No.461551

英雄伝説~光と闇の軌跡~  149

soranoさん

第149話

2012-07-29 01:18:09 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:959   閲覧ユーザー数:895

レンと特務兵達の戦いが終わり、夜が来たその頃、エステル達は救出作戦を開始するためにあらかじめ決めておいた集合場所に向かった。

 

~エルベ周遊道・夜~

 

「さてと……。集合場所はここでいいのよね?」

目印である石碑を見たエステルはヨシュアに確認した。

「琥耀石(アンバール)の石碑のある休憩所だからここで合っているはずだよ。問題は、ユリアさんたちが見つからずに来れるかだけど……」

「……その心配は無用さ。」

ヨシュアの心配に応えるかのように、ユリア率いる親衛隊達がエステル達の後ろにいた。

「わっ、いつのまに……」

「はは、よくそれだけの数が王都に潜伏できていたもんだな。」

「ほう。それだけの数が潜伏できたとは、特務兵共も案外ぬけているのだな。」

「灯台元暗し……ですね。」

ユリア達の登場にエステルは驚き、ジンは感心し、リフィアの言葉にプリネは頷いた。

「我々の理解者は市民にも大勢いるものでね。こちらの準備はできている。いつでも作戦を始めてほしい。」

「よし……。エステル君。号令をお願いしたい。」

「え……?あ、あたしが!?」

クルツに言われたエステルは驚いた。

「元々、君たちが請けた女王陛下直々の依頼だ。」

「ああ、お前さんの号令で始めるのが筋ってもんだぜ。」

「で、でも……。あたし、まだ新米だし……」

クルツとグラッツの言葉にエステルは及び腰で答えた。

 

「はは、関係ないさ。あんたなら文句はないよ。」

「ただし、あんまり大声を出さないようにね?」

「我々は手伝いだ。異存はまったくないよ。」

「私達もあくまで手伝いよ。ここは士気が高くなるのをお願いね♪。」

「ママ、頑張って!」

「あたしも今回の作戦の号令はエステルさんがすべきだと思います。」

「あ、あう……」

先輩遊撃士達やユリア、そしてカーリアンやミント達に押されたエステルは断れなかった。

「エステル、自信を持って。」

「細かいことは考えるなって。こういうのはノリさ、ノリ。」

(期待しているわよ、エステル!)

(うむ。)

「ファイトです、エステルさん。」

「フフ……どんな号令をするのか、楽しみよ。」

「ま、この場の主役は貴女ですわ。」

「みんなの言う通り、ボクもそう思うよ!」

「号令を……お願いします………エステルさん………」

「うん……。………………………………」

ヨシュアとジン、そして使い魔達の励ましに頷いたエステルは全員が見えるように、石碑の前に立った。

「全作戦要員に告げる……。これより、エルベ離宮攻略、および人質救出作戦を開始する!」

こうして人質達の救出とエルベ離宮の攻略作戦が始まった!

 

「はあ……さすがに腹が減ったな。そろそろ交替時間じゃないか?」

飛行艇を守っている見張りの特務兵が暇そうにぼやいていた。

「おいおい、たるんでるぞ。いつ、潜伏中の親衛隊が現れるかもしれんのだからな。」

「逃亡してるのは10名にも満たない数だろ?そんな連中、大佐が本気になればあっというまに狩りつくせるさ。」

ぼやいている特務兵にもう一人の特務兵が注意をし、それを聞いた特務兵は気楽に笑って言った時

「……やれるものならやってみるがいい。」

ユリア率いる陽動班が特務兵達の前に姿を現した。

「な……!」

「親衛隊中隊長、ユリア・シュバルツ!?」

そしてユリア達は見張りの特務兵達と戦闘を開始した!戦闘は終始、ユリア達の有利でユリア達は見張りを気絶させた。

 

「何とか片づいたか……。むっ……」

戦闘が終了し、一端一息を吐いたユリアは多数の特務兵達や軍用犬達を率いる中隊長に気付いた。

「バカな連中だ……。飛行艇はロックされている。簡単に使うことはできんぞ。」

「………………………………」

中隊長の嘲笑をユリアは黙って聞いていた。

「おとなしく大佐に従っておけば命だけは助かったものを……。おのれの頑迷さを呪って死んでいくがいい!かかれっ!」

中隊長が特務兵達に号令をかけたその時

「「「グワァッ!?」」」

特務兵達の何名かが何者かに攻撃された!

「ゆ、遊撃士だと!?貴様ら、軍に歯向かうつもりか!?」

不意打ちに驚いた隊長は悲鳴が聞こえた方を振り向き、不意打ちの相手が遊撃士と気付き、クルツ達を睨んだ。

「あいにくだが……君たちはすでに違法的な存在だ」

「陛下のお墨付きがある以上、遠慮なく行かせてもらうよ!」

「クッ………敵は少数だ!一気に決めるぞ!」

クルツとカルナの言葉に顔を歪めた中隊長が命令したその時

 

「封印王の槍!!」

「狂気の槍!!」

「貫け!………アイスニードル!!」

「キャハッ♪」

「それぇっ!!」

「「「「ギャアッ!?」」」」

リフィアやプリネ、ツーヤの魔術、エヴリーヌが放った矢やカーリアンが放った衝撃波が特務兵達に命中した!

「超・ねこ、パ~ンチ!!」

「水よ……行け……!連続水弾……!!」

「行きますわよ………大放電!!」

「「「ギャンッ!?…………」」」

さらにペルルのクラフトやマーリオン、フィニリィの魔術が軍用犬を襲い、何匹かを倒した!

「なっ!?き、貴様は”戦妃”!!それに貴様等はメンフィル皇女!!メンフィルの武将や皇族がなぜ遊撃士や親衛隊達の味方をする!?」

カーリアンを見た中隊長はうろたえて、叫んだ。

「フフ………この私がただの見物人でいると思ったの?」

「お前達の企みもここまでだ!大人しく、縛につくがいい!」

「民の平和のため、”覇王”より受け継ぎし剣技………今ここで震いましょう!」

「ちょっとは耐えてよね?キャハッ♪」

「貴方達の事は絶対許しません!覚悟して下さい!」

「君達の企みはここで終わりだよ!」

「我が魔術と槍術にひれ伏しなさい!」

「参り……ます……!」

こうして要撃班と特務兵達が戦い始めた!

 

~エルベ離宮前~

 

「よし、要撃班が動いたぞ。」

戦いの喧騒に気付いたジンは作戦の一部が開始された事を言った。

「まず自分たちが先行して前庭で残存兵力を引き付けます!その隙に、あなた方は離宮内部に突入してください!」

「うん、わかったわ!」

「女神達の加護を!」

「みんな、頑張って!」

そして親衛隊達が先に離宮に突入した。

(よし………我等も行くぞ!)

(ええ!行ってくるわね、エステル!)

「みなさんも気を付けて下さい!」

「フフ……腕がなるわ。」

「うん!みんな、親衛隊の人達の援護、お願いね!」

そしてパズモ達も親衛隊達に続くように、離宮に突入した!

「親衛隊が現れたぞ!撃破するぞ!」

「「「「おう!!」」」」

親衛隊の登場に離宮に残っていた見張りの特務兵達は親衛隊達と戦闘を始めた。親衛達達と特務兵達が戦闘を始めた時、パズモ達も離宮に到着した。

「さて………ニル達も始めましょう!」

(ええ!)

「はいっ!」

(ああ!)

そしてパズモ達は親衛隊達の援護や特務兵達との戦闘を始めた!しばらくするとエステル達が武器を構えながら、離宮の前に突入した。

 

「よしよし……。やってくれてるようだな。この隙に建物に突入するぞ。」

「オッケー!」

「了解です!」

「はーい!」

そしてエステル達はエルベ離宮に突入し、見回りの特務兵達を倒しながら人質達が閉じ込められている部屋を探し始めた…………

 

 

 


 
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