No.467728

ToHeart2~無くならないもの~第三話

アクアプラスの作品、ToHeart2の人ヒロインである久寿川ささらとオリ主の広げるバカップルな青春二次小説です

2012-08-09 17:48:14 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1646   閲覧ユーザー数:1623

 

俺の家は一言言えばデカイ。三階建てで中々の豪邸に近い、理由はうちの両親だ。父さんも母さんも外国を拠点とした仕事。まあ確か貿易かなんかの社長をしている、母さんは秘書。なんでも昔父さんの将来の夢が社長で、そして母さんが父さんのサポートだったらしい。昔からあの夫婦は新婚のようだ。と、言うことで一応日本がふるさとなのだから家はあるが、その家はある意味俺と姉さんの家であった。部屋も余っているし、だからこそ今回のささらの話がきたのだ。しかも一緒に住んでいた姉さんも今年ですでに居ないとなるとこの家には俺一人となってしまう、それもやはりあったのかささらが来たわけだ。

 

「ただいま~」

 

俺はドアを開けると、すぐに衝撃と一緒にやわらかい感覚が襲った。これは間違いない

 

「姉さん、離れてくれる?」

 

「幹ちゃんおかえり~、そして卒業おめで…と……う、嘘?」

 

まあこうなるよな、あ、それと後でささらには目一杯に甘えていい許可、ださないと怒られそうだな。まあその前に

 

「ささらちゃぁぁぁぁぁぁぁん!」

 

「ゆ、由香お姉さん!?」

 

「会いたかったよぁぁぁぁぁぁぁ、うわぁぁぁぁぁぁぁん」

 

まあこうなるだろうな。大体姉さんは間違いなくブラコンであるのだが、それと同じぐらいにささらが好きで、俺はこの現象を“シスコン”と呼んでいる。まあ俺がささらと付き合うようになる前からこんな状態だから気にしていないというか、普通にささらの両親の目が点だ。

 

「あ、私ったら。けどささちゃんお久しぶりね、アメリカに行ってからもう、幹ちゃんったらまるで王様みたいになっちゃって。やっと反抗期?みたいな、感じだったんのよもう~」

 

「姉さん、色々といいたいが、まず挨拶をしてくれ。ささらの両親だ」

 

俺が言うとささらの両親も意識が戻ってきたようだ。そして一礼する、神楽さんに吾郎さん。

 

「初めましてでよろしいのでしょうか?私、久寿川ささらの母親です…久寿川神楽です」

 

「同じく、吾郎です。えっと確か、“あの時”の教育実習生さんですよね?」

 

「ええ、ですがこのようにちゃんとした席であるのは初めてですね。改めまして、羽佐間由香です。羽佐間幹の姉です。そうですね、こんなところでは。リビングの方へ、それからお話ですね」

 

「ええ、そうしましょうか」

 

俺らは姉の誘導の下リビングに来た。まあささらと吾郎さんは来ているから反応は薄いのだが、神楽さんには結構な衝撃のようだ。ちなみにどんなリビングかと言うと家自体がそういえるのだが、まあささらのマンションよりも高い感じだ。リアルに言うとシャンデリアとかだな、あとはソファーとかそんな感じだ。

 

「こちらに、幹ちゃんお願いね。私はお茶を入れちゃうから」

 

そして奥のキッチンに向かってしまう姉さん。俺はそのままソファーに腰掛けるように手で合図を送る。ささらは俺の隣に座り、そして俺の対面に吾郎さん、神楽さんが座った。さて、それじゃあ

 

「それでは吾郎さん。まずはどこから説明しましょうか?」

 

「そうだね、それよりもお姉さんはこちらには住まないと聞いていたのだが、今日は一体どうしたんだい?」

 

「パパ、たぶんそれは由香お姉さんが今日はミキの卒業記念のパーティでもするからだと思うよ」

 

ささらが若干苦笑いでそういう。確かに最初の俺と姉さんのこのやり取りをみて一番最初にやきもちを妬いたささらならではの顔だな。まあその後俺の彼女って紹介したら俺と同じぐらいの扱いを姉さんから受けているけどね。

 

「そうだったのですか。ささらからよく聞いてはいたのですか、あそこまでとは。私がこっちに来た際はいなかったので」

 

「ええ、すでに姉さんは一人暮らしをしている身ですから」

 

そしてそんな話をしていると姉さんが紅茶を持ってきてくれた。

 

「粗茶でございますが」

 

「ありがとう。それであなた、ささらのお部屋と言うのはどこになるのかしら?」

 

「え?お部屋?」

 

姉さんがそこで声を上げた。ちなみに姉さんの座っている場所は俺らの間だ、そう思えば俺の親二人には言っておいたけど、姉さんにはまだだったな~

 

「ああ、姉さん。あのう、今度の高校生からって言うか、今日からなんだけどささらこっちで俺らの家で住むことになったんだ……そう思えば言いそびれていた」

 

「……へ?住む?ささらちゃんが、ここに?真剣(マジ)で?」

 

「本気(マジ)で。ちなみに両親の許可も降りているから」

 

「へぇ~、ささちゃんがこっちに…………そろそろ、本格的にかしらね」

 

なぜか姉さんは驚くと言うよりも先になぜか考え込んでしまっているし。

 

「もしかして由香お姉さん、ご迷惑でしたか?」

 

「あ、うんうん全然ささらちゃん。逆にお願いしたいぐらいよ、幹ちゃんって少し自分で我慢しちゃうところがあったんだけどねささらちゃんが入れば安心だわってそうじゃないのよ。今、悩んでいたことは」

 

「それじゃあ、なにを?」

 

「もちろん、幹ちゃんとささらちゃんの子供の名前よ。それ以外なにがあるのよ?」

 

俺はもう頭を抱えるしかなかった。ちなみに吾郎さんは驚いているし、そして隣の神楽さんは

 

「それで由香さん、どういったものがあるのかしら?結構字数とかも重要ですし、それに二人の子供って感じですものね」

 

ノリノリだった。ささらは俺の方を見ながら、なんか呪文のように

 

「赤ちゃん、赤ちゃん、ミキと私の……きゃ~。赤ちゃん、赤ちゃん、ミキと私の……きゃ~」

 

これのリピートだ。なんたるカオス。

 

「吾郎さん、先に部屋の方に行きましょうか。これじゃあたぶん色々と問題がありそうですから」

 

「そうだね」

 

そして俺らはどうにかして三人を上の階に連れてきた。ちなみに二階は普通の自宅用リビングだ。一階のリビングはどちらかと言うと客間に近く、俺も姉さんもこっちに居ることが多い。そして上の階である三階が俺と姉さんの部屋だ、まあ空き部屋も多いのだが。

 

「ここが私の部屋?」

 

すでに部屋の間取りは終わっていた。ちゃんとささらの部屋用のベットに机、さらに衣服類はあとで届くからそのためのクローゼット。そしてこれはおじさんからのプレゼントらしい

 

「これってもしかしてタコクラゲ」

 

そうクラゲだ。俺とおじさんはささらがアメリカでも、そしてこの日本でもクラゲを飼いたかったのはしっていたのでそこでクラゲを選んだのだ。まあ実際はペットショップのお兄さんに懇切丁寧に飼い方のイロハ並びに、今人気のクラゲを教えてもらった結果だ。ちゃんと水槽もポンプもできているし。うん、我ながら「ミキ!」完璧!?

 

「ミキ!ミキ!ありがとう」

 

俺は隣から強い衝撃と共にやわらかい感触が来た。ささらに抱きつかれているからなのだろうけどさ。これはこれでいいのだが…理性が本当になくなりそうだ。

 

「ふふ、幹君に感謝しなさいささら。私は最初蛙にしようと思っていたんだけどね、幹君がクラゲと言うのでな」

 

「ミキ、それって」

 

「あはは、一応さ。クラゲってあの時の、そう俺らが始めてデートした時に一番って言っていたからさ。だからクラゲ、それにかわいいし」

 

「幹ちゃんもこんな素敵なことができるようになってお姉ちゃん嬉しさ半分、寂しさ半分。だけどささらちゃんって言うかわいい妹がいるから嬉しさが二倍だから、嬉しいかな」

 

「と、言うわけだささら。明日には私らは帰ってしまうからね。かわいい子には旅をさせよというが、まさかそのかわいい子の親が旅に出るとはね」

 

吾郎さんが自嘲的に笑っている。まあそう思うのはしょうがないのかもしれない。そしてささらの部屋を見終えたあとで、俺らはリビングに戻り今後のことを話すのであった。

 

「と、言うわけでささらはこれからは幹君の家で暮らしてもらうよ」

 

「はい」

 

「ささら、これが花嫁修業だと思って頑張りなさい。お母さんは応援するわ、それと幹君、お願いね。それと由香さんもなにかと面倒を見てもらうかもしれませんの、よろしくお願いします」

 

「はい、任せてください」

 

姉さんも自分の胸をたたいて自信満々に言う。この姉がいるからこその俺ともいえるような自信だろう。まあ実際はおやじの性格にいているんだけどね、姉さんは親父も母さんも嫌いだからしょうがないけどね

 

「それじゃあ今日はこちらに、皆さんは泊まる形で大丈夫でしょうか?」

 

姉さんはそういう、そしておじさんたちも

 

「ああ、できるのならそれでお願いしたい。ホテルに泊まるということも考えたのだけどね、これからささらに会えないことを考えると少しね」

 

やはり吾郎さんも愛娘との別れは、さびしいのだろう。

 

「それじゃあ今日は、盛大にしましょう!ちょうど今日は卒業パーティをしようと思っていたから……ささらちゃん、料理の腕はどうなの?」

 

「もちろん大丈夫ですよ由香お姉さん。これでもミキのおかげで完璧ですから」

 

「あら、それじゃあ今回は幹ちゃんの好きな味付けでも教えてあげようと思っていたのだけど「え、ええ?」ウフフ冗談よ。一緒に作りましょう」

 

「はい」

 

ささらの笑顔を見ながら、俺はやっぱりささらが居ないと無理だったんだなと、一瞬思った。二人がキッチンに行ってしまいリビングには俺と吾郎さんに神楽さんだけとなった。

 

「ささらはやはり君といるのが一番の笑顔のようだね」

 

「そうね、幹君にはやっぱりかなわないわ」

 

「そうですか……まあそれはたぶん俺も一緒だったんだと思います。ささらが居なくなって、お互いがまだ子供で居てそして好きなものが好きなものでしかないと思って、そして離れて、そして戻って」

 

「幹君には我々も一生の恩があるようなものだからね。本当にありがとう」

 

「いえいえ、今はささらだって普通に家族を愛しています、もう壊れてはいません。俺はそう思います」

 

「そうね」

 

「まあしおらしいのは終わりにして今日はうちの姉とささらのパーティを楽しみましょう、ね?」

 

そして俺らの中学三年生の生活は終わる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝と言うのはなぜ、こうも早いのか俺はいつもの通り目覚まし時計を止めて目を覚ます。

 

「ミキ~起きてる~」

 

ドア越しに聞こえるのはささらの声だ。いつもの通りの朝のようだが少し違うところもあるようだ。

 

「ああ、起きてるよ」

 

俺は下に行くといつものようにエプロン姿のささらが朝ごはんを作り終えた。そしてエプロンをとると、今日からの違いが出てきた。

 

「おはよう、ミキ」

 

「ああ、おはようささら。それと制服かわいいな、うんさすがはささら」

 

「もうミキったら////」

 

そう、今日は俺らの通う高校の入学式。まーりゃん先輩がすでにいる前と同じ学校生活となるであろう毎日の始まり。

 

「高校か。だけどまーりゃん先輩が居るからまた、大変になりそうだな。しかもあの学校って結構生徒を自由にさせるんだよな」

 

「まーりゃん先輩が行った場所だからね……「まったく、君たちはあたしをなんだとおもっているんだい?」……ま、まーりゃん先輩!?」

 

「おはようございます、まーりゃん先輩。そして消えていただけると嬉しいのですが」

 

「ひどい、最近新婚生活してるお二人の邪魔をしなかったのに。入学式でさえ邪魔者あつかいか、みきりゃん!」

 

「はい♪」

 

「いい笑顔でいいやがって。いいもん、いいもんどうせよなよな、しっぽりとしてるアダルトな関係だって学校中に「まーりゃん先輩?」……な、なんだねさ、さーりゃん」

 

ああ、やってしまったよこの先輩。現在、ささらは昔、昔の鬼の副長モードだよあれ

 

「ご飯を食べに来たのならいいのですが、もし私とミキの朝のひと時を邪魔しに来たのなら……容赦しませんよ?」

 

怖いよ、私の嫁は怖いよ。恐ろしいよ、おかしいでしょ何あの怖さ、そしてまーりゃん先輩は先輩で

 

「……わ、分かっているさ!さあ、みきりゃん一緒にさーりゃんのありがたい食事をとろうではないか」

 

完全に尻に敷かれていた。

 

「そうですね、ささらすまないけど「コーヒーでしょ、ちゃんとよういしてあります」すまないな」

 

「なんだチミはそんな大人ぶって!あたしよりも身長があるからって調子乗るなよ」

 

「どんな恨みですかそれは、まったく。先輩はだめですよのんじゃ!」

 

この人はコーヒーを飲むと酔っ払う人だったはずだ。そうあの文化祭で黒い液体を飲んで酔っていたからな。まあコーラと言う線もあるがこの人の場合はあらゆる可能性を排除しないと。

 

「わかっているとも、あたしだってまだ身長ほしいからな!だが、最近はこの身長、ひんぬーはステータスともいわれているから、捨てがたい」

 

「はいはい、そういうことにしておきましょうね、先輩。ミキ」

 

「ありがとう」

 

そしてささらもエプロンをとり席につく。

 

「それじゃあ」

 

「「「いただきます」」」

 

三人で迎える朝食。今日から俺らはまた一緒に学校生活を始める仲間となったのだった。

 

「さーりゃんよ、なぜ目玉焼きが半焼きなのだ!」

 

「ミキの好みです!!」

 

「……く、私とみきりゃんどっちが大事なのかに!?」

 

「ミキに決まってます!」

 

……本当に何も変わらないスタートだよ

 

「ミキ」「みきりゃん!」

 

「はいはい、なんですか」

 

これが俺らのいつもの朝だ

 

 

 
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