No.471866

御遣いさんと恋姫さんと

月千一夜さん

おひさしぶりの作品が、この有り様である
うん、仕方ないね

とりあえず、土下座の準備はできている

2012-08-18 12:13:31 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:8470   閲覧ユーザー数:6651

“天の御遣い”

その名を知らない者は、恐らくはこの大陸には存在しないだろう

 

子供は、強い“憧れ”を

大人は、強い“尊敬”を

 

様々な想いを胸に、それぞれが“天の御遣い”という存在を

受け止めているのだ

 

それが今、現在

あの長く辛かった乱世を乗り越えた

“魏”、“呉”、“蜀”

 

三国の今であり

そして、“これから”であった

 

失ったものは多かった

辛かった日々が続いた

 

それを、乗り越え・・・“今”がある

 

だから、だからこそ

“生きなければ”

 

人々は今、かつてない程の“希望”を胸に

新しき世を、歩き出していたのだ

天の御遣いという、一人の優しい青年に対し

 

大きな、“感謝”の気持ちを胸に・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

と、まぁ

まぁまぁ、まぁ

 

 

「愛紗・・・ちょっと、いいかな」

 

「なんですか、御主人様」

 

 

長ったらしい、“前書き”もそこそこに

此処は三国の丁度真ん中に位置する場所に造られた、新しい都

そこに在る、“天の御遣い”の住む屋敷の一室

 

其処に、彼は・・・天の御遣いこと、“北郷一刀”はいた

その傍らには、関羽こと愛紗の姿もある

 

 

「俺は今、いったい・・・何をしてるんだろう?」

 

 

と、その空間の中

呟いた一刀

その言葉に対し、愛紗はさも当然とばかりに笑った

 

 

「仕事ですよ

この“山のように積まれた書簡を見てわかるはずですが”?」

 

 

と、この言葉

一刀は一度大きく目を見開いた後、大げさにその場から立ち上がった

 

 

「ちょ、ちょっと待てよ!

これが、こんなことが“仕事”なはずないだろうっ!!?」

 

 

“ダンッ!”と、思い切り机を叩き

一刀はその瞳に深い“悲しみ”を浮かべ

愛紗を見つめ叫んだのだ

 

 

「ご主人様・・・」

 

 

そんな彼の瞳を真っ直ぐに見つめながら

彼女は、微笑んだ

 

 

「つかぬ事、伺いますが・・・」

 

 

そのまま、ゆっくりと確かめるよう

彼女は、口を開いた

 

 

 

 

 

 

「ご主人様にとって、仕事とはなんでしょうか?」

 

「“種馬”だろJK」

 

 

 

 

 

 

数秒後

“爆発”とも、“襲撃”ともとれる凄まじい轟音が響き渡ったのは

もはや、言うまでもないだろう

 

 

 

 

 

 

 

≪御遣いさんと恋姫さんと≫

 

 

 

 

 

 

 

ーーー†ーーー

 

「いってぇ・・・」

 

 

日も、丁度真上になった頃

一刀は、大きなタンコブをおさえながら廊下を歩いていた

 

 

「愛紗め・・・人のこと、しこたま“青龍偃月刀”で殴りやがって

夜になると、俺の“性龍艶月刀”でヒィヒィ言うくせに」

 

 

と、人々の尊敬も憧れも吹き飛ばすような発言をしながらだ

なんかもう、色々とアウトである

 

 

「もうこうなったら、意地でも“政務”なんてしないぞ

もう絶対に、“性務”しかしない」

 

 

ツーアウトだ

さて、そんな彼

只今彼が進んでいる廊下は、呉の屋敷の中の廊下である

向うのは・・・呉の王にして、一児の母

“孫権”こと、蓮華の部屋である

 

 

「愛紗によってブロークンされたハートを癒してくれるのは、もう蓮華しかいない!

“俺のスカウター”がそう言っているんだ」

 

 

自身の下半身を見つめながら言う彼

目的地である蓮華の部屋は、もう目の前だった

 

 

「さぁ、イザァ・・・」

 

 

某“ガチでムチなイイ兄貴”の掛け声と共に開く扉

それと同時に、彼の眼前に広がった光景は・・・

 

 

 

 

 

 

 

「ハローれんふ・・・」

 

「かぁぁぁあああずううぅぅぅぅとおぉぉぉぉぉおおおおおおお!!!!!」

 

「うっひゃぁぁぁああああ!!!??」

 

 

血走った目をそのままに、自身に向い迫ってくる蓮華だった

彼は咄嗟に、その突撃を躱した

 

 

「れ、蓮華さん!?

いったいこの有り様は、どうしたのでござりますでしょうかっ!!?」

 

 

そして、テンパりながら言う一刀

そんな一刀を相変わらず血走った目で見つめたまま、荒げた息もそのままに

彼女は、ニヤリと笑うのだ

 

 

「あはは、本物の一刀だぁ

私ねぇ、ずっと・・・ずうっと会いたかったのぉ」

 

「ひっ・・・!?」

 

 

突き刺さる、“狂気”染みた視線

同時に、彼は思いだすのだった

 

“あぁ、そうだ”

 

 

 

 

 

「一か月ぶりの一刀、いっただっきまぁぁぁあああURIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII!!!!!!(悦)」

 

「ぎゃあぁぁぁぁああああああああ!!!!!!??」

 

 

 

 

 

彼が蓮華と会うのは、これが・・・“一か月振り”だったのだ

 

 

 

 

 

 

「説明しよう

蓮華は普段、照れ屋で可愛い俺の嫁

しかし、しばらくの間会うことがない場合・・・彼女の“禁断症状”が発現し・・・」

 

「くっっはぁぁぁああああああ、一刀の匂いクンカクンカするおおぉおぉぉぉぉおおお!!!!!」

 

「こうなってしまうのだぁぁぁあああああああ!!!!」

 

 

どうなってしまったんだ、蓮華

恐らくは、そう声を大にして叫びたい者も多いだろう

しかし、今はそんな場合ではない

一刀はバクバクする心臓をおさえ、必死に駆けていた

 

 

「チッ・・・逃げ足が早いわねっ!!」

 

「蓮華さん!!?

もはや、性格変わってません!!!?」

 

「埒が明かないわっ・・・思春っ!!」

 

 

そんな状況に、しびれを切らした蓮華

叫ぶのは、彼女のもっとも信頼する忠君の名

甘寧・・・真名を思春

その存在に、一刀は戦慄する

 

“あれ、これ詰んだんじゃね?”と

 

 

「北郷一刀おぉぉぉぉおお!!!!」

 

 

やがて、響いた声

その刹那、現れたのは・・・

 

 

 

 

 

「きさ、あふっ・・・貴様、また蓮華様に何かしたのかっ!!!!」

 

 

 

 

 

頬を真っ赤にし、荒々しい息もそのままに・・・“何故か亀甲縛りの状態で現れた思春だった”

 

 

 

 

 

 

「いや、なんでさっ!!?」

 

「なんで、だと!!?

“人が非番の間のプライベートな時間をどう使おうが、それは私の勝手だろう!!!??”」

 

「いや、“そうなんだけどそうじゃなくって”!!!」

 

 

“だから、なんで亀甲縛りなんだよ!?”と、一刀

それに対し、思春は鬼気迫る表情で叫ぶ

 

 

 

「貴様如きに、“人の趣味をとやかく言われる筋合いなぞないわ”!!!」

 

 

 

・・・趣味だった!!

一刀は、ドン引きしていた

 

 

「そ、そっか、趣味なのか

なら、仕方ないよな、うん、仕方ない」

 

 

言いながら、恐る恐る離れる一刀

対して、何やらヤバい二人は近づいていく

徐々に、詰まっていく距離

 

 

「ハァハァ・・・かずと、ハァハァ・・・・・・」

 

「い、いかん・・・縄の食い込みが、ハァハァ・・・」

 

 

“へ、変態だ”

そう思った彼を、誰が責められるだろうか?

 

 

「よ、よしわかった

一度じっくり話し合おう

おれ達には、言葉というとても大切なナニかが・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー†ーーー

 

「太陽が、黄色い・・・」

 

 

フラフラと、廊下を歩くのは我らが天の御遣い

北郷一刀である

 

結局彼は、“食べられたのだった”

挙句、“昨晩は、お楽しみでしたね”と

“笑顔じゃない笑顔”で愛紗に言われ、“青龍偃月刀”で“性龍艶月刀”を穿たれ

もはや、フラフラである

 

そんな、彼

今彼が歩いているのは、魏の屋敷の中である

昨夜のせいか、彼の中で呉に対する“トラウマ”が出来てしまったのだ

かといって、蜀には愛紗がいる

よって彼は、魏を選んだのだった

 

 

 

「まぁ、最近は大きなおっぱいも食傷気味だったもんな

たまには、小さいのも食べたくなるさ」

 

「へぇ・・・それで、此処に来たのね?」

 

「・・・オゥ、シット」

 

 

・・・そして、速攻で己の発言に後悔した

 

恐る恐る

彼が振り返った先

其処には予想通り、曹操こと華琳が立っていたのだ

 

その手には、禍々しい鎌が握られている

 

 

 

「い、いや、いやいやいや

違うから、今の違うから

今のはホラ、桂花だって、桂花のことだって」

 

「なんですって、この汚チ●コ野郎」

 

「・・・オーマイゴッド」

 

 

そして、コンボが繋がった

ただし貰えるボーナスは、“ダメージ二倍”、“死亡率倍化”である

よく見れば、華琳の側には桂花がいたのだ

これに対し、彼は“ヤレヤレ”とばかりに首を振った

 

 

「何を言ってるんだ桂花たん

俺が君に対して、酷いことを言うわけがないじゃないか

今のは、実は風のことで・・・」

 

「お兄さん・・・呼びましたか?」

 

「救いはっ、救いはないんですかぁ!!!??」

 

 

まさかの、コンボ継続

一刀涙目

それに合わせるよう、突き刺さる視線・視線・視線

 

 

「ち、違うんだ!

風のことでも・・・」

 

「じゃぁ、誰のことなのかな兄ちゃん」

 

「教えてください兄様」

 

「あ、死んだかな俺・・・」

 

 

追い打ちをかけるような退路遮断

新たに現れた、許緒、典韋の二枚看板に対し

 

一刀は、本気で死を覚悟するのだった

 

 

「よし、わかった

一度、じっくりと話し合おう

俺たちには、言葉という素晴らしいコミュニケーション手段が・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アッーーーーーーーーーーーーーーーー・・・

 

 

 

 

 

 

ーーー†ーーー

 

「か、体中が痛い・・・」

 

 

と、呟くのは我らが天の御遣い

北郷一刀である

魏国の屋敷でフルボッコになった彼は、“ご褒美”という名前の“お仕置き”を華琳直々に受けたのだった

手首や足首にある縄の跡が、何とも痛々しい

 

 

「まったく・・・手酷くやられたものだな」

 

 

そんな彼

彼は現在、華佗の診療所にやって来ていた

目的は言うまでもなく、傷の治療である

 

 

 

「ほら、これで治療は終わりだ」

 

「悪いな、華佗」

 

 

“気にするな”と華佗

そんな彼の言葉に苦笑しつつ、一刀は脱いでいた制服を身に纏った

 

 

「しかし最近、皆容赦がない気がするんだけど・・・気のせいかな?」

 

「さぁな

しかし、俺から言わせてもらえば“お前が大人しくしていれば済む話のような気がするがな”」

 

「それは無理だ、死んでしまう」

 

「今も、死にそうになってたじゃないか」

 

 

“そうだった”と、爆笑

しかし、やがて溜め息を吐き出す一刀

 

 

「いやね、最近さ・・・皆から、俺に対する“愛”みたいなものが足りてない気がするんだよ」

 

「愛、か・・・難しい話だな」

 

「そうなんだよなぁ」

 

 

そう言って、一刀は窓の向こう

青い空を見つめる

それから、ゆっくりと語り出すのだった

 

 

 

「俺さ・・・本当は、働きたくなかったんだ」

 

「初っ端から、ツッコミどころしかないんだが・・・」

 

 

“そもそも、今だって大して働いてないだろ”という言葉を呑み込む華佗

そんな彼の苦労も露知らず

一刀は、話を続けていく

 

「小さい頃の夢は、“警備員”さ

ただし、自宅限定のね」

 

「うわぁ・・・」

 

「そんな時、この世界に飛ばされて

いつの間にか、こんな沢山の人に囲まれて・・・俺は、幸せだよ」

 

「そ、そうか・・・」

 

「だから俺は、俺が幸せな分・・・みんなにも、幸せってやつを感じてほしいんだ

愛していきたいんだよ」

 

 

 

 

“だから・・・”

 

 

 

 

 

 

 

「また、なんか“媚薬”みたいなのない?」

 

「愛は何処にいった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

華佗の言葉はもっともだった

愛、何処に行った?

 

 

「まぁ、まずは話を聞いてくれよ」

 

「まぁ、聞いておこうか」

 

 

“あまり、期待はしてないが”と、華佗

そんな彼に対し、一刀は“馬鹿にするな”と胸を張り・・・

 

 

 

 

 

 

「とりあえず、皆とイチャコラしたいんだ」

 

「ほら見ろ、言わんこっちゃない」

 

 

 

 

 

 

・・・やっぱり、ダメダメだった

 

華佗が呆れるのも、無理はない

もう、論ずるに及ばない

 

 

「さて、もう満足したか?

治療も終わったんだから、早く仕事に戻ってくれ」

 

「冷たいなぁ、華佗

もうちょっと、ノッてくれてもいいだろ?」

 

「生憎、暇じゃないんでな

“どっかの下半身と違ってな”」

 

「俺のことですね、わかります」

 

「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」

 

「・・・例えば?」

 

「北郷一刀かもしれないし、天の御遣いかもしれない」

 

「はい、百%俺ですね

本当にありがとうございます」

 

 

 

等と、戯言もそこそこに

一刀は、診療所を後にするのだった・・・

 

 

 

 

 

ーーー†ーーー

 

「んで、結局愛紗に見つかってハイパー政務タイムってオチか」

 

 

と、そう呟いた一刀

空は、すっかり暗くなっていた

あの後、診療所を後にした一刀だったが

わずか数分で、愛紗に引きずられて部屋に半ば監禁されたまま政務に励んだのだ

無論、“性務”のほうはお預けである

 

 

「くっそ、愛紗のやつ・・・もう限界だって時に、適度に胸を押し付けてくるんだもんなぁ

飴と鞭ってやつを、心得てやがる」

 

 

“流石は軍神”と、彼は涙目だ

 

 

「はぁ・・・今日はもう寝よう

こうなったら、死んだように眠ってやる」

 

 

そう言って、自身の部屋の扉を開く一刀

瞬間、彼はあることに気付いた

 

 

「あ、あれ・・・?」

 

 

彼の寝台

其処に、うっすらと“誰かのシルエット”が見えたのだ

暗い為、誰かはわからない

しかし、誰かいるのは確かである

 

一刀は・・・“嗤っていた”

 

 

 

「そうだよね、“政務を頑張った後は性務だよね”

流石は愛紗・・・飴と鞭を心得ていらっしゃる」

 

 

さっきとは全く違う意味で、さっきと同じセリフを口ずさむ一刀

気付いたら、上半身は裸である

 

 

「やれやれ

こりゃ、今夜は眠れそうもないね」

 

 

と、何故か嬉しそうに言う始末

 

 

「さて、そんじゃ・・・読者サービスの、始まりだぁ♪」

 

 

そして彼は、“駆けだしていく”

目の前で待つ、愛しい人のもとへ

 

暗かった部屋の中

やがて、少しずつ明らかになっていく姿

 

小麦色の肌

おさげを結ったリボン

可愛らしい、桃色の下着

 

 

 

 

 

 

そして・・・“威風堂々たる、筋骨隆々な体”

 

 

 

 

 

 

「さぁ、御主人様・・・読者サービスの始まりよん♪」

 

「ぇ、ぁっ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー♪

アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

終われ

 

★あとがき★

 

もう、何というか

言い訳も出来ないほどの有り様である

しかし、反省もしないし、後悔もしていない

 

久しぶりの投稿が、こんな作品とあっては皆さまに殺されても文句は言えないところではあるが

まぁ、いいだろう(ぇ

 

 

でわ、またお会いする日まで


 
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