた。

 

「くそっ、やっぱりかよ。」

「くっ。全軍、速度をあげろ!!」

 

前方には、一筋の黒煙が空へともうもうと立ち昇っていた。

それを確認した春蘭が指示を出し、全軍の行軍速度をあげる。

俺はあの時の光景を思い出し、間に合えと願いながら、村への道をひた走るのだった。

 

 

 

村の近くまでくるとそこには、入口に群がる多くの賊の姿がみえた。

村は、木でできた塀のようなもので囲まれており、外部からの侵入を阻止していた。

進入路となる入り口も、どうやら村人達が奮戦していたようであり、賊をその場で押しとどめていた。

 

「くそっ、全軍と「春蘭、あれ見ろ!」えーい、北郷なんだと、なっ!?」

 

俺は、賊達が群がる入口の先、つまり村の反対側を指さす。

春蘭は号令を邪魔され少し不機嫌だったが、俺の指さす方向を見て固まる。

なんと黒煙があがっていたのは、今いる入口のほうではなく、村を挟んだ反対側なのだ。

 

「あれは、どういうことだ!?」

「たぶん、こっちだけじゃなく、向こうからも賊の攻撃を受けているんだと思う。

 春蘭、この村を迂回して、反対側の救援に向かえるか?」

「少し難しいな。周りは木が生茂っていて、騎馬では通り抜けできん。

 かといって、歩いていくにしても、あそこにたむろす賊どもが邪魔だし、着くのに時間がかかってしまう。」

 

俺の質問に、春蘭はその経験から、どの手段でもすぐに助けに行くのは困難だと答える。

 

 

「なら、俺一人で行ってくる。」

「北郷、お前でも同じだ。馬では迂回できんし、歩くには時間がかかってしまう。」

 

効果的な策が出てこない俺は、単身で向かうことを告げる。

春蘭がそれを止めようとするが、方法がないわけじゃない。

 

「なら、村を突っ切ればいい。」

「なんだと!?」

 

俺はそういって、混戦とも言える様な、賊と村人達がひしめき合って戦っている場所を指さす。

 

「正気か、北郷?あの中を突っ切るだと?」

「ああ。そして村に被害が出ない様、時間稼ぎしてる。

だから春蘭は、とっととこんな奴等をやっつけて、こっちの救援に来てくれよ。信頼してるぜ、春蘭。」

 

俺はそう言って、春蘭に笑いかける。

一瞬、春蘭の顔が赤くなったが、すぐにいつもの顔に戻り。

 

「あ、ああ、まかせておけ。こんな奴等なぞ、一瞬で蹴散らしてくれる。」

「(一瞬、春蘭の顔が赤くなった気がしたが、戦の前で興奮したのかな?)さすが春蘭。後はまかせたぜ。」

 

一瞬そんな考えが浮かんだが、意識を切り換え、俺は馬から降り単身村の入口へと駆けて行く。

 

 

 

ガキンッ、ガキンッ ザシュ ドスッ ドサッ

 

「ワァー!」「殺せ!殺せ!!」「うぎゃーーー!!」「いてぇー、いてぇよーー!!」「ぐあっ。」

 

近づくにつれ、そんな狂気ともいえるような音と光景が目に入る。

 

「北郷流移動術 『朝顔』」

 

俺は自分の気配を限りなく消し、そのままその狂気の中へと突っ込む。

 

「うぐっ。」「だ、誰、ぐはっ。」「ぎゃあ!」

 

通り抜けて行く際に、賊たちを斬っていく。

出来れば、ここに残って今戦っている人達を助けたい。

しかし、向こう側にも賊がいる可能性がある以上、そういうわけにもいかない。

それにここは、春蘭にまかせたんだ。

 

(春蘭なら、こんなやつらすぐにやっつける。なら、俺は春蘭を信じて、先を急ぐだけだ。)

 

俺はそう考えながら人混みを抜け、ようやく村の中へと入ることができた。

 

 

「奪うことしか出来ない獣共に、我らの力を見せつけてやるのだ!全軍、突撃!!」

「「「「「おーーーーー!!!!!」」」」」

「ナイスタイミング♪」

 

俺が人混みを抜けたのと同時に、春蘭の響き渡る様な号令が掛けられる。

それを聞いた俺は、ここはまかせても大丈夫だと確信し、村の反対側へと急ぐことにした。

 

 

村の中を駆け抜けながら、俺はあたりの様子を窺う。

どこかに集って避難しているのか、村の中に人の気配はまったくなかった。

しかし、建物に損壊がまったくみられないことから、まだ村自体に被害が出てないことに安堵する。

そして村の反対側へと近づくにつれ、あがっていた黒煙がはっきりと見え、やはりこちら側も襲われていると確信する。

そしてようやくその場所につくと、そこには驚愕の光景が広がっていた。

 

 

ドガーーーーーン!!  ドゴーーーーーン!!  ヒューーーン!

 

「え?」

 

賊達が空を舞っているのだ。

いや、正しくはふき飛ばされているって表現の方が正しいのか。

とにかく、地面を揺るがす爆発と大轟音の後、賊達が宙に舞っているのだ。

俺がそんな光景に呆けていると、

 

「でええええええええいっ!!」

「てやああああああああっ!!」

 

ドッゴーーーーン!!

 

そんな女の子の声と轟音が聞こえてきた。

ようやく我に返った俺は、急いでその音の発生源と向かうのだった。

 

 

音の発生源には、二人の女の子がいた。

一人はピンクの髪を上で縛ってる女の子で、もう一人は緑色の髪に、青色のリボンが特徴的な女の子だ。

二人とも、美少女といって差し支えないほど可愛い女の子で、こんな戦場には似つかわしくない。

その手に、巨大トゲ付き鉄球と巨大ヨーヨーを持ってさえいなければ。

 

「でええええええええいっ!!」

「てやああああああああっ!!」

 

ドッゴーーーーン!!

 

「「「うわあああああぁぁぁぁ!!!!」」」

 

二人はそれぞれの武器を賊に目掛けて飛ばし、あの轟音とともに吹き飛ばしていた。

周りに二人以外の村人はおらず、どうやら彼女たちだけでこっち側は守っていたようだ。

確かに、彼女たちほどの力があれば二人で村人全員分以上の働きはするだろう。

なにより、一般人じゃあの攻撃に巻き込まれかねない。

 

しかし、こっちの世界の女の子の腕力はどうなってるんだ?

春蘭といい、あの子たちといい、あの細腕のどこにあんなパワーがあるんだか。

 

 

俺がそんなつまらないことを考えていると、向こうの雲行きが怪しくなってきた。

 

「「はぁはぁはぁはぁ。」」

 

二人ともすでに肩で息をしており、体力的に限界が近いとわかる。

攻撃の威力も落ち、精細さも欠いているようだった。

 

ガキンッ

 

「うわっ!」

「季衣!」

 

ピンクの髪の子が、賊の攻撃を辛くも鎖の部分で防ぐが、その勢いに負け転んでしまっていた。

緑髪の子が、そんな子を心配してそちらを振り向いた時。

 

「死ね!」

「流琉!」

 

その隙を見逃さず、賊の一人がその子目掛けて、斧を振り下ろそうとしていた。

俺はこのままでは不味いと思い、もう一度気配を消し、思考を戦闘モードへと切り換えるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

【side 流琉】

 

賊が北と南、二方向から襲ってきたため、私達と村の人達とで別れて防衛についたまでは良かった。

数日はそれで凌げたし、村にもほとんど被害をださなかった。

けれど、今日は違った。昨日までとは比べ物にならないほどの賊が襲ってきたのだ。

季衣も私も、ここ数日の戦いで疲労困憊だった。それに加え、今回のこの大軍。

倒しても倒してもきりがなく、私達も体力の限界だった。

 

 

ガキンッ

 

「うわっ!」

「季衣!」

 

季衣が賊の攻撃を受けて、転んでしまった。

そして、それを助けようと振り向いたのがいけなかった。

 

「死ね!」

「流琉!」

 

季衣の叫びに後を振り返ると、そこには斧を構え、今まさに振り下ろさんとする賊の姿があった。

防ごうにももう遅く、私は覚悟を決めるのだった。

 

(季衣、ごめんね。せめて、あなただけでも。)

 

 

しかし、いくら待っても思っていた衝撃はこず、不思議に思った私が顔をあげてみると。

 

ドスーン

 

その賊が、私の横をゆっくりと倒れて行った。

 

「え?」

 

賊はピクリとも動かず、すでに息絶えていることがわかった。

 

「何しやがった、この餓鬼!」

 

私がそんな状況に驚いていると、また別の賊が私に襲いかかってきた。

そのことに気付いた私が、その賊を倒そうとするよりも早く、

 

「ぎゃっ!」

 

賊はそんな悲鳴をあげて、地に倒れ伏せた。

 

 

そんな奇妙な事態は、それだけで終わらなかった。

 

「ぎゃっ!」「ぐあっ!」「な、なんッ!」

 

さらに他の賊達も、そんな悲鳴をあげながら次々と倒れていくのだ。

何か化物の類でもいるのではないかと思った私は、体が震えだした。

 

「流琉!」

「季衣!」

 

そんな私に、季衣が近づいてきた。

 

「流琉、大丈夫?」

「うん、なんとか。」

「けど、これどうなってんの?」

「私にも、わからないよ。」

 

季衣も怯えているのか、私と同じく僅かに体が震えていた。

 

 

「流琉、あれ見て!」

 

季衣が指さす方向を見ると、賊達が次々と倒されている所だった。

しかしその中を素早く動く、何かぼんやりとした人影が見える。

 

「流琉、見えた?」

「う、うん。ぼんやりとだけど。」

 

私は季衣の質問にそう答え、さらに目を凝らしてみる。

その人影は男の人のようで、さらに鎧を身に纏っていた。

その人が、手に持った黒い何かで攻撃するたびに、賊はバタバタと倒れて行った。

 

 

私達の周りにいた賊は、あらかた倒れされていった。

次は私達なんじゃないか、そんな恐怖が頭を過った時、不意に声が聞こえてきた。

 

「怪我はない?」

 

とても優しく、温かい声だった。

 

「う、うん。」

「は、はい。」

 

その声に、私達は思わず返事を返してしまっていた。

 

「良かった。もうすぐ助けがくるから、あとちょっとだけ頑張れるかい?」

 

未だ声の主の姿は見えないが、私達のことを本当に心配してくれているようだった。

きっとさっきのも、私を助けてくれたんだと思う。

そのことから、この声の人は私達の味方だと判断した。

そしてその人が、もうすぐ助けがきてくれると教えてくれた。

だったら、

 

「はい、まだいけます!」

「僕だって、まだまだいけるよ!」

 

私達は気力と体力を振り絞り、元気強くそう答えるのだった。

 

「それじゃあ二人は、お互いを守ることに専念して。賊の方は、俺がなんとかするから。」

 

そう聞こえたのと同時に、頭を優しく撫でられた感じがした。

その圧力が消えると、再び賊達が次々と倒されていった。

 

 

私達は言われた通り、お互いを守りあうように戦っていた。

しばらくそうしていると、

 

ドドドドドドドドッ!!!!

 

村の中の方から、何かが近づいてくる音が聞こえてきた。

まさかという思いを込めて、そちらを見ると。

 

「進めーー!!奪うことしか出来ぬ、あんな賊どもなど蹴散らしてやるのだ!!」

「「「「「おおーーーーー!!!」」」」」

 

綺麗な黒髪の女の人を先頭に、たくさんの兵隊さん達がこちらに向かってきていた。

その人達は私達を通り抜け、そのまま賊とぶつかりあった。

正規の兵が相手だったからか、賊達は大した抵抗もしないまま、我先にと逃げ出してしまった。

 

 

 

 

 

【side 季衣】

 

ようやく賊を追い返した僕達は、とっても疲れてそのまま地面に座りこんだ。

だけど、どうしても気になることがあって、流琉に聞いてみることにした。

 

「ねえ、流琉。さっきの人影って、妖怪か何かだったのかな?」

「わかんないけど、味方だとは思うよ。」

「そうだよね、とっても優しそうな声だったもん。」

「う、うん。それに、とっても温かかったよね。」

 

僕たちは、さっき見えた人のことで話しあう。

 

 

するとそこに、さっき兵を率いていた女の人と一人の兵隊さんが来た。

その人達が僕達の前までくると、女の人が話しかけてきた。

 

「私は陳留刺史、曹孟徳様の家臣で夏侯惇という。

お前たちか?たった二人で賊の半分も抑えていた少女というのは?」

「「は、はい!」」

 

その人が放つ闘気に圧倒されて、僕達は思わず気をつけの姿勢になった。

 

「それだけの武、一体どこで身につけたのだ?誰かから学んだのか?」

「い、いえ。森で狩りとかして内に自然と。」

「わ、私もです。特に誰の師事も受けてません。」

「うむ、そうか。自己流で、それだけの武をもつとは。」

 

相手が官の偉い人っていうのもあって、僕達はとっても緊張してしまった。

 

 

「それと、」

 

夏侯惇将軍がさらに質問しようとすると、隣の兵隊さんがそれを遮った。

 

「春蘭。そんなに威圧しちゃ、この子たち緊張しちゃうだろ。」

「何!いつ私が威圧した!!」

「それだよ。」

「む、む~。」

 

兵隊さんの言葉に、夏侯惇将軍は黙りこんでしまった。

 

(あれ?この夏侯惇将軍って、偉いんだよね?なんで兵の人が、対等にしゃべってるんだろ??)

 

僕がそんなことを考えていると、その兵隊さんが僕達の前にしゃがみこんだ。

そして目線をあわせて、僕達に話しかけてきた。

 

「ははは、うちの将軍様がごめんね。」

「い、いえ。」

「大丈夫だった?」

「う、うん。」

 

その兵隊さんはとっても優しく話しかけてきてくれた。

 

(でも、この声どっかで聞いた様な?)

 

そんなことを考えていると、兵隊さんが僕達の頭を撫でながら、

 

「よく頑張ったね、お疲れ様。」

 

と笑顔で僕達を褒めてくれた。

 

 

「「あーー!!」」

 

そこまできて、ようやく気付く。

どうやら、流琉も気がついたみたいだ。

 

「さっき助けてくれた、妖怪さんだ!」

「先ほどは、ありがとうございます。」

「えっ!?」

 

僕達がそう言うと、その妖怪の兵隊さんは驚いた顔をしていた。

 

「ま、まさか。見えてたの?」

「はい。はっきりとは、わからなかったですけど。」

「なんとなーく、顔は見えたよ。」

 

僕達の話を聞くたびに、その兵隊さんは汗を流していた。

 

「あ、あのー、できたら、俺が二人を助けたことはないしょにしてもらえるかな。」

「え?なんで?」

「いや、色々と事情があるんだよ。」

「は、はぁ。まあ、いいですけど。」

 

なんかよくわからないけど、ないしょにしてってお願いされたから、ないしょにしておこうと思う。

 

 

「ああ、自己紹介がまだだったね。俺の名前は北郷一刀っていうんだ。」

「僕は、許緒っていうんだ。字は仲康。で、真名は季衣。」

「私は、典韋って言います。真名は流琉です。」

「え?真名までいいのかい?」

「うん、兄ちゃん優しそうだし、流琉のことも助けてくれたでしょ。」

「何もお返しできないので、せめて真名くらいは。」

「わかった。二人の真名、預からせてもらうよ。

俺には、真名がないんだ。だから、二人の好きに呼んでくれ。」

 

そういって兄ちゃんは、僕達の頭をまた撫でてくれた。

なんだろう、とっても気持ちいい。

もし本当の兄ちゃんがいたら、こんな感じなのかな?

 

 

「おい、北郷。」

 

僕がそんなことを考えていると、夏侯惇将軍が兄ちゃんを呼んでいた。

 

「ああ、悪い悪い。実は二人に聞きたいことがあったんだ。」

「「聞きたいこと?」」

 

兄ちゃんのそんな言葉に、僕達は首をかしげる。

 

「二人は、どっかに仕えてるのかい?」

「ううん。」

「そ、そんな。私達ごときが、そんなこと。」

「そうか。だったら華琳、じゃなくて、俺達の主の曹操に仕える気はないかい?」

「「えっ?」」

 

兄ちゃんの言葉に、今度は僕達が驚いた。

曹操様の噂は聞いている。

とても優秀な人で、民のこともとてもよく考えてくれている方だって。

 

「二人ほどの武の持ち主なら、きっと曹操も喜んで仕官を認めてくれると思うんだ。

 この国をよくするためにも、二人の力を貸してほしいんだ。」

「で、でも・・・」

「そしたら、この村が・・・」

 

僕達も、この力が国を良くするのに少しでも役に立つなら役立てたい。

だけどそうしたら、今度はこの村が危なくなる。

さっきみたいに、また賊が襲ってきたら。

僕達はそのことを考えると、とてもすぐには答えられなかった。

 

 

「そのことなら大丈夫。だよな、春蘭?」

「ああ。北郷の話通りの武を持っているなら、華琳様もこの辺りに兵を派遣することをお許しになるだろう。」

「っていう訳。」

 

兄ちゃんはそういいながら、笑う。

それを聞いた僕は、流琉の顔を見る。

流琉の心も、僕と同じみたいだ。

 

「兄ちゃん。僕達、曹操様に仕えるよ。」

「どこまでできるかわかりませんけど、少しでもお役に立てれば。」

「ありがとう。これからよろしくな、季衣、流琉。」

「うん♪」「はい♪」

 

僕達は、笑顔でそう答えた。

 

 

 

 

 

 

【side 一刀】

 

その後俺達は、村でしっかりと休憩をとり態勢を整えた後、こっそりあとをつけさせ調べた賊のアジトを壊滅させた。

しかし、裏で繋がっている人物の証拠は見つけることはできなかった。

陳情書の件も桂花が調べていたのだが、それを行ったと思われる下位の文官が、自宅で毒をあおり死んでしまった。

どうやら、自分の所にまで手が回らないよう、下の者を切り捨てたみたいだ。

そのことで、また振り出しへと戻ってしまったのだ。

 

 

季衣と流琉という新しい仲間が増え、華琳の元にどんどん力が集って来た。

しかし俺には、裏切り者の件とは別に、盗伐した賊に気になる点があった。

賊達が皆、身体のどこかに黄色い布を身に着けていたのだ。

 

黄色い布、黄巾党。そしてその首謀者、張角、張宝、張梁。

俺は自分の知識の中にあるそれと、以前であった天和達3人のことを考える。

あの3人は只の旅芸人だし、とっても優しい女の子たちだ。

大陸全土を巻き込む様な、あんな争いを起こすわけがない。

 

(きっとこれは、只の偶然。そうに決まってる。)

 

俺はそう必死に思い込んだ。

しかし頭の中にある三国志の知識が、その感情を否定し続ける。

 

(天和、地和、人和。黄巾の乱なんて馬鹿なこと、3人がするわけないよな。)

 

俺は空を見上げながら、そう願うのだった。

 

 

 

【語り視点】

 

薄暗い部屋の中、机の上に置かれた一つの明かりだけが部屋を照らす。

そしてそれを囲むようにして、数人の人物が密談をしていた。

 

「えーい、忌々しい曹操め。」

「まったくだ。しかし、あやつらもあやつらだ。

せっかくわし等が、この軍の動きを教えてやったというのに、あっさりやられおって。」

「しかたあるまい。しょせん奴等は下賤な者ども、我らとは違うのだ。」

「そうですな。それに、駒はいくらでもおる。」

「ふっふっふっ、違いない。」

 

その者たちは、薄暗い部屋の中、声を殺して笑う。

 

「しかし、どうするのですかな?曹操どもは、我らに勘づいておる様子。」

「しかたあるまい、しばらくはおとなしくしていましょう。」

「うーむ、しかし。」

「安心なさい。あのお方から、策は頂いておる。」

「おお、それでは。」

「もう少し、もう少しの辛抱だ。そうすれば、あの邪魔な曹操を亡き者にできる。」

「その後は、あやつの側近どもを皆殺しにすれば。」

「この城は、我々の物ですな。」

 

この部屋を照らす唯一の明かりが、その者たちの顔を照らす。

明かりが映し出した顔は、どれも欲望にまみれ、醜く歪んでいた。

 

その醜く歪んだ欲望が、一刀達を巻き込んでいくことを、彼らはまだ知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

sei 「はい、第9話をお送りしました。

   早めにあげるとか宣言したのに、また1週間以上かかってるし、ほんとダメですね自分。

   

   今回は、華琳さん家が抱える問題についての説明と、その後の賊討伐について書いてみました。

   書いてわかったことは、こうゆう頭使う様な話はすっごい疲れますね。

   そして、苦手です。書いてる内に、どんどんおかしくなってきましたよ。

 

   まあ愚痴はこれ位にして、今回のゲストを紹介したいと思います。

   それでは、どうぞ!」

 

 

季衣「こんにちはー。」

 

sei 「ということで、今回のゲストは季衣です。」

 

季衣「よろしくね。」

 

sei 「はい、よろしく。まずは、本編についてですね。」

 

季衣「うーんと、兄ちゃんが、地図を見て僕達の村に助けにいくのって無理矢理すぎない?」

 

sei 「・・・気にしてることを、ズバッといいますね。」

 

季衣「でも、そうでしょ。」

 

sei 「そこは否定しませんよ。どうしてもあそこの繋がりが思いつかなかったんです。

   だから、力技を使わせてもらいました。何か文句ありますか!!」

 

季衣「うわ、逆ギレだ。」

 

sei 「うう、どうせ俺なんか知識が乏しいし、文才もないよ。」

 

季衣「今度は、凹んだ。sei って、めんどくさいなー。」

 

 

季衣「じゃあ、次はコメントについてだね。」

 

sei 「どうせ、どうせ俺なんか。」

 

季衣「sei 戻ってきてよ。」

 

sei 「はっ!私は一体?」

 

季衣「じゃあ、紹介するよ。桂花ちゃんの微デレについてのコメントが多いね。」

 

sei 「そうですね。前回は、あの後桂花に散々罵倒されましたけど、これだけは譲れませんからね。」

 

季衣「でも、微デレって何?」

 

sei 「うーん、季衣にはまだ難しい話かな。もう少し大人になれば、きっとわかるよ。」

 

季衣「ほんと♪ あ!それと、性獣って何?」

 

sei 「はい?」

 

季衣「だってコメントに、sei は性獣で変態だって。聖獣とかの間違いなのかな?」

 

sei 「・・・・・」

 

季衣「これどうゆうこと?」

 

sei 「季衣は、そんなこと知らなくていいんだよ。そんなのわからない、綺麗なままでいてね。」

 

季衣「う、うん?」

 

sei 「そのコメントの方とは、後でじっくりOHANASHIの必要があるな・・・」

 

 

sei 「そんなこんなで、第9話もこれで終わりとなります。」

 

季衣「次回は何?」

 

sei 「・・・拠点です。」

 

季衣「え!?」

 

sei 「拠点です。」

 

季衣「え、前回やったのに?」

 

sei 「はい、季衣と流琉の拠点パートを書こうと思ってます。」

 

季衣「纏めてやったほうが、良かったんじゃない?」

 

sei 「話の流れで、そうゆうわけにもいかなかったんですよ。」

 

季衣「じゃあ、しょうがないか。次は僕と流琉の話らしいから、楽しみにしててね♪」

 

sei 「今度こそ、今度こそは、もう少し早くあげたい・・・。」

 

 


 
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