No.462652

ONE PIECE —黒髪少年の描く世界— 第三十二話 晩餐会

霧宮 海さん

にじファンからの転載です。

しょっぱなから会話だらけ!
わかりにくいでしょうがどれが誰の台詞か考えてみてください!

2012-07-31 00:22:38 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:7652   閲覧ユーザー数:7444

 

無事ルフィが起き、よりいっそう騒がしくなった所で晩餐会が開かれる事になった。飯を用意してくれたのはテラコッタさんという人で、ルフィ達の知り合いの人の奥さんらしい。似たもの夫婦というより似すぎた夫婦らしい。旦那の方も見てみたいものだ。

 

 

 

 

 

 

「ルフィ!それ俺の肉!」

 

「おいしい!このたれが何とも言えな」

「ぼはべえふべ、ぼほっ」

「人が話してる途中に割り込む上に吹き出すな!!」

「この料理なんて言うんだ?作り方教えてくれ」

「これは…」

「うまいな…この酒なんていうんだ?色を覚えておくか。あ。この料理もスケッチしておこう」

「おむおむおむおむ」

「チョッパー君、焦らなくても量ならあるわ」

「そらどきな!邪魔だよ!」

「ルフィめ…俺の肉食いやがって…タバスコ仕掛けてやる…」

「ぼほおおおおおおおおお!!」

「ひゃっはっはっはっは!掛かりやがった!」

「お!あの料理の盛りつけも綺麗だな。スケッチスケッチ…あ、紙きれた。おニューの開けねーと」

「ヤマト!おめーも描いてばっかないで食え!」

「あんたは食べ過ぎよ!」

「そうだ!てめー俺の分まで食いやがって…!」

「ウソップ倍返ししたじゃねーか!」

「あんなもんじゃ足りねえ!」

「気をつけた方がいいぞルフィ、倭の国には昔からことわざで『食い物の恨みは恐ろしい』って言われてるくらいだからな」

「それ俺も聞いた事あるぞ!特に俺の場合弱肉強食の世界だったからな!」

「そりゃチョッパーも大変だったなー。ってルフィ!言った傍から俺のハム食うな!」

「やはほへんへんふっへへーひゃんひょ!」

「いんや!俺はちまちまと味わって食う派なんだ!」

「ふいほんはほうはいにふはへふほほほほほんへふんあ!」

「なんだとこんにゃろ〜〜!」

「…なんで会話が通じてるんだ…」

 

 

 

晩餐会はあちこちに言葉が飛び交っていた。衛兵達は騒がしい食事に慣れていないようで初めの方は顔をしかめていたがルフィ達を見ていたら自然に顔がほぐれてきていた。笑いは感染するものだ。チャカとペルも静かに笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 カポーーーーン

 

食事が終わって部屋で休んでいたらコブラ王がやってきて風呂に誘ってくれた。考えてみればささっとシャワーを借りたくらいで風呂に浸かっていなかった俺たちはありがたくその誘い乗る事にした。

 そしてその連れてきてもらった風呂がこれまたデカイ!!何このでかさ!さすが王族と言う感じだ。コブラ追う曰く宮殿自慢の大浴場らしい。たしかにこれは自慢できる。本来水不足なので雨期にしか使わないらしいが、数年ぶりの雨だからか戦いが終わってから降りっぱなしの雨のおかげでこの大浴場を使えるのだそうだ。

 

「俺が一番だぁ!」

「いんやおれだぁ!」

ほぼ同時に走り出すウソップとルフィ気持ちはわかる。わかるよー。確かにこんなに大きな風呂があったら一番に入りたいよなー。

 

「「ぶべっ!」」

でも風呂が滑りやすいということは忘れるなー。

 

「で?女湯はどっちだ?ん?」

こっちはこっちでサンジがイガラムさんにからんでいる。多分テラコッタさんの旦那さんはこの人だろう。絶対そうだ。似すぎた夫婦って言ってたし。兄弟並に似てるし。

「アホか!言える訳ないだろう、ビビ様もおるのだぞ!」

この人もビビの保護者って感じだな。きっと小さいときから面倒を見ていたのだろう。

 

 

 

「あの壁の向こうだ」

コブラ王が大浴場の壁を指差す。どうやら男湯と女湯は一つの部屋が壁で仕切られているような仕組みらしく、壁の一番上は開いている。

 

「「国王コノヤロー!!」父親だろうが!」

ん?どうやら初めの方がかぶったのはイガラムさんらしい。

「お!おっさんいけるクチだなー♪」

サンジの次にノリノリなのはウソップだ。

 

「はー、何やってるんだか」

ひとり浴槽に戻る。興味がない訳ではないが後が怖そうだ。

「ふー。きもちーー」

今までの疲れが全部取れていく気分だ。

 

 

 

 

 

 

その後俺以外の男性陣がナミにやられてから浴槽の方へ戻ってくる。一番重症なのはコブラ王だ。変態め。

 

「ありがとう」

鼻血を出して横たわって言う。

 

「「「「「「エロオヤジ」」」」」

「そっちじゃないわ!!」

おお、焦ったよ。まじでエロオヤジかと思った。

 

「……国をだよ」

言って床に手をつき、頭を下げる。

「コブラ様…!王が人に頭など下げてはなりません……!」

「イガラムよ、権威とは衣の上から着るものだ。だがここは風呂場。裸の王などどこにいようか。私は一人の父として、この国の民として心から礼を言いたいのだ」

コブラ王が頭を上げる。

 

 

「どうもありがとう」

「ししし」

ルフィが笑う。

なんだかんだでコブラ王はかっこいいと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここはいつでるんだ?」

部屋に戻って全員集合した所でルフィに聞く。

「ん?ああ、んーーー。アラバスタ料理を全部食べ尽くしてから!」

「んなの無理に決まってんでしょ!?ルフィは寝てたけどその間にも海軍が何回も宮殿に来てたんだから!」

ナミがルフィを殴っていう。そう、実は何回も海軍はここを疑ってきていたのだ。そのたんびにチャカが追い払っていたのだが、限界というものがあるだろう。

 

「今夜出るべきだ」

「えー」

サンジが言う。

「そうだな。それが妥当だ。長居する理由がねえ」

ゾロが同意する。

「理由ならあるぞ!アラバスタ料理を食う為だ!」

「それはあんただけでしょ!」

「ヤマトだって食いてぇよなあ?」

ここで俺に振るか?

「俺は画材を買ったらもういいよ」

「裏切り者ー」

ルフィが睨んでくる。なんとでも言いたまえ。

 

 

 

 

コンコン

「どーぞー」

 

ガチャ

 

「失礼します。あの…『ボンちゃん』という人から電伝虫が…『『Jokerちゃん』に代わって』と」

どうやら宮殿に掛かってきたらしく持ってきてくれた。

 

「『Jokerちゃん』て誰かしら?」

「あー、それは多分俺」

ビビの問いに手を挙げる。そして電伝虫に手を伸ばす。

「やめとけ。罠かもしんねぇぞ」

ゾロが警戒する。

「いんやだいじょーぶじゃない?根拠はないけど。むしろ危ない可能性の方が高いけど」

「高いんじゃねえか!!」

ゾロがつっこむ。確かにそうなんだよな。だってJokerて俺の元コードネームだし。

「まあまあ出てみようぜ」

 

 

 

ガチャリ

 

 

「モシモシィ!?モッッシイィィィ!!?んガッハッハッハア!!あちしよーーーーーう!あ・ち・しぃーーーー!!」

「うるさい」

 

ガチャ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんでもなかったな」

ニッコリ笑って言う。

 

ジリリリリリリリ

 

 

ガチャ

 

「ひっっどいじゃなーーいのぅ!ジョーカーちゃん!!あちしさみしい!」

「知るか。何の用だよ。これ海軍に盗聴されっかもしんねーんだぞ」

「そうなのよーう!だからあちしの事“Mr.2”って呼んじゃだめよう」

「今自分で言ったぞ」

チョッパーの通りだ。

 

 

「用件はあれよう、あれ!あちし、あんた達の船貰ったから!あんた達の船の上にいんの!」

「「「「「ふざけんな!!!」」」」」

「ち、違う違う!ちっがーうのよう!あちし達友達じゃなあい?」

「いや」

「え、そこは『いえす』というのよ、ジョーカーちゃん!!まあいいわ。サンドラ河の上流で待ってるわ」

 

ガチャ

 

 

「なんでもなくなっちゃったな」

ニッコリ笑って言う。

「何ニッコリ笑ってんのよ!やっぱり出ない方が良かったじゃない!」

ナミが叫ぶ。

「いや、出てなかったらもっと最悪だぜナミさん。俺らは船が何処にあるかわかんなかったんだ」

「そっか」

ナイスフォローサンジ!…それよりさっきからビビがずっと俯いたまんまなんだがどうしたんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえみんな、私…どうしたらいい?」

俯いてた顔を上げて言う。

なるほど。そう言う事か。

 

「どっちでもいいんじゃねぇのか?」

「ヤマト!」

ナミがいかにも『空気読めよてめぇ』と言う目で睨んできたが無視して続ける。

「ビビにはアラバスタがあるし、ここにはここの仲間がいる。だからここにいてもいいと思う」

ビビの目を見たまま言う。

「でも別にここにいなくちゃいけないわけじゃない。自由だ。『王女』ってことに縛られる事はない。こっちに来るのもお前の自由だと思う。思うっつーか、自由だ!」

にっ、と笑って言い切る。

それを見てビビも少し笑う。

「じゃあビビ、こうしよう」

 

 

 

 

 

 

 

ナミが言うに、あすの12時丁度に東の港に一度だけ船を寄せるから来たかったら来い、という事にしたらしい。これだったらビビも考える時間が十分とれる。

 

 

 

 

そして俺たちはサンドラ河上流へ向かった。


 
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