2時間目の休憩時間、席に座っている一夏に1人の女子生徒が話しかけてきた。
「ちょっとよろしくて。」
「はい、なんですか。イギリス代表候補生のセシリア・オルコットさん。」
「まあ、私の名前を覚えてましたのね。」
「さっき自己紹介がありましたから。」
一番目立つ自己紹介だったしな。
「あなたは幸運ですわね。」
「代表候補生という名のエリートと同じクラスだからか?」
「そうですわ。このセシリア・オルコットと同じクラスだからですわ。あなたは幸運ですのよ。」
「へー、そいつはラッキーだ。」
「あなた、私を馬鹿にしてますの。」
「いいや、別に。」
「まあでも?私は優秀ですからあなたのような人間にも優しくしてあげますわよ。」
こいつ絶対友達いないな。
「ISのことでわからないことがあれば、まあ・・・・・泣いて頼まれたら教えて差し上げてもよくってよ。何せ私は、入試で唯一教官を倒したエリート中のエリートですから。」
「俺も倒したぞ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?」
「だから俺も教官倒したぞ。」
「つ、つまり私だけでないと・・・・」
「多分な。」
「う、嘘に決まってますわ。」
「まあ落ち着けって。」
「これが落ち着いて・・・・」
その時チャイムが鳴る。
「っ・・・・・・また後で来ますわ!逃げないことね!よくって!?」
そう言ってセシリアは席に戻る。一夏は思わず心に思ったことを口に出す。
「逃げるも何も・・・この短時間にのどこへ?」
一夏の言葉に周りの女子も頷いた。
「それではこの時間は実践で使う武器について・・・ああ、その前に再来週クラス対抗戦に出る代表者を決めないといけないな。」
クラス代表・・・つまりISを使って戦う代表者のことか
「これに決まったものは一年間変更する予定はないからな。」
つまりそいつが怪我か何かで無理じゃない限りいやでもやれと・・・鬼だね
「推薦があったら言っても構わんぞ。」
「はい、織斑君を推薦します。」「わたしも。」「あたしも。」
男で唯一IS使えるから客寄せパンダとしての利用が目に浮かぶ。
「他に推薦はないのか・それではクラス代表は織斑で・・・・」
「ちょっと待ってください!納得いきませんわ!」
セシリアが急に激怒して立ち上がる。
「実力からして私がクラス代表になるのは必然。それを珍しいからと言う理由で極東の猿にされては困ります!」
「大体、文化として後進的な国で暮らさなければいけないこと自体、私にとっては苦痛でー」
「いいかげんにしろよ。自分の国だけ棚に挙げて他の国を馬鹿にするのかよ。」
「あなた、私に口答えしますの!」
「するも何も、火種はそっちからだろ。」
バンとセシリアは机を叩く。
「決闘ですわ。」
「いいぜ。口じゃいつまで経っても終わりそうにないからな。で、ハンデはどのくらいいるんだ。」
「あら、早速お願い事かしら。」
「いや、こっちがだ。」
「織斑君、それ本当?」「男が強かったのは大昔の話だよ。」
「いいや、こいつは強いぞ。」
千冬の言葉にクラスの皆は驚いた。
「実際ここに織斑に負けた教員がいるからな。」
そう言って千冬は山田先生を指す。
「先生・・・本当ですか?」
「はい・・・開始から15分程で負けました。」
「でも山田先生、あの時は顔色が悪く、体調も優れてなかったから奇跡的に勝てたんですよ。」
「それでも負けは負けです。どう言い訳しようと・・・」
山田先生の言うとおりだった。日本のことわざにも「勝負は時の運」とある。だからどう言おうとも負けであることには変わりない。
「それでは対決は1週間後の月曜にする。織斑とオルコットは用意しておくように。それでは授業に戻る。」
千冬が手をパンと叩き話が締まる。
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突然話しかけられる一夏そしてクラス代表に推薦されるが・・・