付き合うことになりました。

「というわけで！」

「うん」

「ここでどうしても決めておかなければいけないことがある！」

「…なに」

「どっちが攻めなのかということだ！」

「…」

「…」

「…一応希望はある」

「私もー！」

「じゃあ、せーので」

「よーし、せーのっ」

「「攻め」」

「…」

「…」

「いやいやいや、それはちょっと無理な相談だよ結衣にゃん」

「さりげなく呼び方を受けっぽくするな」

「だって思い返してごらん？千歳の妄想で出てくる私はさ、ほぼ攻めだったじゃないか。つまりそういうことなのだよ」

「それは綾乃が相手だからだろ。あいつは総受けだ」

「ちょ、おま」

「私は総攻めだから」

「そ、そんなキャラだったっけ結衣さん」

「お前は小さい頃泣き虫だったし」

「いまはちがうもーん。さては知らないなー？世間一般の百合ものでは金髪長髪マイペースキャラは攻め、黒髪ショートクールキャラは受けと相場が決まってるんだから！」

「そうでもねーよ！あと自分でマイペースとか言うな」

「それにほら、結衣たんは意外と胸がでかい。これ受けだね」

「それも関係ないだろ！呼び方きもちわるい！」

「そうそう、その喋り方もだよ。女言葉に直されると恥じらっちゃう結衣たま、かーわいいっ。はい受け」

「そ、それはそれだろ」

「これだけ根拠があればじゅうぶんでしょーっ。じゃ、私が攻めということでー」

「おい、こら…」

「もう決まったんだよーだっ。観念しろおー」

「…京子は」

「ん？」

「京子は一見破天荒で飄々としてるけど、実は繊細で気遣いで、かわいい」

「…！」

「だから、受けだ」

「ゆ、結衣…」

「……」

「あ、ちょ、ん…」

ぴよぴよ

「くそーっくそーっ！こんなんじゃ京子様のシナリオ台無しだよー！結衣のばかー！」

「はいはい」

「次は交代だからね！絶対だからね！みてろよ！」

「わかってるよ」

（どうしよ…次…）