一刀の下へ戻ってきた明命は、すぐに一刀に報告をした。
「・・・・・・やっぱあいつらが一枚噛んでたか」
明命からの報告を聞いて、うんうんと頷きながら一刀は言った。
「しかし、月が帝と結婚・・・・・・悪意100%のイベントだな」
「どうするんですの?」
「当然阻止する」
麗羽の問いに、一刀は即答した。
「まあそう言うとは思ってましたけど、下手をしたら朝敵ですわよ?」
「分かってる。とりあえず・・・対策考えるべ」
その後一刀、麗羽、明命。それに風を呼んで話し合いが行われた。
色々な意見が出たが、正直どれも微妙なものばかりだった。
そんな中、一刀が言った一言。
「発想を逆転させてみようぜ」
この一言が、国を震撼させる大事件の始まりだったとは
まだ誰も知らなかった・・・・・・
それからしばらくして、一刀たちの下に一通の招待状が届いた。
無論、帝の婚礼への招待である。
「覚悟決めとけよ?」
「分かってますわ」
頷く麗羽。
「明命、酷な事をさせる事になるな・・・・・・すまん」
「謝らないでくださいコーチ。コーチはいつものようにふてぶてしく構えてくれていればいいんです」
「・・・・・・俺ってそんなにふてぶてしい?」
一刀の問いに、明命は苦笑いを浮かべた。
「んじゃ、準備と留守番頼むわ」
「仕方ありませんね~。帰ってきたら何かご褒美でもいただきましょうか・・・・・・」
「・・・・・・考えとく」
留守番を任される風・・・・・・と、
「アタイら付いていかなくていいんですか?麗羽様?」
「今回は留守番ですわ。風さんの指示にちゃんと従うように。いいですわね?」
「分かりました」
「アイアイサー」
同じく留守番の猪々子と斗詩。
「それじゃあ、出発!」
こうして
一刀は麗羽、明命、護衛の兵士たちと共に
洛陽へ向かったのであった・・・・・・
婚礼が行われる三日前に、一刀たちは洛陽へとたどり着いていた。
そして、一刀たち以外に招待を受けた者達も続々と、洛陽に到着していた・・・・・・
「帝の嫁が一人増えるだけだってのに、随分派手にやるみたいだな・・・」
街の各所で準備のために動き回っている人達を見ながら、一刀は言う。
「一刀さん。帝をないがしろにするような発言は、控えたほうが身のためですわよ?」
「・・・・・・そうだな。少なくとも今はな」
麗羽に注意され、小声で呟く一刀。
現在、明命は洛陽各所を調査しており別行動。
一刀は麗羽と表通りを歩いていた。
そんな時、
「あら?」
麗羽が何かをみつけたようで、声をあげた。
麗羽の視線の先にあったのは・・・・・・
「あら麗羽。あなたも来ていたの?」
夏候姉妹を引き連れた華琳の姿があった。
「ええ。おひさしぶりですわね、華琳さん」
「そうね。黄巾の乱以来かしら?」
「そういう事になりますわね」
互いに他愛も無い会話を交わす華琳と麗羽。
「華琳さんも、帝の婚礼に招待されたのでしょう?」
「ええ。さっき孫策や劉備。ついでに公孫瓚にも会ったわ。黄巾の乱で名を上げた者達は軒並み招待されてるみたいね」
そんな中、華琳はちらりと一刀に視線を向け、
「ところで・・・・・・貴方の隣にいる男は誰?」
そう問いかけてきた。
「ああ、華琳さんはまだ会っていませんでしたわね。この人の名は北郷一刀。私の良人ですわ」
一刀の腕を取り、麗羽は堂々と宣言した。
「うえ!?」
「なんと・・・・・・」
華琳の後ろに控えていた春蘭、秋蘭は驚きの声を漏らした。
華琳もまた目を丸くしており、
「驚いたわね。貴方、女にしか興味が無いんじゃなかったの?」
「この人は特別ですわ。わたくしにふさわしい良い男でしょう?」
麗羽の言葉に、華琳は一刀を値踏みするようにじろじろ眺めた。
「私には正直パッとしない男に見えるけど・・・・・・」
その言葉に麗羽はムッとしたようで、
「華琳さんも見る目がありませんわね・・・・・・行きましょう!一刀さん!」
「お、おい!引っ張るな!」
一刀を半ば引きずるようにして、その場を離れたのだった・・・・・・
「まさかあんなに怒るなんて、よほどあの男が気に入っているのね」
華琳はあごに手を当てて言った。
「しかし華琳さま。私にもそれほど特別な男には見えませんでしたが・・・・・・」
「私もそう思ったけど、よく考えてみるとあの麗羽が見初めたと言うのだから、やっぱり何かあるんじゃないかしら?」
「確かに・・・・・・」
秋蘭と華琳の会話が続く中、
「う~~ん・・・・・・」
春蘭は唸りながら首を捻っていた。
「どうした姉者」
「秋蘭・・・・・・あの男。どこかで会った事がないか?」
「私は会った覚えはないが・・・・・姉者はどこかで会った事が?」
「いや・・・でも、どこかで見たような・・・・・・見ていないような・・・・・・」
うんうん唸りながら記憶をたぐる春蘭だったが、結局何も思い出す事はできなかったのであった・・・・・・
どうも、アキナスです。
また随分間が空いてしまいましたが、とりあえず投稿です。
さて、洛陽に足を運んだ一刀君一行。
これからいったいどうするのか?
それでは次回に・・・・・・
「一刀流居合い!獅子歌歌!!」
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戻ってきた明命の報告に一刀は・・・・・・