「そういえば、そろそろオリンピックの時期かな…」
会議終わりの歓談中にスポーツの話題となり、ふと思い出した。
俺がここに来てからの年数を考えると、確か今年の今頃だったはずだ。
まぁ、今が無印の続きとすると北京を見てないことになるし、真だとロンドンの次がリオでやることも知らないはずだ。
…諸々の事情は棚上げしておこう。
「おりんぴっく?それは何かしら。競技名?」
未知の言葉に真っ先に興味を覚えるのは華琳だ。
「いや、これは競技名じゃなくて大会名だね。五輪とも呼ばれていて、色んな競技の選手が世界中から集まって記録や優劣を競うんだ」
「ふむ……面白そうね」
「何故、五輪とも呼ばれるのだ?」
興味津々といった風に、冥琳も少し前のめる。
「冥琳や華琳とかには話したことがあるけど、この大陸の他にも、海や山の向こうに大きな大陸がざっくり分けて4つあるんだ」
「え~っ!?このおっきい大陸が、あと4つもあるの?」
「うんまぁ、全部同じくらいの大きさじゃないけどね」
「ちょっと想像がつかないわね…」
初耳の桃香と蓮華は驚きを隠せないようだ。
無理もない。
日本なんかと比べると、いま俺たちがいるこの大陸は途方もなくデカイ。
この時点で国家としての呈をなしている中では、恐らく最大だろう。
その盟主たる彼女達をしても『今』の常識からは想像できないのも仕方がない。
「その5つの大陸を輪に例えて、平和に手を携えていこうって言う意味でこう……5つの輪を繋いだ意匠が象徴の大会なんだ」
俺は何故か手近にあった文字練習用の砂箱に、あの五輪マークを書いた。
皆どれどれと思い思いに覗き込む。
「わぁ~、素敵な大会だね~♪」
「開催地でモメそーねー」
「…そういう理念なら、これでは不十分ね。こういう意匠の方が良いのではないかしら」
桃香が素直に感心してくれているのに、雪蓮が茶々を入れ、華琳に至っちゃ五輪マークにケチをつけ俺が書いた図を消し、明智桔梗のような形に輪を配置して、全ての輪が重なっている絵を描いた。
…確かにこっちの方が良いな。
感心していると、桃香がパチンと手を合わせる。
「じゃあじゃあ!私たちは三輪、ってことになりますね!」
言うや、桃香は大きな紙と筆を取り出す。
「これが魏で…これが呉、これが蜀で……そうだっ!これがご主人様!!」
大きな丸が上に1つ、下に2つ。そして3つの丸が重なった中に、小さい丸がもう一つ描かれていた。
「ほう、これは……」
「…なかなか、どうして」
「はわわ~!素晴らしいですよ、桃香さま!」
冥琳・稟・朱里が感嘆の声をあげる。
「一刀を私たちが囲っているってのが良く分かるわねぇ~♪」
……雪蓮は酔ってるのか?
「三国同盟の理念がよく表れているわね」
「桃香にしてはやるじゃない。素晴らしいわ」
「えへへ~♪」
華琳から始まった拍手は会議場全体に広がり、ついにスタンディングオベーションに帰結した。
桃香も満更ではないようだ。
どうやら凄いことらしい。
……スポーツの話してたんだけどな。
「それじゃ三輪改め、四輪運動大会、やっちゃいましょ~~!!」
「「「おーーー!!!」」」
こうして近代五輪に先駆けること約1700年。
中国の地にてオリンピックが開催されることになった。
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世の中オリンピックで盛り上がりそうですね~
そんな中、ふと思いついたんで書いてみました!
本編(?)を書くかどうかは未定で~すw
なんか競技を見る中で思いついたら書きます。