真・恋姫✝無双~だけど涙が出ちゃう男の
[第13話]
移民対策が一応の決定をみたので、内政と軍事の改革に乗り出しました。
“情報”を送受信して製法取得や産出地の選定を行います。
製作技術を確立出来ても原料が無かったり、その逆も又然り。
皆の助力や助言が無ければ、本当に大変な事になっていたところでした。
まずは領内を発展させる為にも、内政に力を注ぎました。
学校を建設して、将・文官・職人などを育成していきました。
技能修得と共に道徳教育を行い、人格・精神の醸成を
最初は南鄭のみでしたが、その後見所のある人物を司馬徽に推薦して貰って、その人物を代表者として他県にも学校を建設していきました。
区別をつける為に南鄭の司馬徽の居る学校を大学、他県の学校を小学と命名します。
蜀地域にて生産されていた『蜀錦』と呼ばれている絹織物を増産しました。
手織り機を開発・改良し、工場化・分業化を採用して生産性を上げています。
それらの品で、シルクロードを使っての西域交易を行いました。
蜀地域にある金・銀・銅・鉄・錫・鉛などの鉱山を見つけ出しました。
これを管轄下に置いて運営する事で、いずれは大陸の金属市場を制御下に置こうと思います。
製鉄・製鋼技術を向上させる事で武具・農具の質を高め、それらを順次配備していきました。
これらの宝石を加工して、付加価値をつけてから販売しています。
試作品を厳顔達にあげたら、とても喜んでくれました。
農地開墾・兵農合一政策・水利灌漑事業を展開しつつ、技術向上による農機具改良などで農業生産向上・食糧増産が出来ました。
これにより地方豪族の既得権益を取り上げ、農民の生活が向上していきました。
蜀地域にある塩分を多く含む土地を発見・管理して塩井を作り、そこから出る塩水を製塩して井塩(煮塩)を作りました。
塩は漢王朝の専売品の為に単品では販売出来ないので、味噌や醤油を開発して販売しています。
米・麦などの穀物や
種菌は木炭などを使用して保存が効くようにしています。
味噌は麹・塩・豆を配合・熟成して作製しました。
醤油は、たまりが味噌作成時に出来たので、それを改良して増産しています。
発展形として、味噌や醤油の調味料と蜀竹を使ってメンマを作製し、麹と蜀地域の清流水を使って蒸留酒を作って販売していました。
後日。新酒を厳顔と黄忠に見付けられてしまい、宴会が開かれてガブ飲みされました。
次の日、2人が妙に大人しいと思ったら二日酔いでした。
あの2人を撃沈させるとは、どれだけ強い酒なのでしょうね?
内政の次は、領内の治安を守る為に軍備の増強に力を注ぎました。
長槍の長さを更に伸ばし、接合部分を強化して打撃武器としました。
全身鎧を開発したので、歩兵を重装歩兵に逐次変更していこうと思います。
日本刀を開発して、槍や盾などの武器が使用不能になった場合の予備武具として配備しました。
隠密部隊には特別に忍者刀を開発して配備しています。
なんでも、塀を越えたりする時に直刀の方が足場に都合が良いとの事でした。
弓・弩に滑車を取り付け改良して化合弓・化合弩を作製しました。
それにより飛距離や命中精度を飛躍的に伸ばす事が可能になります。
更には、化合弩に多射機能を取り付けた化合連弩を開発しました。
騎馬に
更に人や馬に鎧を着せて防御力・突貫力を高めた重装騎兵と、化合弓を配備して騎射・偽装退却を行える弓騎兵を新設しました。
攻城兵器には破城槌・攻城櫓を始めに、バリスタ式投石機・カタパルト式投石機・トレビュシェット式投石機などを製作しました。
水軍には、闘艦・楼船・露橈・斥候などを製作して配備しました。
闘艦には鉄の板を張り付けて、鉄甲船とした物も製作しています。
バリスタ式投石機や化合連弩などを常備して、戦闘力を飛躍的に向上する事が出来ました。
投石機の狙いを自由自在に変更する為に、90度ほど回転するように足場の取り付け金具を改良しています。
ボクは益州に帰還後、優秀な皆と供に内政や軍備の増強に精力を注ぎ込みました。
増えるばかりで一向に減る事が無い移民・流民への対応・対策。
それに伴い増大する食糧消費と維持費や管理費。
先住土着の住人達と荊州などからの新着住人達の確執の仲裁。
費用捻出に頭を悩ませつつ特産品・鉱山・塩井の開発や販売。
移民・流民を雇用して、それらの施設に派遣。
治安向上の為に軍備の増強と部隊の新設。
やる事ばかりが増えて、てんてこ舞いでした。
それらの案件も何とか一段落が付いたので、ボクは開発した武器の試し打ちに郊外の兵器試験場へ行く事にしました。
ボクの随行人は、黄忠・諸葛亮・周泰・璃々ちゃんです。
璃々ちゃんは遠足と勘違いしたのか、着いて行くと言って聞きません。
「では、計画は順調なんだね?」
ボクは調和の馬上で、荷馬車に居る諸葛亮の報告を聴いて発言しました。
「はい。移民・流民の皆さんにも、積極的に開拓や開墾して貰いました。皆さんにしても、自分たちの住む場所を確保出来るので喜んでいます。開拓・開墾時の初期費用返済については、総税率の1割増で対応しました。それも数年で回収できて同率に戻せると思います」
諸葛亮がボクに移民対策の成果を教えてくれました。
ボクは、他の案件も聴く事にします。
「西域貿易や塩井・鉱山の方は、どうなんだい?」
「西域では絹は金と同じ価値を持つようです。その為に予想をはるかに超えた莫大な利益でした。塩井・鉱山の方も順調に採取・採掘できています。特に鉄鉱石などは武具・農具の性能向上・普及に役にたっています」
内政は問題無く良い循環をしているようで、ボクは一安心しました。
「軍備の方は?」
「問題は無いと思います。部隊に逐次、開発した武具・防具に変更して貰っています。新設した部隊も桔梗さんを始めとした将軍方が教錬をして、錬度を向上させていますから大丈夫です」
軍備の方も問題は無いようで良かったです。
ボクは報告をする諸葛亮を見て、これまでの事を振り返ってみました。
最初は、しこりがあった益州組と荊州組。
それも忙しい為か反目する事も次第に無くなり、いつの間にか一丸となって領地経営を行っていくようになりました。
それに伴い、技倆も上がっていくという良い循環を促します。
ボクは一角の人物になっていく皆を誇らしく思いました。
報告を聴いている内に、いつの間にか兵器試験場に着きました。
試験場と言っても、柵で
ボク達は、ここに持って来た武具を並べていきました。
「さて。まずは弓から試験してみようか」
並べた武具の中から弓をボクは選び、試射して貰う事に決めました。
ボクは黄忠に弓を渡しながら言います。
「弓といえば、紫苑に敵う者はいないからね。よろしく」
「ふふふっ。そのように言われては、答えぬ訳にはいきませんわね」
黄忠は、そう言いながら弓を受け取り試射していきました。
射的の正中を連続して射ていく母親を見ていた璃々ちゃんは、『お母さん、すごい!すごい!』と大喜びです。
黄忠も娘のそんな声援に満更でもないようでした。
試射の感想を黄忠に聞くと、小さい力で弦を引く事が出来て飛距離も向上しているそうです。
諸葛亮が開発した連弩を周泰が試射した時、観察していたボクは驚きました。
『向こうが一発撃ったら御礼に10倍返しって、どこぞの不良ですかぁ?』と、言わんばかりの威力だったからです。
ボクたちは次々に試験していき、改良点を弾き出していきました。
「刹那様。向こうから焔耶さんが来ました」
試射を続けていると、目が良い周泰が
ボクは視線の方向を合わせましたが、魏延が米粒にしか見えません。
あれで人物を特定出来るなんて、周泰はどんな視力をしているのでしょうね?
暫く待っていると、魏延が神妙な顔をして近づいて来ました。
何かあったのでしょうか?
魏延が
「え?」
それは、益州牧の父・劉焉が亡くなったという知らせでした。
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無難な人生を望み、万年やる気の無かったオリ主(オリキャラ)が、ひょんな事から一念発起。
皆の力を借りて、皆と一緒に幸せに成って行く。
でも、どうなるのか分からない。
涙あり、笑いあり、感動あり?の、そんな基本ほのぼの系な物語です。
『書きたい時に、書きたいモノを、書きたいように書く』が心情の不定期更新作品ですが、この作品で楽しんで貰えたのなら嬉しく思います。
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