第三十七技 クライン
キリトSide
~二年前~
「正式サービス開始まで、あと二時間はあるな…」
現在俺は新しく発売された最新型のゲーム、
VRMMORPG(バーチャルリアリティオンラインゲーム)の『ソードアート・オンライン』、
通称『SAO』をプレイして正式サービスの運営開始までゲーム内で待っている。
ちなみに俺はこのゲームが発売されるまでのテストプレイヤー、『ベータテスター』として体験プレイをしていた。
それと幼馴染の友人達も俺と同じテスターで俺はその友人達も待っているのだが…、いかんせん早く着すぎた。
「暇だなぁ。少しフィールドにでも出るか…」
フィールドにでて、肩慣らしをしてこようと思った時だった。
「なぁ、ちょっといいか?」
一人の男性プレイヤーが俺に話しかけてきた。
しかしそのプレイヤーは見たことがないため、今回の正式サービスからの参加者だと思われる。
「なにか?」
「ああっと、まずは名前を名乗らねぇとな。俺はクラインっていうんだ」
「キリトだ。それでなにか用か?」
俺はほんの少しだけ警戒をしながらも訊ねてみた。
「俺はお前さんをそれなりの実力者と思ったんだ。ゲーム開始前だってのに大分落ち着いてるし、動きに無駄がねぇ。
最初の状況は知っているとおもってな。
んで、それから察するにお前さんはベータテスターじゃないかと思う、違うか?」
「いい観察力だな…それで、俺がテスターだとしたらどうするんだ?」
こいつが俺になにか仕出かしてもプレイ済みの俺には対応が可能だ。
仮に新設するギルドの勧誘だとしても、入る気はさらさらない。
「なあに簡単さ……俺に…」
「………」
なにがくる。
「手ほどきをしてくれ!」
「はい?」
「いや~助かったぜ! いくらほとんどの奴らが初心者でもやっぱり最初が肝心だからな。
できるだけ慣れておきたくてよ。これで安心だぜ!」
「ははは、その割にはレベル1のモンスターに相当手こずってたじゃないか」
「うぐっ。け、けどこれで少しはまともになっただろ?」
「まあな」
彼、クラインの
最初のプレイで仲間達と合流するのだが、
そのメンバーがMMORPGでのギルドメンバー(以降ギルメン)でクラインはそのリーダーらしい。
なので自分がそれなりに動けないと立つ瀬がないと思い、こうしてテスターと予想した俺に頼み込んできたのだ。
というわけで少しの間俺はクラインに戦い方を教えたわけだ。
そして、サービス開始一時間前になったので俺達は広場に向かっているのだが、
クラインがなぜかログアウトできない事に気付き、俺は嫌な予感を胸に秘めていた。
友人達との待ち合わせを後にして、俺とクラインは広場に辿り着いた。
そして、俺達を待っていたのは
広場に集められたプレイヤー達はパニックに陥った。
同時にアバターだった自分の容姿がリアルの姿へと変わる。
俺はクラインに俺と共に来る事を勧めたがクラインは仲間達を置いては行けないと言ったので、
俺達は別れることになった。
別れ間際にクラインが俺にこう言い放った。
「おい、キリトよ! おれぁそっちのお前のほうが可愛い顔してていいと思うぜ!」
そんなことを笑って言い放つものだから俺も笑って答えた。
「俺もお前はその野武士面のほうが似合ってると思うぞ!」
こうして俺とクラインは別れてそれぞれに行動を始めた。
~現在~
「それで俺は黒衣衆のメンバーと合流して行動を起こしたってわけだ。
ちなみに、20層ぐらいに到達した頃にクラインと再会したんだ。
しかも風林火山のメンバーを全員守りきってな」
「そうだったんだ。すごいね、クラインさんって…」
「俺もそう思うよ…」
話し終えた俺にアスナはそう感嘆の言葉を言った。
あいつは本当にすごい奴だ。ちゃんと仲間を守って上まできたんだ。
「次は黒猫団のみんなとの話を聞かせてくれる?」
「そうだな。あいつらと会ったのは一年半くらい前だったよ…」
俺は月夜の黒猫団との出会いを語り始める…。
キリトSide Out
To be continued……
後書きです。
以上クラインとの話しでした。
期待していた方々には申し訳ありません。
なにぶん、文才が悪いですので・・・。
とまあ次回は黒猫団との出会いになります。
是非、お楽しみに。では・・・。
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第三十七話になります。
今回はキリトがクラインと出会った話しです。
原作の最初の方、アニメの一話といった場面ですね。
ただ、凝った内容ではありませんのであしからず・・・。
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