No.467580

魔法少女リリカルなのはStrikerS ~赤き狂戦士~

時空管理局特務殲滅部隊---通称「インフェルノ」。そこには管理局員、次元犯罪者の両方が「赤き狂戦士」と恐れる青年が所属していた。そんなある日彼は、インフェルノの部隊長の命を受け新しく設立された部隊「機動六課」に異動する事になり、狂喜的な笑みを浮かべ素直に異動を受諾する・・・彼の笑みは何を意味するのか?



2012-08-09 11:04:55 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1523   閲覧ユーザー数:1479

 

第三章 過去との邂逅

 

 

 

 

第二十八話「ホテル・アグスタ1」

 

 

 

 

 

 

「ほな改めて、ここまでの流れと今日の任務のおさらいや。これまで謎やったガジェットの制作者。及びレリックの収集者は現状ではこの男・・・違法研究で広域使命手配されている次元犯罪者、ジェイル・スカリエッテの線を中心に捜査を進めてる・・・・」

 

 

ホテル・アグスタに向かうヘリの中ではやては以前、フェイトが説明した事をフォワード4人へと

簡単に説明する。

 

 

フォワードの中でもっとも年齢が低いキャロとエリオがこの説明で理解できるか心配もあったが、

管理局に属している人間だけあって、はやての説明で十分理解ができたようだった。

 

 

 

 

「こっちの捜査は私が中心になって進めるけど、一応みんなも覚えておいてね」

 

 

 

 

「「「「はい!」」」」

 

 

 

威勢のいい返事で、それを見守る大人の面々は笑顔になる。

 

 

 

(成長してるね)

 

 

 

ただの返答とはいえ、フェイトはフォワード達が確実に自分達が教えた事を物にしている事

を感じ取れていた。

 

 

教官としては嬉しい限りだ。そして、会場警備に前日から副隊長達が待機している事を伝え、

今日の任務の説明が終わったかに見えたが

 

 

 

「あのう、なのはさん」

 

 

手を上げ、質問をするスバル。

 

 

「どうかした、スバル?何かわからない事でもあったかな?」

 

 

「い、いえ 、そうではないんですけど・・・今見せて頂いた会場警備をしている副隊長達の中に

ヴァン副隊長とハーナ副隊長がいないな・・と思いまして・・・」

 

 

 

場違いな事を聞いているのかと思いながらも、最後まで知りたかった事を口にする。またこのスバルの質問でヴァンとハーナがいない事に他のフォワード3人も気付き疑問を持ちなのはが話すのを

待つ。

 

 

「あぁ、あの2人は後から来るみたいだよ。何でも最終調整がどうとか・・・」

 

 

「「「「最終調整???」」」」

 

 

「多分、ルーチェ関連やないの?流石にガジェットが襲撃するかもしれへん任務先にデバイスなしで出るのはヴァン君でもきついだろうしな」

 

 

 

ルーチェの修理でヴァンが遅れるのは理解できるが、何故ハーナもという疑問が新たに浮かんだ

ティアナ。

 

 

「ハーナちゃんはルーチェの整備に欠かせない存在だとかヴァン君が言ってたんだけど・・・

詳しい事は機密事項って事で教えてくれなかったんだよ」

 

 

 

突然のなのはの自分の心を呼んだような発言に驚きを隠せないティアナ。

 

 

なのは曰く、教え子の考えなんてお見通し♪との事だ。

 

 

だが後にこれは、なのは自身を苦しめる言葉だとはこの時の彼女は予想だにもしていなかった。

 

 

「あの、シャマル先生」

 

 

「なぁに?」

 

 

 

スバルに続き今度はキャロがシャマルへ質問を投げ掛け、シャマルの座っている事下を指差した。

 

 

 

「さっきら気になってたんですけど、その箱って何ですか?」

 

 

キャロの問いで他のフォワード3人もつられてそこを見る。

 

 

そこには衣装ケースが3つ並べられている。

 

 

 

「ああコレ?うふふ、これはね・・・」

 

 

 

シャマルはとても素晴らしい笑みを浮かべてケースを見る。

 

 

 

そしてその美しい彼女の口から発っせられた言葉はさらにフォワード4人に謎を与える事となる。

 

 

 

 

「隊長達のお仕事着♪」

 

 

 

 

 

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「オークション開始まであと20分・・・気を引きしめないとね」

 

 

「うん」

 

 

「そうやなぁ」

 

 

なのはの言葉にフェイトとはやてが同意する。

 

 

現在、3人はオークションの受付を済ませ、オークション会場の扉近くにいる。

 

 

 

ちなみに彼女達の服装は六課の陸士隊の物ではない。ホテルアグスタでのオークション会場に相応

しい礼服・・・・つまりはドレス姿だ。

 

 

 

3人とも種類が違うとはいえ、それぞれの魔力光を基調としたドレス着ていて、

各人共に自分達の魅力を十二分に引き立てている。

 

 

 

また薄ら化粧をしているので、より大人っぽさが引き立ち、魅力を倍増させている。

 

 

今の姿の彼女達が待ちを歩けば、道行く人が彼女達に釘付けとなり、

挙げ句はナンパをされてしまうだろう。

 

 

「にしてもフェイトちゃんもはやてちゃんもそのドレスとっても似合ってるね」

 

 

「何言うんよ。なのはちゃんもとっても似合っとるで」

 

 

 

「なのは、綺麗だよ」

 

 

 

謙遜しあう3人。なのはは褒めたはずなのだが、逆に2人にドレス姿を褒められてしまい照れてしまい、顔を赤くしてしまう。

 

 

「に、にゃはは・・・2人とも上手いんだから」

 

 

「これでヴァンがいたらもっと良かったんだけど」

 

 

「そやな!2人ツーショット礼服姿をぜひとも見たいわぁ!!後ハーナもきっとええんやろうなぁ~!!

 

 

だってアレやで?ボリュームは私からしたら不満やけどでもそれでも形はいい・・・あっ、あと揉んだ時の感度も大事やな。シグナムは大きくて感度はまぁまぁやけど、シャマルは・・・・・・・・」

 

 

と突如暴走始めるはやて。

 

 

 

暴走が治まらない事を悟った2人ははやてを置き去りにし、周囲の巡回を始める。

 

 

残されたはやては未だに1人熱く、胸が、形が、大きさがと明らかに危ない発言を連呼し続けている為、道行く通行人が彼女に近寄らないように歩いていた。

 

 

 

 

 

「やっぱり胸は大きさ・・・いや、やっぱ形・・・・・ってあれ?なのはちゃん、

フェイトちゃん?・・・・・あれ、鼻血が・・・・」

 

 

 

 

 

 

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「フェイトちゃんさっきのヴァン君がってどういう事?」

 

 

 

 

会場扉近くでフェイトがヴァンがいたらよかったと話した事に、

若干顔を赤くしながら尋ねるなのは。

 

 

 

 

「だからヴァンにドレス姿のなのはを見て貰って、なのはにもこういう姿がある事をしってほしかったんだよ」

 

 

「ちょ、フェイトちゃん!?」

 

 

「ヴァンも男の人なんだから、きっとなのはのこの格好みたら少なくとも何か思うはずだよ」

 

 

 

顔が熱い・・・きっと鑑を見たら今の自分の顔は真っ赤なんだろうなぁと、

そのベタベタな事になっている自分が恨めしい。

 

 

 

 

 

「でもヴァン君だよ?あのヴァン君が私に対してそんな事・・・・」

 

 

 

 

 

自分の姿を見てヴァンをどういう反応とるか想像する。

 

 

 

 

 

 

フェイトもこれに混じってみる。

 

 

 

 

そして徐々にヴァンの顔が頭の中に浮かび上がり、その口が開く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あン?なにソレ?なンかのアニメのコスプレ?うわァ、引くわソレェ。ジャケットもそれっぽい

のにさらに格上げ・・・・おえェ・・・』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バゴォ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、なのは?」

 

 

 

恐る恐るフェイトは壁に手を突っ込んだなのに声をかける。

 

 

 

 

 

 

あまりに軽々と拳がコンクリートの壁にめり込みすぎだ。

 

 

 

 

 

「にゃはは、ごめんフェイトちゃん。ちょっと手が滑っちゃった♪」

 

 

 

「そ、そうなんだ・・・・気を付けないとケガしちゃうよ」

 

 

 

 

 

たが実際に彼女はケガどころか痛そうですらない。

 

 

 

逆に壁が痛そうだ。

 

 

 

 

とは流石には言えない。

 

 

 

 

 

「フェイトちゃん私は会場の方に戻るから、後の集会警備はよろしくね?」

 

 

 

「う、うん。ま、任せてよ」

 

 

怯えながら応えるフェイト。一つ一つの言動が命取りだ。

 

 

 

 

 

なのはが来た道を戻った時は、盛大にため息を吐く。

 

 

 

 

「はぁ・・・なのはって昔よりも怖くなってきてるよね・・・・」

 

 

 

かつてその身に受けた彼女のスターライトブレイカーを思い出すフェイト。

 

 

あの時のなのはは自分に対して怒りは抱いていなかった。だがもし、なのはが自分に対して

怒り・・・・だだ純粋の怒りしか持ち合わせていなかったら・・・・・

 

 

「想像しちゃダメ。想像しちゃダメ。想像しちゃダメ。想像しちゃダメ。想像しちゃダメ。

想像しちゃダメ。想像しちゃダメ・・・・・」

 

 

 

 

同じ言葉を連呼し、恐怖を払いのけようとするフェイト。

 

 

 

 

 

なんとか正気を保っているが傍からみれば逆に今の君の方が怖いよ?

 

 

 

 

こうして緊張感をどこか失った、ホテル・アグスタでの警備任務は始まったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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