No.473263

SAO~黒を冠する戦士たち~ 第四十七技 大事な話し

本郷 刃さん

第四十七話です。
迷宮から戻ったキリトとアスナは・・・。

どうぞ・・・。

2012-08-21 09:18:04 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:19400   閲覧ユーザー数:18039

 

 

 

 

 

 

 

 

第四十七技 大事な話し

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリトSide

 

迷宮を脱出した俺とアスナは、ヒースクリフにあった事を報告している。

 

「以上が報告だ…。すまない、二人を救えなかった…」

 

「……いや、気にしないでくれ。君達が無事でよかった」

 

俺の報告にヒースクリフは少しの間、目を閉じてから答えた。

 

「それで、アンタらには悪いがこれ以降はそちらからの接触は控えてもらえないか?

 こういうのもなんだが今回の件であまり信用ができなくなった……」

 

「ふむ、当然だろうな。分かった、以降こちらからの接触は控えよう」

 

「頼む。ボス攻略戦のときは呼んでくれ、できる限り協力する」

 

「ああ…。すまなかったね……」

 

俺の提案をヒースクリフは受け入れてくれた。

そして俺とアスナは報告を終えると騎士団本部をあとにした。

 

 

 

「アスナ……大事な話しがあるんだ…」

 

「(コクッ)」

 

俺の言葉にアスナは頷くとそのまま腕に抱きついてきた。

 

甘んじてそれを受け入れる、少しでも彼女の不安を消せるのなら嬉しい。

 

俺達はアスナの家にゆっくりと歩を進めた。

 

 

 

アスナの家に着き中に入ると出かける前のままにしていたのか物が出たままになっていた。

 

「あはは…、少し散らかってたね。すぐ片付けてご飯にするから、新聞でも読んでて」

 

前に料理をしてもらった時と似たような会話をしたのを思い出す。

 

あの時からお互いに周囲の状況が大分変わってしまった。

 

取り敢えず手近にあった新聞を読むことにした。

 

ただ、新聞に書かれているのはどれも俺の事がほとんどだった。

 

『新たなるユニークスキル持ち、現る!』、『《二刀流》習得者、名はキリト』、

『【黒の聖魔剣士】が二刀流!』、『最強の称号、キリトへ』などなどといったものだ。

 

しばらくは大変そうだ。

 

「えっと、キリトくん。できたよ…」

 

「ああ、ありがとう」

 

アスナに呼ばれたのでテーブルについた。

 

相も変わらず美味そうな料理が並んでいる。

 

「「いただきます」」

 

口にしたアスナの料理は本当においしい。

 

元の世界の味がちゃんと再現されており、それでいて心の篭った暖かさを感じる。

 

ふと、アスナをみるとこちらをチラチラとみている。

 

これは言ってほしいんだろうな。

 

「美味しいよ、アスナ」

 

「あ、ありがとう///」

 

アスナはパァッと顔を輝かせて食事を始めた。

 

ほんの少しの言葉でもやはり嬉しいのだ。

 

そのあとも食事を続けながら談笑を交わしたりした。

 

 

 

食事も終わり、少し休憩したところで俺はアスナに話すことを決めた。

 

「アスナ…。話し、いいかな…」

 

「う、うん…」

 

アスナは少し緊張しているようだ。どうやら俺の雰囲気を悟ったらしい。

 

「いまから話すのは正直、気分のいいものじゃない…。それでも、聞いてくれるか?」

 

アスナは少しの間、顔を俯かせて逡巡したようだがすぐに顔を上げて答えた。

 

「聞くよ…。キリトくんの大事な話し…」

 

彼女の瞳には力が篭っていた。これなら大丈夫かもしれない。

 

「わかった。それと、この話しは他言無用で頼む…。

 誰かに知られれば、俺は俺でいられなくなるかもしれない…」

 

「うん……」

 

アスナの気持ちを知った俺からすれば、これは脅しになってしまうな。

 

そんな自分に少し腹が立ちながらも、話さなければならない事を話す。

 

「アスナは『嘆きの狩人』を知ってるな?」

 

「うん…。非公式のギルドで、その……PKK(プレイヤーキラーキラー)ギルド、だよね…?」

 

アスナが確認するかのように答えた。

 

非公式ギルドはその名の通り公式に認定されていない、いわば簡単な集まりのようなものだ。

 

そしてPKKギルドとは、殺人(レッド)プレイヤーや犯罪(オレンジ)プレイヤー、

犯罪・殺人ギルドの人間たちを捕獲・殺害するのを目的としたギルドである。

 

つまりは容認された殺人犯の集団だ。

 

「俺はな、アスナ…。クラディールに殺人鬼と言われた時否定しなかった…。

 なんせ俺は、もう何人も人を殺しているから……」

 

「キ…キリ、トくん…。なにを、いって……」

 

アスナは俺の言いたい事を察したのだろう。顔を青ざめさせて震えている。

 

けれど俺はそれを認めさせないといけない…。

 

俺と共に在る事を選んでもらうには。

 

「俺は……『嘆きの狩人』の一人にして創設者であり、リーダー。

 『狩人の剣士(セイバー)』の名で狩る者だ…」

 

キリトSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

次回はキリトが『嘆きの狩人』を創設した経緯を話します。

 

完全にオリジナルの設定ですから、どんな経緯にしようか悩みました・・・。

 

結構単純なものですけど、内容は次回で。

 

それではまた・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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