声がする・・・男の声だ・・
「また失敗だ・・・これで何回目だ・・・」
・・・・失敗?
「そうなのか?魔力も結構あるじゃないか」
「いや、身体的に問題がある」
「おしいな」
なんで・・・・人の声が・・・
ここは・・・僕の部屋じゃないのか?
怪訝に思い、ゆっくりと目を開けると、数人の白衣の男たちが僕を囲み、見下ろしながらなにか話している。僕はなにやら台の上で寝ているようだ。前後に何があったか思いだせない。状況を把握しようと、辺りを見回す、部屋はそんなに広くない…薬のような匂いが漂っている…ここは、なにかの実験室だろうか。全体的に暗い部屋だ。壁は灰色で、薄汚れている。段々と思考がはっきりしてきた。それと共にに激しい頭痛に襲われた
「起きたようだな。被検体d09751」
痛さに顔をしかめていると、白衣の男の一人が言った
被検体d09751・・・?
それは、僕のこと・・・?
台から起き上がる。
d09751・・・僕はそんな名前じゃないはず・・・
僕の名前は・・・・
思い出そうとしたとたんに、再び襲った激しい頭痛に頭を抱え込んだ。何か男達の声も聞こえるが、僕の頭はとらえてくれない。ただの雑音として耳に入ってくる。
「おいっ!聞いてるのか!」
遠くで男の声がする…
頭がぼーっとする・・・痛い
僕はその場にうずくまった
と、いきなり脇腹に衝撃を受け、鈍い音と共に僕の体は実験器具にぶつかった
床に崩れながら、咳き込み血を吐いた。一瞬何が起こったのかわからなかった。倒れる前のことを思い出す。視界の隅に男の足が見えた。僕は蹴られたのだ。
またも混乱している状態でなんとか状況を把握し、顔をしかめつつ、僕を蹴った男を見上げた
男は感情のこもらない目で僕を見ながら、銃を取りだし銃口を此方に向けて言った。
「これが最後だ。失敗作が手をかけさせるな」
男は続けて言った。
「お前の名前、経歴、この組織に入った理由を言え」
僕は言おうと口を開いた。が、わかるはずのことが、何もわからない。
「わからない」
こう言う他に方法はなく、素直に言った。とたん、男は銃を放った。
「嘘をつくな」
声も感情がこもっていなかった
銃弾は僕の顔の横を通った。僕は死への恐怖を感じた
「待て」
突然男の一人が銃を押さえた。
「冬木様、しかし・・・」
「此方のミスの可能性が高い。数値が微妙にずれている。調べ直せ」
「・・・・は」
どうやら助かったらしい。ほっと息を下ろすと、男達は慌ただしく機械を動かす。大きな機械の扉が開いた。
「これは・・・・記憶制御用の種が植え付けられていない、どういうことだ・・・バグや分量ミスでない・・こいつが・・・拒絶したのか」
冬木といわれた男が、クルミのようなものを手になにやら言っている。
「こんな失敗作が・・・・ふふはははははっ!ははははは!」
突然狂ったように笑いだす男。
「・・・面白い。君はここに行きたまえ」
そして、何事もないかのように、さらさらと紙に書くと僕に渡した。
受けとると僕はすぐに部屋をでた。
どっと疲れが来た気がする。その場にうずくまり、少し休憩しつつ、紙を見た
ゆっくりと歩き向かいはじめた
これから何が待っているというのだろう。自分のことさえも分からない状態で…考えつつうんさりし、紙を見ると裏面に、僕の部屋番号が書かれていた。
今日は休もう…
僕は先に部屋で寝ることにした。部屋について、ベッドで寝始める。疲れのせいで、ぐっすりと眠れた。明日は、大変だな…なんて思いつつ…
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一次創作です。テレビを見てふと思い付きました。まだまだお見苦しいところもあるかと思いますがよければ読んでいただければと思います