~廃坑・露天掘り場所~
「主砲と右舷副砲、竜に照準を固定せよ!着陸と同時に総員、速やかに展開!」
警備艇から重々しいモルガンの指示の声が聞こえ、そして
「イエス・サー!!」
さらに警備艇から兵士達の返事が聞こえた。そして警備艇は地面に着陸した。
「フッ……。ようやくのお出ましか。これで最後の実験を始めることができそうだ。」
そしてレーヴェは竜の背に飛び乗った!
「あ…………」
「ま、待ちやがれ………!」
「待ちなさい、レーヴェ!」
竜の背に飛び乗ったレーヴェを見たティータは声を出し、アガットとプリネはレーヴェを睨んで叫んだ。
「忘れるな。アガット・クロスナー。欺瞞を抱えている限り、お前は何者にもなれない。大切なものを守ることもな。」
「………ッ………………」
レーヴェの言葉によって図星をつかれたアガットは言葉を失くして、レーヴェを睨んだ。
「………プリネ・K・マーシルン。必ず次こそは俺を惑わす幻影ごと貴様を斬る。」
「まだわからないの!?レーヴェ!私は…………!(ダメ………まだ、見つけてもいないヨシュアは”私の死”という”壁”を乗り越えていない………ヨシュアが乗り越えない限り、まだ自分から正体を明かすわけには………!)………クッ……………!」
レーヴェに睨まれたプリネは悲痛そうな表情で何かを言おうとしたが、ある事を思い出して、レーヴェから視線を外した。
「ま、待ちなさいよっ。黙って聞いてたら勝手なことをペラペラと!絶対に逃がさないんだからっ!」
そこにエステルがレーヴェを睨んで叫んだ。
「エステル・ブライト。お前は心しておけ。」
「へ……」
「今回の実験が終われば計画は次の段階に移行する。気を引き締めなければ必ずや後悔することになるぞ。」
「ちょ、ちょっと!それって一体……」
レーヴェの言葉を聞いて驚いたエステルが尋ねようとしたその時、
「おのれ竜め!逃がしてなるものかっ!総員、射撃開始!撃って撃って撃ちまくれ!」
王国軍兵士達を率いたモルガンが飛び立とうとする竜を見て命令した!モルガンの命令によって兵士達の銃撃や警備艇から砲弾や”導力”による主砲が竜に放たれた!
「フッ、伝説の古代竜にそのような攻撃が効くものか。行くぞ―――『古竜レグナート』」
王国軍の攻撃に不敵な笑みを浮かべたレーヴェが古代竜――レグナートに命令をしたその時!
「こんの~!あれだけ酷い事をやったあげく、勝手な事ばっかり言って絶対に無事で逃がしてたまるものですか!カファルー!!」
その様子を見て怒ったエステルは腕輪が装着されてある手を上げて、カファルーの名を叫んだ!
「ツーヤ!”竜化”して、あの竜にドラゴンブレスで攻撃を!パラスケヴァス!!」
「はい!ハァァァァァァァァ……………………!!」
さらにプリネの指示によってツーヤは”竜化”した!さらにプリネはパラスケヴァスを召喚した!
「「グオオオオオオオ―――――ッ!!」」
「………………………」
召喚されたカファルーと”竜化”したツーヤが同時に辺りを響き渡らせる雄たけびを上げた!また、パラスケヴァスは巨大な槌を構えていた!
「なっ!?」
カファルーとパラスケヴァス、”竜化”したツーヤを見たレーヴェは驚いた!
「う、うわあっ!?竜がもう一匹現れたぞ!?」
「それに何だ!?あの巨大な獣と怪獣は!?」
「ええい、落ち着け!今はあの竜に集中攻撃だ!!」
「イエス・サー!!」
一方”竜化”したツーヤと突如現れたカファルーやパラスケヴァスを見た兵士達は驚いて慌てたがモルガンの一喝によって落ち着き、再びレグナートに攻撃をした!
「カファルー!あの竜に攻撃を!!」
「パラスケヴァス!貴方もあの竜に攻撃を!!」
「グオッ!!」
「…………………!!」
エステルの指示に頷いたカファルーは炎を纏わせた足でクラフト――『爆炎スマッシュ』を、プリネの指示に頷いたパラスケヴァスは巨大な槌でクラフト――『水流スマッシュ』を翼を羽ばたかせ、飛び立とうとする竜の腹に命中させた!
「グオオオッ!?」
「馬鹿なっ………!?」
カファルーとパラスケヴァスのすざましい威力を持つ重い一撃により竜は吹っ飛ばされ、竜の背に乗っていたレーヴェは背に掴まりながら信じられない様子でいた。
「グオッ!?」
「グッ………!」
そして吹っ飛ばされた竜は崖にぶつかり、ぶつかった衝撃にレーヴェは呻いた!
「氷金剛破砕撃 (ダイヤモンドアイスバースト)!!」
「グオオオオオオオッ!!」
「……………………!」
さらにツーヤがすざましい吹雪のドラゴンブレスを、カファルーはすざましい炎のブレス――『獄熱ブレス』を、そしてパラスケヴァスはすざましい水圧の力を持つブレス――アクアブレスを竜に放った!
「グギャアアアア――――ッ!?」
「グアアアアッ!?」
3種類のすざましい威力のブレスを3方向から受けた竜は悲鳴を上げて暴れ、竜の背を盾に掴まっているレーヴェは直接ブレスは受けなかったがカファルーとツーヤのブレスにより自分の周囲に伝わる全てを焼き尽くすような熱さと全てを凍りつかせるような寒さに呻いた!
「よし!竜は弱っているぞ!我らも続け!撃って撃って撃ちまくれ!」
その様子を見たモルガンは兵士達にさらに攻撃の指示をした!
「竜と巨大な獣、怪獣が味方にいるぞ!勝てるぞ、この戦い!」
「オオ――――――ッ!!」
兵士達は”竜化”したツーヤとカファルやパラスケヴァスー――”超越した存在”が味方にいる事に士気を高め、竜に激しい銃撃を放った!
「クッ…………アースガード改!!」
そしてレーヴェは呻きながらも竜に絶対防壁のアーツをかけた!絶対防壁によってカファルーとツーヤ、そしてパラスケヴァスのブレスは防がれた!
「グッ…………まさかあんな化物達まで味方にするとは………さまざまな種族と親しくなるエステル・ブライトの人徳……侮れんな………………今度こそ行くぞ、レグナート。」
レーヴェの指示によって竜は今度こそ、飛び去って行った。
その後エステルはカファルーを戻し、プリネはパラスケヴァスを戻し、ツーヤは”竜化”を解き、エステル達はモルガンと今後の事を話し合い始めた……………
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第265話