No.457893 魔法少女リリカル的ななにか プロローグ 始まりは突然に天文さん 2012-07-23 02:06:20 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:3050 閲覧ユーザー数:2766 |
「ありがとうございましたー!」
客が出ていくのを見送って、俺はため息をひとつ漏らす
時刻は11時を過ぎたところ、深夜帯のコンビニのバイトは給料がいいことを除くと苦痛しかない
酔っ払いのオッサンは絡んでくるは、騒ぎながら来店してくる学生共が絡んでくるは
・・・絡まれてばっかじゃねぇか!
休日だというのにバイトに勤しんで何をしているのだろうか俺は。もっと別のことに時間を割こうとは思わなかったのか
いえ、何。どうせそんな親しい友人もいませんし?家にいてもアニメを見るかゲームをするだけですし?頼まれたら「NO!」と言えないのが日本人ですし?
「・・・・・・何してんだろうな、俺」
煙草に火をつけ一人愚痴る、店内には誰もいないし聞かれたところで困るもんでもない
まぁ、別にバイトが嫌いだとか人間恐怖症だとか決してそんなのじゃない
それに来月には「魔法少女リリカルなのは the movie 2nd a's」が上映開始だ
それにコミックでマーケットな祭典もある。お金を稼いで損はないのだ!つまり今のこの時間も無駄ではないんだ!時給1000円は伊達じゃない!
稼いだお金の大半はなのはに消えるけどな!冬は腹痛と寒さに耐えながら並んでいたが目の前で目当ての品が切れたと言われた時はポケ○ンじゃないけど目の前が真っ暗になった、割と本気で。
だがしかし、夏は違う。祭典三日前から食事を制限しなるべく腸にアレが溜まらないように『ピンポーン』じゃかぁしィ!客は帰れや!
などと言える訳もなく、咥えていた煙草を灰皿に押し付けレジに向かう
「いらっしゃいま「騒ぐな!金を出せ!」ーーーせ!?」
何!?お客さんどうしたの!?酔っ払いにも限度があんよ!?
などと現実逃避してみようと、目の前の光景とは違うことを考えるが
「聞こえてんだろ!死にたくなかったら金を出せ!」
突きつけられたナイフが俺を強制的に現実に引き戻す
やばい、ヤバイ、本気と書いて『まじ』と読むくらいにやばい
当然強盗なんて初めてだし、ナイフを突きつけられるのも人生で初。
あわわ、慌てててるるな。まだだだだ慌てるようなじょじょじょうきょうじゃない
なんて頭の中では色んな思考が駆け巡ってはいるが体は正直なようで、気がつけばレジにあるお札を握りしめ強盗に渡していた
「いいか、通報なんてするんじゃねぇぞ!追ってこようともするな『ピンポーン』ーーー!?」
最悪だ、本当に最悪だ、真剣と書いて『マジ』と読むくらい最悪だ。何故このタイミングで客が来てしまうのだろうか、神様がいたら殴ってやりたい
入口の方に視線を向けると塾の帰りだろうか、近くにある学校の制服をきた二人の男女が動けずに固まっている
(リア充爆発しろよ、つーか外の警報灯見てないのかよチカチカ光ってんじゃ・・・警報灯点けてねぇ!)
軽く場違いなことを考えていると強盗が舌打ちと共にナイフを構えて走り出そうとしていた
彼らは刺されてしまうのか、未来ある若者の命を奪おうというのか
(それだけはやっちゃダメだろおっさん!)
そう考えると同時に俺の体も動いていた、強盗の腕をつかみ力任せにレジの方に引き寄せる
「!?邪魔するんじゃねぇ!」
「邪魔しない訳にはいかんだろ!入口に突っ立ってるそこのお前ら!逃げて警察呼べ!早く!」
ほんの少し強盗から目を離して後ろを振り返り二人に叫んだ
ドン
それがいけなかったのだろう、視線を前に戻すと強盗が後ろに一歩二歩と後ずさっていく。その手には血が付着したナイフ
・・・・・・なんでナイフに血がついてるのだろうか
「きゃぁぁぁああああああああああ!」
女性に悲鳴が聞こえると同時に腹部に強烈な痛みが襲い始める
痛い痛い痛い、傷口を手で抑えるが血は一向に収まる気配がない
「くそ!くそ!こんなつもりじゃなかったのに!お前らが騒ぐのがいけないんだ!」
強盗は叫びながらまたナイフを構える
同時に怒りが湧き上がってきた
罪を重ねるのか、俺だけでは足りないのか、何故こんなことをするのか
ふざけるなふざけるなふざけるな!
俺は壁になる形で二人の前に立つ。強盗と後ろの二人が何かを叫んでいるが聞こえない
ドン
二回目の衝撃、ただ痛みはなかった。アドレナリンが大量に分泌されると痛みを感じなくなるというが今がその状態なのだろう
強盗はナイフから手を離し、また後ずさる。視線をし下げるともうR-18も真っ青な惨状だった。腹にモザイクかけたい、自分のもんでもグロい
そして悟ってしまった、これは助からない。
ナイフを引き抜き投げ捨てる、抜いたと同時に血がまた吹き出るがもう気にならない
強盗に歩み寄り全力で殴る
グシャ
と、嫌な音が聞こえた。骨でも砕けたのだろうか
もうどうでもいい、それよりも寒い、眠い
意識が覚束無い、何故横たわっているのだろうか
「店員さんしっかりしてください!今救急車呼びましたから!警察もすぐきます!」
体を揺すられてる気がする、何かを言われてる気がする
「頑張ってください!お願いですから死なないでください!」
段々と声が遠ざかっていく、段々と意識が薄れていく
「店員さん!救急車来ましたよ!早く来てください!ここに怪我人がいます!」
少年の叫びも聞こえなくなり、体の感覚もなくなる。そして俺の意識は切れた
「・・・知らない天「気がついた?」ーーーひょう!?」
びっくりした!びっくりした!心臓止まるかと思った!死ぬかと思った!すっごい恥ずかしい声出した!今すんごい心臓バクバクいってる、ありえない程動き回って―――え、動いてなくね?
「Yes!心臓停止してるね!」
え?え?まじで?なんで心臓止まってんの?そしてなんであんたそんなテンション高いの?
「いやもうね、無理やりにでもテンション上げてかないとやってられないのよ!」
テンション上げなくちゃダメな感じですか
「ダメな感じ!ホラ君もテンション上げてこうよ!せーーの、イヤッッホォォォオオ「うるせぇよ!!」ーーーすいませんした!?」
「なんで心臓止まってテンション上がんだよ!こっちはテンションどころかSAN値下がってんだよ!」
「いや・・・その・・・」
「あぁもうマジ信じられん!心臓止まるとか何!?Why!?俺死んだの?死んでんの!?」
「あ、うん。実はもう君h「黙ってろ!!」マジすいませんっした!!!」
「・・・落ち着きましたでしょうか?」
「さっきよりは幾分か・・・」
一時間程騒いだところでようやく現実を受け入れることができた
俺は死んだんだ。強盗に刺されて、出血多量
「そして今いる場所が真っ白な空間とかもう・・・ね。どうしようもねぇじゃないか・・・」
ここはアレだ、きっとアレだ転生の間とかそんななんかだ。SSとかでよく見るもん真っ白な空間。仮に生きてたとしても病室が真っ白とか逆に怖いわ
「いやもう本当にすいませんでした、部下の不手際といえ殺してしまうなんて・・・」
「・・・・・・ちなみに俺の書類はどんな末路を辿った・・・?」
「え゛?聞きたいんですか・・・・・・?」
「え?そんなにやばい?話すのも躊躇われる程やばい?」
「いえ、前回の転生者の方も同じ事を聞いてきまして、聞いた瞬間に泣き出しまして・・・・・・」
前回の奴の書類の方が気になってきた・・・
「・・・・・・前回の奴の書類はどうなったんだ・・・・・・?」
「・・・・・・焼きいm「もういい何も言うな」・・・・・・」
居眠りで書類汚したとか飲み物こぼしたとか色々見てきたけどさ、焼却処分だけは初めて聞いたわ・・・・・・
「ちなみにあなたはシュレッダ「黙れよハゲ天使!!!」禿げてませんから!?」
聞きたくなかったでござる!シュレッダーだから刺殺ってか?ふざけんな!俺も涙出てきたよこんちくしょう!
そんな理由で俺は死んだのか、続きが気になる本とかゲームまだまだあるのに!なのはの映画見てねぇのに!!
「あ、それでしたら転生先は『魔法少女リリカルなのは』にしましょうか?」
Really?
「なんで急に英語なんですか・・・・・・?こちらの比ですし、少し位は自由にできます。ただこちらの世界だと既に一人転生してる人g「こまけぇこたぁいいんだよ!」細かくはないと思うのですが・・・・・・」
いいじゃん!転生ありじゃん!いやーシュレッダーとか聞いたときは目の前の天使?神?こいつの髪の毛全部引き抜いてやろうかと思ったけどそれなら話は別だ!
「おいハゲ!特典とかはあるのかね!」
「ハゲじゃないですって・・・。そうですね・・・あなたの場合人助けの功績もあるので三つ程なら可能ですね」
三つか、なのはの世界なら魔法が使えるわけだが・・・
「いよっし決めたぜ!
1、俺の知識にある剣技を使えるようにする
2、俺の知識にある魔法を使えるようにする
3、努力の才能
こんなところで!」
「1と2は分かりましたが3はどういうことですか?」
む、努力の才能だけじゃわかりづらいか・・・・・・
「単純に考えればいいよ『努力に勝るものはない』これを実際に才能に仕立て上げてみようってこと」
努力なのに才能、矛盾なんて気にしたら生きていけないよ!
「まぁなんとかなるでしょう、転生時に希望する時系列などはありますか?」
時系列か・・・原作前だとStsになる頃に俺がオッサンになるし・・・あ、そっか
「A'sで!、ちょうど映画2期の話題で盛り上がってたし!」
「了解しました・・・今すぐに旅立ちますか?」
「ん~質問しても大丈夫?」
「そんなに多くの質問には答えられませんが・・・なんでしょうか?」
「強盗に巻き込まれた二人の学生、あのあとどうなった?」
「あの二人でしたら、あの後少し塞ぎ込んでしまいましたが無事に受験も終わり今は幸せに暮らしてます。たまにあなたのお墓参りもしてるようですね」
「・・・・・・なんか照れるな・・・・・・」
「あなたが助けたんです、誇ってもいいことですよ。おっと時間が押してますね、申し訳ないですがこれにて出発になります」
「ん?あぁ、了解了解。んじゃお世話になったなハゲ」
「・・・・・・では逝ってらっしゃい!」
フッと、浮遊感に襲われた。足元を見ると床がなく、正面を見ると奴が満面の笑みでこちらを見ていた
「・・・・・・覚えてろよハゲやろぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおお」
絶叫、落下。そうして俺の意識は途絶えた
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