No.471818 IS−インフィニット・ストラトス−黒獅子と駆ける者−ファントムさん 2012-08-18 08:50:45 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:2100 閲覧ユーザー数:2003 |
episode48 目覚め出す力
そうして時間は過ぎて明後日の午後一時・・・・
「・・・・・・」
隼人はバンシィの調子を見ながら、シャーリーのISを見る。
前にはシャーリーのIS『ハルート』がいた。
全身装甲のISと思ったが、よく見れば関節や一部には装甲がなく、動きやすさも取り入れられた構造となっていた。カラーリングは白をメインにオレンジ、黒、赤などのカラーリングであった。頭には四本の角を持ち、ツインアイの上にはバイザーがあった。そして何より特徴的なのが背中のユニットであり、機首となるパーツとリアアーマーにはコンテナを持っており、その両脇には大型のユニットが装備されていた。
(本当にまんまガンダムハルートだな・・・・)
そう思いながらもハルートのデータを表示させる。
(開発コードネーム『ハルート』・・アメリカが開発した第三世代のISで、世界で初めて可変機能を実装した試作IS・・・最近できたばかりだからさすがにまだ表面のものしか提示してないな)
その次にシャーリーの経歴を見る。
(・・・アメリカ代表候補生で、アメリカ空軍の所属で階級は大尉。幼い頃から戦闘機を乗りこなし、軍入隊時から戦闘機のエースパイロットとして活躍。その後その資質を買われてハルートのテストパイロットに任命された。その後は無敗を記録しているエースパイロットか・・・)
「それにしても、あの二人がいきなり対戦するとはね」
「あぁ」
と、観客席には噂を聞きつけて女子生徒が集まっており、可変型ISを見に上級生も来ており、その中にはラウラと鈴の姿があった。
「あれが噂の可変型ISねぇ・・・・」
「実際に見るのは初めてだな」
「ってかさぁ、ISに可変機能なんて必要なの?何か無意味な気がするけどねぇ」
「そうでもないだろう」
「え?」
ラウラの言葉に鈴は首をかしげる。
「確かにISは機体によっては音速で飛べるが、人型をしているISでは空気抵抗が大きくなってしまい、本来のスピードを出すことができない。まぁ無理に出せば身体がばらばらになってしまうがな」
「・・・・・」
「だが、飛行形態に変形すれば空気抵抗を減らすことができる。まぁ戦闘機と同じ原理だ」
「へ、へぇ・・・」
「それに飛行形態であれば爆撃機として機能するからな。恐らくそれも考慮しているのだろう」
「ば、爆撃機って・・・」
「恐らく軍用ISとして開発されているのだろう」
「軍用IS・・・そんなんがここに居て良い訳?」
「普通なら問題だろうが・・・恐らく試作段階のISということでここに入ってきたのだろう」
「・・・だから、ここでデータ収集をするってわけ?」
「だろうな」
「ふーん・・・で、あいつ自身はどうなんだろうね」
「ISの技量としては分からんが、少なくとも本国に居た時は戦闘機のエースパイロットと聞いている。それであのISのテストパイロットに任命されたんだろう」
「任命ねぇ・・・」
『へぇ・・・それが噂のブラックレオか・・・本国で全身装甲のISとは聞いていたけど・・・むしろブラックユニコーンって感じね』
「こいつの本当の姿がその由来さ。それに黒獅子じゃなくてこいつの名前はバンシィだ」
『バンシィ・・・覚えておくわ』
そしてシャーリーは両手に緑の半透明の刃を下部に持つライフルを両手に展開すると、隼人は右腕のアームドアーマーBSを展開する。
「それじゃぁ・・・・行くよ!」
そしてシャーリーはライフルを隼人に向けてトリガーを引き、ビームをマシンガンの如く連続で放っていく。
隼人はスラスターを噴射して横に飛んでいってかわして行くと、アームドアーマーBSをシャーリーに向けて放つが、シャーリーは機体を変形させて一気に上に飛び上がる。
「ちっ!」
隼人は連続してアームドアーマーBSを放っていくが、飛行形態のハルートは猛スピードでアリーナ内を飛び、ビームはかすりもしない。
「速い・・・!」
そしてシャーリーは機体を変形させてビームライフルを放っていくと、背中の両ユニットを前に向けてビームを放つ。
隼人は一気に下りてビームをかわすと、アームドアーマーBSを収納してビームマグナムを展開してハルートに向けて高出力ビームを放った。
シャーリーは高出力ビームをかわすと、飛行形態に変形して隼人に向かっていく。
「っ!」
隼人はビームマグナムを放つが、シャーリーはビームをかわして隼人の上を通り過ぎていくと、人型に変形させた。
そして一気にその場から飛び出して右手に持つライフルを別の持ち手に持ち替えると、勢いよく振るう。
隼人はとっさに振り向いて左腕のビームトンファーを展開して斬撃を防いだ。
「ちっ!」
その直後に隼人はシャーリーを押し返して左腕のアームドアーマーVNを展開して勢いよく突き出した。
しかしシャーリーは右手のライフルを鋏のように縦に割ると、アームドアーマーVNの上部のクローを挟み込んだ。
「なにっ!」
「ふっ」
そしてライフルを鋏の様に閉じて、クローを切断した。
隼人はとっさにアームドアーマーVNを切り離すと、ビームトンファーの先端からビーム刃を出して振り上げるが、シャーリーは身体を反らして斬撃をかわすと、後ろに下がりながらビームライフルを放つ。
隼人はとっさに左腕にシールドを展開すると同時にシールドを上下に展開してビームフィールドを形成してビームを弾いた。
(中々やるな・・・・。こっちも本気で行かないとまずいな)
そしてバンシィの装甲の隙間より金色の光が漏れ出すと、装甲が展開して下の金色のフレームが露出して、左腕のシールドも展開してフィン状のフレームが×字に展開して、マスクが収納されて最後に角が立てに展開した。
『それがバンシィの本当の姿か・・・。まぁ、その姿じゃブラックレオって呼ばれるわね』
「・・・・・・」
隼人は左手にバスターソードをマガジンを装填した状態で展開してシャーリーに向かっていく・・・・・
「中々やるわね・・・」
「あぁ。さすがは元エースパイロットだ。飛行形態の動きにもキレがある」
ラウラと鈴は戦闘を見て感心していた。
「さすがの隼人も手こずっているわね」
「確かにそうだが、師匠はそう簡単には負けたりしない」
「えらく自信たっぷりね」
「あぁ。私の師匠だからな」
「何よそれ・・・・まぁ、あたしだってそう思うけど・・・どうするのかな」
「師匠には考えがあるんだ。必ず」
「考えねぇ・・・」
鈴はデストロイモードになったバンシィを見る・・・・
「くそっ!」
隼人はバスターソードをバックパックにマウントすると、ビームマグナムの左側にあるフォアグリップを左手に持って精密射撃を行うも、ハルートの機動性にビームは外れる。
(こうも速いと気が滅入るな)
そしてビームマグナムを放つと、フォアグリップを一旦離して左手にマグナムのマガジンを展開して装填する。
(マガジンもこれで最後・・・。こいつを当ててあいつのバランスを崩してバスターソードで一気に決めるしかないか・・・。デストロイモードもそう長く持たない)
そして勢いよく飛行形態で向かってくるハルートにビームマグナムを放つが、シャーリーは急上昇して回避すると、リアアーマーに付けられたコンテナのハッチが開いていくとミサイルが放たれた。
「くっ!」
隼人はとっさにマグナムを左手に持ち替えると、右腕のアームドアーマーBSを展開してビームを照射してミサイルをなぎ払うが、半分近くしか落とせなかった。
(こうなったら!)
隼人はスラスターを一気に上に向けて噴射して急降下し、そのままアリーナの地面に着地する。
そしてその直後にバックパックのカートリッジをリロードして、ミサイルをギリギリの距離まで引き付けて、一気に飛び出すとミサイルがアリーナの地面に直撃して爆発した・・・・
(直撃のようね)
シャーリーは爆発した箇所を確認する。
基本的に飛行形態時ではシャーリーは仰向けの状態になるが、モニターで前方の景色を確認することができる。無論周囲の景色もモニターに表示される。
(他愛も無いわね・・この程度で―――)
しかしその直後機体が大きく揺れた。
「っ!?」
その瞬間機体を何かが掴んだ。
「まさか!?」
シャーリーはとっさに機体上部にカメラを向けると・・・
「何とかうまくいったな・・・」
そしてハルートの上にはバンシィが乗っていた。
「なっ!?」
シャーリーは驚いて一瞬判断が鈍る。
「はろー」
と、隼人は陽気にカメラに向けて手を振る。
「な、何をしている!?」
「見りゃ分かるだろう。上に乗っている・・・って、おわっ!?」
するとハルートは機体を傾けて降下をし始めた。
「さっさと離せ!」
シャーリーはそのまま急上昇して機体を高速で回転しながら蛇行にアリーナを飛んでいくなど、アクロバティックな飛行を行う。
「離せと言って離す馬鹿はいねぇよ!」
そして隼人はGに耐えながら何とか掴まり続けて、左腕のビームトンファーを展開すると、ハルートの左翼であるビームライフルを根元から切り落とした。
「ちっ!」
シャーリーは機体を真横に傾けるとそのままS字に円を描くように飛んでいく。
「くっ・・・!」
隼人は少し酔って来たが、構わず左腕のビームトンファーを振り上げるが、その瞬間ハルートが突然機体を平行に戻した。
「っ!」
それによってバランスを崩しかけるが、すぐに左手をハルートの左側ユニットに掴ませた。
しかしその瞬間ハルートのコンテナハッチが展開すると、ミサイルが放たれた。
「なにっ!?」
そしてミサイルはそのまま降下して自機を含めバンシィに直撃させた。
「くっ・・・!」
隼人は背中にミサイルの直撃を受けてハルートから落下すると、シャーリーはその瞬間人型に変形するとビームライフルを放ってバンシィの背中に直撃させた。
それによってバスターソードがバックパックから外れて落ちていく。
「しまった!」
隼人はとっさに手を伸ばしてバスターソードを掴もうとするが間に合わず、ハルートが接近してきてとっさに後ろに振り向くとアームドアーマーBSを展開しようとした・・・
「っ!?」
しかしアームドアーマーBSは展開せず、その瞬間ショートした。
(展開できない!?さっきの攻撃で・・・くそっ!)
隼人はとっさにアームドアーマーBSを収納してビームマグナムを展開するとハルートに向けて放つ。
シャーリーはスラスターを一気に噴射して上に飛んで回避する。
「ちっ!」
隼人は狙いを定めてビームマグナムを放つが、シャーリーは飛行形態に変形してかわすと、コンテナよりミサイルを放つ。
隼人はとっさにスラスターを噴射して前に飛ぶと、アリーナの地面に着地すると同時に両足のカートリッジをリロードして地面を蹴る。
それによってバンシィは異常なまでの跳躍をして、ミサイルはバンシィの後ろに落ちて爆発する。
「っ・・」
隼人は痛みが身体に走るものも、そのまま地面に突き刺さっているバスターソードを左手に持って引き抜くと、ハルートのほうを向く。
(強引なやつだ・・・。俺を振り落とすためにあんな攻撃を仕掛けるとはな・・・)
隼人はバスターソードを握る手に力を入れる。
(あの赤いやつと比べればそんなに無いが・・・それでもかなり手強い・・・だからといって、リインの力を借りるわけには・・・)
(私は別に構わないのですが・・・)
(こんな模擬戦で使うまでも無い・・。確かにお前の力を借りれば勝てるだろうが、なるべく力には頼りたくないんでな)
(そう・・・ですか・・・)
(デストロイモード強制解除まで二分・・・・マグナムは残り二発・・・)
そして隼人はバスターソードにカートリッジをリロードする。
(どうする・・・・ユニコーンモードじゃあいつの機動性に追いつけない・・・バスターソードの攻撃はほとんど通じないだろうな)
そして勢いよく向かってくるハルートを横に飛んでかわして、後ろに振り向く。
(・・・・バンシィのカートリッジをオールリロードすれば勝てるかもしれんが・・・)
(それはだめです!そんなことをすれば隼人の身体が!)
(分かっている・・・。もしものことだ。できれば使いたくは無い)
(・・・・)
(・・・どうすれば・・・)
「っ!?」
すると、脳裏に何かが走った。
(な、なんだ・・?・・っ!)
そして隼人はハッとしてとっさに横に飛んで背後から向かって来ていたハルートの右翼をかわした。
「今のは・・・・っ!」
するとまた脳裏に何かが走った。
(これは・・・)
脳裏に走ったもの・・・・それはハルートの動きだった。
脳裏に映った動きがその直後に行われていた。
「・・・・」
そして今度は機首よりビームを放とうとしており、隼人はその場から一気にハルートに向かっていった。
「っ!?」
すると意表を突かれたかのようにシャーリーは射撃を中断して一気に急上昇した。
(動きが・・・見える!)
そして隼人はビームマグナムをシャーリーに向ける。
「っ!」
そして脳裏に直後の動きが現れて、隼人はハルートより大きくずらしてマグナムを向け、トリガーを引いた。
そして高出力ビームはちょうどハルートの進行上に飛んでいった。
「なにっ!?」
そしてビームはハルートの右側ユニットに直撃して、バランスを崩す。
その直後に隼人は最後の一発を放ち、今度は飛行形態時に航空機の機首と思わせるユニットに直撃させた。
「しまっ!?」
それによってハルートは完全にバランスを崩した。
「今だ!」
そして隼人はビームマグナムを放り投げてバスターソードを右手に持つと同時にカートリッジを三回リロードして、一気に飛び出した。
「うおぉぉぉぉぉぉ!!」
「っ!?」
シャーリーが人型に変形させた時には、バンシィは目の前にいた。
「チェェェェェェェストッ!」
そしてバスターソードを勢いよく振り下ろして、ハルートを切り付けた。
そのまま横を通り過ぎるとアリーナの地面に膝を着いて着地すると、ハルートはそのまま地面に墜落した・・・・・・
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・」
隼人は息を整えながら立ち上がるとバンシィの装甲が閉じていき、バスターソードの刀身表面の一部が展開して排熱した。
「何とか・・・・なったな」
少しして隼人は歩いてシャーリーに近寄る。
「やれやれ・・・この私を落としたのはあなたが初めてね」
「そりゃそうかい。それは名誉なことで」
「それにしても、よくあんな機動で動きが読めたわね」
シャーリーは立ち上がるとPICで少し宙に浮く。
「まぁ、慣れってやつだ」
「そういうもん?」
「そういうもん」
隼人の返事に呆れたのか、シャーリーはため息をつく・・・・・・
(しかし・・・)
その間に隼人はあることを考えていた。
(何だったんだ・・・あの感覚は・・・・)
それはあの未来予知のようなビジョン・・・・
(うーん・・・ガンダム的な表現で言うと・・・・ニュータイプじゃなくて・・・・Xラウンダーか?)
そう考えるも隼人はすぐに考えるのをやめる。
(考えたってしょうがない。今はさっきのような感覚は無いしな)
そうして隼人はアリーナのピットに戻って行った・・・・・・
Tweet |
|
|
9
|
0
|
追加するフォルダを選択
トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!