No.461232

ソードアート・オンライン―大太刀の十字騎士―

ユウさん

天才茅場晶彦の隣に住む、もう一人の天才の物語。

2012-07-28 19:33:38 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3145   閲覧ユーザー数:2959

僕、詩暖雛木(しのんひなぎ)は裕福な家庭に生まれた。

 

生まれた時は普通の男の子だと、思われていた。

しかし、僕は常人より遥かに発達した頭脳を持っていた。

 

生まれて二日で言葉を理解した。

 

一ヶ月経つと歩き、喋るようになった。

 

一歳になると、本を読むようになった。

 

二歳になると、読む本が難しいものになった。

 

小学校に入る頃には、高校を卒業できるレベルに達していた。

 

最初の頃は両親も喜んだが、時がたつにつれ、気味悪がるようになった。

 

そして、中学に入ると、両親は僕を置いて消えた。

別に悲しくもなかった。名前さえ覚えてないのだから。

 

だが、僕はお金を持っていなかった。

そんなとき、僕を助けてくれたのは、隣に住む、茅場晶彦という量子物理学者だった。

 

彼は前々から、優しくしてくれた。

彼の家には沢山の本があり、僕の興味をそそった。

 

彼に協力してもらい、自分の知識を使い、発明し、それを日本に売った。

 

介護用ロボット、高い知識を持ったAI、その他にも作った。

 

そのお金で僕は生活にかかる費用を賄った。

 

それを使い、無気力に生きた。

 

そんな、僕の生活に変化を与えたのは、またしても茅場晶彦だった。

 

彼が開発したVRMMORPG<ソードアート・オンライン>。彼が無気力に生きる僕のために、そのゲームのベータテストの参加者資格をくれたのだ。

 

最初はゲームには興味はなく、言われるままにやり始めた。

 

しかし、やり始めると僕ははまった。

 

今まで見たことない世界、リアルに再現されたアバター、まるで夢のようだった。

 

武器が剣というところにも惹かれた。

 

唯一やっていた剣術、それを試せると知って興奮した。

 

テスト期間である二ヶ月は、あっという間に終わってしまった。

 

育てたキャラクターがリセットされた日は、まるで身を削られた様な思いだった。

 

 

――そして、二○二二年十一月六日。

 

 

ソードアート・オンラインの正式サービスが開始された。

 

その時、僕はまだ知らなかった。

 

 

 

ソードアート・オンラインがデスゲームであることを。

 


 
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