*前置き*
Wikipediaには、これからお話しする『特殊』カードは「光」「闇」「鏡」「錠」の4枚だけであるという風に書かれて居ます。「だけ」のソースは分からないのですが、確かに「鏡」と「錠」はアニメ中に『特殊カード』だという言及がありました。Wikiの文脈としては、漫画だと「人語を話す」ところ、アニメだと「他のカードの働きかけで封印できない」ところにポイントがあるらしいです。ただ、『特殊』カードが全部でどれだけあり、どのカードが該当するのかという事は、私の知る限りでは言及されていません。私自身Wikiの記述に些か納得できないところもあり、今回の考察を立ててみました。もしかしたらきちんと大川さんの設定の記述が何処かにがあり、私が知らないだけかもしれないので、もし「それってここに載ってたよ」みたいなのがあったら教えてくださいませ。
Wikiは複数人が編集にあたっているせいで首尾一貫してない記述が多く、何処まで信じて良いものか困ります…恐らく「水」は月属性のカードでは無いだろうという事も書き添えておきます(Wikiの「水」の項にはそう書いてあるのですが)。まぁ詳しくは後述。
*カードの分類*
「鏡」のカードの話(アニメ25話、漫画三巻)で「『呪縛』カードも『攻撃』カードも効かないカードは『特殊』カードだ」という様な事をケロちゃんが言ってるんですね。で、「『特殊』カードは名前を呼ばれたら力を失って元の姿に戻る」という事も言ってます。ここから分かるのはまず、「カードは少なくとも『呪縛』『攻撃』『特殊』の三種類に大別される」事「『特殊』カードは名前の把握が封印に繋がる」事の二つです。
でもややこしいなぁと思うのは、その後の話にこのカードの分類は、きちんとした形では出て来ないんですよ(笑)『特殊』カードらしきものも、『錠』を除くと『光』のカードがそれらしいそぶりを見せるだけ(桜に自身の名前を問うシーンがある)。他に出てくる分類としては「四大元素」と「太陽と月の属性」で、「四大元素」は「火」「水」「風」「地」、「太陽属性」は分かっているものとしては「光」「火」「地」、「月属性」は「闇」「風」「樹」。この四大元素と属性に関してはまた後述するので置いておいて、前述の三つの分類について考えたいと思います。
『呪縛』カードの代表格は「風」です。一方『攻撃』は「水」。『特殊』は「鏡」以外良く分かっていません。
まず『呪縛』と『攻撃』の線引きは何処かというのを考えたいと思います。対概念に沿って言うなら、恐らく「火」も「水」と同じく『攻撃』カードでしょう(「火」と「水」は互角であるというケロちゃんの発言より)。ここで思うのは、それぞれのカードが封印される前にどの様な事をして捕まったかという事です。アニメ準拠と言いつつも漫画を参考にしますが、漫画一巻でケロちゃんが『「風」は一番友好的なカードだし、もう一枚の「樹」もそうだ』と言っています。この二枚が同じ性質を持ち合わせている…と考えると、とりあえず仮定ですが「樹」も『呪縛』カードではないかと。
『呪縛』『攻撃』の言葉の意味を取った場合、封印前に積極的に悪さをし、干渉してくるのは後者だと言えそうです。『水』も『火』も非常に危ない事をしでかしたカードでした。一方『呪縛』カードの「風」は、漫画ですと自ら本の中に戻ってくれたとあります。この設定はアニメの「樹」にも受け継がれています。
以上からぼんやりとですが、まず一つ目の考えをまとめると、『呪縛』カードと『攻撃』カードの違いは、『呪縛』は封印前には「不思議な現象」とした立ち現われてくるカードであり、『攻撃』は「物理的な恐怖現象」として立ち現われるカードでは無いかと思います。また、その論理を援用するならば、桜がカードとして使う際、『呪縛』カードは牽制や防御に、『攻撃』カードは文字通り攻撃に使えるのでは無いかと思います。
次に『特殊』カードについて考えたいと思います。封印シーンも、(劇場版やさくらカード編含め)使用シーンも一度も登場しないカードに「秤」がある為、これを一度考察対象から除きます(一応能力としては「嘘をついているかを見破れる」というものらしいです)。それ以外の51枚から、『呪縛』でも『攻撃』でも無さそうなカードを考えてみたいと思います。
先ほど少し書きましたが、まず「光」のカードはケロちゃんの指摘した『特殊』カードの性格を(「鏡」の次に)しっかり具えていると考えて良いと思います。単に物理的に追い詰めるのではなく、頭を使わなくては封印できないというのが、「光」と「鏡」の共通点です。
Wikiを参考にするのは癪ですが、仮に「光」「闇」「鏡」「錠」が『特殊』カードだとすると、その明確な共通点は何かという問題が表れます。一応はっきりしているのは、「カードの主候補者に試練を与える事」では無いかと思います。つまり「名前を当てろと言う」「開錠を求める」等ですね。ですが「他のカードを使った解決が出来ない」という条件をこれに付け加えた場合、『特殊カード』にもう一枚、乃至二枚追加しなくてはならないカードがあります。それは「迷」と「消」です。
「迷」は「翔」や「剣」を無効化しました(月峰神社の鈴はクロウ直々の物ですから、合法チートと考えて良いと思います笑)。「消」の場合、正確には、「他のカードを使わない方が良いと小狼が判断した」に過ぎませんが、明確に桜だけに「試練を与え」ています。
また、物語の中で封印に観月先生が一役買っているカードという共通点も見逃せないと思います。話の進行上、ターニングポイントとなる物語に絡んでくるカードでもあります(「消」は漫画だと小狼が桜を意識し始めるきっかけ)。
という訳で私の一応の結論としては、『特殊』カードは「光」「闇」「鏡」「錠」「迷」「消」の六枚かなと。勿論勘繰ろうと思えば何処まででも勘繰れるのですが…。
*四大元素と太陽属性月属性*
前述の三つの分類を前提として考えたいと思います。まず、最初に書いたのですがWikiの「水」の欄に「月の属性」という記載があります。そういう言及は作中に無いので、恐らくこれは「という設定に違いない」的な文だろうと思うのですが。
ではどうして「水」が「月属性」扱いを受けるのか。それは四大元素の内「火」と「地」が「太陽属性」の為、残り二つは「月属性」だろうという想像故だと思われます。最高位の二枚、「光」「闇」が一枚ずつ「太陽」と「月」に割り振られているのだから、四大元素もまた然りと思ったのでしょう。これまた尤もなのですが。
けれど私は敢えてこれを否定したいと思います。というのも、月は「「風」と「樹」は共に自分の属性のカードだ」と言っています。この「樹」の位置づけはどう考えたら良いのでしょう。どう考えてもカードの全てが「太陽」「月」に割り振れる訳では無いと思います。恐らく「太陽」と「月」にそれぞれ同枚数だけ、それぞれの属性に帰属するカードが割り振られているのだろうと思います。
ここで考えたいのは、『果たして「太陽」属性と「月」属性のカードの力関係は互角なのか?』という事。「互角である」と考えるなら、バランス配分から言っても明らかに「水」は「月属性」であると考えねばなりません。けれどそうだとしたら、「樹」と互角の別のカードが一枚、「太陽属性」でないとおかしい。勿論そう考えても齟齬が生まれる訳ではありませんが、私は『「太陽」属性と「月」属性は力関係で言えば互角ではない(恐らく「太陽」の方が強い)』と考えます。
先程の三つの分類を思い出してください。「風」と「樹」はどちらも『呪縛』カードです。また、『火』は攻撃カード。『地』も封印前の迷惑ぶりを考えると『攻撃』カードと考える方が自然だと思います。また、「ケロちゃんは食べ物を自分で摂取し魔力を生産できるが、月は主の魔力を源にするだけで自分で生産出来ない」という違いを押さえておく必要があると思います。
つまり『呪縛』と『攻撃』で言うなら『攻撃』のカードの方が積極性が高い。桜も最後の審判で「月を傷つけないカード」を考え、「風」と「樹」を選ぶ訳で、『呪縛』は牽制のカードなのですね。それに魔力生産の事を重ね合わせると、『(「光」と「闇」という特殊カードを均等に司った上で)「太陽属性」は積極的な力を持つカードを司り、「月属性」は相殺や牽制の力を持つカードを司る』というのが本来の考え方なのではないかと思います。「闇」のカードが「光」に終始追従しているのも、この関係を表している様な気がします。
ただ釈然としないのは、これだと最高位カード二枚が『特殊』カードなのに、四大元素カードは『攻撃』三枚に『呪縛』一枚というカウントになってしまうんですよね。そこのバランスを重視するなら「地」を『呪縛』と判断し、矢張り「水」が「月属性」であるという風に考えた方が通りが良い。カードの図案から言っても、『地』は決して気性の激しさを表すカードではありません。そう思うと『呪縛』かな…と思ってしまい、属性毎の役割分担の仮説は崩壊してしまうのです…。ただ「樹」と釣り合うカードって何だろうという話なんです。「太陽属性」に見合い、『呪縛』カードで、他に対概念を持たず(例えば『盾』と『剣』は対概念です)、漫画にも登場しているカードというと『幻』がありますが、根拠は弱め。ケロちゃんが「太陽属性」のカードを封印すれば、申告するだろうと思いますし。
もっと綺麗に分類できる考え方を募集しています(投げた)
*小狼のものとなったカード*
折角カードの分類について考えたので、アニメの物語進行によってカードを分類してみたいと思います。といっても大した話では無くて、単に「小狼が手にしたカードには何かしらの関連性や意味が無いだろうか」という事を考えてみようと思います。
まず彼のものとなったカードは、「時」「戻」「砂」「夢」「双」「嵐」「凍」の七枚。「雲」も彼のものになりましたが桜に譲ってます。一応譲渡が行われたカードに関しては、「カードは所有者を選び、それに従う」のだから、「譲渡したい」と思う「所有者」に「従う」のだろうと考えます。そう考えないと「迷」は観月先生のカード(笑)
これを見れば一目瞭然なのですが、小狼は「時間を操るカード」の所有者であると言えます。「時」「戻」は言わずもがな、魔力のある者に予知夢を見せる「夢」もその一つだと考えて良いと思います。
桜が時間を超えて出会う人の筆頭はクロウです。クロウに関する過去夢を彼女は何回も見ています。それを見せてくれるのが(さくらカード編の)「戻」のカードであり、(普段の)夢でもあるのです。
小狼はクロウの母方の一族である李家の少年で、非常に古い一族の歴史を背負ってる…という設定だと思います。
一方桜は(勿論これが最大の伏線でもあったのですが)、出自不明の父を持っています。比べてみると、桜に無いもので小狼が持っているものがあるのだとしたら、それは「過去との明確なつながり」ではないでしょうか。
小狼のカードが彼自身の能力でもある、という見方が許されるなら、彼は桜に無い過去との繋がりを提示する役割が(物語進行の上で)あった…と言えそうです。
また最終的に二人が惹かれあうのは、桜の持つ「新しいカードの主である」という未来へのベクトルと、小狼の持つ「古い一族の生まれである」という過去へのベクトルが一つにまとまる、という事も意味しているのかな、と思いました。
もうここまで来ると単なる感想文なのですが…。さくらは考えても考えても、まだまだ楽しい事が増すばかりの素晴らしい作品だと思います。基本的にほしなみは原作至上主義ですが、さくらのアニメは大川さんが多くの脚本を手掛けている事、コスチュームやカードのデザインをもこなさんが担当している事等もあり、漫画を上回る出来なのではないかなと思います(最初と最後がちと不満ですが)。
映画の考察等もいつかしたいのですが、それはまたいつか。ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
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クロウカード52枚の分類についての考察文です。アニメ準拠に漫画も援用して…という感じ。