「で?話ってなに、奈々子」
「あのね。私好きな人できたの」
「え?マジで?じゃあ麻耶とかも呼んで3人で話そうよ!」
「いいの。これは亜美ちゃんに聞いてもらいたいことだから」
何かに気づいたのかもしれない。
亜美の表情がわずかにくもるがまたすぎにいつもの笑顔に戻る。
「分かった、で誰なの?」
「それがね、高須君」
「え?」
亜美の笑顔がまた崩れかける。
そうなることを分かっていて、それでもまだ好きなのだから、自分はいやな女だと思う。
「でひとつ亜美ちゃんに聞きたいんだけど
亜美ちゃんって高須君のこと好きだったりしないよね?」
「私は・・・・・・別にっ」
「よかったぁ!私亜美ちゃんと張り合って勝てる自信ないもの。
親友同士でとりあうようなことしたくなかったし」
「そう、ね」
「じゃあこれから私と高須君のこと応援してくれるよね・・・・・・?」
「え、ええ。もちろん亜美ちゃん頑張っちゃう。」
さすがモデルというところだろう。
一度崩れた美貌はすぐに元通りになった。
「ありがとう!じゃあもうすぐ授業だから戻りましょ」
「私ちょっと飲み物買ってからいくわ」
じゃあねといってふたりは別れた。
「あんな奴すきになっても痛い目みるだけなのに・・・・・・
月と太陽じゃうまくいくはずないのに」
自動販売機の間に座りこんだ亜美は誰にも聞こえないぐらいの小さな声で呟く。
いつもと同じひんやりとした床は竜児の丹念な掃除のおかげでほこり一つない。
ただなぜかそのちっぽけな空間はいつもより狭く冷たかった。
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14です。
よろしくお願いします。
コメントくれた方、応援メッセくれた方本当にありがとうございます。
すごくうれしかったです・・・・・・