「もう最悪よ・・・・・・」
そう隣にいた親友がぼやいた。
無理もない。
憧れの北村君と同じクラスになれたと舞いあがっていた矢先に
掲示板に二つの名前を見つけてしまったのだから。
―高須 竜児、逢坂 大河―
大橋学園の二大番長が見事に集結されていた。先生達もなにを考えてるのかしら?
今年も騒がしい1年になりそうね、と奈々子はため息をひとつつく。
第一章 ミルクティーとロイヤルミルクティー
「じゃあみんなこれから1年間よろしくね。これでHRを終わりにします」
「起立っ!礼!」
担任の恋ヶ窪ゆり(30、いまだ独身)の声に合わせてきびきびと仕切る北村。
クラス委員も立候補でとんとん拍子に進んでくれたので奈々子にはありがたいばかりだ。
「奈々子ー!スドバいかない?まるおとかも誘ってさっ!」
とたんに麻耶が話しかけてきた。
まるおっていうのは北村君につけたあだ名らしい。健気な麻耶が可愛くてつい微笑んでしまう。
断る理由もないので快諾すると
「じゃあまるお誘ってくるっ!」
と駆けて行った。
しょうがない、親友の恋路を手伝ってあげますか、と奈々子も腰を上げた。
の、だが一分もたたないうちに
「奈々子ー、助けてー」
とさっきかけていった麻耶が泣きついてきた。
何事かと声のする方をみてみれば、なるほど。
北村君とあの大橋の魔王とまで呼ばれる高須竜児が一緒に話していた。
「どうしようぅ、割り込んで話しかけたら犯されて売られるのかなぁ?目合っちゃったよー」
「大げさよぉ、ほら高須竜児も北村君から離れたみたいだから行ってきなさい」
と親友の背中を押してやる。
高須竜児はこちらの方を見ると北村君に何か話して教室から出て行っていた。
感じ悪いなぁ、変な奴。
「まるおー、このあと時間あるー?」
いつのまに行動したのか、とたんに明るくなった麻耶が北村君に近付いていく。
「おお、木原か。どうした?なんか用か?」
「うん。このあと一緒にスドバでお茶しない?奈々子とかも一緒に!」
「そういうことなら別にいいぞ。こっちも一人友達を連れて行きたいんだが・・・・・・」
「全然オッケーだよ!ね?奈々子?」
北村君がこちらのほうを見てきたので微笑んで承諾の意を伝えると
安心そうな顔をして友達の名前を呼んだ。
「おーい、高須ぅ。女子からのお誘いだぞー」
「えっ?」
「北村。空気読め」
北村君の声を聞いてドアの陰からのそのそと高須竜児が出てくる。
「・・・・・・」
若干予想は出来ていたことだが
さすがにこの時ばかりは隣で固まる麻耶に同情する奈々子であった。
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初投稿になります。平賀一刀です。以後お見知りおきを…
内容ですがまんまタイトル通りですw
もともと自分のブログで書いていたのですが、
まあ無名のブログにアドバイス等がつくはずもなくw
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