No.471908

ONE PIECE —黒髪少年の描く世界— 第三十三話 決断

霧宮 海さん

にじファンからの転載です。
原作とは全く違う方になりました。

原作派の方はすいません!
ボンちゃんごめんね!かっちょいいシーンはぶいちゃった☆

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2012-08-18 13:53:21 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:8555   閲覧ユーザー数:8339

 

「待ちくたびれたわようジョーカーちゃん!!オシサシブリねぃ!!」

サンドラ河上流にたどり着いてみるとメリー号があってそこにMr.2が座っていた。

「待ってくれとか頼んだ覚えもねーし」

ここまで送ってくれたカルガモ達に手を振りながらいう。

「酷いわねぃ、あんた達あちしがコノ船に乗っていなかったらコノ船ドゥーなってたか知らないわね!?」

「海軍に回収されていたかもね」

ナミが荷物をメリー号に運びながら冷静に言う。

 

「そーよう!」

「うほほほおおお!なんだお前いい奴だなぁ!!」

「でしょう!?」

ルフィはまたテンションが上がり、チョッパーとウソップも加わり、肩を組んで踊っている。

相変わらず単純だ。まあそれが長所の一つでもあるが。

 

「で?その海軍が思いのほか強そうだから協力しろってか」

「ぎっくーーーーー」

図星だな。

「で、でもぉ、あちしがいなかったらコノ船海軍に盗られてたかもしんないしィ…」

「その点では感謝してる。それにまあ俺らもここは協力するしかないんじゃねえの?俺らだって俺らだけじゃ逃れらんないかもだし」

「ジョーカーちゃんよく言った!!あちしの味方はアンタだけねぃ!」

「離れてくれ」

足に引っ付いてきたMr.2を引きはがして船に乗り込む。

 

「…もお、ヤマトもなんだかんだで甘いんだから…」

ナミがつぶやいてため息をつく。

「「「「「よろしくお願いしまーす」」」」」

メリー号の後ろに船が泊まっていたらしく声がする。

「いたのかよっ!!」

ゾロがつっこむ。

ごもっともだ。全く気がつかなかった。

 

 

 

 

「それじゃあ行こうぜ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

河を下りていくとやはり海軍の船が待ち構えていて囲まれてしまう。

 

 

ヒュッ

 

ドスッ

 

「なんだ!?」

「槍だ!!こんなもんを何本も食らってたら完全に沈むぞ!」

向こうの下っ端とルフィ達はまたもや因縁があるらしい。どっかに行く度に因縁作ってんじゃねえの?因縁なんて作るんじゃありません!

 

砲弾が飛んできている訳じゃないため、ルフィは跳ね返す事ができない。やったら|割れる(・・・)。

 

 

「大変ですボン・クレー様!」

「なによう!」

部下の呼びかけにもそちらを向けないくらいボン・クレーは苦戦していた。

 

 

「“黒檻”です!」

「何ですって!?厄介な奴が出てきたわねぃ…。とっととトンズラこくわよ!」

「そう言う訳にはいかないのよ!」

ナミが叫ぶ。

「私たちは正午に東の海岸に行かなくちゃ行けないの!!」

「あんた達そんな事言ってる場合!?いいわ!それじゃあちし達は逃げるわよ!?」

ボン・クレーが自分の船に乗り移ろうとする。

 

 

 

 

 

 

「仲間を迎えにいくんだ」

ルフィが麦わら帽子を押さえて言う。そしてボン・クレーは衝撃をうけた顔。

そしてくるっとこちらを向く。

 

 

 

 

 

「いいか野郎共及び麦ちゃん一味!よぉくお聞きなさい…」

 

 

 

 

 

Mr.2によると自分たちが俺らに化けてオトリになるからその間に逃げろとの事だ。考えてる時間がないため、すぐその作戦に決定した。

 

 

「それじゃ|向こう(敵)は少ない方がいいよな…。やりやすいようにしてやる」

船の先端に立ち、両手を片手ずつ東と西の陣営に向ける。

 

 

 

「|槍当て(スペア・ダーツ)!!」

手からカンスゲの葉が飛び出す。カンスゲの葉はそこそこ尖っていて比較的固いため、勢い良く飛ばしたら船に刺さるだろう。

 

 

ドドドドド

 

船に次々刺さっていく。

 

 

ドォォォォォォン

そして東側と西側の陣営の船が沈んでいく。

 

「ジョーカーちゃんあんたすごいじゃない!あちし感激よう!!」

「初めっからやんなさい!!」

「いって!」

なんでナミに殴られなくちゃいけねえの?

 

 

 

「でもなんであの一隻だけ残したんだ?」

「あくまで俺らが倒したって言わせる必要があるからだ。俺らが弱小海賊だと思われてるとしたら海軍はアラバスタ国が手助けしたとか言いだすかもしれないだろ?何を言い出すかわかんねえからな」

 

そしてその後、ボン・クレー達はオトリとして西側に向かう。

 

 

 

「ボンちゃんありがとなーーーー!!」

ルフィが叫ぶ。

 

「行くわよ!」

ナミさん切り替え早っ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東側の海岸に着く。アラバスタの方からはビビの演説が聞こえてくる。

 

「…もうじきに12時よ。」

「これから来る!」

 

12時丁度になった。だが海岸には誰も現れない。

 

「…行こう。ビビちゃんは王女だ」

サンジがルフィの肩に手を置く。

「少し遅刻してるだけだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みんなぁぁぁーーーー!!」

その声に海岸の方を見ると、ビビが立っていた。

「ビビ!」

「ほら来た!行こう!」

 

 

 

 

 

「そのまま聞いて!」

ビビが拡声器を持って言い、電伝虫に切り替える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『私は、一緒に冒険して…暮らして!冒険の楽しみを知りました…!これからこの世界を知って…それをみんなにも知ってほしい!!だから…ごめんなさい!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『私は………………また、冒険してきます!!』

 

みんなの顔が明るくなる。

 

 

『私はこの国が大好きで…愛してるけど!!私は世界を知りたいがら…!!ごめんなさい!!』

ビビが泣きながら電伝虫に叫ぶ。

 

 

 

 

 

 

『い”ってぎます!!』

電伝虫を置いて、こっちを向く。

 

 

 

「私も…行きたい!!いいかなぁ!!?」

「もちろんだぁぁぁ!!」

ルフィが両手を上げて答える。

 

 

「お乗り下さい」

「ペル!」

ビビの横にペルがやってきて、ビビを乗せる。

 

「ビビ様、これを」

「?」

電伝虫を渡され、受話器をとる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ビビ様ぁ!』

「イガラム!」

『アラバスタ王国は、私たちが必ず復興させます!ですから!安心して旅をなさってください!!我々国民は…ビビ様の夢が叶う事を心より願っております!!!』

 

 

 

 

『ビビ様ーー!』

『がんばって!』

『報告待ってるからなー!!』

『楽しんでくださいね』

『今まで戦ってくれてありがとな!』

 

「!」

イガラムが広場の方に受話器を向けたようで、国民の声が聞こえてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みんな…あり”がとう!!!行ってくるね!!!」

船に降り立って、電伝虫に叫ぶ。すると電伝虫の向こうからは歓声と拍手が聞こえてきた。

 

「うっ、うぅぅ…!ひっく、っ」

泣きながらペルに電伝虫を返す。

 

「ビビ様、どうかご無事で。世界を知り尽くしたら、我々に教えてください」

「っ、うん!」

「それでは」

ペルがアラバスタの方に戻っていく。そして見えなくなると、こちらを向いて、手で目を拭く。

 

 

 

 

 

 

「これから…よろしくね!」

ニコッと笑って言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

「おう!」

ルフィもまたニコッと笑って返した。


 
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