No.461635 外史テイルズオブエクシリア 闇の魂を持つ者の旅路の記録 第26話BLACKさん 2012-07-29 06:27:58 投稿 / 全5ページ 総閲覧数:1699 閲覧ユーザー数:1673 |
第26話 涙の別れ
ジュード達はミラの案内により、ニ・アケリア霊山へとたどり着いた。
一同は霊山を登っていると激しい金属音が聞こえてくる。
「きゃっ!」
「隠れてエリーゼ!」
それはガイアスとミュゼが戦っている音で、ガイアスが圧倒していた。
「私がこんなに苦しんでいるのに……。どうして、応えてくれないのよ! ずっと! ずっと! ずっと! マクスウェル様」
「精霊でありながら、なすべきことを自ら見いだせんのか」
「マクスウェル様のところには行かせない! それが今の私のすべて!」
ミュゼが小さな重力球を出すも、混乱しているために、ガイアスは目をつぶってでも簡単に避けてしまう。
「愚か……いや、哀れだな」
ミュゼはさらに混乱し、飛んで行く。
それを追うガイアス。
「あの二人が戦う音だったのー!」
「ファイザバート沼野で戦った時のガイアスさんの力はごくわずかだったようですね」
「ミュゼも、やっぱりどこか……」
「ああ」
「ですが、ここで考えても何もわかりません」
「今は先を急ぐべきね」
「マクスウェル、この山にいるみたいでしたしね」
「うん。間違いなさそうだね」
ジュード達は再び山を登りはじめ、そして山頂へと着いた。
「ここが山頂みたいだけど……」
「ああ、そうだ。私もここまで来るのは初めてだがな」
「なんだろここー、すんごいー! びんびん感じる―」
周りを見てみると空間の歪みらしきものがあり、そこには三人、人が立っていた。
ジュード達がそこに行くと、そこにはプレザとアグリア、そしてアルヴィンがいた。
「ウソ……」
「お前たち……だったのか」
「アルヴィン! どうして……」
「ジュード……」
「お二人まで……」
「また敵同士になれるなんて、喜んでいいのかしら?」
「アハハ! またあんたたちをいたぶれるなんてサイコー! おいブス!
そこのひょろひょろ、この男に撃たれたんだって?」
アグリアがジュードが撃たれたことを訊く。
「…………」
「やめろ、アグリア」
「アハハハハ!」
「悪いけど、今度こそ死んでもらうわ」
「そうはいきません」
「私は、ジュードさんとミラさんをマクスウェルに会わせなければならない」
「ローエン……?」
「ジュードさん、あなたがガイアスさんたちを特別と感じたのは……ミラさんも含め、二人が真に大人たる生き方をしているからです」
「私がか?」
「はい」
「アハハ! ジイさんはしてねーけどな!」
「お恥ずかしい話、そうなのでしょう。そして、アルヴィンさん、あなたも」
「俺が……」
アルヴィンは自分が大人な生き方をしてないと指摘されてうつむく。
「ご託はもういいよ、ジジイ! あんたは先にヘブンリーしな!」
アグリアが精霊術を使おうとすると、アルヴィンが手を広げて止めようとする。
「アル……」
「いや、俺はただ……」
「おい、ニイちゃん! どけ!」
アグリアの精霊術の炎がアルヴィンにぶつかり、アルヴィンは少し後ろに下がる。
「アグリア! どうしてあなたは!」
「うるせえ! あたしはな、陛下を裏切るわけにはいかないんだよ。
ババア! あんただって同じだろ! あたしたちの居場所はここだ!」
「そうね……陛下は私たちのようなゴミとされた人間まで傍においてくれた」
「プレザ……」
「ごめん、アル……あなたはやっぱり私の敵っ!」
「ここで役に立たなきゃ、お払い箱なんだよ!」
アグリアとプレザが武器を構えた時であった。
『ゴミって言うのは、外道なことを繰り返した奴を言う言葉だ。
任務以外でそうしたことないなら、それは言うべき言葉じゃない』
『!?』
ジュード達にしてはまた、プレザとアグリアにアルヴィンにとっては初めて秋山の声らしき声を聞いた。
「今の声は……」
「あの男、生きてたの!?」
「どこだ! 出てきやがれ!」
アグリアがそう言うが、他に誰も現れないし、声も聞こえない。
「ちっ、空耳かよ」
アグリアが再び武器を構える。
「いくわよ! アル!」
「ちっ、こうなるのかよ!」
そしてジュード達の元にアルヴィンが戻り、プレザとアグリアとの戦闘が始まろうとする。
ニ・アケリア霊山にて四象刃(フォーヴ)二人のプレザとアグリアとの戦いが始まった。
「プレザ……」
「アル、今度こそ、私の手で……殺してあげるわ!」
「ぶっ殺してやるよ! ブス!」
「アグリア……、私が止めてみせる!」
そして戦う。
「業火爆裂! ファイアボール!」
「危ない!」
レイアはその攻撃を避ける。
「今度はこっちが行くよ! 瞬迅爪!」
アグリアに向かって、突撃するレイア。
「ひゃははははは! 炎舞陣!」
アグリアが自分の武器を上に回すと、自分を中心に炎の竜巻が発生し、レイアやレイアを援護しようとしたジュードを襲う。
「うわっ!」
「きゃっ!」
二人は炎の竜巻に襲われ、後ろに飛ぶ。
「ジュード! レイア! ハートレスサークル!」
エリーゼがすぐにハートレスサークルで傷を癒す。
「うらうらうらうら!」
アグリアが傷を治している最中のレイアを襲おうとする。
「危ない! 魔神拳!」
ドロッセルがアグリアの意識を自分に向けるように魔神拳を放つ。
「おっと!」
アグリアはそれを簡単に避ける。
「あんたの方から死にたいわけ?」
「そのつもりはないわ……」
「じゃあ、あんたから殺してやるよ!」
アグリアはドロッセルの方に向かった。
「ふしゃっ!」
アグリアが武器を横から振ってくる。
「棍回舞(こんかいぶ)!!」
ドロッセルが自身の体を回転させ、アグリアの武器と自分の武器のトンファーとぶつける。
「はあああ! 戦空脚!」
秋山の竜巻旋風脚とジュードの輪舞旋風を参考にした、回転蹴りを繰り出し、アグリアは思わず、後ろに下がる。
「ちっ、これで終わらせてやるよ! グランドファイア!」
武器を前に振って、火柱を起こし、レイア達を襲う。
「レイア! 危ない!」
ジュードがレイアの前に出て庇う。
「うわっ!」
「ジュード!」
その時、レイアの何かが吹っ切れた。
「……アグリアーーーー!!」
「こいよ! ブス!」
レイアが突撃していき、アグリアはそれを迎え撃つ。
「火旋輪!」
「活伸棍・円舞(かっしんこん・ワルツ)!!」
レイアはアグリアの攻撃を紙一重で避け、光を纏った棍をアグリアに向かって振り回し、アグリアを飛ばした。
「ぐあああああああ!!」
アグリアは吹き飛んだ。
「アグリア、……わたしの勝ちだね」
その一方でプレザとの戦闘も行われている。
「スプラッシュ!」
スプラッシュをアルヴィンの上に展開させ、アルヴィンはそれを避ける。
「ヴァリアブルトリガー!」
アルヴィンが銃をプレザに向けて撃つ。
「ドラゴネス・ハンド!」
プレザの持つ本から竜の手が現れ、銃弾を弾く。
「ちっ!」
「これで終わりじゃないわよね? アル。ブルースフィア!」
水の玉がアルヴィンの上に落ちてくる。
「アルヴィン、危ない!」
ミラがアルヴィンを庇う。
「すまねえ、ミラ」
「構わん。私もあの女とは縁があるからな……」
「加勢しますよ、アルヴィンさん。フリーズランサー!」
ローエンが後ろからフリーズランサーをプレザに向けて放つ。
「ドラゴネス・ハンド!」
プレザは再び竜の手を出し、攻撃を凌ぐ。
「サンダーブレード!」
ミラがサンダーブレードを出し、サンダーブレードはプレザの近くに落ち、爆発する。
「くっ……」
爆発の煙が止むと、プレザはまだ立っていた。
「守護方陣……」
「やっぱやってたか」
アルヴィンも守護方陣を張ってわずかにだが体力を回復させていた。
「アルヴィン」
「最後は俺にやらせてくれ……」
「わかった」
アルヴィンとプレザが1体1の状態になる。
先に動き出しのたはアルヴィンであり、アルヴィンはジャンプした。
「これで終わりにするわ! ドラゴネス・スニーカー!!」
本から巨大な水竜が二体現れ、アルヴィンに向かって飛んで行く。
「間に合え!」
アルヴィンは水竜に向かって銃撃を撃つも、水竜は止まらない。
アルヴィンは持っていた剣で何とか防ぐも、後ろに吹き飛んだ。
「アルヴィン!」
「まだだ!」
アルヴィンは吹き飛びながらも、再び銃でプレザを狙撃。
プレザはガード体勢に入った。
その隙をアルヴィンは逃さなかった。
アルヴィンは剣に炎を纏わせた。
「我流紅蓮剣!!」
炎を纏った剣の炎は地面に到達すると、燃え広がり、プレザを襲った。
「ああああああああ!!」
「うおおおお!!」
アルヴィンは地面に着地すると、銃を撃った。
プレザはそれに気づいて、何とか本で防ぐも後ろに吹き飛んだ。
「はあ……はあ……」
「くっ……」
二人はその場に手と膝をつく。
「アル……たった数日間だったけど……あなたといられて幸せだった……」
「プレザ、俺は……」
「よかった……アルヴィン。居場所……あなたにもあるの……気づいて」
そんな時、山が揺れて、山頂が一部崩れる。
アルヴィンとレイアが駆け出した。
プレザとアグリアの居る部分が崩れ落ちそうだから……。
「プレザ!」
アルヴィンが手を伸ばすも、間に合わず、プレザは落ちた。
レイアの方は間に合い、アグリアの腕を掴む。
「アグ……リア! 今、助ける!」
「!」
アグリアは一瞬驚いたが、それでもいつものように話す。
「おい、ブス! てめーがいくらがんばっても、どうにもならないことってのがあんだよ!」
アグリアは自分からレイアの手を振りほどいた。
「アハハハハ! 絶望しろ!」
そしてアグリアも落ちて行った。
レイアは落ち込んだ。
「レイア……」
そこにジュードが声をかける。
「……うん……大丈夫」
「レイア……僕はレイアが昔からがんばってるの知ってる。
僕はそんなレイアに、何度も助けられたと思ってるよ」
レイアは涙を拭う。
「ありがとうジュード」
「ジュードはアルヴィンに声かけてあげてよ。わたしじゃ、ほら……」
「それならミラが……」
ジュードが立ち尽くしているアルヴィンの方を見るとミラが何やら声をかけていた。
「わたしだってね、がんばってもどうにもならないことがあることぐらい知ってる……。
でも、わたしの取り柄それしかないんだ」
「レイア…………」
その一方でミラはアルヴィンと話す。
「アルヴィン……お前、他に行くところはあるのか?」
「聞いてどうすんだよ……」
「私たちと行かないか」
「……俺はお前を撃とうとした裏切り者だぞ。
お前にここで殺されたって文句は……」
「それはジランドの時だ。今はもういい……」
「…………ジュードに謝る」
「そうした方がいいな……」
ミラがその場から離れる。
「ミラ、ぼくはアルヴィン君やだよー! また裏切られるー!」
ティポに言われるも、ミラは何も言わない。
「エリーゼは正直だな」
アルヴィンの元にはエリーゼとドロッセルがいた。
「エリーは素直で正直な子よ」
「そうか……。しかし……」
アルヴィンはジュードの方を見る。
「本気で俺を嫌ってるんだろうな」
「そうですよ。わたしもキライです!」
「エリーゼは……」
「なんですか」
「お前はそうやって文句言ってくれ。そういう本音、案外嬉しいんだ」
アルヴィンがエリーゼのおでこをつつく。
「ヘンタイさんも嫌いです! 行こ、ティポ! ドロッセル!」
エリーゼとティポは去る。
「アルヴィンさんもエリーみたいにもう少し素直になってみたらいいと思いますよ?」
ドロッセルも行く。
「……素直になったらか…………。ローエンの言うとおり……このままじゃ……」
アルヴィンも変わっていこうと思うのだった。
時間がわずかに戻る。
山崩れのせいで落ちていくプレザとアグリア。
「アル……」
「アハハハハ! 絶望したか? あのブス!」
『絶望したって人はそこから這い上がれる。
それが人の力だ』
「「!?」」
二人の耳に再び秋山の声が聞こえてくる。
「何!? また?」
「ちぃ、いよいよ死ぬ間際に来たって事かよ!」
『いや、お前たちを死なせないさ。
ただ、アグリア、お前には少しおしおきするがな』
するとプレザとアグリアの体が突然宙を浮くかのように落下スピードが遅くなる。
「これって……」
「……うっ!?」
アグリアは体が何かに拘束されたかのように身動きが取れず、急降下した。
「アグリア!?」
「な、なんだよこれ!」
アグリアはもがくも、体の身動きは取れない。
『言ったはずだ。お前には少しおしおきするってな。
お前は自分がいた環境のせいでそうなったみたいだが、その荒れたものは他人にまき散らすものじゃない。
自分の中で抑えて、昇華させるものだ。それにな、確かに頑張ってもどうにもならないことはある。
だが、それは一人でやった時の話だ。一人がダメなら二人、二人がダメなら三人、三人でダメならそれ以上でやれば、できないことなんてまずない』
「くそ! 放せ!」
『悪いが、地面に到達するまで無理だ。
だが安心しろ。この技をかけてる限り、勢いが強くても死ぬことはない。
まあ、怪我はするがな』
そしてアグリアは地面へと猛スピードで叩きつけられた。
しかし死んではいなかった。
それから少し遅れて、プレザが降りてきた。
「大丈夫?」
プレザがアグリアを見るが、意識はない。
「意識はない。けど死んでもいない」
「当たり前だ。技をしかけたりしたのは俺なんだからな」
プレザの前には一人の男が立っていた。
「あなたは!?」
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