第四十四技 駆けつける女神
キリトSide
「て、てめぇ!? なんで立てるんだよ!?」
「俺の《耐毒》と《耐麻痺》のスキルは
「ちくしょう! そういうことか!」
俺の回答にクラディールは悪態を
麻痺は微かに残っており、毒は無効化できないため少しずつではあるが確実にHPが減っていく。
そんな中でも俺は前から疑問に思っていたことを聞いた。
「なぜ俺をここまで付け狙う…」
こいつは明らかに前から俺の事を知っていたはずだ。
「はっ、そんなの決まってる。
「っ!? き、さまぁ!」
俺は奴が笑いながらそういった瞬間に怒りが収まらないのを感じた。
奴の本当の狙いは最初からアスナであった。
俺がアスナの近くにいたのが邪魔だったようだ。
俺がやられれば、次の標的は間違いなくアスナになる。
それだけは阻止しなければ…。
「そのために、『
「へぇ~。てめーがどうやってそれを知ったのかは知らねぇが、その通りだ」
奴は自身の手甲を外すとそこに別の手甲が現れた。
それには、棺桶の中央で骸骨が笑っているエンブレムが刻まれていた。
「やはりか…!」
「ちなみにこの麻痺毒も奴らから教えてもらったんだぜ」
「俺様からしたら、なんでてめーがこの事を知ってるのかが気になるな~」
「簡単さ…。ラフコフを狙う奴らに、お前を調べてもらった…わかるだろ? おまえなら…」
「……っ!? ま、まさか…、『嘆きの狩人』!?」
「正解だ」
俺が答えてやると奴は一瞬で顔を青くさせた。
「俺が不自然に死ねば、お前は間違いなく怪しまれる…。
どのみち、ラフコフに関わったことでお前は狩人に狩られるさ…」
「てんめぇー!! 毒でジワジワ苦しめるのはやめだ! 今すぐ殺してやる!!」
クラディールは大剣を振りかざし、俺に攻撃を仕掛けてきた。
「おらおらおらぁぁぁ!!!」
「ぐっ!?」
クラディール相手ならば別段俺ならば普通にあしらえるだろう。
そう、普段の俺ならばだ。
今の俺は微かに残った麻痺によって動きが鈍り、くわえて毒状態のままだ。
そのうえ体には不快感が残っているため、満足にも動かす事ができないでいる。
精神的にもかなりマズイ。
「はあぁぁぁ! どうしたよ、自慢の《二刀流》は!」
「くぅぅ!」
正直、いまの状態では受け流すのも一苦労だ。
さらに毒によってだんだんとHPが減らされている。
奴の攻撃は苛烈さを増して、そしてついに…、
「らあぁぁぁぁぁ!!!」
「ぐ、しまった!?」
俺はクラディールの攻撃によって態勢を崩してしまい地面に倒れる。
「もぉうらったぁぁぁぁぁ!!!!!」
奴の振り上げた大剣が振り下ろされた。
その瞬間だった…、
「ハァァァァァ!!!」
「っ!? だ、だれ、だ……!?」
誰かが乱入してきたことにより、俺に振り下ろされるはずだった大剣は弾かれ、
奴もまた体勢を崩したために距離をとった。
そしてここに現れたのは…。
「キリト君! 大丈夫!?」
「ア、スナ…」
駆けつけてくれたのはアスナだった。
アスナは手早くアイテムポーチから解毒薬を取り出して俺に飲ませてくれた。
俺が飲み終わるのを確認すると、彼女は立ち上がり武器を構えてクラディールを睨みつけてからこう言った。
「アナタは、わたしが……殺す!」
キリトSide Out
To be continued……
後書きです。
キリトが立てたのは《耐毒》と《耐麻痺》スキルのお陰でした。
そして怒れるアスナが登場・・・。
原作ではキリトが、Web版かなにかではアスナがクラディールを殺します。
さてこの作品ではどちらがやるのでしょうかね?
次回をお楽しみに・・・。
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第四十四話になります。
ピンチなキリトは一体どうなるのでしょうか・・・。
タイトル通り駆けつけますけどw
それではどうぞ・・・。