翌日
ラウラが遅刻するという珍しい事が起こり、実習が始まった。
専用機持ちのグループの担当者は千冬で補助は真耶。
何故か専用機を持っていない箒が居たのでセシリアが質問した。
「あの箒さんがどうしてこちらのグループに居るんですか?」
「ああ、それは・・来たか。」
千冬が目線を向けた方に向くと黒服の男性たちが何やらコンテナを持ってきた。
「篠ノ乃箒様、お待たせいたしました。これがあなたの専用機の赤椿です。」
コンテナの中には赤のISが鎮座していた。
それを宿舎の窓から湊が有希から借りたデンデンセンサーで見ていた。
「どう、あのISは。」
「外見は何も変わった所は見当たらない。一夏の情報だと篠ノ乃が剣道をやっていたらしいから恐らく近接寄り武装だと思う。だがあのIS、何かありそうだ。」
湊は赤椿には何かあると予想。
デンデンセンサーを有希に返し今度は飛ばしているバットショットから送られてきた映像を見る。
「・・こいつ、口元が緩んでいる。」
「ああ、本人は隠しているつもりだろうが一夏たちは見破っているだろうな。・・ライダーの世界を回ったお前から見てこいつはどう思う?」
湊の質問に有希は答える。
「あいつは専用機を手にして浮かれている。周りが今どんな目で自分を見ているか全くわかっていない。」
「なるほどな。・・ん?」
バットショットを見ると真耶が慌てて千冬に何かを伝え、専用機持ちだけがその場に残った。
「これはヤバいな・・。何かあったみたいだ。」
「あの織斑って女、篠ノ乃を一緒にするなんて正気か?貰って数十分しか動かしてないだろ。」
そう、箒も専用機持ちの中に含まれているのだ。
「二人とも、お部屋の準備をお願いね!」
「あ、はい。」
二人は女将に言われて作戦会議を開くための部屋を空ける。
千冬から作戦が伝えられた。
暴走した銀の福音の撃墜。
「おい、これには誰も乗っていないのか?」
「委員会によると無人機だそうだ。委員会から容赦なく撃墜しても構わないとの通達だ。なおBSAAには連絡はしない。」
それを聞き一夏と鈴が異論を唱える。
「ちょっと待ってくださいよ!ここは手を借りるべきだと思います!」
「鈴の言う通りだ!こんな大掛かりな作戦を一介の生徒でしかない俺たちが行うなんておかしいだろ!」
「織斑、鳳。この件は極秘でやれと委員会から指示されているんだ。BSAAの力を借りるのも論外だ。なおガンダムタイプの出撃を制限、さらに篠ノ乃を出撃させろとの通達も来ている。」
「・・何だと?ガンダムタイプの出撃制限に箒を出せだと!?委員会は何を考えている!?答えろ!」
「織斑、話は終わりだ。どのガンダムタイプを出すかを話し合いすぐさま準備に取り掛かれ!」
その言葉に一夏と芽衣は怒りを感じていたが鈴に肩を叩かれ指差す方を見るとバットショットが一部始終を撮影していた。
千冬はそれに気づいていない。
箒は政府の後ろ楯を得たことで変に自信を持ってしまう。
「僕たちが行くよ。」
「みんなは強化パーツを装着してくれ。」
「あとは私も行くわ。データを集めるために必要でしょ?」
ガンダム持ちでの話し合いの結果、一夏と芽衣、鈴が出撃。
他は強化パーツの取り付けなどを行う。
話し合いが終わると真耶が声をかけてくる。
「織斑くん、天海くん、鳳さん。織斑先生に気づかれないように私がBSAAに連絡しておきます。とにかく篠ノ乃さんに気を付けてください。」
「・・すいません。お願いします。」
「篠ノ乃さんに目を配っておきます。」
一夏たちはこの場は千冬よりも真耶を信じる。
真耶も委員会の指令に疑問点をいくつか感じていた。
箒が専用機を手にして余りにもタイミングがいい襲撃、BSAAへの連絡禁止、そしてガンダムタイプの出撃制限、箒の絶対出撃。
それはバットショットを通して見ていた湊と有希も同じだった。
「おかしい・・。」
「ああ、赤椿を出てきて余りにもタイミングがよすぎる。まるで赤椿のお披露目するかのような感じだ。」
「それにBSAAへの連絡禁止、ガンダムタイプの出撃制限に素人同然の篠ノ乃の出撃・・。何かあるぞこれは。」
「俺らも準備しておくか。」
二人はドライバーを手に取り部屋を飛び出す。
外に出たところで黒服の男たちが湊たちの前に現れる。
「おっと、これ以上は行かせられません。」
「そこをどけ。」
「やはりあの方の言う通りだ。貴様はあらゆる物を破壊する。」
黒服がそう言うとセルメダルを指で割り、自身にもセルメダルを入れカマキリヤミーを作り出す。
「こいつらと精々遊んでいろ。篠ノ乃箒はいいサンプルになる。」
「待て!」
黒服は去っていき、二人は屑ヤミーを相手にしながらカマキリヤミーを相手にしていた。
「あの男、財団Xだったか!」
「オラァ!ってことは篠ノ乃が危ない!何が起こるかわからないぞ!」
二人はドライバーを装着、湊は黄色三色のメダルをセットしてスキャン、有希はカードを構え装填。
「「変身!」」
(カメンライド・ディケイド)
(ライオン!・トラ!・チーター!)
(ラタラタ~♪ラトラーター♪)
有希は破壊者の異名を持つ仮面ライダーディケイド、湊は風を司る猛獣の王・仮面ライダーオーズ・ラトラーターコンボに変身。
「時間がないから速効で決めてやる!」
ディケイドはカードを取り出して装填。
(ファイナルアタックライド・ディディディケイド)
ディケイドの前にホログラフのカードが出現、ディケイドが高く跳躍すると連動して動きキックの体勢を取ってカードを破っていく。
「はあぁ!」
「ぐおぁ!」
必殺技・ディメンションキックでヤミーを倒し、オーズはラトラーターの固有スキルのライオディアスで屑ヤミーを全て蒸発させた。
「よし、行くぞ!」
「急がないと・・!」
オーズはメダルを入れ換え、ディケイドはカードを装填。
(ライオン!・クジャク!・タコ!)
(カメンライド・アギト)
オーズはラジャタ、ディケイドは人の居場所を守るために戦ったライダー・仮面ライダーアギトに変身。
Dアギトはさらにカードを装填。
(アタックライド・マシントルネイダー)
ディケイドの愛機のマシンディケイダーがアギトのバイク・マシントルネイダーに変化、さらに変形して飛行可能のグランドスライダーモードになり、二人は飛び乗り作戦領域へと向かう。
同じ頃、ミラーワールドでもリュウガがアビスの相手をしていた。
状況は圧倒的にリュウガが有利に進んでいた。
「キャハハ♪あんたミラーモンスター二体も従えているのにこの程度なの?」
「ぐ、ぐうぅ・・!」
アビスはアビスバイザーにカードをセット。
(ファイナルベント)
二体のミラーモンスターが合体、アビソドンに変化。
アビソドンは砲撃をしてくるがリュウガはそれを避けてため息を吐く。
「何だ、ただ大きくして暴れさせるだけなんてつまんな~い。あんたと戦うのも飽きたし・・死んじゃえばいいよ♪」
リュウガもカードをセット。
(ファイナルベント)
「おいで、ドラグブラッカー♪」
リュウガはゆっくりと浮遊、その回りをドラグブラッカーが飛び回りリュウガの背後に来る。
リュウガは左足でキックの体勢を取り、ドラグブラッカーの吐く黒炎弾を背中に受け加速。
「てぇぇい!」
「ば、バカな・・!」
必殺技・ドラゴンライダーキックを受けアビソドンは粉砕、アビスは未契約状態のブランク体になり変身が解ける。
変身していたのは男。
男性・鳴滝に言われ世界を越えてディケイドを倒しに来たらしい。
リュウガも変身を解き、倒れている男の顎を持ち上げ、妖艶な笑みを浮かべながらデッキを見せる。
なお鏡像芽衣は泳いでいたので水着だ。
巨乳を強調した黒の水着を着こなしている。
「ふふ、これが欲しい?」
「か、返してくれ・・!」
「ここから出たい?」
「だ、出してくれ・・!」
「ふ~ん。」
鏡像芽衣は立ち上がり、デッキをドラグブラッカーに投げつけ、黒炎弾でデッキを破壊させる。
男はそれを見て顔を青くする。
「な、何で・・?」
「あいつは悪人であるあんたを助ける。でもここで私と会ったのが運のつきだったね♪私はあいつの使われていない部分、殺人衝動や残虐性を具現化した存在♪だからあんたのその絶望した顔を見るのが大好きなんだ♪」
「う、うわぁ!」
鏡像芽衣の狂気に触れ、男は逃げようとするが鏡像芽衣は指をパチンと鳴らす。
「ドラグブラッカー、久しぶりに生きのいいエサだよ♪」
「ギュオオオン!」
「ギャアァァ!」
「あはは♪いい声で鳴くねぇ♪もうたまんな~い♪」
男はドラグブラッカーに食べられ、鏡像芽衣はうっとりしながら悲鳴を聞いていた。
ドラグブラッカーが人間の生け食いを終えた所で現実世界を覗き見る。
そこにはとんでもない光景が映っていた。
「あのクソアマ・・!やっぱりこうなったね・・!・・あの女もクソアマが経験不足なのを知っていたはず・・!弱者には力を振りかざし、権力の前では尻尾を振るしか出来ないクソが・・!」
鏡像芽衣は怒りを感じていた。
果たして何を見たのか?
鏡像芽衣は芽衣と正反対で残虐性が非常に強く、悲鳴を聞くのが大好きだという。
そして湊と有希は宿舎から赤椿を見て何かあると感じました。
二人の予想通り政府が送ってきた赤椿の影には財団Xの影がありました。
鏡像芽衣の怒り。
果たして何を見たのか?
感想待ってます!
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実習。
ミラーワールドでの戦い。
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