夕食の後、フェイトに一日だけムサシたちを貸してくれと言ってきた。どうやらかなり気に入ったみたいだ。ムサシの顔は引き攣っていたが・・・。とりあえずムサシたちに頼んで一日だけフェイトと一緒に過ごしてもらった。帰って来ると二人はかなり疲れた顔をしていた。・・・今日は休ませてあげよう。
そして次の日の休日、フェイトと一緒にとある温泉に来ていた。なぜ温泉に来ているのかというと、
「旦那様、この近くに温泉があるみたいニャ!」
「行きたいニャ~。」
「我が儘言って申し訳ないですニャ。でも以前はギルドの温泉に入っていたけれど、ここ最近は温泉に入ってニャかったので是非入りたかったのニャ!!」
と、あのつぶらな瞳で見られてお願いされると断れない。むしろ断るやつがいたら教えて欲しい・・・八つ裂きにするから。そしてついでということで、フェイトとアルフも誘った訳だ。さて、温泉に入りますか。
このあと温泉に入ろうとした高町家御一行に出くわして高町家の部屋に連行された。
・・・・た、助けて。
Side フェイト
零冶から温泉に行こうって言われたときはちょっと驚いたけど嬉しかった。それにムサシとコジローもいる。・・・うふふ、また抱きしめたいなぁ。
「フェイト、早く一緒に入ろうよ!」
「うん、わかった。」
アルフは早く入りたいのか、尻尾を勢いよく振っている。すぐに私もお風呂に入ろう。
「はぁぁ~~。気持ちいい~!フェイトもそう思うよね?」
「うん、すごく気持ちいいよ。・・・それと、アルフ。」
「わかってるよフェイト。すぐ近くに感じるよ。」
「うん、でもすぐに発動する感じじゃないね。」
「そうだよ~、だからフェイトも今は温泉を楽しもうよ~。」
私はアルフと温泉を楽しんだ。初めて温泉に入ったけどとっても気持ちよかった。お風呂から上がると部屋で零冶は何故か酔っ払っていた。どうしたのか聞いてみると
「・・高町家の・・・やつらに・・・・飲まされ・・・うぷっ。ハアハア・・・す、すまんフェイト
、・・・・今日も・・・多分・・・む・・り・・・パタリ。」
「れ、零冶!?」
「あちゃ~こりゃ完全に泥酔状態だね。一体どんだけ飲まされたんだろうねぇ?」
「うん、高町って言ってたけど、知り合いでもいたのかな?」
「まぁ、多分レイジがいなくてもあのガキんちょなら大丈夫だよ。一応昼に忠告しておいたしね。」
「・・・そうね。」
うぅ、また零冶と行けなくなった。でも零冶は悪くない?から仕方ないよね?
「それよりもフェイト、ジュエルシードを探しにいこうよ。」
「うん・・・行こう、アルフ。」
私は零冶を布団に寝かせるとジュエルシードを探しに外へ出た。
「・・・アルフ、だいぶ位置を特定できたよ。」
「さっすがアタシのご主人様!」
「うん、たぶんあの子も来ると思う。」
「さっきも言ったけどあんなガキんちょ、フェイトなら余裕だよ!」
「・・・うん、私は負けない。」
そしてジュエルシードの近くに着いた・・・もう発動している。
「封印するよアルフ、サポートして!」
「あいよ、フェイト。」
「ジュエルシード・シリアルⅩⅦ、封印。」
私はジェルシードを封印した。
「これがロストロギア・・・。それにしてもすごいパワーだったねぇ。でもなんであのクソバ・・・フェイトのお母さんはあんなものを欲しがっているのかねぇ?」
「・・・解らない。でも理由なんて関係無い。私は母さんのためにジュエルシードをあつめる。ただそれだけ。」
「フェイト・・・。」
アルフが心配そうに私を見る。大丈夫だよアルフ。私は絶対にジュエルシードを集めてみせるから。
そして私がジュエルシードを手に取るとふと、声がした。
「・・・あっ。」
声がした方を見るとあの子がいた。・・・やっぱり来てしまったのね。
「あ~らあらあらあら。」
「・・・あ!?」
「忠告しなかったっけ?子供は良い子でって言わなかった?」
「それをどうするきだ!!」
「さぁね。答える理由が見当たらないねぇ。それにさぁ、アタシ親切に言ったわよねぇ?良い子でないとガブッといくよって!」
アルフは人間から狼に変身した。
「やっぱり・・・あいつ、あの子の使い魔だ!」
「ご名答~。フェイト、すぐに追いつくから待っててね。」
「うん、無理しないでね。」
「おっけぇぇ!!」
アルフはそう言うとあの子に飛びかかった。でもあの子の使い魔の結界に防がれる。
「なのは、あの子をお願い!!」
「させると思うかい!!」
「させてみせるさ!!」
あの使い魔の結界にさらに魔法陣が浮かぶ。
「移動魔法・・・・マズッ!!」
そしてアルフとあの使い魔は転移した。
「結界に強制転移魔法・・・いい使い魔を持っている。」
「っ!ユーノ君は使い魔なんかじゃないよ!私の大切な友達だよ!!」
「・・・っ!」
使い魔じゃ、ない?それに・・・友達?ううん、そんなこと・・・今はいい。
「で、どうするの?」
「・・・話し合いで何とかできないかな?」
「私はジュエルシードを集めなければいけない。だから私たちはジュエルシード取り合う敵になる。」
「だから、なんでそんなこと決めつけるの!そういう風に決めつけないために話し合いは必要だと思うの!」
「話し合いだけじゃ、言葉だけじゃ伝わらないこともある。」
話し合いだけじゃ・・・意味ないよ。言葉なんかで伝わらない事もあるんだよ。だから・・・私はバルディッシュを構えてあの子に斬り掛かる。
「っ!?でも、だからって!!」
「賭けて、お互いのジュエルシードを一つずつ。」
[フォトンランサー!]
「っくぅ!!」
あの子はギリギリで避けた。
[サンダースマッシャー!]
「ディバインバスター!」
お互いの魔法が拮抗する。
「レイジングハート、お願い!!」
[了解!]
あの子の魔法の威力があがった。・・・っく、押し切られる。でも・・・甘い!
あの子の魔法が命中する直前に回避した後、私は自慢の機動を生かしてサイスフォームであの子に奇襲を掛ける。
「・・・あっ!?」
そしてあの子の首筋にバルディッシュを突きつける。
「・・・う、うぅ。」
[・・・パージ。]
するとあの子デバイスがジュエルシードを出した。
・・・主人想いで良いデバイスね。
「レイジングハート!!何を!?」
「きっと、主人想いの良い子なのね。
そして私はジュエルシードを回収した。・・・これで三つ。
回収したあと私は地上に降りた。
「帰ろう・・・アルフ。」
「さっすがアタシのご主人様!それじゃあね、おチビちゃん。」
「待って!!」
あの子が呼び止め、私は足を止めた。
「できるなら私たちの前に現れないで。今度は止められないかもしれないから。」
できれば私はあの子を傷つけたくない。でも私の邪魔を・・・お母さんの邪魔をするなら・・私は容赦しない。
「名前・・・あなたの名前は!?」
「フェイト、フェイト・テスタロッサ。」
「わ、私は・・・」
あの子が何か言う前に私は飛び去った。
早く零冶に報告しよう・・・。
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第十二話 温泉地での攻防