ヨシュアと共に格納庫に向かったエステルは飛行艇がある奥の格納庫まで来た。
~グロリアス・格納庫~
「うふふ……。遅かったじゃないか。」
エステル達が奥の格納庫に着くと、カンパネルラが現れた。
「あ、あんた……!?」
「……カンパネルラか。」
「つれないなぁ、ヨシュア。レーヴェとだけ話して僕には何の挨拶もなしかい?」
カンパネルラの登場にエステルは驚き、ヨシュアはカンパネルラを睨み、カンパネルラはからかうような口調で尋ねた。
「君が船に残っているとは思わなかったからね……。僕の動きを読んでいたのか?」
「あはは、僕はこれでも『計画』の見届け役だからね。他の連中よりも色々と気付くことが多いだけさ。」
「………………………………」
「ふふ、それにしても……。5年ぶりに会ったら君もずいぶん変わったねぇ。なかなか男前になったじゃない?」
黙っているヨシュアにカンパネルラは楽しそうな表情で言った。
「そういう君は全く変わっていないんだな。その外見のまま歳を取っていないみたいだ」
「うふふ、お肌の手入れは毎日欠かしていないからねぇ。君もよく女装するらしいし、いい化粧品を紹介しようか?」
「………………………………」
「あーもう、じれったいわね。ここで待ってたってことはあたし達と戦うつもりでしょ!?さっさと構えなさいよ!」
カンパネルラの様子を黙って見ていられなかったエステルは叫んだ後、剣を鞘から抜いて構えて、言った。
「あはは、威勢のいい女の子だな。ヨシュアの彼女っていうからどんな子かと思ってたけど……なかなかお似合いなんじゃない?」
「か、彼女って……」
カンパネルラの言葉にエステルは照れたが
「おっと、彼女というのは空賊の女の子なのかな?モテモテだね、ヨシュアきゅん♪」
「………………………………」
さらにカンパネルラの話を聞き、ジト目でヨシュアを睨んだ。
「……戯言はそのくらいにしてほしいな。どうしてジョゼットのことまで知っているのかしらないけど……」
一方ヨシュアは静かな口調で答えた後、双剣を構えた!
「君の戦闘力は僕と同じくらいのはずだ。それでもやり合うつもりかい?」
「あはは、そんなつもりはないよ。さっきも言ったように、僕は『計画』の見届け役でね。積極的に君たちを捕まえる義務はないんだ。」
「………………………………」
「ふーん、そうなんだ。だったらどうしてこんな所で待ってたわけ?」
楽しそうな表情で語るカンパネルラの言葉を聞いたヨシュアは油断なく双剣を構えてカンパネルラを睨み、エステルは首を傾げて尋ねた。
「うふふ、そりゃあ勿論、君たちに挨拶するためさ。でも、ただサヨナラじゃああまりにも芸がないからねぇ。君たちの脱出劇を少しばかり盛り上げてあげようと思ったんだ。」
そしてカンパネルラは指を鳴らした!すると何かが飛んで来る音がした後、エステル達の足元に銃弾が放たれた!そして目の前に大型の機械兵器達が5体現れた!
「な、な、な!?」
「高機動飛行人形、”ペイルアバッシュ”!もうロールアウトしていたのか!」
大型の機械兵器達の登場にエステルは信じられない表情をし、ヨシュアは真剣な表情で言った。そしてカンパネルラはお芝居をするような口調で言った!
「かくして再会した2人の前に新たな障害が立ち塞がるのでした。ああ、少年少女の運命やいかに!」
そしてエステル達は戦闘を開始した!
「「「「「……………………」」」」」
機械兵器――ペイルアバッシュ達はエステルとヨシュアに向かって一斉射撃をした。
「クッ………エステル!パズモ達を呼んで!僕達だけじゃ、とても手が足りない!」
敵の一斉攻撃を回避しながらヨシュアは同じように回避しているエステルに指示した。
「わかっているわ!パズモ、永恒、テトリ、ニル!力を貸して!」
ヨシュアの指示に頷いたエステルはパズモ達を召喚した!
「さすがに相手が相手だからこうなったら、総力戦よ!クーちゃん!貴方も出てきて!」
「クー!」
そしてエステルはさらにクーも召喚し
「カファルー!今こそ貴方の力の見せどころよ!」
「グオオオオオオオオ――――ッ!!」
最後にカファルーを召喚した!
「なっ!?その水竜はあの時の………!それにエステル、あれからまた使い魔を増やしたのか……それも今までとは比べ物にならないくらいの強さの………しかも今までとは違う大型タイプと契約するなんて………けど、これなら………行ける。」
「わーお…………妖精、狐、天使、竜に大型の獣………フフ、本当に異種族に好かれる娘だね♪油断していたら、愛しい彼女を彼らに取られちゃうよ?ヨシュアきゅん♪」
クーやカファルーを見たヨシュアは驚いたが、すぐに戦力分析をして冷静な表情をし、カンパネルラは驚いた後、からかうような表情でヨシュアを見て言った。
「パズモ、永恒、テトリ、ニル!あなた達は協力して1体をお願い!」
(わかったわ!)
「はい!エステルさん達も気を付けて下さい!」
「フフ………今こそ守護天使の本領を見せてあげますわ!」
(行くぞ!)
エステルの指示に頷いたパズモ達は1体の敵に集中攻撃をした!
(行けっ!連続光弾!!)
「ヤアッ!精密射撃!!」
(燃えよっ!)
「たぁっ!!」
パズモは魔術を、テトリは弓技を、サエラブは炎の玉を、ニルはクラフト――連接剣伸長を放って1体の敵にダメージを与えた!
「………………」
ダメージを与えられた敵は標的をエステル達からパズモ達に変えた!
「クーちゃん!貴方は1体をお願い!カファルー!あなたは”魔神”なんだから2体、相手にしなさい!それぐらい、できるでしょ!?」
「クー!」
「グオッ!!」
そしてエステルはさらにクーやカファルーにも指示をし、指示をされたクーとカファルーはそれぞれ攻撃した!
「クー!!」
クーはすざましい水圧のブレス――アクアブレスを1体の敵に放ち
「グオオオッ!!」
カファルーは2体の敵にクラフト――爆炎スマッシュを放った!
「「「……………………」」」
クーとカファルーの攻撃を受けた敵達はエステル達からそれぞれ自分達を攻撃したクーとカファルーに標的を変えた!
「エステル!僕達は残りの1体を破壊するよ!」
「うん!」
それを見たヨシュアはエステルと共に残りの1体に向かって行った……………!
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第290話