第五十七技 幽霊少女発見?
キリトSide
現在俺とアスナは幽霊がでたと言われている森に向かっている、ちなみに肩車をしたままだ。
湖のほとりを歩いていると釣りをしている人や散歩をしている人がこちらに気付いて、
手を振ったり中には声を出して笑っている人もいる。
そんな人達にアスナは手を振りかえした。
「キリトくんも手を振ったら?」
「アスナが落ちてもいいならそうするよ」
「じゃあいいで~す」と無邪気な笑顔でいう彼女を見て、俺は笑みを浮かべた。
そうして歩いている内に噂の森の入り口に辿り着いた。そこでアスナを肩から下ろした。
「それじゃあ、行きますか?」
「う、うん……」
さっきまでの勢いはどこへやら、アスナはすっかりと怯えている。
「ほら、アスナ…」
「あ…、ありがとう(ギュッ)!」
俺はアスナに左手を差し出すとその手をしっかりと握ってきた。
俺達は森の奥へと向かう。
「そういえば、その幽霊の噂ってどういう話なの?」
「言ってなかったな。俺が聞いた話はこうだ……」
俺はアスナに幽霊の噂を話しだした。
「つい数日前のことらしい、一人の男性プレイヤーがこの森を歩いていたら、
ここら辺では見かけない白い服を着た少女を見かけたそうだ。
近づいてみると少女にはカーソルやウインドウが一つもでていなかったらしい。
気になって声を掛けてみても特に反応がない。
さらに少女に近づいてみるとなんと……少女には足が無かったんだ。
それに恐怖した男性は必死に自分の家に向かって逃げ出した。
ようやく家に辿り着き中に入ろうとしたところで後ろに気配を感じて振り向くとそこには……」
アスナを見やると顔を青くさせて震えている、どうやらやりすぎたらしいな。
「誰もいなかったそうだ。めでたしっと…」
「び、びっくりさせないでよ~!」
「ははは、わるいわるい」
俺が言うとアスナはぷんぷんと怒ってしまった。
でも、このまま暗い空気にするのもあれだから話題でも変えるかな?
そんな風に考えていると大きな樹が見えてきた。
「立派な樹だな…」
「そうだね~。登れるのかな?」
「システム的には可能だよ。前に迷宮内の樹の上で一泊したことがあるし…」
「そんな事があったんだ…。そうだ、登るっていえば外周部にあるあの柱って登れるのかな?」
アスナがそんな事を聞いてきた。いい感をしていると思う。
「ああ、登れるぞ。前に一度登ったことがある」
「ずるいよ、キリトくん! どうして誘ってくれなかったの!」
そんなにやってみたかったのだろうか。
「あの時はまだ知り合って間もなかったし、アスナは攻略にいってたからな…」
「むぅ…。まあ、いいよ。それでどうだったの? 登ってみて」
「途中までは行けたんだが、警告ウインドウが出たところで登れなくなってな。
≪転移結晶≫で戻るのもあれだったから滑り台を走って降りる要領で駆け下りて、
最後はジャンプして着地したんだ。そのあと周囲で歓声が上がったりしたけど…」
「わたしも見てみたかったな~」
そう言われてもなぁ、さすがに噂のある人間がそんな事をやったらまた騒がれるだろう。
「俺が隣にいるのじゃあ不満か?」
「っ、ず、ずるいよ…。キリトくんは…//////」
アスナはそういうと俺の手をギュッと握り締めた。俺も握り返してそれに応える。
しかし、アスナの視線が一点で停止してしまった。
「アスナ? どうしたんだ?」
「キリト、くん…。あ、あれ……」
「……っ!? マジかよ、おい…」
震えるアスナが指差した方向を向いてみるとそこには……、噂に出てきた少女に酷似した少女が立っていた。
少しずつだがこちらに近づいてきている。
「ど、どど、どうしよう……、キリトくん…」
「どうするもなにも……。ん? 様子がおかしい…」
アスナは少々パニック状態になっている。
俺は冷静に様子を見ていると幽霊少女の様子がおかしいことに気付く。
そして、フラフラしてから……倒れた…。
「あれは、幽霊じゃない!」
「キリトくん!?」
俺は倒れた少女の元へと駆け出し、アスナもそれに続いた。
キリトSide Out
To be continued……
後書きです。
原作ではキリトが柱を登った後に落ちていますが、これでは駆け下りていますw 超人ですねwww
とまあ、次回からは本格的にストーリーに入りますのであしからず。
それではまた・・・。
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第五十七話です。
ついにあの子登場です。
どうぞ・・・。