No.470148

とある二人の偽善(悪)劇

jeans さん

上条当麻と一方通行メインの話
20巻からスタート
カップリングは上琴と番外通行
設定を捏造してます

2012-08-14 21:14:21 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:3425   閲覧ユーザー数:3394

 
 

「貴方は悪く無い」

 

 

言われた言葉を理解する事ができなかった。

今この場には自分と近くでもがく必死に自分を守ろうとしている少女と

今さっきに、自分を悪く無いと言った少女だけだ

 

一方通行

それは学園都市に七人しかいないレベル5の頂点に君臨している化け物の名前だ

 

 

一方通行は過去に妹達と呼ばれる、御坂美琴のクローンを10031人もの人間を殺した人間だ

そして自分の近くにいる少女も、妹達の内の二人だ

 

一人は打ち止め、一方通行がロシアに来た理由の一つ

 

もう一人は番外固体、一方通行を殺す為に生まれてきた

 

先程迄に、戦っていた番外固体は一方通行に対して激しい、憎悪、憎しみ、怒りを抱いた顔でやって来た

そう先程迄は……

 

 

番外固体「ここで、ミサカを殺しても……貴方は悪く無い……」

 

止めろ、そんなに優しい言葉を掛けるな。

 

番外固体「そう…貴方は結局どっちにしろ妹達を殺すはめになる」

 

そうだ、だからお前は…お前達は俺を殺したかったんだろ?

 

番外固体「でも学園都市もバカだよね、どっちにしろ貴方は妹達を助けた事になるの

 

何処がだよ、俺はお前を救えてねェじゃねェか

 

番外固体「ミサカは結局ここで死ぬ運命なんだよ?だったら命の恩人と自分の姉を、身をていして守った人間として死なせてよ」

 

 

なんだよ!なんでだよ!!お前は……コイツは何も悪く無いのに!なんでだよ!

 

番外固体は一方通行を殺そうとした、学園都市によってセレクターと一緒に体の自由も奪われた

番外固体の体が自由になる条件、

それは一方通行が番外固体に対して攻撃を行った場合のみ体が自由になるものだった

 

番外固体は言った。

妹達は一方通行を恨んでいると、妹達は一方通行を憎んでいると

番外固体に罵られ、罵倒されても一方通行は言い返せない

全てが事実だ、10031人も殺しておいて今度は残りの9969人を助ける?

笑わせるな、何様のつもりだ

 

自分はどこぞのヒーローの様にはなれない

当たり前だ、自分は最低最悪の悪党なのだから

 

だが実際は妹達は一方通行を恨んでいなかった

 

妹達は一方通行が自分達の為に戦ってくれた事を知っている

番外固体は言った

 

番外固体「確かに貴方は大量の妹達を殺した。その事実は変えられない」

 

一方通行「だったら…………だったら何で………お前、らは」

 

一方通行はまるで助けを求める様に番外固体に問う、何故自分は許された、何故自分は憎まれない

番外固体は笑顔で答える、その顔は先程迄の憎しみなど感じられない程、慈愛に満ちていた

 

番外固体「ミサカ達はそこまで愚かじゃない。ミサカ達は貴方がしてきた行いは、もう許されたっていいんじゃないか、ミサカ達は彼を許すべきではないのかってね」

 

 

番外固体「貴方は許された、ミサカ達は貴方がミサカ達の為にしてきくれた事に感謝している」

 

一方通行「何が言いたい!?俺はそンな事で許されて良い人間じゃねェンだよ!!」

 

一方通行は激昂する、頼むお前に優しくされる度にわかっちまうンだ、俺がどれだけ汚れているかが、俺がどれだけクズな人間なのかが

 

番外固体「要するにね?貴方がミサカ達を殺した事を否定できないように」

 

番外固体「貴方がミサカ達を助けた事も否定できないって事だよ」

 

次の瞬間、一方通行は番外固体にベクトル操作をする、殺すためではなく、助ける為に

 

一方通行「ふざけやかって!ふざけやかって!くそったれがァァァァァァァァァァァ!!!!!!」

 

 

 

叫んだ時、頭が割れた気がした

次の瞬間一方通行の背中から正体不明の黒翼が吹き出る

 

それはまるでこの真っ白な雪景色をかきけすかのような翼だった

 

 

 

「まだ気にしているんですか?フィアンマに言われた事を」

 

ここは列車の中そこには、ツンツンヘアーの少年上条当麻がいた。

 

上条「…………」

 

彼は何も言わない近くにいる魔術師レッサーをまるで無視していた

 

 

話は数時間前にさかのぼる

 

 

 

上条当麻は、神の右席の一人右方のフィアンマと対峙していた

 

 

フィアンマ「まさかメインディッシュのほうから出向いてくれるとは、俺様はついているらしい」

 

上条「インデックスを解放しろ!」

 

上条当麻はインデックスを救う為にロシア迄、フィアンマを追ってきた

 

フィアンマ「アレはどうせまた利用される…だからこの俺様が正しく使うのだ」

 

上条「インデックスを物呼ばわりするな!俺はお前からインデックスを助けにきたんだ!

お前と話、気はない!」

 

上条当麻の叫びをフィアンマは嘲笑うかのように反論する

 

フィアンマ「お前が助ける?救う?笑わせるな」

 

上条「何!」

 

フィアンマ「お前は今迄に多くの人間を救った、だがお前が助けたせいで不幸になった人間がいるのを知っているのか!」

 

フィアンマ「分かりやすく言ってやろう、お前がオルソラ・アクイナスを助けた事により罰せられたのは100人近くいるのだぞ!」

 

フィアンマ「お前が自分のちっぽけな正義感のせいで、ヴェントは学園都市に殺されそうになった」

 

上条「…それは……」

 

フィアンマ「かつてお前はヴェントに言ったそうだな!?『何でお前達は自分以外の世界を認めないんだ』と……」

 

フィアンマ「笑わせるな!認めてないのはどっちだ!?自分の勝手な正義感でいったい何人不幸にした?」

 

 

まるで教師に叱りつけられた生徒の様だった。

否定しても事実を突き付けられて、だが今さら肯定もできない

 

フィアンマ「忘れるな!お前が俺様を悪と言うなら、お前も俺様と同じように悪なのだと!」

 

 

 

 

 

 

 

レッサー「アイツと貴方じゃ違いすぎる!貴方は沢山の人を救ったヒーローなんですよ!?」

 

上条「ヒーローなんかじゃない!」

 

上条「俺は…………ヒーローなんかじゃ………ない…」

 

上条当麻は悩んでいた、記憶喪失の事で

今の上条当麻は記憶喪失以前の『上条当麻』を演じきた。

みんなが必要としているのは、過去の『上条当麻』であり、今の上条当麻ではない

自分はいったい何なのだろう、上条当麻とは何なのだろう

 

しかしその問いに誰も答えない、答えてくれない

 

 

 
 

 
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