[起きて下さい、零冶。朝ですよ。]
「う・・ん・・・おはよう、ルナ。」
[おはようございます。今、7時です。顔を洗って近衛近衛門の所に行きましょう。]
「ああ。・・・ロキ?」
『・・・・・・・。』
・・・返事が無い。ただ寝ているようだ。・・・子供だな。
「さて、行くか・・・。」
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「・・・これは想像以上にキツいな。」
学園に向かう途中で女子学生達の視線に晒されている。みんなヒソヒソと話している。俺・・・・通報されたりしないよな?
そんな事を思っていると向こうの広場で何やら騒がしい事になっていた。気になって見に行くと身長の高く髪の長い子と、やや髪がショートな子の二人が5人のチャラい男に囲まれていた。俺はともかく、男が入っていいのか?
『何処の世界も似たような人間は沢山いますわね。』
・・・クシャナか。久しぶりだな。
「・・・マズいな。はぁ・・・助けてやるか・・・。」
見て見ぬフリは出来ないので、助けることにした。
「おいお前等。女の子相手に随分と大袈裟じゃねぇか。恥ずかしくないのか?」
「ああん!!?なんだテメェは!?」
「関係ねぇ奴は引っ込んでろ!俺たちはこのお嬢ちゃんがぶつかって来たから礼儀を教えてやるんだよ!!」
なんか訳の解らん事を言ってるが、ようするに・・・いちゃもんだろ?情けねぇ。
「い、言いがかりです!私達は謝ったじゃないですか!それに、ここは男性の立入が禁止されている所ですよ!!」
「あ、あぅ・・・・。」
身長の高い子は頑張って反論しているが、もう一方の子は怯えていた。
「んだとテメェ!!」
「っ!!」
雑兵Aが身長の高い子に手を挙げようとした。
・・・クズが。
「いい加減にしろクズ共。」
俺は女の子の前に立って雑兵Aの拳を片手で受け止めた。
「・・・え?」
女の子は自分が殴られると思っていたのか、少し呆然としていた。
「て、テメェ!!何のつもりだ!?」
「黙れクズ。か弱い女性に手を挙げるクズは生きる価値はない。」
『まったくです。殺してしまってはいかがです、
流石にそれはマズいだろ?
「がっ!?」
俺は雑兵Aのアゴに一撃をお見舞いした。そして雑兵Aは崩れ落ちる。
「なっ!?テメェ!!」
「やっちまえ!!」
・・・やれやれ、今ので力量が解らないのかねぇ?
『所詮クズですから、そんなことは解りませんことよ。』
・・・それもそうか。
俺は先ず雑兵Bの腹部に膝蹴りをして、くの字に折れ曲がる。そして、その男を雑兵Cに蹴り飛ばし、雑兵B・Cが錐揉みしながら吹き飛ぶ。そして残った二人の内右側にいる雑兵Dに縮地で距離を詰める。
「なっ!?」
Dが驚いている内に掌底を決める。男は5mほど吹き飛んだ。その時、
「きゃああ!!」
「う、動くな!!こいつがどうなってもいいのか!?」
雑兵Eがナイフを身長の高い子に突きつけて人質に取ろうとした。だが、そうは問屋が卸さない。
「クズがっ!」
「が!?・・・・・・。(ドサリッ)」
俺は縮地で距離を詰めて雑兵Eの首に手刀で気絶させた。
「す、すごい・・・。」
「・・・・・。(ポカーン)」
二人は俺が一瞬で片付けた事に驚いていた。片方は呆然としていたけど。さらに、周りにいる人たちも同様だった。
「おい、大丈夫か?」
「え?あ・・・あの、ありがとうございました!」
身長の高い子がお礼を言ってきた。
「気にするな。偶然通りがかったただけだ。」
「それでもありがとうございます!・・・あの、ところで・・・ここ、男子禁制なんですけど・・・どうして此処に?」
あ、そうだったな。
「ああ、今日から警備員になる者だ。学園長に挨拶に行く途中で騒ぎが聞こえてきたから見に来てみたんだ。」
「そ、そうですか・・・。」
俺は時間を確認すると8時前だった。
「おっと、時間だからもう行くね。それじゃあね!」
「あっ・・・・。」
俺は話を切り上げて学園長室に向かった。
Side ???
「おいおい、人にぶつかっといてその態度はないんじゃねぇの?」
私は亜子と通学していた時、男子禁制である場所にチャラい男の人たちが故意にぶつかってきて、いちゃもんを付けられていた。
「だから謝ったじゃないですか!」
私は虚勢を張って言い返しているが、正直怖かった。亜子も怯えて震えていた。だから、私が亜子を守らないといけない。だけど、この状況を乗り切る自信が無かった。私がもうダメかと諦めかけた時
「おい!お前ら、女の子相手に随分と大袈裟じゃねぇか。恥ずかしくないのか?」
高校生ぐらいの男子が声を掛けた。
「ああん!!?なんだテメェは!?」
「関係ねぇ奴は引っ込んでろ!俺たちはこのお嬢ちゃんがぶつかって来たから礼儀を教えてやるんだよ!!」
「い、言いがかりです!私達は謝ったじゃないですか!それに、ここは男子の立入が禁止されている所ですよ!!」
私は果敢に言い返すけど、もう限界だった。
「あ、あぅ・・・・。」
亜子も小さくなって震えている。
「んだとテメェ!!」
「っ!!」
そして、私の言葉に激昂した男が手を振り上げた。私は目を瞑って来る痛みに耐えようとした。けど、
「いい加減にしろクズ共。」
「・・・え?」
いつの間にか男子が私の前に立っていて、男の拳を片手で受け止めていた。
「て、テメェ!!何のつもりだ!?」
「黙れクズ。か弱い女性に手を挙げるクズは生きる価値はない。」
か、か弱い!?私が!?そんな・・・私なんて身長が高いからか弱いように見えないし・・・
という風に、私は違う方向に思考が行っていた。
「がっ!?」
男はアゴに一撃を受けて倒れた。
「なっ!?テメェ!!」
「やっちまえ!!」
残りの4人が一斉に男子に襲いかかった。私はさすがにダメかと思ったけど、
「なっ!?」
男子は一瞬で3人もの男達を倒した。でも、残りの男が見当たらなかった。そして、
「きゃああ!!」
「う、動くな!!こいつがどうなってもいいのか!?」
いつの間にか後ろに回り込んでいた男がナイフを私の首筋に突きつけた。とても怖かった。今にも泣き出してしまいたいぐらい怖かった。でも、
「クズがっ!」
「が!?・・・・・・。(ドサリッ)」
私が気付いた時には男子が男の首筋に手刀を入れて倒していた。
「す、すごい・・・。」
「・・・・・。(ポカーン)」
本当に凄かった。あっという間に5人の男を倒すなんて・・・。
「おい、大丈夫か?」
男子が声を掛けた。私は一瞬呆けていたけど、すぐにお礼を言った。
「え?あ・・・あの、ありがとうございました!」
「気にするな。偶然通りがかったただけだ。」
でもここは男子禁制なんだけど、何しに来ていたのだろう?
「それでもありがとうございます!・・・あの、ところで・・・ここ、男子禁制なんですけど・・・どうして此処に?」
私は恐る恐る聞いてみた。
「ああ、今日から警備員になる者だ。学園長に挨拶に行く途中で騒ぎが聞こえてきたから見に来てみたんだ。」
なるほど。警備員の人だったんだ。でも・・・若くないかな?
「そ、そうですか・・・。」
「おっと、時間だからもう行くね。それじゃあね!」
そして男子が学校の方に向かって走って行った。
「あっ・・・・。」
名前を聞くのを忘れていた。でも、警備員なのだから、また会えるよね?今度会ったらちゃんと名前を聞いておこう。とりあえず亜子を呼び戻さないと・・・。
「亜子・・・亜子!ほら、呆けてないで学校に行くよ!」
「・・・ふぇ!?あ、アキラ!?あ・・・さっきの人は?」
「もう行っちゃったよ。ほら、学校へ行こ?」
「え?あ・・・・う、うん。」
私達は学校へ行った。
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最近眠くてしょうがないです・・・。