今回は視点はなしです
一夏は本音の後をついて行っている。しかし、すぐに彼女は足を止めた
四組の教室の前で
「ちょっと待っていてね~もう一人連れてくる子がいるから」
本音はそのまま四組のクラスにそのまま入って行った。すぐに一人の女の子と一緒に出てきた
眼鏡をかけた女の子で右ほほに果実の模様があった
「こんにちは、俺の名前は織斑一夏。よろしく」
「更識……簪です……あなたも……参加者……なんだ」
「じゃあ、行こうか~二人を待たせちゃいけないし~」
そのままのんびりと生徒会室に向かった。五分くらいして到着した
ドアを開けると中には二人の女子が待っていた。三人は部屋に入ると同時に本音はドアを閉めた。どうやら外に聞こえないようにしているのだろう
「ようこそ、そして入学おめでとう、織斑一夏君。私の名前は更識楯無、この学園の生徒会長よ。一緒にいる簪ちゃんのお姉さんよ」
「私は布仏虚、本音の姉よ。生徒会の会計をしているわ」
二人は話しながら自分の果実の模様を見せた。楯無は鎖骨の辺り。虚は右腕の二の腕辺り
一夏の視線を感じたのですぐに楯無はすぐに果実の模様を隠す
「やん、あんまり見ちゃいやよ」
「……本題に入ってください」
一夏は少し赤くした顔を背けながら聞いていた。そんな彼を見ることができて満足だったのか話し始める
「そうね、じゃあまずは私達から紹介するわ。出てきてください、ローエンさん」
「お願いします。メル」
そう言うと、二人の人が出てきた。楯無の近くに燕尾服を着た白いひげを生やしたお爺さんが、虚の近くにはピンクのジャケットにミニスカートを着た少女がいた
「じゃあ、私も……ヒューバート」
簪のそばにヒューバートが現れる。一夏と本音もすぐに自分のパートナーを呼んだ
「ジュディスよ。よろしくね」
「ローエンと申します。あなたのお話は楯無さんに伺っています、一夏さん」
「メルって言います。よろしくお願いします」
「僕はヒューバートです」
「僕は先ほどあいさつしたから省略させてもらう」
急に部屋がにぎやかになった
「さて、一夏君とジュディスさん。いくつか約束を守って頂戴。まず、わかっていると思うけど学園内で世界樹大戦の争いは極力避けること、まだ参加者が全員いるわけじゃないけどね。本気で戦うとなると異世界よりも私たちの世界の方で戦った方がやりやすいらしいの。そんな状態で戦ってもらったらどうなるかわかるわよね?」
楯無の話を聞いて一夏は思い出していた。以前、ジュディスが話していたことを
どうやら一夏たちのいる世界ではジュディス達の力がフルに使いこなせるらしい
「あとは参加者を見つけたらなるべく教えてほしいの。私達からはこれくらいね」
「……ねえ、どうしてそんなことをするの?」
ジュディスの質問は彼女たちの予想通りだったのかすぐに答えが返ってきた
「私の家は歴史の裏方の暗部なの。虚ちゃんたちは私たちの使用人。そして、この戦いは私たちのご先祖様が代々やっていた事らしいのよ。一般人を巻き込まないために戦っていたらしいみたいだけど、優勝したかは知らないわ」
その答えに満足したのか、ジュディスはそのまま黙った
「さて、お話はこれで終わり。ちょっとお茶でも飲んでいきなさい」
楯無は誘ったが、一夏はすぐに職員室に行かないといけないことを話すと残念そうだったが、しょうがないと思い、帰すことにした
その際、四人の連絡先を交換しておいた
職員室の近くまで行くと、ドアの前にアンジュが立っていた。もちろん、参加者以外には見えていない
「一夏君、今真耶を呼ぶからちょっと待ってね」
すぐに職員室から真耶が出てきた
「遅くなりました。山田先生、その鍵は?」
「大丈夫ですよ。こちらのカギは一夏君の寮の部屋です。申し訳ないのですが政府からの命令で寮に住むことになりました。荷物は織斑先生が持ってきてくれたそうです。本当に必要なものしかなかったみたいですけど」
他の生徒に聞こえないようにこっそりと教えてくれた
「真耶、部屋の調整ができなかったから女の子と一緒だっていうことをちゃんと伝えなさい。知らないで何か起こったら大変なんだから」
アンジュの言葉に一夏は驚く。いくらなんでも女子と同じ部屋で過ごすことになるなんて……
ジュディスの場合、部屋が違うので特に気にはしていなかった
真耶にお礼を言ってすぐに自分の部屋に向かうことにした
(本当に面倒なことになっているのね……)
(はあ、ジュディスさん、助けてくださいね。何だか嫌な予感がするので)
いつの間にか一夏は自分の部屋に着いた。部屋の中にはすでに誰かいると思ったので、一応ノックをしようとした時、ジュディスに止められた
(待って、相手から女の子がやってきたって思われるかもしれないからただノックだけは危ないかもしれないわね)
その忠告に従って行動した
「織斑です。入っても大丈夫ですか?」
「なあ!? 一夏!? ちょ、ちょっと待て……」
その声に一夏は聞き覚えがあった。幼馴染の箒だ
少し待つと部屋のドアが開いたので、一夏は入ることにした
「一体どういうことだ!? なぜ私の部屋にお前が!?」
「そう言われても……本当なら家から通う予定だったのがさっき職員室で知ったんだ。寮から通うようにしてくれって。で、部屋の調整ができていないからこんなことになったんだ。まあ、知っている人で助かったけど」
「そ、それはお前がそうしてくれって頼んだのか?」
箒は顔を背けながら聞いてみた
「……無理だろ。先生に言われたからこうなっているだけだ。それより荷物置きたいんだけどいいか?」
そんな箒をよそにさっさと一夏は荷物を置いていく。正直、一夏はどうしようと考えている
これからどうやって生活していけばいいかわからない
とりあえず、お互いに話し合うことにした。シャワーの時間をどうするのか、部屋の線引きをどうするか等だ
ほとんど決めたところで一夏の腹の虫が鳴った
「……そういえば腹減ったな……箒はどうするんだ?」
「私もまだだから食堂に行く……席は一緒にするのか?」
「? まあ、空きがなければそうなると思うけど、嫌ならいいぞ。俺一人で行くから」
そのまま一夏と箒は部屋を出て、食堂に向かった。その時、一夏はあることに気が付いた
(ジュディスさんのご飯……どうしよう)
(あら、こんな時にまでそんなことを考えてくれているのね。大丈夫よ、今日はあっちの世界で何か食べておくから)
(すみません、次はしっかりと用意するので)
「一夏! 何をボーとしている?」
どうやら一夏はジュディスと話すのに夢中になっていたようだ
「ああ、悪い。少し考え事をしていた」
二人は食堂に向かった
スキット
一夏の感想
生徒会室でお茶を飲みながら話す八人、そこに楯無が質問を投げかける
「一夏君のこと、どう思う?」
「そうですね……真面目な子だと思いますよ」
「うん、おりむ~は真面目さんだと思うな」
「……何か、分かるかも……」
「そうですね……それに結構かっこいい人でしたね」
女の子たちの意見は大体似た感じだった
「一夏さんは……まあまあという感じでしょうか? 戦うものとしての雰囲気はそれなりにありましたが」
「そうだな、何か武術をやっているみたいだが、レベルはそれなりだろう」
ヒューバートとリオンは彼の戦闘能力について語っていた
「フム、私からすれば一夏さんはいい感じに育つと思いますよ」
ローエンの言葉に楯無は興味を示した
「どういうことですか?」
「彼の瞳から何か意志を感じました。将来が楽しみですよ。ああいう若者を見ると」
「どんなふうになるのでしょうね?」
「楽しみですね」
虚とメルは笑顔で会話をしていた
「……言っておくが、そんなに成長されても戦う時には困るだけだからな」
効果はないと思いながらもリオンは突っ込んでいた
感想・指摘等あればよろしくお願いします
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今回は更識姉妹と布仏姉妹と出会わせました