箒は黒い闇の世界で木刀を片手に走っていた。
そして、闇から色んな声が聞こえてきた。
『なぜ、おまえなんかにISが…』
『返してよ…私の苦労を返してよ…』
『憎い!きさまが憎い!!』
「違うんだ、違うんだ!?」
すると、目の前に黒い影が形作り初めてそれがG4となった。
『死を背負ってこそ…勝利を得れる…お前も死を背負え……』
更にG4の後ろから多くのG4が現れた。
だがそのG4達は腕が千切れたり、首が無かったり、足が千切れたりしていた。
『オマエモ…俺達ト同ジに死ぬんだ』
『死ハ平等ダ…』
『死………死死死死死死!!』
「来るな!来るなぁぁぁぁぁ!!」
すると何所からか声が聞こえてきた。
『お前が居るのはそんな暗い世界じゃないだろ?さっさと、起きろよ…』
そして、箒が目覚めるとそこは保健室のベッドの上だった。
その時、箒は汗びっしょりだった。
「目を覚ましたか」
ベッドの隣にはジンヤが椅子に座っていて、リンゴの皮を剥いていた。
「神崎…何をしているんだ?」
「看病だよ…とりあえずリンゴ食べる?」
そう言うとジンヤはウサギのリンゴを箒に出した。
「いや、良い…」
「それじゃあ、コレは?俺のプリン!」
そう言うと、ジンヤはビンに『俺のプリン』と描かれたプリンを箒に渡した。
早速、箒は食べた。
「む…美味いな!このプリンは!」
「まあね…これを作った店長(?)は古今東西色んなプリンを食べて作った自慢の一品だからな…」
ジンヤの脳裏にはある赤鬼がプリンを食べまくっているのが脳裏に浮かんだ。
「所で明日、終業式だけど大丈夫?」
「ああ、一応な…」
そう言うと、箒はジンヤに尋ねた。
「所で、神崎。お前が言っていた憎悪とか狂気とか一体何なんだ?」
「……聞いても面白くないよ、酒の肴にもなりゃしないよ…」
そう言うジンヤの表情には真剣そのものだった。
「そうだ、実はキミの紅椿なんだけど…ISコアを損傷しちゃって…直すのに時間が掛かるんだ…ゴメン」
「いや、お前があの時言いたかった事が良く分かった。少し私は頭を冷やしてくる…後、お前は教えてくれた」
「僕が教えた?」
ジンヤが首を傾げて言うと、箒は言った。
「ああ、力を持つ恐ろしさや責任と言うのがな…」
「そうか…所でそろそろ夕ご飯だから何食べる?よければ作るけど…」
「とりあえず、和食で…」
「和食ね…適当に見繕っておくよ」
ジンヤはそう言うと、保健室を出た。
そして、箒は呟いた。
「ありがとう、ジンヤ…」
翌日。
終業式が行なわれた。
そこにはジンヤ達は勿論、箒も居た。
そして、長い夏休みが始まった。
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箒との和解。
そして夏休み突入!