No.469321

魔法少女リリカルなのは-星の杖-

天文さん

ふと頭によぎったアイデアを無造作に書き連ねた作品がこちら
いつもより駄文注意な新作

2012-08-13 00:22:31 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1924   閲覧ユーザー数:1770

 

世界には多くの神々が存在する

代表的なのを上げれば日本では天照大神や須佐之男

海外ではギリシア神話からゼウスやアテネ、トールなどetc

その他にも拝火教、ケルト神話、エジプト神話北欧神話など

数えだしたらキリがないほど神は存在する

 

そして又、神は気まぐれである

人を生かすも殺すも気まぐれである

人間側としては気まぐれで殺されたらたまったものではないが・・・・・・

しかし全ての神が極悪で残虐で非道なわけではない

運がよければ気まぐれで殺されたあとに、気まぐれで蘇らせてくれるかもしれない

そして今回も、人間には名も知られていないような神により一人死に、そして蘇る・・・・・・

 

 

 

 

「状況を説明してください!」

 

白で埋め尽くされた部屋に響き渡る男性の声

声は男性にしては高く、見た目も伴って実は女なのでは?という疑念すら浮かんでくる

本人によれば成人もしていればナニもついている、なんなら脱いで確認してもいいと

さすがにそこまでさせるつもりはないので止めておく

 

「ですから何度も言わせないでください、あなたは既に死んでいるのです。いい加減理解してください」

 

応対するのは名も無き神、しかし神というだけあってその存在は神々しく、○○教とかにどっぷり浸かっている人が

見たなら平伏低頭ものだろう

しかし彼の20年間はそんなものと無縁の生活だった

目の前の存在がなんであろうと態度は崩さない、そこに痺れる憧れる・・・・・・・・・かもしれない

 

「だからなんで気まぐれで俺の人生がGameOverなの!?自分の体からモツがはみ出る記憶が残ってるとかあんまりだろ!!」

 

きつい、それは確かにきつい・・・・・・

彼の死因は交通事故である

ゴシャ、という音が聞こえたと思ったら腹部が熱い

なぜだろうと目線を下げたらモツが飛び出ていた

すぐ近くには煙を上げ動かなくなっている乗用車

あーそういえば最近ホルモン食ってねぇなー、車壊れてもったいねーなー、とか考えたのも一瞬

20年の人生で一度も味わったことのない痛みが襲ってきた

誰かが自分に声を掛けているのが聞こえた、返事はでない。ただし血は出た

救急車のサイレンが聞こえてくるころには時すでに遅し

彼の意識は途絶え、命の蝋燭も消え去った

――そして今に至る

 

「・・・・・・よし、百歩譲って俺が死んだとしよう「譲らなくても死んでますけどね」現実見たくねぇんだよ黙ってろ」

 

目を覚ましたら白一色の部屋の中で自称神様と一緒、状況だけ考えれば現実逃避も当たり前なのかもしれない

 

「その気まぐれで殺された被害者の俺が加害者のお前の目の前にいなけりゃならん」

 

「加害者は私ではなく運転手・・・・・・そんな目で見ないでください、抉り出しますよ」

 

「最近の神様物騒だなおい・・・・・・」

 

「ゴッドイ○ターが発売されて自身とは関係ないとはいえ、神が乱獲されてる気分ってのはいいものではないのです。

むしゃくしゃしてやった反省も後悔もするはずがない」

 

「それと俺の目が抉りだされる接点が見つからない、何故だ・・・・・・」

 

「接点なんて最初からあるわけないじゃないですかおバカさん」

 

クスクスと笑う神様はそれだけで絵になるような存在だった、その手の人にとっては平伏して靴を舐めるのと躊躇わないほどに

しかし彼はそんな特殊な人間ではない。神様の自分を殺したというのにいい加減な態度、理不尽な現状に限界が来たのだろう

無言で立ち上がり神様の目の前に立つ。神様は不思議そうな顔をして彼を見ているが・・・・・・

 

「ふざけんなよ堕神があああああああ!!!」

 

――神様の頭上に拳骨が落とされた

 

 

 

 

 

 

 

 

「――んで?俺はこれからどうなるの?」

 

立場逆転である、白い部屋に唯一あった装飾品、高級そうなソファに現在座っているのは人間である彼

床に頭をこすりつけ、全力で土下座しているのは彼を殺した神様

その手の人が見たら泣き叫び彼を縛り上げるであろう光景だ

しかし彼にはもうそんな事を気にする必用などない

 

「そのですね、転生という言葉をご存知でしょうか・・・・・・?」

 

思わず敬語を使い出す神様、それほどまでに先程の拳骨は効果抜群だったのだろう

 

「二次創作とかよく見てたし知ってるっちゃ知ってるけど、俺も転生されるわけ?」

 

「Yesです、これからあなたには私が決めた世界で私が決めた能力を授かり、その世界で第二の人生を歩んでいただきます」

 

所謂ここまでテンプレ状態である

二次創作、それも転生物Loveな彼にとってはその言葉は驚天動地だったであろう

 

(まじすかまじすか、ついに俺も主人公始まりますか!能力ってことはあれだろ、バトル物とかだろ!)

 

そんな彼の脳内では既にその世界での身の振り方などを考えている

 

「転生先の世界のことや能力については詳しくは教えることはできませんので・・・・・・手を鳴らさないでくださいお願いします」

 

チッと舌打ちとともに握っていた拳をほぐす

 

「少しだけお答えするとしたら・・・・・・あなたが過去に読んだり見た作品、その中でも特に思い入れの強い世界の能力を授けることになります」

 

ここで彼の脳では第一回主人公的能力会議が始まっていたのだが、神様は当然知る訳もなく話を続けていく

 

「向こうの世界で一定の年齢に達すると前の世界の知識とともに能力も判明します。それまでは普通の人間として過ごして行くことになっています」

 

割と重要になりそうな事を神様は言っているのだが、絶賛お花畑展開中の彼に耳には届かない

これには神様も少しイラっときたのだろう

うへへなどと不気味な声を上げている彼に近づき――

 

「――フッ!」

 

掛け声とともに彼の米神に右フックが綺麗に入った

これは痛い・・・・・・

ぐるんと一回転しソファから転げ落ちる

しかしすぐに身を起こし何事もなかったかのように話を始める

 

「よし堕神様!すぐにでもその楽園に連れて行ってくれ、俺のテンションがレッドゾーン振り切りそう!」

 

落ち着いて神様、彼には悪気はないのです。今彼の脳内の99%は妄想でいっぱいなのですから

ため息を一つつき、彼に台座の上に座るようにお願いする

 

「ありがとう堕神様、向こうにいっても多分あんたのことは忘れない!」

 

「安心しなさい、例えあなたが忘れなくても私は忘れるから」

 

バチバチと互いの視線の間で火花が飛び散ったように見えた

そしてまたため息、神様は苦労するものなのである

 

「それでは『日乃本桜』あなたの第二の人生に幸あれ」

 

「神様に言われると幸福レベルMAXな気がするわ!」

 

彼、日乃本桜が座った台座が光り・・・・・・

 

「ん?」

 

――頭上に石柱が落下し彼は潰れた

 

「これでよしっと・・・・・・」

 

そう呟くと、彼がいた場所に紙が二枚浮いていた

随分と履歴書チックなこの紙だが、転生する際には割と重要

一枚には彼の前の世界での情報、何をしてきたか、何を好んだかその他etc・・・・・・プライバシーなんぞありゃしない

もう一枚の紙には、彼の転生先と能力を書くのである。仮に白紙で出した場合、その人物はモブキャラ、つまりは村人Aのような扱いになる

 

「前の世界では・・・・・・職業オタク大学生。元凶は・・・・・・また定番な物で」

 

彼の前世を吟味すること数分・・・・・・

 

「ならばこれの世界で・・・・・・能力は・・・うん、これにしよう」

 

スラスラともう一枚の紙に書き込み破り捨てる、これで彼の転生は完了

 

「あなたがこの世界でどう過ごすのか・・・・・・精々私の暇つぶしくらいにはなってもらおうか、日乃本桜君」

 

破り捨てられた紙の内容は詳しくはわからないが、一部だけ

 

《星の杖》

 

こう書かれていた

 

 
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