No.466702

英雄伝説~光と闇の軌跡~ 307

soranoさん

第307話

2012-08-07 20:41:58 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:889   閲覧ユーザー数:830

~紺碧の塔・屋上~

 

「ふふ……少々、遅かったみたいね。」

エステル達が屋上に到達すると、ゴスペルを装着し、起動している装置の傍で妖しげな笑みを浮かべているルシオラがいた。

「姉さん……!」

「いらっしゃい、シェラザード。それからヨシュア……久しぶりに会えて嬉しいわ。」

ルシオラはシェラザードを見た後、ヨシュアを見て言った。

「ルシオラ……どうして貴女が教授に協力しているんだ?それほど教授と親しくはなかったと思っていたのに……」

「ここは私にとっても巡業で訪れた懐かしい地だから……。つい興が乗ってしまった、といったところかしら。」

「な、懐かしい場所だっていうのにどうしてこんな事をしてるの!?シェラ姉の気持ちも考えないで……!」

ヨシュアの問いに答えたルシオラの言葉を聞いたエステルはルシオラを睨んで言ったが

「エステル……いいわ。言葉で尋ねるだけじゃ姉さんは何も答えてくれない。答えるに値する実力をあたしが証明しない限りね。」

シェラザードが制した。

「あら……うふふ。さすがに私のことをよく分かっているみたいね。」

シェラザードの行動を見たルシオラは口元に笑みを浮かべながら感心した。

「芸を教えてくれた時はいつもそうだったから……。だから姉さん……約束して。あたしが力を証明できたら”結社”に協力する理由を教えてくれるって……!」

「ふふ……いいでしょう。」

シェラザードの言葉に頷いたルシオラは一際大きい霧の使い魔や小さな霧の使い魔達を召喚した!

「で、出た……!」

「善鬼と護鬼―――陰陽司る式神たち!」

「東方の符術を私なりにアレンジしたものよ。シェラザード。見せてごらんなさい。私の元を離れてからあなたがこの地で得た力をね。」

「……分かった。”風の銀閃”の力、とくと見てもらうわ!」

そしてエステル達はルシオラ達との戦闘を開始した!

 

「今回の敵は霧だから、武器はこっちの方がいいわね!」

戦闘を開始し、ルシオラが召喚した霧の使い魔達を見たエステルは棒を仕舞って、神剣――”誓いの神剣(リブラクルース)”を鞘から抜いて、構えた!

「そういえば、エステル。君、いつの間に剣も使うようになったんだい?」

そこにヨシュアが敵達の行動を警戒しながら、エステルの傍に来て尋ねた。

「メンフィルの本国であたしがリフィアのお父さん――メンフィルの皇帝様から貴族の位をもらった時、リフィアが餞別としてくれたのよ。…………っと!」

「!!」

ヨシュアの問いに答えたエステルは自分達に攻撃してきた敵達に気づき、その場をヨシュアと共に後ろに跳んで、回避した。

「そういえば……ケビンさん、この剣を見て、随分驚いていたわね。”神剣”の類って答えたらしばらく固まっていたわよ?」

「エ、エステル………君の持っている剣がどれほどの価値があるのか、ちゃんと理解しているのかい………?(”星杯騎士”のケビンさんなら驚くだろうな………エステルの持っている剣………下手をしたら封印区画で戦った人形兵器を超えるアーティファクトかもしれないしね………)」

エステルの言葉を聞いたヨシュアは冷や汗をかいて言った。

「ま、そんな細かい事はいいじゃない!……パズモ!ニル!」

一方エステルはヨシュアの言葉を気にせず、パズモとニルを召喚した!

「パズモはあたしとヨシュアの援護を。ニルはあっちで戦っているクローゼの援護をお願い!」

(ええ。…………)

「わかったわ。」

エステルの指示に頷いたパズモはオーブメントを駆動させた後、その場で詠唱を始め、ニルは一人で数体の霧の使い魔達を相手にしているクローゼの元に向かった。

「我に眠りし命の炎よ……我が前へ!!」

そしてエステルはリンより受け継いだ力でありクラフト――”聖炎剣”を使って、神剣に”聖炎”を宿らせた!

「炎よ!力を!フォルテ!!」

一方ヨシュアはアーツを放って、自分の攻撃力を上げた!

 

「ブラッシュ!!」

そしてエステルはクラフトを放った!”聖炎”が宿っている事によって、エステルが放った衝撃波に”聖炎”が宿り、エステル達を攻撃した普通の霧の敵より何倍も大きい敵達にダメージを与えた!

(行くわよ!消沈!!)

さらにパズモは魔術を放って、敵達の動きを遅くし

(アースランス!!)

続けてアーツを放ち、1体の敵にダメージを与えた!

「ペトロクラウド!!」

そしてヨシュアもアーツを放って、敵達にダメージを与え

「おぉぉぉ!」

クラフト――真・魔眼で敵達の動きを止め

(光よ、集え!光霞!!)

そこにパズモが短い詠唱で済む魔術を放って、さらにダメージを与え

「聖なる光よ……我が仇名す者を貫け!聖槍!!」

止めに放ったエステルの魔術が1体の敵に命中し、光の槍は爆散して、命中した敵を滅した!

 

(大いなる戦意の祝福!!)

続けてパズモは援護魔術を放って、自分達の身体能力を上げ

「ソウルブラー!!………絶影!!」

ヨシュアはオーブメントを駆動させた後アーツを放った後すぐに、クラフトを放って攻撃をした!ヨシュアがクラフトを放ち終わると同時にヨシュアが放ったアーツが追撃の如く、敵を襲い、ダメージを与えた!

「…………………」

しかし敵もやられっぱなしではなく、すざましい霧の嵐をエステル達に放った!

「きゃっ!?」

「くっ!?」

(っつ!?)

敵の攻撃が命中したエステル達は呻いた!

(ラ・ティアラル!!)

ダメージを受けたエステル達だったが、パズモが治癒アーツを放って、受けたダメージを回復した!

「ありがとう、パズモ!………燃えつきなさい!火球!!」

パズモにお礼を言ったエステルは火の魔術を敵に放った!エステルが放った火の球は敵に命中すると同時に爆発した!

「朧!!」

エステルの魔術が命中するのを見たヨシュアはすかさず、クラフトを放って、攻撃を命中させた!

「聖炎剣!剛!!」

そこにエステルがリンより受け継いだ技で、そして聖炎を宿した事によって威力が倍増したクラフト――聖炎剣・剛を放った!

「わっと。ちょっと外しちゃったわね~。」

しかしエステルが放った攻撃は敵の手の部分を切り落とし、本体を狙ったつもりのエステルは後ろに跳んで後退した後、苦笑していた。

(フフ、大丈夫よ。後は私に任せて。今、とっておきの魔術の詠唱が終わったから、私が止めを刺してあげるわ!)

「パズモ………うん、任せたわよ!」

パズモの念話を聞いたエステルはパズモを見て微笑んだ。そしてパズモは自分が放てる最高の魔術でありSクラフトを放った!

(聖なる意思よ、我が仇為す敵に断罪の稲妻を!……ディバインセイバー!!)

パズモが放った神聖属性も交えたすざましい雷を放つ魔術――ディバインセイバーは敵を閉じ込めるかのように周りに小規模の雷を落としてダメージを与えた後、今までとは比べ物にならないくらいのすざましい雷を最後に落とした!雷が消滅すると、敵は消滅しており、さらに敵のいた場所は黒焦げになっていた!

 

「クッ…………」

エステルがパズモ達を召喚する少し前、クローゼは次々と霧を放ってくる敵達の苛烈な攻撃を回避しながら、反撃の機会を探っていた。

「ダークマター!!」

その時、アーツが1体の敵に命中した!

「行くわよ――極光剣!!」

そしてニルはオーブメントを駆動させた後、武器に上級神聖魔術を籠め、攻撃するクラフト――極光剣を放って1体の敵に止めを刺して、クローゼの所に来た。

「クロックアップ改!!」

クローゼの元に来たニルはさらにアーツを放って、クローゼの身体能力を上げた!

「大丈夫?援護に来たわよ。」

「はい、お蔭さまで。……援護、お願いします!」

「ええ、任せて。」

クローゼの言葉にニルは力強く頷いた。そして敵達はクローゼとニルを囲むように移動し、そして同時に攻撃を仕掛けた!

「ハッ!」

「フッ!」

しかしクローゼは横に跳んで、ニルは空中に跳んで回避した!

「貫け!氷剣!!」

「ストーンインパクト!!」

そしてクローゼは反撃に魔術を放ち、ニルは続くようにアーツを放って1体の敵に止めを刺した!それを見た残りの数体の敵は一斉に霧を放って攻撃したが

「そんな攻撃、効きませんわ!」

ニルがクローゼの前に立ちはだかって、簡易結界を展開して防いだ!

「光よ、降り注げ!爆裂光弾!!」

そしてニルは魔術を放った!空よりいくつも飛来する光の弾を受けた敵達は傷を負いながら怯んだ!

「万物の根源たる七耀を司るエイドスよ…………その妙なる輝きを持って我らの脅威を退けたまえ…………」

一方クローゼはニルが攻撃している間に目を閉じてその場で強く祈りながら一度膝をついて、その後、立って祈り続けた!するとクローゼの周りに神聖な光の帯が廻り始めた!

「光よ!我に集いて魔を討つ陣となれ!」

そしてクローゼは目を見開いて、両手を広げた!するとクローゼの周りで廻っていた光の帯は消え、敵達の周りにすざましい光の帯が現れ始め

「サンクタスノヴァ!!」

光の帯は小規模な爆発を次々と起こした後、大爆発を起こした!献身的な女神(エイドス)への祈りで敵を打ち倒す光の帯を発生させるクローゼのSクラフト――サンクタスノヴァによって、残りの敵達は消滅した!

 

「大いなる戦意の祝福!!」

エステル達が戦っている一方、ルシオラと対峙しているシェラザードは魔術を放って、自分とリタの身体能力を強化した!

「シャドウスピア!!」

さらにリタはアーツをルシオラに放った!

「ふふっ。」

しかしルシオラはその場から消えて、回避し、シェラザード達の側面に現れ

「ふふふっ……」

すざましい炎の衝撃波を放つクラフト――風魔火炎を2人に放った!

「!!」

「槍よ、飛んで。」

ルシオラの攻撃に気付いたシェラザードはその場を離れ、リタは座っている槍を空に飛ばして回避した!

「はっ!!」

そしてシェラザードは鞭をルシオラに振るった!

「ふふ。」

しかしルシオラは鉄扇で攻撃を受け流し

「それっ!」

さらに鉄扇をルシオラに投げた!

 

「!!」

ルシオラの攻撃に気付いたシェラザードは横に跳んで回避した!そして鉄扇はブーメランのようにルシオラの元に戻って来た。

「剛震突き!!」

そこにリタが空中よりルシオラに襲い掛かった!

「っ!」

リタのクラフトが脇腹に命中し、攻撃を受けたルシオラは顔を顰めたが

「ティアラル!!」

アーツを放って、リタの攻撃で受けた傷を治癒し

「さあ、お眠りなさい…………」

鈴を鳴らして、敵達を眠らせるクラフト――幻術・夢見の鈴音を2人に放った!

「ッ……………」

シェラザードは突如襲い掛かって来た眠気を耐えるように顔を顰めた。

「そこです!玄武の地走り!!」

一方リタは平気の様子でクラフトをルシオラに放った!

「ひぅっ!?…………クッ!」

リタのクラフトが命中したルシオラは後ろに跳んで、後退してリタを睨み

「闇に呑まれなさい!ティルワンの闇界!!」

魔術をリタに放った!

 

「ふふ。」

ルシオラの魔術に命中したリタだったが、命中したにも関わらず傷を一切負わず、自分を襲った暗黒の霧から飛び出してルシオラに迫り

「耐えられます?」

クラフト――薙ぎ払いを放った!

「!!」

リタの攻撃に気付いたルシオラは横に跳んで回避したが

「ああっ!?」

回避しきれず、リタの攻撃がかすった!

「出でよ!雷の槍よ!雷槍!!」

そこにシェラザードが放った魔力によって発生させた雷の槍を放つ魔術――雷槍をルシオラに放った!

「出でよ、魔槍!狂気の槍!!」

しかしルシオラは暗黒の槍を発生させる魔術を放った!暗黒の槍と雷の槍は空中でぶつかって、お互いの攻撃を相殺して消滅した!

「花は散ってこそ花………旋風よ、砕き散らしなさい!奥義、華散風魔の舞!!」

そしてルシオラはSクラフト――華散風魔の舞をシェラザードに放った!

「行くわよ…………嵐の力よ!我が鞭に宿れ!」

一方シェラザードは鞭に雷と風を纏わせ

「フフ…………!」

さらに身体全体に魔力を纏って鞭を持った状態でその場を踊り子が踊るように、華麗に舞った!するとシェラザードを囲むように雷が鳴り響く竜巻が発生した!

「嵐よ、切り刻みなさい!奥義!ハリケーンスラッシュ!!」

シェラザードが鞭を地面に叩き付けるとシェラザードの周りで発生した雷が鳴り響く竜巻がルシオラを襲った!全身に魔力を纏って華麗に舞いながら、嵐を発生させ、敵を攻撃するシェラザードのSクラフト――ハリケーンスラッシュはルシオラが放ったSクラフトの竜巻とぶつかり、相殺して消滅した!

 

「シェラ姉!」

「こっちは終わりました!」

その時、ルシオラの式神達を倒したエステル達が武器を構えて、シェラザードとリタの元に来た…………!

 

 

 


 
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