仕事を探し始めて数日。自分に合いそうな仕事が分からないので迷っているところだ。
「う~ん・・・あたし一人で行けそーな仕事あるかな~?」
「一人?ナツやグレイ達と一緒に行かねーのか?」
「それがね~」
どうやらグレイとエルザは違う用事があるらしかった。グレイはともかく、エルザの用事はどうでもいいな・・・。
「ナツがいるだろ?」
「はぁー・・・見てあれ」
「ナツ!ホラ・・・火だよ食べて」
「食欲ねえ」
「どーしちまったんだナツ!!」
ん・・・?エーテリオン食ってねえから調子が悪いわけないんだけどな・・・夏バテか?
「アカネではしゃぎ過ぎたからその反動かしら?」
「(クラクラバタン)」
「ナツ!」
「ありゃあ当分仕事は無理そうだな」
「でもね!何か仕事いかないと今月の家賃払えないのよ~ナブ手伝って!」
「俺はやめとくよ。自分にしか出来ねえ仕事をずっと探してんだ」
「何それ・・・」
いつになったら見つかるんだそれは・・・それにどうやって食っていってんだ?
「魔物退治・・・なんか出来るわけないし・・・深海の宝探し・・・もあたし一人じゃな~」
「(魔物退治・・・これにしようかな?)」
「ん?子供向け魔法教室の先生募集!?これなら!」
「ふん」
「!!!ちょっと!!それあたしが見つけた・・・」
「早いもん勝ちだろ?」
「つーかアンタこんな仕事出来んの!?」
確かに想像は出来ない・・・顔で子供泣き始めるぞ?
「どんな仕事やろうが俺の勝手だろーが。磔んぞバニーガールさんよ」
「キィーーー!悔し~~~!」
「バニーガール・・・くくく」
「ちょっと!笑わないでよ!」
「悪い悪い・・・お詫びにどれか仕事についてってやろうか?」
「え~本当!?」
「どれに行きたいんだ?」
「(確か元聖十大魔導って言ってたわよね?それなら行けるかも・・・)じゃあ魔物退治で・・・」
「魔物退治か・・・じゃあ早速行くぞ」
こうしてルーシィを連れて魔物退治をする事になった。多分大丈夫だろう。
――――――――――――――――――――――――――――
フィオーレ王国西部にある鳳仙花村にやって来た。日本出身の俺にしては懐かしい東洋建築物・・・畳とかに寝転がりたい気分だ。
「依頼人の家はここね・・・こんにちはー」
「あいあい・・・何の御用ですかな?」
「あの~依頼を受けた
「おお~!よくぞ来てくださった。どうぞこちらへ・・・」
手招きを受けて俺とルーシィは依頼人の家に入る。中はやっぱり和の雰囲気・・・ここに住んでもいいかもしれない。
「早速ですが依頼について聞きたいんですけど・・・」
「はい・・・この村の近くにあった砦跡に知ってますかな?」
「盗賊達が住み着いていた所ですよね?」
「ええ、盗賊達はギルドの方々のおかげで排除出来たのじゃが今度はそこに怪鳥が住み着いてしまったのじゃ。今は食物だけの被害で済んでおるが成長すれば人を食い尽くすに違いない!今すぐ退治して欲しいのじゃ!」
「はい、分かりましたが・・・その怪鳥の特徴を教えてもらってもよろしいでしょうか?」
「特徴はペリカンみたいな嘴に鶏みたいな胴体で体長は2mぐらいと見た者は言っておったぞ」
「(どんな生き物だよそれ・・・だから怪鳥なのか?)」
「変な生き物ですね・・・それならすぐに見つかるかもしれません。早速退治しに行ってきます」
「気をつけるのじゃよ」
色々口調が崩れていてどういうキャラなのか分からなかったが取り敢えず退治しに行く事になった。そして砦跡に向かおうとしている。
「・・・砦跡の居場所は知っているのか?」
「前に依頼で行った事があるから大丈夫よ、え~と・・・」
「ジークレイン・フェルナンデス、ジークでいい」
「ジークは何で
「評議員クビになった後、色々と新魔法を試して放浪してたらマグノリアに着いてな・・・そこでマスターに会ったんだ。聖十大魔導のよしみで顔馴染みだったし、事情を話しちまったらいつの間にかこれだ」
そう言って右手の甲を見せる。
「ははは・・・」
「ギルドは初めてだがどのギルドもあんなものなのか?」
「あのテンションはうちだけのものだと思うけどね。それにそこが良い所だし」
「そうか」
「とは言っても毎回ギルドを破壊するような宴会はやめてほしいけどね・・・あ」
「何だ?」
「いや、あそこにボロボロの建造物があるでしょ?あれが砦跡なんだけど・・・」
「土や枯れ草が多いな」
ツバメの巣みたいだ。大きさは段違いだけど・・・あれ?
「なあ・・・もしかして複数いたりするパターンか?」
「ゑ?」
「ほら、ご老人も一体とは言ってないしな。もし二体いたら一匹ずつ相手するぞ」
「(え~~~!?これじゃフォロー期待出来ないじゃない!計画が狂っちゃったよ~・・・)」
・・・分かり易いぞルーシィ。まあ味方がいる所でアクエリアスだせないし、ロキも放浪癖あるから星霊界にいるかどうかも怪しいもんだからしょうがないか。
「ルーシィ」
「何よ~?」
「どうやら気づかれたみたいだな」
「え!?」
「どうやら一体だけのようだ。遠距離から支援してくれ」
「分かったわ!開け人馬宮の扉!サジタリウス!」
馬か人かよく分からん奴が出てきた。呼び出してる間にも鳥はこちらに近づいてきてる!
「ギュオオオオーーーーーーー!!」
「こっちからも打って出るか・・・
ヒュンヒュンヒュンと怪鳥の周りを動き回って相手の出方を見る。初見の相手に下手に手を打つのは危険だからな。
「お呼びでありますかもしもし」
「狙いはあのでっかい鳥よ!味方もいるから気をつけて!」
「了解でありますからもしもし!」
サジタリウスの矢が怪鳥に迫るが擦る程度で終わってしまう。速度も反射神経も結構ある・・・うお!?
「ギュオ!」
「危ねー、今度はこっちの番・・・七つの星に裁かれよ、
「ギュアアーーーー!!」
七つの光の柱が地に映り、それぞれが隕石に匹敵する程の衝撃を与える。奴は七つ全部を避けきる事は出来ずに一つをまともにくらってしまう。
「サジタリウス!今のうちに畳み掛けるわよ!」
「了解でありますからもしもし!」
「ギュアアアアアアーーーーーー!」
鈍くなった奴の動きではサジタリウスの矢を避ける事は不可能みたいだ。さっきからどんどん矢が胴体や羽に当たっている。
「ギュオ・・・」
「だいぶ弱まってきたわ!ジーク!」
「ああ!集え英雄達よ、
ゴゴゴゴゴゴ・・・チュドーーン!
空から現れた船が真下にいる怪鳥めがけてビームを放つ。スターライトブレイカーとタメ張れる威力・・・だといいな。
「――――――・・・!!(バタッ)」
「・・・やった?」
「多分な」
「・・・(ピクピク)」
「後は巣を確認して焼き払えばクエスト成功だ。退治した証拠はこの嘴でも切り取っていくか」
「う・・・それはジークに任せたわ」
「それじゃ巣の確認は頼む。枯れ草があるから油散らして火でも着ければいいさ」
「分かったわ」
ルーシィは勢いよく走っていった。解体現場を見たくないんだな。
「ルーシィがいなくなった事だし、いっちょやりますか」
行くぞ嘴!とりゃーーーー!!ギャアアアーーー!なんかネバネバした液体がーーーー!?涎か?涎なのかーーー!?
――――――――――――――――――――――――――――
「これで今月の家賃は確保したわね」
「プーン」
取り敢えず今日のクエストは難なく成功した。でも、あの巣から帰った後はジーク凄く液体まみれだったけどね。気にしないでくれと言ってたけど若干甲高く聞こえたからちょっと心配だなって思う。まあ相手の意向を無視するわけにはいかないから放っておいたわ。大丈夫かな・・・?
「それにしても20万Jの内、10万Jだなんてジークは太っ腹ね」
ナツやグレイは活躍したしてないでいつも依頼料の喧嘩するから内心私の分削られるとか思ってビクビクしてたわ。エルザいなきゃいつまでも続いてたと思うし・・・それに比べてジークは
「家に到着・・・「ルーシィ」うわ!?」
「プーン!?」
誰!?またナツ!?
「オイラだよ」
「・・・ハッピーだけかしら?」
「うん、そうだよ。ナツはちょっと調子悪いからもう寝てる。それよりこれの右下見て」
「右下?」
ハッピーから渡されたのは収穫祭のチラシだった。右下・・・ミス・フェアリーテイル?
「優勝賞金50万J・・・50万!?家賃七ヶ月分!」
「ミラやカナも出るけどルーシィも負けてないと思うよ」
「うーん・・・」
ぶっちゃけ今月の家賃はもう稼いじゃってるけど、貯めるのも悪くないわね。こうなりゃ出てやろうじゃないのよ!
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FAIRY TAILのジェラール・フェルナンデスに憑依してしまった主人公。ついに投獄フラグをへし折り、自由気ままに暮らそうとしましたが・・・世界の修正力(=作者の意向)はそれを許さないようです。これからの(作者の押し付ける)困難を乗り切れジェラール!