前回のあらすじ
賊たちを切り捨て瑠玲を助けた後倒れてしまった一刀そして村長はどうなったのか....
君思うとき4
ここはどこだ?
あたりには何もない無の空間が広がっている。体が浮いているみたいだ。
「オマエハオレタチトドウルイダヨ」
!!そこには俺が殺したはずの賊がいた。
「同類ってどういうことだよ!!」
「オマエハカンジョウニマカセテオレタチヲコロシタ」
また別の殺したはずの賊が現れる。
「違う!!」
「オマエハイカリニマカセテオレタチヲコロシタ」
「違う...俺は...皆を守るために!!」
「アノトキハチガッタダロウ?」
「それは.....」
確かに俺は村長が倒れているのを見て俺は......
「オマエハオレタチトオナジケモノダ」
「違う....俺は......俺は!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
俺は大声とともにガバッと起き上がる。
「ハァ.....ハァ.....」
「また知らない天井だ」
このセリフを言うのも何度目だろうか。
「さっきのは夢か.......ってかここどこだ?」
徐々に記憶をたどっていく。
「賊が来て....村長の屋敷が襲われて、瑠玲の悲鳴が聞こえたから角を曲がったら村長が.....そんちょ....う...が」
そこですべてを思い出す。俺はこんなところで寝ている場合じゃない。寝台から抜け出そうとするがうまく体が動かない。
「くそ!!動けよ!!こんなとこで寝てる場合じゃないんだよ....」
何とか起き上がろうともがいているときだった。「北郷...さん?」
顔を上げると瑠玲がいた。「何してるんですか!?ちゃんと寝台に寝てないと!」
「今はそれどころじゃないだろう!!村長は....村長はどうした!?」
「........っ!!」
瑠玲は一瞬つらそうな顔をした後に血の付いた紙を渡してきた。
この時代紙は貴重なものである。そして血がついている。そのことだけで内容が明るいものでないことはわかった。
だが受け取らないわけにはいかない。
瑠玲から紙を受け取り寝台に腰掛ける。そして紙に視線を落とす。
紙には
『水蓮を頼みまする』
とたった一文だけ書いてあった。
「.......瑠玲、俺は救えなかったのか?」
「北郷さんが倒れた後、爺様はその紙を渡した後すぐに.....」
「そうか....俺はまた大切な人を守れなかったのか。」
また?瑠玲はその言葉が引っ掛かりつつも今は衰弱している一刀の方が心配だった。
「顔色がよろしくないですけれど大丈夫ですか?」
「瑠玲....実はさっきまで夢を見ていたんだ。」
「夢を?」
「あぁ、襲撃してきた賊たちが俺に向かって言うんだ。お前は俺たちと同類だと。」
「そんなわけないじゃないですか!!」思わず声を荒げる瑠玲。
「でも!俺はあの時君を守ろうとしたんじゃなく憎しみで人を切ったんだよ....」
「北郷さん.....」
「憎しみで人を切ってしまった....あの時の感触が頭から離れないんだよ......」
「北郷さん!」
「なぁ瑠玲?俺は奴らと同類なんだろうか?」
これ以上北郷さんに言わせてはいけない。瑠玲はそう思った。
「瑠玲答えてくれよ.....なぁ!!」
声を荒げる一刀だが突然なにかやわらかいもので口をふさがれ寝台に押し倒される。一瞬何が起きたかわからなかったが、キスされたのだと理解するのに時間はかからなかった。
唇が離れていき俺の瞳に映った瑠玲は涙を目にいっぱいにためていた。
「あいつらと一緒なんて、そんなわけないじゃないですか!!私があなたに救われたのは事実です。それでもご自身を許せないのであれば、その苦しみを一緒に背負わせてくれませんか?」
限界だったのだろう。目にたまっていた涙がぽろぽろと零れていく。
「りゅうれ『水蓮です』え...それって....」
「私の真名受け取っていただけますか?」
「.....一刀だ」
返事をする代わりに自分の真名を水蓮に預け抱きしめた。
「.......はい。一刀さん....」
抱き返しくれた水蓮に今度は俺から優しくキスをした。
その夜、心配だからと部屋に残った水蓮が眠りについた頃、俺は部屋を抜け出した。まだ体が悲鳴を上げていたが
どうしても行かねばならないところがあった。
「すみません村長。あなたを....村のみんなを守れなくて......」
俺は目的の場所にあった墓石に語りかける。
「俺はあなたに何も返せていない!!こんなわけのわからない時代に来て拾ってくれたあなたに!!」
そう墓石に訴えかける。返事が返ってくるわけでもないのに。
「それはどうかのぉ」
「その声は村長!?死んだはずじゃ....」
「うん。ワシ死んだb」
「今起きたみたいなテンションで言わないで!?」
姿も見えず声しか聞こえない村長にツッコむ一刀。
「てんしょん?まぁまぁ落ち着け。ワシが向こう側に逝くにはまだ少し時間があったみたいじゃからのお前さんに伝えとこうと思っての。」
「一体何を?」
「さっきワシに必死に語りかけておったじゃろう。別に恩をかけたつもりもなしその辺のことは気にせんでいいんじゃよ。それにワシも
孫がもう一人できたようで楽しかったわい。」
「村長....」
「しかしそれでも気が済まんというなら一つ頼まれてはくれんか?」
「はい。なんでしょうか?」
「水蓮を幸せにしてやってくれ」姿の見えない村長が優しく微笑んだ気がした。
「もちろんです」
「うむ、それならば安心して向こうへ逝ける。最後に一つだけ.....一刀、なんでも一人で背負い込むでないお前さんの悪い癖だ。水蓮でもこれから出会う仲間でもいい。そういうやつらを頼りなさい。ワシもお前さんを見守っておるよ。」
「村長......」俺は泣きそうになるのを必死でこらえていた。
「ではの一刀」
「はい....村長」
気づくと涙があふれていた。
フッと気配が消えると同時に優しい風が頬を撫でた。
「ありがとうございました....」俺はかすれた声でそうつぶやいた。
すみませんアーモンドです。
初めましての方は初めまして、お久しぶりの方はお久しぶりです。もう一度言いますアーモンドです。
たいっっっへん長い間お待たせして申し訳ありません!!
えっ?誰も待ってない?てか誰?
.......思ってても言わないのが優しさですよb
前置きはこのぐらいで改めまして本当にすみませんでした。学業のほうが忙しすぎてorz
テストも終わって夏季休講に入ったのでこれからまた頑張っていこうと思います。
本編の話を少し、やっと一刀に真名を渡すことができました。
これからやっと物語が動き出します。生暖かい目で見守ってくれるとありがたいです。よろしくお願いします。
追伸:一刀君はまだチェリーですb
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ここの一刀君は武将たちと打ち合えるくらいに強化しています。
オリキャラも出ます。